“総後架”のいろいろな読み方と例文
旧字:總後架
読み方割合
そうこうか50.0%
そうごうか50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
裏長屋は総後架そうこうか(いまでいう共同便所のようなもの)といって、厠は二十軒に一つしかない。ここへ来てから、おみき親子のもっとも困ったのはそのことだった。
枡落し (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
露路口に総後架そうこうかのような粗末な木戸があった。入口に三間間口まぐち位な猿小屋があった。大猿小猿が幾段かにつながれていて、おかみさんがせわしなくたべものの世話をしていた。
然るにひとり吾輩の如き世間無用の間人かんじんにあつては、あたかも陋巷の湫路今なほ車井戸と総後架そうごうかとを保存せるが如く、七夕たなばたには妓女と彩紙いろがみつて狂歌を吟じ
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
さて難儀なんぎだ、弱り切るぜ。ほんにさ、猫の額ほどな処で二十六けんと尋ねたが分らねえ。あたかも芥子粒けしつぶ選分えりわけるような仕事だ。そうしてまた意地悪く幾たびでもこの総後架そうごうかに行当たるには恐れる。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)