総後架そうごうか)” の例文
旧字:總後架
然るにひとり吾輩の如き世間無用の間人かんじんにあつては、あたかも陋巷の湫路今なほ車井戸と総後架そうごうかとを保存せるが如く、七夕たなばたには妓女と彩紙いろがみつて狂歌を吟じ
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
さて難儀なんぎだ、弱り切るぜ。ほんにさ、猫の額ほどな処で二十六けんと尋ねたが分らねえ。あたかも芥子粒けしつぶ選分えりわけるような仕事だ。そうしてまた意地悪く幾たびでもこの総後架そうごうかに行当たるには恐れる。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)