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拘
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かゝ
ふりがな文庫
“
拘
(
かゝ
)” の例文
私
(
わし
)
も焼いてしまうべえと思ったが取ってありやすから、これを表向にすれば
貴方
(
あんた
)
のお役にも
拘
(
かゝ
)
わるから、何にも云わずに帰って下せえ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
にも
拘
(
かゝ
)
わらず
虎口
(
ここう
)
を脱したのは、憎まれる半面にそれだけ惜しまれてもいたのであろうが、一つには彼の気転と才智とに依るのである。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
つばめの母親は裏口に頑張つて居り、これは娘の生命に
拘
(
かゝ
)
はるやうな人間を其處から通さなかつたことは、あまりにも明かです。
銭形平次捕物控:265 美しき鎌いたち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
わが
國
(
くに
)
の
如
(
ごと
)
き
地震國
(
ぢしんこく
)
に
於
(
おい
)
ては、
地震
(
ぢしん
)
に
出會
(
であ
)
つたときの
適當
(
てきとう
)
な
心得
(
こゝろえ
)
が
絶對
(
ぜつたい
)
に
必要
(
ひつよう
)
なるにも
拘
(
かゝ
)
らず、
從來
(
じゆうらい
)
かようなものが
缺
(
か
)
けてゐた。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
にも
拘
(
かゝ
)
はらず、
父
(
ちゝ
)
は習慣に囚へられて、
未
(
いま
)
だに此教育に執着してゐる。さうして、一方には、劇烈な生活慾に冒され易い実業に従事した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
それが
睡眠中
(
すゐみんちう
)
の
身體
(
からだ
)
の
置
(
お
)
きやうで一
時
(
じ
)
の
變調
(
へんてう
)
を
來
(
きた
)
したのだかどうだか
分
(
わか
)
らないにも
拘
(
かゝ
)
はらず、
彼
(
かれ
)
は
唯
(
たゞ
)
病氣
(
びやうき
)
故
(
ゆゑ
)
だと
極
(
き
)
めて
畢
(
しま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
凡
(
すべ
)
ての記憶は霧散し去り、己れの生年をさへ忘じ果てたるにも
拘
(
かゝ
)
はらず、我は一個の忘ずること能はざる者を有せり、
啻
(
たゞ
)
に忘ずること能はざるのみならず
我牢獄
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
其身
(
そのみ
)
が世の
名利
(
みやうり
)
に
拘
(
かゝ
)
はらねばなり、
此日
(
このひ
)
見
(
み
)
るもの
皆
(
みな
)
嬉
(
うれ
)
しく、人の
為
(
す
)
る
業
(
わざ
)
を
有難
(
ありがた
)
く
思
(
おも
)
ひしは、朝の心の
快濶
(
くわいくわつ
)
なりしうつりか、
其
(
その
)
飛々
(
とび/\
)
の
独
(
ひとり
)
笑
(
ゑ
)
み
隅田
(
すみだ
)
の
春光
(
しゆんくわう
)
今日
(
けふ
)
新
(
あたら
)
し。
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
それは
一方
(
ひとかた
)
ならぬ大騒で、世話人らしい
印半纏
(
しるしばんてん
)
を着た五十
格好
(
かつかう
)
の
中老漢
(
ちゆうおやぢ
)
が頻りにそれを指図して居るにも
拘
(
かゝ
)
はらず、一同はまだ好く喞筒の
遣
(
つか
)
ひ方に
慣
(
な
)
れぬと覚しく
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
夜毎
(
よごと
)
に盛んな
電灯装飾
(
イルミナシヨン
)
を施して客を呼ぶので、
未
(
ま
)
だ川風が薄ら寒いに
拘
(
かゝ
)
はらず物見だかい
巴里
(
パリイ
)
の中流以下の市民が押掛けて
何
(
ど
)
の遊技館も大繁昌である、中に
一寸
(
ちよつと
)
痛快に感じるのは
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
蔑
(
ないが
)
しろに
致
(
いたし
)
候
上
(
うへ
)
再吟味は天下の御大法に背くとて重き上意の
趣
(
おもぶ
)
きにて越前
閉門
(
へいもん
)
仰付
(
おほせつけ
)
られ既に切腹とも存じ候へ共
若
(
もし
)
明日にも御對顏ある上
萬一
(
まんいち
)
贋者
(
にせもの
)
にてもある時は
取返
(
とりかへ
)
し相成らず
御威光
(
ごゐくわう
)
にも
拘
(
かゝ
)
はり
容易
(
ようい
)
ならざる天下の御
恥辱
(
ちじよく
)
と存じ越前
惜
(
をし
)
からぬ命を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
目黒の與吉は、何が何やら解らない樣子で、ぼんやり二人の話を聽いて居りましたが、氣が付くと
沽券
(
こけん
)
に
拘
(
かゝ
)
はると思つたものか
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
別
(
べつ
)
にそれを
氣
(
き
)
にも
留
(
と
)
めなかつた。
夫
(
それ
)
にも
拘
(
かゝ
)
はらず、
二人
(
ふたり
)
は
漸
(
やうや
)
く
接近
(
せつきん
)
した。
幾何
(
いくばく
)
ならずして
冗談
(
じようだん
)
を
云
(
い
)
ふ
程
(
ほど
)
の
親
(
したし
)
みが
出來
(
でき
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
貧乏
(
びんばふ
)
な
百姓
(
ひやくしやう
)
はいつでも
土
(
つち
)
にくつゝいて
食料
(
しよくれう
)
を
獲
(
う
)
ることにばかり
腐心
(
ふしん
)
して
居
(
ゐ
)
るにも
拘
(
かゝ
)
はらず、
其
(
そ
)
の
作物
(
さくもつ
)
が
俵
(
たはら
)
になれば
既
(
すで
)
に
大部分
(
だいぶぶん
)
は
彼等
(
かれら
)
の
所有
(
しよいう
)
ではない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
が、此の親切な忠告にも
拘
(
かゝ
)
わらず、家中の武士は一層油断なく任務に
就
(
つ
)
くように命ぜられ、夜な/\奥庭の木の間を照らす
篝
(
かゞ
)
り火の数は
殖
(
ふ
)
やされる一方であった。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
彼
(
あれ
)
を言っては
他
(
ほか
)
役人の身の上にも
拘
(
かゝ
)
わるだろうと深く思い
過
(
すぐ
)
して、隠し立てを致すと却って為にならんぞ、定めし
上役
(
うわやく
)
の者が其の方に
折入
(
おりい
)
って頼んだ事も有るであろうが
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その傍には根本家と記した
高張提燈
(
たかはりぢやうちん
)
が、月が
冴々
(
さえ/″\
)
しく満面に照り渡つて居るにも
拘
(
かゝ
)
はらず、極めて
朧
(
おぼろ
)
げに立てられてあるが、自分はそれと聞いて、驚いて、其傍に
駆付
(
かけつ
)
けて
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
或る宗教の
形
(
フオーム
)
に
拘
(
かゝ
)
はり、或る道義の
式
(
システム
)
に
泥
(
なづ
)
みて人生を批判するは、詩人の忌むべき事なり。
情熱
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
「紛失物ですよ。身にも家にも代へられない寶だが、世間へ知れると殿樣のお名前にも
拘
(
かゝ
)
はる、そつと取戻してくれたら、褒美の金は百兩」
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
懇意
(
こんい
)
な
若
(
わか
)
い
青年
(
せいねん
)
が
心易立
(
こゝろやすだて
)
に
話
(
はな
)
し
合
(
あ
)
ふ
遠慮
(
ゑんりよ
)
のない
題目
(
だいもく
)
は、
是迄
(
これまで
)
二人
(
ふたり
)
の
間
(
あひだ
)
に
何度
(
なんど
)
となく
交換
(
かうくわん
)
されたにも
拘
(
かゝ
)
はらず、
安井
(
やすゐ
)
はこゝへ
來
(
き
)
て、
息詰
(
いきづま
)
つた
如
(
ごと
)
くに
見
(
み
)
えた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
短
(
みじか
)
い
夜
(
よ
)
の
頃
(
ころ
)
でも、
朝
(
あさ
)
の
眠
(
ねむ
)
たさが
覿面
(
てきめん
)
に
自分
(
じぶん
)
を
窘
(
たしな
)
めるにも
拘
(
かゝ
)
はらずうそ/\と
歩
(
ある
)
いて
見
(
み
)
ねば
臭
(
くさ
)
い
古
(
ふる
)
ぼけた
蚊帳
(
かや
)
の
中
(
なか
)
に
諦
(
あきら
)
めて
其
(
その
)
身
(
み
)
を
横
(
よこ
)
たへることが
出來
(
でき
)
ないのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
此の訴訟をお
採上
(
とりあ
)
げになりませんと
私
(
わたくし
)
の一命に
拘
(
かゝ
)
わりますと申したので、お採上げになって、直に
松右衛門
(
まつえもん
)
の手で腰縄をかけさせまして
入牢
(
じゅろう
)
と相成り、年寄へ其の趣きを届け
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
筑摩領と檜垣領との国境にある
朝出川
(
あさでがわ
)
の河原に討手を迎えて火の出るように戦ったので、筑摩方は敵に倍する人数であったにも
拘
(
かゝ
)
わらず、散々に討ち破られて牡鹿城へ逃げ帰った。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
貧乏人扱ひにしやがつて、氣に入らねえケチ兵衞だ。泥棒にされちや、親の名にも
拘
(
かゝ
)
はる、
土性骨
(
どしやうぼね
)
を叩き折つて、キリキリ舞ひをさせなきや
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
物理学者でも、ガリレオが寺院の釣り
洋燈
(
らんぷ
)
の一振動の時間が、振動の大小に
拘
(
かゝ
)
はらず同じである事に気が付いたり、ニユートンが林檎が引力で落ちるのを
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
娘お徳どのと互いに
睦
(
むつ
)
ましく暮し、両人の間に出来た子供は
男女
(
なんにょ
)
に
拘
(
かゝ
)
わらず、孝助の
血統
(
ちすじ
)
を以て飯島の相続人と定めくれ、
後
(
あと
)
は
斯々云々
(
こう/\しか/″\
)
と、実に細かに届く飯島の家来思いの切なる
情
(
なさけ
)
に
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「若樣は急に命に
拘
(
かゝ
)
はる事もありますまい。それより大事なのは、お家の
瑕瑾
(
きず
)
にもなる繩付の始末です。利助は何時頃此處を出かけました」
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
で
學校生活
(
がくかうせいくわつ
)
をしてゐるにも
拘
(
かゝ
)
はらず、
兄
(
あに
)
の
日曜
(
にちえう
)
が、
如何
(
いか
)
に
兄
(
あに
)
にとつて
貴
(
たつ
)
といかを
會得
(
ゑとく
)
出來
(
でき
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「俺も解らねえが、こいつは大變な曲者だ。退治しなきや御府内の難儀、お上の
御威光
(
ごゐくわう
)
にも
拘
(
かゝ
)
はる。來い、八。今晩のうちに
埒
(
らち
)
をあけてやる」
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
広瀬中佐の詩に至つては
毫
(
がう
)
も以上の条件を
具
(
そな
)
へてゐない。
已
(
やむ
)
を得ずして
拙
(
せつ
)
な詩を作つたと云ふ痕跡はなくつて、
已
(
やむ
)
を得るにも
拘
(
かゝ
)
はらず俗な句を並べたといふ疑ひがある。
艇長の遺書と中佐の詩
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「でもこいつは褒美も何んにもありませんよ。ちよいと覗いて見たつて、親分の顏にも名前にも
拘
(
かゝ
)
はるわけはありません」
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
すると与次郎が美禰子をイブセン流と評したのも成程と思ひ当る。但し
俗礼
(
ぞくれい
)
に
拘
(
かゝ
)
はらない所丈がイブセン流なのか、或は腹の底の思想迄も、さうなのか。
其所
(
そこ
)
は
分
(
わか
)
らない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
繩張にして居る、この源吉の顏に
拘
(
かゝ
)
はると言ふものだ、——なア八兄哥、今度はお町は井戸へ投げ込まれたに違げえねえなんて言はないことだぜ
銭形平次捕物控:030 くるひ咲
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いつぞや上野へ展覧会を見に行つた時、公園の森の下を歩きながら、自分は
或
(
ある
)
目的をもつて
先刻
(
さつき
)
から足を運ばせてゐるにも
拘
(
かゝ
)
はらず、
未
(
いま
)
だ
曾
(
かつ
)
て一
寸
(
すん
)
も動いてゐないのだと考へたりした。
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「だつて、ケチな長屋のお通夜だつて、酒ぐらゐは出るでせう、八五郎親分を一と晩
渇
(
かつ
)
ゑさしちや、俵屋の
暖簾
(
のれん
)
は兎も角、私の顏に
拘
(
かゝ
)
はるでせう」
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
代助は平岡の
言語
(
げんご
)
の
如何
(
いかん
)
に
拘
(
かゝ
)
はらず、自分の云ふ事丈は云はうと
極
(
き
)
めた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「止さないかよ、馬鹿々々しい、お靜はお勝手口から逃出したぢやないか、お前の話を聽いて居ると、命に
拘
(
かゝ
)
はる」
銭形平次捕物控:278 苫三七の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それからが大變で、——すつかり醉つてしまつて、お
御輿
(
みこし
)
があがりさうもないが、
初會
(
しよけえ
)
から居据つちや、こけんに
拘
(
かゝ
)
はるから、いざ歸らうとなると」
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「これは人の命にも
拘
(
かゝ
)
はる大事なことだ、——外でもない、手代の春之助、お前とは
從兄妹
(
いとこ
)
同士ださうだが、あの男が近頃變な素振りを見せなかつたか」
銭形平次捕物控:197 罠に落ちた女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
相手は武家屋敷だが、これが表沙汰になると、大坪家の家名に
拘
(
かゝ
)
はるから、用人の小峰右内といふ人が、持て餘してそつと、あつしに頼みに來たくらゐだ。
銭形平次捕物控:109 二人浜路
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「もう四半
刻
(
とき
)
も前に人をやつたが、何んとも返事がありません。跡取りがこんな
死樣
(
しにざま
)
をしたことが世上の噂に上ると、家名に
拘
(
かゝ
)
はるとでも思つてゐるんだらう」
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
言ふと、見識に
拘
(
かゝ
)
はると思つてゐるんですね。嫁なんてものは、顏があつてもなくても
仔細
(
しさい
)
はないと——
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
打つか、怪我はしてもまさか命に
拘
(
かゝ
)
はるやうなことがあるめえ。ところが、こんなことになつているんだ
銭形平次捕物控:230 艶妻伝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「待ちなよ、八。三人の娘の命に
拘
(
かゝ
)
はることと言ふと、そいつは向島の越後屋の寮の話ぢやないのか」
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「こんなわけだ。騷ぎが大きくなれば、自然主君の御名前にも
拘
(
かゝ
)
はる。それに、奧方御里方、酒井左衞門尉樣への聞えも如何、——早急に片附ける工夫はないものか」
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それにも
拘
(
かゝ
)
はらず、進んで離屋に寢泊りすることを望んだのは、主人鈴川
主水
(
もんど
)
の眼をのがれて、自由自在に女を引入れられる、飛んでもない自由さがあつたからです。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ところで、その死にかけてゐるのは誰と誰だ、人の命に
拘
(
かゝ
)
はると聞いちや放つても置けまい」
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「この縁談を壞すだけならいゝが、三千兩の行方が判らないとなると、幾人もの命に
拘
(
かゝ
)
はるぜ」
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
尤
(
もつと
)
も、あんな親爺があると知れちや、師匠の人氣に
拘
(
かゝ
)
はるからと、秘し隱しに隱してゐたのが、近頃お幾が病氣で寢込んでしまつて、身内の者が側にゐないと心細いからと
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「他でもない、宇佐美家の
浮沈
(
ふちん
)
に
拘
(
かゝ
)
はる一大事。折入つてお願ひを申上げたいといふのは」
銭形平次捕物控:195 若党の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
拘
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
“拘”を含む語句
拘泥
拘引
不拘
拘々
拘留
拘束
拘攣
拘禁
拘薩羅
拘置所
拘置
拘縛
拘睒弥
拘留所
拘留孫仏
拘留場
拘束力
拘捉
拘引状
拘尸那
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