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其後
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そのあと
ふりがな文庫
“
其後
(
そのあと
)” の例文
其後
(
そのあと
)
から十七八とも思われる娘が、髪は
文金
(
ぶんきん
)
の
高髷
(
たかまげ
)
に
結
(
ゆ
)
い、着物は
秋草色染
(
あきくさいろぞめ
)
の
振袖
(
ふりそで
)
に、
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
の
長襦袢
(
ながじゅばん
)
に
繻子
(
しゅす
)
の帯をしどけなく結び
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ドクトルは
其後
(
そのあと
)
を
睨
(
にら
)
めてゐたが、
匆卒
(
ゆきなり
)
ブローミウム
加里
(
カリ
)
の
壜
(
びん
)
を
取
(
と
)
るより
早
(
はや
)
く、
發矢
(
はつし
)
と
計
(
ばか
)
り
其處
(
そこ
)
に
投
(
なげ
)
付
(
つけ
)
る、
壜
(
びん
)
は
微塵
(
みぢん
)
に
粉碎
(
ふんさい
)
して
了
(
しま
)
ふ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
例
(
れい
)
の
下
(
した
)
を
向
(
む
)
いて
悠々
(
いう/\
)
と
小取廻
(
ことりまはし
)
に
通抜
(
とほりぬ
)
ける
旅僧
(
たびそう
)
は、
誰
(
たれ
)
も
袖
(
そで
)
を
曳
(
ひ
)
かなかつたから、
幸
(
さいはひ
)
其後
(
そのあと
)
に
跟
(
つ
)
いて
町
(
まち
)
へ
入
(
はい
)
つて、
吻
(
ほツ
)
といふ
息
(
いき
)
を
吐
(
つ
)
いた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、口小言を言い言い、母も渋々起きて、
雪洞
(
ぼんぼり
)
を
点
(
つ
)
けて
起上
(
たちあが
)
ったから、私も
其後
(
そのあと
)
に
随
(
つ
)
いて、玄関——と云ってもツイ次の間だが、玄関へ出た。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
彼は
障碍物
(
しょうがいぶつ
)
競走をするような形で、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
冷
(
つめた
)
い石門の下を這って通ると、
其後
(
そのあと
)
からお杉の痩せた身体が蛇のようにするすると抜け出して来た。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
下女
(
げぢよ
)
が
茶
(
ちや
)
を
運
(
はこ
)
ぶために
襖
(
ふすま
)
を
開
(
あ
)
けると、
襖
(
ふすま
)
の
影
(
かげ
)
から
大
(
おほ
)
きな
眼
(
め
)
が
四
(
よつ
)
つ
程
(
ほど
)
既
(
すで
)
に
宗助
(
そうすけ
)
を
覗
(
のぞ
)
いてゐた。
火鉢
(
ひばち
)
を
持
(
も
)
つて
出
(
で
)
ると、
其後
(
そのあと
)
から
又
(
また
)
違
(
ちが
)
つた
顏
(
かほ
)
が
見
(
み
)
えた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其後
(
そのあと
)
へ
自轉車隊
(
じてんしやたい
)
が
來
(
き
)
て、
居合
(
ゐあは
)
せた
農夫
(
のうふ
)
に、
二人連
(
ふたりづれ
)
の、
人相
(
にんさう
)
の
惡
(
わる
)
い
男子
(
をとこ
)
が、
此邊
(
このへん
)
をうろ/\して
居
(
ゐ
)
なかつたかと
問
(
と
)
うて
見
(
み
)
ると、
農夫
(
のうふ
)
頗
(
すこぶ
)
る
振
(
ふる
)
つた
答
(
こた
)
へをした。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
野原
(
のはら
)
を
横斷
(
よこぎ
)
つて
其後
(
そのあと
)
を
追蒐
(
おツか
)
けて
行
(
い
)
つて、
丁度
(
ちやうど
)
それが
生垣
(
いけがき
)
の
下
(
した
)
の
大
(
おほ
)
きな
兎穴
(
うさぎあな
)
に
跳
(
と
)
び
下
(
お
)
りるのを
見
(
み
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
纜
(
もやひ
)
を
繋
(
つな
)
ぐや徳二郎も續いて石段に
上
(
あが
)
り、先に立つてずん/\登つて行く、
其後
(
そのあと
)
から僕も無言で
從
(
つい
)
て登つた。石段は其幅半間より狹く、兩方は高い壁である。
少年の悲哀
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
其後
(
そのあと
)
へ
入違
(
いれちが
)
つて
這入
(
はいつ
)
て
来
(
き
)
ましたのが、
二子
(
ふたこ
)
の
筒袖
(
つゝそで
)
に
織色
(
おりいろ
)
の
股引
(
もゝひき
)
を
穿
(
は
)
きまして
白足袋
(
しろたび
)
麻裏草履
(
あさうらざうり
)
と
云
(
い
)
ふ
打扮
(
こしらへ
)
で男
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
調子
(
てうし
)
づいた
独唱
(
どくせう
)
が二つばかりつづいた。そして
前
(
まえ
)
に
叙事詩
(
じよじし
)
のやうなものを
朗読
(
らうどく
)
した
多分
(
たぶん
)
代理大使
(
だいりたいし
)
の
夫人
(
ふじん
)
だとおもはるゝ
婦人
(
ふじん
)
が
其後
(
そのあと
)
で又
舞台
(
ぶたい
)
のうへで
朗読
(
らうどく
)
をはじめた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
憎
(
にく
)
むべきに非ず
猶
(
なほ
)
其後
(
そのあと
)
は
何
(
どう
)
ぢやと云るゝに平左衞門其御沙汰は恐入候何事も皆私し儀全く
行屆
(
ゆきとゞ
)
かざる故成ば
何處迄
(
どこまで
)
も私し儀
罪
(
つみ
)
に
陷
(
おちい
)
り候と然も
忠臣
(
ちうしん
)
らしく申ければ大岡殿
是
(
これ
)
平左衞門其方が惡事は
最早
(
もはや
)
夫迄
(
それまで
)
なるか
未々
(
まだ/\
)
申儀が
澤山
(
たくさん
)
有んサア
何
(
どう
)
ぢや今少申立ぬか其方が申し立てねば此方より
尋
(
たづね
)
ることありと申されければ平左衞門は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
母は
起
(
た
)
って奥へ入ると、重太郎も黙って
其後
(
そのあと
)
につづいた。窟の奥は昼も真暗であったが、お杉の
点
(
とも
)
す
一挺
(
いっちょう
)
の蝋燭に
因
(
よ
)
っておぼろおぼろに明るくなった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
直
(
す
)
ぐ
其後
(
そのあと
)
から
愛
(
あい
)
ちやんも
下
(
お
)
りて
行
(
ゆ
)
きました。
今度
(
こんど
)
は
何
(
ど
)
うして
出
(
で
)
て
來
(
こ
)
やうかと
云
(
い
)
ふやうなことは
些
(
ちつ
)
とも
考
(
かんが
)
へずに。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
さうして
其後
(
そのあと
)
へはすぐ
翌
(
あく
)
る
日
(
ひ
)
から新しい患者が
入
(
はい
)
つて、入口の柱に白く名前を書いた黒塗の札が
懸易
(
かけか
)
へられた。
変な音
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
何
(
ど
)
うぞ
其後
(
そのあと
)
を、それから、」と
聞
(
き
)
く
身
(
み
)
には
他事
(
たじ
)
をいふうちが
悶
(
もど
)
かしく、
膠
(
にべ
)
もなく
続
(
つゞき
)
を
促
(
うなが
)
した。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
菓子
(
くわし
)
は
疾
(
と
)
くに
平
(
たひら
)
げて
了
(
しま
)
つて、
其後
(
そのあと
)
へ
持參
(
ぢさん
)
の
花竦薑
(
はならつきやう
)
を、
壜
(
びん
)
から
打明
(
うちあ
)
けて、
酒
(
さけ
)
の
肴
(
さかな
)
にして
居
(
ゐ
)
る。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
彼
(
かれ
)
は
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
つて
動
(
うご
)
き
出
(
だ
)
しました、
福鼠
(
ふくねずみ
)
が
其後
(
そのあと
)
に
隨
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
きました、三
月兎
(
ぐわつうさぎ
)
は
福鼠
(
ふくねずみ
)
の
居
(
ゐ
)
た
場所
(
ばしよ
)
へ
移
(
うつ
)
りました、
愛
(
あい
)
ちやんは
厭々
(
いや/\
)
ながら三
月兎
(
ぐわつうさぎ
)
の
居
(
ゐ
)
た
所
(
ところ
)
へ
行
(
ゆ
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「もう
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
でせう。
頓服
(
とんぷく
)
を一
回
(
くわい
)
上
(
あ
)
げますから
今夜
(
こんや
)
飮
(
の
)
んで
御覽
(
ごらん
)
なさい。
多分
(
たぶん
)
寐
(
ね
)
られるだらうと
思
(
おも
)
ひます」と
云
(
い
)
つて
醫者
(
いしや
)
は
歸
(
かへ
)
つた。
小六
(
ころく
)
はすぐ
其後
(
そのあと
)
を
追
(
お
)
つて
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
居合わす四五人は
其後
(
そのあと
)
を
尾
(
つ
)
けて行くと、お杉は
顧
(
みかえ
)
りもせずに、町の真中を悠々と歩いていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
其後
(
そのあと
)
から
爪先上
(
つまさきあが
)
り、
軈
(
やが
)
てまた
太鼓
(
たいこ
)
の
胴
(
どう
)
のやうな
路
(
みち
)
の
上
(
うへ
)
へ
体
(
からだ
)
が
乗
(
の
)
つた、
其
(
それ
)
なりに
又
(
また
)
下
(
くだ
)
りぢや。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其次
(
そのつぎ
)
には
經濟
(
けいざい
)
を
心得
(
こゝろえ
)
る
人
(
ひと
)
は、
衞生
(
ゑいせい
)
に
注意
(
ちゆうい
)
する
人
(
ひと
)
は、
火
(
ひ
)
の
用心
(
ようじん
)
を
好
(
この
)
むものは、と三
行
(
ぎやう
)
に
並
(
なら
)
べて
置
(
お
)
いて
其後
(
そのあと
)
に
瓦斯竈
(
ガスがま
)
を
使
(
つか
)
へと
書
(
か
)
いて、
瓦斯竈
(
ガスがま
)
から
火
(
ひ
)
の
出
(
で
)
てゐる
畫
(
ゑ
)
迄
(
まで
)
添
(
そ
)
へてあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
はて、不思議と見てゐる
中
(
うち
)
に、彼は
既
(
すで
)
に二
間
(
けん
)
ばかりも歩き出した。私は一種の好奇心に駆られて、
背後
(
うしろ
)
から
其後
(
そのあと
)
を
尾
(
つ
)
けやうと、
跫音
(
あしおと
)
を
偸
(
ぬす
)
んで一歩
蹈
(
ふ
)
み出すや否や、彼は
忽
(
たちま
)
ち
顧
(
みかえ
)
つた。
雨夜の怪談
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
今度
(
こんど
)
の新聞にも
略
(
ほゞ
)
同様の事が載つてゐる。そこ丈は別段に
新
(
あた
)
らしい印象を
起
(
おこ
)
しやうもないが、
其後
(
そのあと
)
へ
来
(
き
)
て、三四郎は驚ろかされた。広田先生が大変な不徳義漢の様に書いてある。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
後
常用漢字
小2
部首:⼻
9画
“其後”で始まる語句
其後任
其後者