作用さよう)” の例文
〔譯〕雲煙うんえんむことを得ざるにあつまる。風雨ふううは已むことを得ざるにる。雷霆らいていは已むことを得ざるにふるふ。こゝに以て至誠しせい作用さようる可し。
たとへば鐵砲てつぽう彈丸たま遠方えんぽうばす原因げんいん火藥かやく爆發力ばくはつりよくであるが、これを實現じつげんせしめる副原因ふくげんいん引金ひきがねはづ作用さようである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
たゞ一寸ちよつともらしてくが、このてい百種ひやくしゆ機關きくわん作用さようつかさど動力どうりよくつね蒸氣力じようきりよくでもなく電氣力でんきりよくでもなく、現世紀げんせいきにはいまられざる一種いつしゆ化學的作用くわがくてきさよう
われわれは山へむもよい、塵界じんかいを去るもよいが、それが理想を養う必要条件では断じてない。理想は心の作用さようである、実際は身体の作用である。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
なんとなれば、無智むちには幾分いくぶんか、意識いしき意旨いしとがある。が、作用さようにはなにもない。たいして恐怖きょうふいだ臆病者おくびょうものは、のことをもっ自分じぶんなぐさめることが出来できる。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
兩者りやうしやあひだには何等なんら性質せいしつ變化へんくわせしむべき作用さようおこるでもなく、れはみづあぶら疎外そぐわいするのか、あぶらみづ反撥はんぱつするのかつひ機會きくわいいのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「そんなことうそさ、あたたかい空気くうきつめたい空気くうき作用さよう台風たいふうができるんだと、学校がっこう先生せんせいがいっていたよ。」
台風の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これで考えても彼等の礼服なるものは一種の頓珍漢的とんちんかんてき作用さようによって、馬鹿と馬鹿の相談から成立したものだと云う事が分る。それが口惜くやしければ日中にっちゅうでも肩と胸と腕を出していて見るがいい。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かういふふうに、日光につこうちからをかりて、その木自身きじしんやしなひ、生活せいかつをつゞけていく、この作用さようを『炭素同化作用たんそどうかさよう』といひます。樹木じゆもく青々あを/\しげつてゐるのは、この重大じゆうだい役目やくめをはたすためです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
一種いつしゆ蜃氣樓しんきろうごと作用さよう此處こゝうつつたのかもわかりません。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たゞ地震ぢしんおこようすなは地震ぢしんはいかなる場所ばしよおいてどんな作用さようおこるかの大體だいたい觀念かんねんるため、地球ちきゆう表面ひようめんちか部分ぶぶん構造こうぞうべさしてもらひたい。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
このてい外形ぐわいけい以上いじやうごとくであるが、さて海底戰鬪艇かいていせんとうてい敵艦てきかん轟沈がうちんするには、如何いかなる方法てだてるかといふに、それは二種にしゆことなつたる軍器ぐんき作用さようるのである。
つち徹宵よつぴてさういふ作用さよういとなんだばかりに、拂曉あけがたそらからよこにさうしてなゝめしもかして、西風にしかぜたゞちにそれをかわかして残酷ざんこく表土へうどほこり空中くうちうくる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
人世のことは何事なにごとにかかわらず微妙なる精神的作用さようがあって、始めて自分の目的が達せられる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
ああ物質ぶっしつ新陳代謝しんちんたいしゃよ。しかしながら不死ふし代替だいたいもって、自分じぶんなぐさむるとうことは臆病おくびょうではなかろうか。自然しぜんにおいておこところ無意識むいしきなる作用さようは、人間にんげん無智むちにもおとっている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
地球ちきゆう自轉じてん其他そのた作用さようで、次第しだいはなばなれになつて今日こんにちのようになつたものとしんじられてゐる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
かれなはふにも草鞋わらぢつくるにも、それある凝塊しこりすべての筋肉きんにく作用さよう阻害そがいしてるやうで各部かくぶ疼痛とうつうをさへかんずるのであつた。器用きようかれ手先てさき彼自身かれじしんものではなくなつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
いまはそれ/″\適當てきたう位置いち配置はいちされて、すでに幾度いくたび作用さようをなした形跡けいせき歴然れきぜんえる。
が、作用さようにはなにもない。たいして恐怖きようふいだ臆病者おくびやうものは、こともつ自分じぶんなぐさめること出來できる。すなはたい將來しやうらいくさいしひきがへるうちつて、生活せいくわつするとこともつなぐさむることが出來できる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
普通にいうしゃくさわるとか、虫が好かないとか、はなはだばくとした言葉をもって、われわれの感情的の作用さようをいいあらわしているが、このしゃく、この虫がわれわれ日常の生活をどれほど害しているのか
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
しかしながら不死ふし代替だいたいもつて、自分じぶんなぐさむるとこと臆病おくびやうではなからうか。自然しぜんおいおこところ無意識むいしきなる作用さようは、人間にんげん無智むちにもおとつてゐる。なんとなれば、無智むちには幾分いくぶんか、意識いしき意旨いしとがある。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)