ふく)” の例文
さいきん、ふくかわをかぶった子どもが生まれました。こういう子どもは、なにをやってもいいうんにめぐまれているものです。
われく、むかし呉道子ごだうし地獄變相ぢごくへんさうつくる。成都せいとひと一度ひとたびこれるやこと/″\戰寒せんかんしてつみおそれ、ふくしうせざるなく、ために牛肉ぎうにくれず、うをかわく。
聞きたるまゝ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「やっぱり、玉井さんが、正しい方じゃけ、ふくがついて廻るとですよ。このうち、金比羅山の花見では、とんと、玉井さんのお世話になりました」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
そして二人は暗默あんもくの内にもおたがひ何物なにものかの中にぴつたりとけあつてゐるやうな、その日ごろにない甘い、しみじみした幸ふくかんをそれぞれにかんじてゐた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
そんなら其子そのこくなつてか、可憐かわいさうなとおくさまあはれがりたまふ、ふく得意とくいに、此戀このこひいふもはぬも御座ござりませぬ、子供こどもことなればこゝろにばかりおもふて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
福々ふく/\で思ひ出したが、七ふくまはりふのは一たいきみ何処どこくんだ。甲「ぼくの七ふくまはりといふのは豪商紳士がうしやうしんしもとまはるのさ。乙「へ、へ——何処どこへ。 ...
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「いや、なによりもいちばん、あのじいさんのほおのこぶるのがいいだろう。こぶふくのあるものだから、じいさんのいちばんだいじなものにちがいない。」
瘤とり (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
きみ、このたけは、らしてあるんだぜ。りざおにするって、ふくちゃんのおじさんが、っておいたのだけれど、さきれたからといって、ぼくにくれたのだ。
へちまの水 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けい州の太守が一家を連れて、ふく州から任地へおもむく途中、やはりこの潮州を通りかかると、元来このあたりには野生の象が多くて、数百頭が群れをなしている。
つかんで十兵衞が其の儘息はたえにけり長庵刀の血をぬぐひてさやに納め懷中くわいちう胴卷どうまきを取だし四十二兩はふくかみおとゝの身には死神しにがみおのれがどうにしつかりくゝり雨もやまぬにからかさ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
綺麗さでは評判の高いおふくという十九の娘、——これが本当の祝言だと、ガラッ八は十手捕縄を返上して、大店おおだなの聟養子に納まるところですが、残念ながらそんなうまいわけには行きません。
ふくがお前を待ち兼ねているだろう。11150
そも勇者には、忽然こつねんわざはひふくに轉ずべく
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
みょうふくかみ
透明猫 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と、おにのおかあさんはふくの子にたずねました。けれども、このひとは、そんなにたちがわるいようには見えませんでした。
ふくやいそいでお医者様いしやさまへおとつさんそこにつてらつしやらないでうかしてやつてださいりやうさん鳥渡ちよつと手拭てぬぐひ
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ハテ品川しながは益田孝君ますだかうくんさ、一あたまが三じやくのびたといふがたちまふくろく益田君ますだくんと人のあたまにるとはじつ見上みあげたひとです、こと大茶人だいちやじん書巻しよくわんを愛してゐられます
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
また、みなはいぞめのあさであったから、夜中よなかからまちへいって、ふくにありつこうとしていました。
金銀小判 (新字新仮名) / 小川未明(著)
抱へるゆゑ何事も商賣向にあかるく繁昌はんじやうなすに付て小兵衞は女房をもたんと思ひ是も工風くふうして御殿女中の下りを尋ね宿の妻として都合つがふよく日増ひましに内ふくと成たりけり夫に引替向ふ見ずの三吉は三百兩の金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そも勇者には、忽然こつねんわざはひふくに転ずべく
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
ふくを分けておいただきなさい。
そこで、王さまはふくの子に、じぶんのたのんだ手紙はどうなったのか、どうしてまた、かわりにべつの手紙をもってきたのか、と、たずねました。
其後そのごなんおもへばとてこたへるものまつかぜで、うも仕方しかたからうでは御座ござんせぬか、さてそれからが本文ほんもん御座ござんすとてわらふに、ふく加減かげんなこしらへごと
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
をとこみんなあんなものおほいからとおふくわらすに、わるあてこすりなさる、みゝいたいではいか、れはえても不義理ふぎり土用干どようぼしこと人間にんげん
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
千代ちいちやんひどく不快わるくでもなつたのかいふくくすりましてれないかうした大変たいへん顔色かほいろがわろくなつてたおばさん鳥渡ちよつと良之助りやうのすけこゑおどかされてつぎ祈念きねん
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こらせしはゝ水初穂取みづはつほとりにながもとちしおふく狼狽敷あはたゞしく枕元まくらもとにあつまればお千代ちよぢたるらき。
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
奇麗きれいよめさんをもらつてれてあるくやうにるのだがなあ、おいらはなんでも奇麗きれいのがきだから、煎餅せんべいやのおふくのやうな痘痕みつちやづらや、まきやのお出額でこのやうなのが萬一もしようなら
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)