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波間
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なみま
ふりがな文庫
“
波間
(
なみま
)” の例文
ただ、その
証拠
(
しょうこ
)
に、もはや、このオルガンの
音色
(
ねいろ
)
が
海
(
うみ
)
の
上
(
うえ
)
をころがっても、
魚
(
さかな
)
が、
波間
(
なみま
)
に
跳
(
は
)
ねるようなことはなかったのであります。
楽器の生命
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それは
波間
(
なみま
)
に一台の
黄金
(
こがね
)
づくりの車があって、その上に
裸体
(
らたい
)
の美の女神ヴィーナスが髪をくしけずりながら
艶然
(
えんぜん
)
と笑っているのであった。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
若者
(
わかもの
)
も
思
(
おも
)
はず
手
(
て
)
を
合
(
あ
)
はしました。
見
(
み
)
るが
中
(
うち
)
に
日
(
ひ
)
は
波間
(
なみま
)
を
離
(
はな
)
れ、
大空
(
おほぞら
)
も
海原
(
うなばら
)
も
妙
(
たへ
)
なる
光
(
ひかり
)
に
滿
(
み
)
ち、
老人
(
らうじん
)
と
若者
(
わかもの
)
は
恍惚
(
くわうこつ
)
として
此景色
(
このけしき
)
に
打
(
うた
)
れて
居
(
ゐ
)
ました。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
その
妃
(
きさき
)
を描き
女神
(
めがみ
)
を描き、
或
(
ある
)
は
紅
(
くれない
)
の島に
群
(
む
)
れなして
波間
(
なみま
)
に浮ぶナンフ或は妖艶の人魚の姫。或はまた四季の眺めを
形取
(
かたど
)
る肉付のよきポモンの女神。
浮世絵の鑑賞
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今
(
いま
)
其
(
その
)
美
(
うる
)
はしく
殊勝
(
けなげ
)
なる
夫人
(
ふじん
)
が、
印度洋
(
インドやう
)
の
波間
(
なみま
)
に
見
(
み
)
えずなつたと
聞
(
き
)
いては、
他事
(
ひとごと
)
と
思
(
おも
)
はれぬと、そゞろに
哀
(
あわれ
)
を
催
(
もよう
)
したる
大佐
(
たいさ
)
は、
暫時
(
しばらく
)
して
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
いた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
こうして、女は、手つだいをした男といっしょに、
穴
(
あな
)
をあけた
舟
(
ふね
)
にのせられて、海につきだされました。ふたりは、まもなく
波間
(
なみま
)
にしずんでしまいました。
三枚のヘビの葉
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
右
(
みぎ
)
の
歌
(
うた
)
を
歌
(
うた
)
い
終
(
おわ
)
ると
共
(
とも
)
に、いつしか
私
(
わたくし
)
の
躯
(
からだ
)
は
荒
(
あ
)
れ
狂
(
くる
)
う
波間
(
なみま
)
に
跳
(
おど
)
って
居
(
お
)
りました、その
時
(
とき
)
ちらと
拝
(
はい
)
したわが
君
(
きみ
)
のはっと
愕
(
おどろ
)
かれた
御面影
(
おんおもかげ
)
——それが
現世
(
げんせ
)
での
見納
(
みおさ
)
めでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
八幡船
(
ばはんせん
)
の親船がかえってきたのだ。もうすぐそこ——島から数町の
波間
(
なみま
)
のちかくへ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
王子のこころのなかには、花よめのことだけしかありません。短刀は、人魚のひいさまの手のなかでふるえました。——でも、そのとき、ひいさまは短刀を
波間
(
なみま
)
とおく投げ入れました。
人魚のひいさま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
下
(
した
)
なる流にはわれ
一葉
(
いちよう
)
の舟を
泛
(
うか
)
べて、かなたへむきてもろ手高く挙げ、
面
(
おもて
)
にかぎりなき愛を見せたり。舟のめぐりには数知られぬ、『ニックセン』、『ニュムフェン』などの形
波間
(
なみま
)
より出でて
揶揄
(
やゆ
)
す。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
いかづちの火の岩に落ち
波間
(
なみま
)
に落ちて消ゆるまも
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
波間
(
なみま
)
にもがく白い手の
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
かかる
夜
(
よ
)
の
黒
(
くろ
)
き
波間
(
なみま
)
を
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
夕
(
ゆふ
)
べ
星
(
ほし
)
波間
(
なみま
)
に
沈
(
しづ
)
み
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
このとき、
二郎
(
じろう
)
は、ふと
沖
(
おき
)
の
方
(
ほう
)
を
見
(
み
)
ますと、そこにはわき
出
(
で
)
たように、
赤
(
あか
)
い
船
(
ふね
)
が
青
(
あお
)
い
海
(
うみ
)
の
波間
(
なみま
)
に
浮
(
う
)
かんでいたのであります。
赤い船のお客
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私
(
わたくし
)
は
今
(
いま
)
、
春枝夫人
(
はるえふじん
)
が
波間
(
なみま
)
に
沈
(
しづ
)
んだと
聞
(
き
)
いても、どうも
不幸
(
ふこう
)
なる
最後
(
さいご
)
を
遂
(
と
)
げられたとは
思
(
おも
)
はれない、
或
(
あるひ
)
は
意外
(
いぐわい
)
の
救助
(
すくひ
)
を
得
(
え
)
て、子ープルスなる
良君
(
をつと
)
の
許
(
もと
)
へ
皈
(
かへ
)
つて、
今頃
(
いまごろ
)
は
却
(
かへつ
)
て
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その
妃
(
きさき
)
を描き
女神
(
めがみ
)
を描き、
或
(
ある
)
は
紅
(
くれない
)
の島に群れなして
波間
(
なみま
)
に浮ぶナンフ或は
妖艶
(
ようえん
)
の人魚の姫。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それから十五分ほどたって、四隻がてんでに
舷側
(
げんそく
)
から火をふきながら、仲よく揃って、ぶくぶくと
波間
(
なみま
)
に沈み去ったその
壮観
(
そうかん
)
たるや、とても私の
筆紙
(
ひっし
)
に
尽
(
つく
)
し得るものではなかった。
のろのろ砲弾の驚異:――金博士シリーズ・1――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
入海
(
いりうみ
)
の
波間
(
なみま
)
にも
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
つばめはしきりに、
空
(
そら
)
を
飛
(
と
)
んで
鳴
(
な
)
いています。
船
(
ふね
)
の
影
(
かげ
)
は、
黒
(
くろ
)
く、ちょうど
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
を
浮
(
う
)
かべたように、
濃
(
こ
)
く
青
(
あお
)
い
波間
(
なみま
)
に
見
(
み
)
えたり、
隠
(
かく
)
れたりします。
海のかなた
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
此時
(
このとき
)
不意
(
ふい
)
に、
波間
(
なみま
)
から
跳
(
をど
)
つて、
艇中
(
ていちう
)
に
飛込
(
とびこ
)
んだ
一尾
(
いつぴき
)
の
小魚
(
こざかな
)
、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
小猫
(
こねこ
)
の
如
(
ごと
)
く
身
(
み
)
を
飜
(
ひるがへ
)
して、
捕
(
と
)
つて
押
(
おさ
)
へた。『に、
逃
(
にが
)
しては。』と
私
(
わたくし
)
も
周章
(
あは
)
てゝ、
其
(
その
)
上
(
うへ
)
に
轉
(
まろ
)
びかゝつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けると、はるか
目
(
め
)
の
下
(
した
)
の
波間
(
なみま
)
に、
赤
(
あか
)
い
船
(
ふね
)
が、
暴風
(
ぼうふう
)
のために、くつがえっているのを
見
(
み
)
ました。それは、
王
(
おう
)
さまのお
迎
(
むか
)
えに
出
(
だ
)
された
赤
(
あか
)
い
船
(
ふね
)
です。
赤い船とつばめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
余は甲板上の
前檣
(
ぜんしょう
)
にもたれて四方を見渡すに、眼に入るかぎり船もなく島もなく、ただ気味悪きほどの蒼き
波間
(
なみま
)
に、一頭の巨鯨の潮ふけるが見ゆるばかり、かかる光景を見ては
南極の怪事
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
ある
日
(
ひ
)
のこと、
幾
(
いく
)
そうかの
船
(
ふね
)
は、いつものごとく
青
(
あお
)
い
波間
(
なみま
)
に
浮
(
う
)
かんで、
漁
(
りょう
)
をしていたのです。すると、
天気
(
てんき
)
がにわかにかわって、ひどい
暴風
(
ぼうふう
)
となりました。
南方物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そのとき
海
(
うみ
)
の
中
(
なか
)
に
音楽
(
おんがく
)
が
響
(
ひび
)
いて、
一個
(
ひとつ
)
の
大
(
おお
)
きなかめが
波間
(
なみま
)
に
浮
(
う
)
き
出
(
で
)
て、
海
(
うみ
)
の
中
(
なか
)
の
子供
(
こども
)
を
迎
(
むか
)
えにきました。
海の少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二人
(
ふたり
)
は、
同時
(
どうじ
)
に
叫
(
さけ
)
びました。
赤
(
あか
)
い
夕日
(
ゆうひ
)
は、ちょうど
波間
(
なみま
)
に
沈
(
しず
)
もうとしています。
二人
(
ふたり
)
は、
遠
(
とお
)
く
歩
(
ある
)
いてきた
道
(
みち
)
をかえり
見
(
み
)
ながら、
岩
(
いわ
)
の
上
(
うえ
)
に
腰
(
こし
)
を
下
(
お
)
ろして
休
(
やす
)
みました。
トム吉と宝石
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
三
人
(
にん
)
はある
岩
(
いわ
)
の
上
(
うえ
)
に
立
(
た
)
ちまして、きれいなたいまい
色
(
いろ
)
の
雲
(
くも
)
が
空
(
そら
)
に
飛
(
と
)
んでいました。
娘
(
むすめ
)
らは
手
(
て
)
に
持
(
も
)
っている
赤
(
あか
)
い
紙
(
かみ
)
に
小
(
ちい
)
さな
石
(
いし
)
を
包
(
つつ
)
んで、それを
波間
(
なみま
)
めがけて
投
(
な
)
げました。
夕焼け物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
はるか、かなたには、
海岸
(
かいがん
)
の
小高
(
こだか
)
い
山
(
やま
)
にある、
神社
(
じんじゃ
)
の
燈火
(
あかり
)
がちらちらと
波間
(
なみま
)
に
見
(
み
)
えていました。
赤いろうそくと人魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして、
赤
(
あか
)
い
船
(
ふね
)
の
影
(
かげ
)
は、
波間
(
なみま
)
にうすれて、
見
(
み
)
えたり、
消
(
き
)
えたりしています。
赤い船のお客
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
はるかの
波間
(
なみま
)
に
島
(
しま
)
が
見
(
み
)
えたので
大
(
おお
)
いに
喜
(
よろこ
)
び、
心
(
こころ
)
を
励
(
はげ
)
ましました。
不死の薬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして、
波間
(
なみま
)
に、
赤
(
あか
)
い
船
(
ふね
)
が
見
(
み
)
えると
赤い船とつばめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
波
常用漢字
小3
部首:⽔
8画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
“波間”で始まる語句
波間隠