トップ
>
極
>
き
ふりがな文庫
“
極
(
き
)” の例文
「何が馬鹿だい、そいつは
乞食
(
こじき
)
の金じゃねエんだ、猫ババを
極
(
き
)
めこむと唯じゃすまねエぞ、サア悪いことはいわない、素直に返しな」
悪人の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
じゃ
下手人
(
げしゅにん
)
ではなかったのですね。でも、同類でないとは
極
(
き
)
められませんよ。彼等は実に符節を合わすように似ているんですからね。
殺人迷路:05 (連作探偵小説第五回)
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼の意地はむしろ彼女の思いがけない弱気を示した態度につけ込んで、出来るだけの強味と素気なさを見せていようと度胸を
極
(
き
)
めた。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
庭の掃除はこれまで朝一度に
極
(
き
)
まっていたのに、こないだの事があってからは、梅が朝晩に掃除をするので、これも手が出しにくい。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
お葉は覚悟を
極
(
き
)
めた。
𤢖
(
わろ
)
見たような奴等の
玩弄
(
おもちゃ
)
になる位ならば、
寧
(
いっ
)
そ死んだ方が
優
(
まし
)
である。
彼女
(
かれ
)
は足の向く方へと
遮二無二
(
しゃにむに
)
と進んだ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
おい、男がものを言掛けるには、もしそれが肯入れなかったらどうする、と覚悟を
極
(
き
)
めてかかるのが法だ。……恥を知れ、恥を知れ。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そりゃあそうよ、初めに条件を
極
(
き
)
めて置くのよ。———どう? 承知した? そんなにまでしてあたしを奥さんに持つのはイヤ?」
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
どれを問題にすると云ふことを
極
(
き
)
めておいて皆でいろんな方面から研究してこの次のか次の次のかで発表することにしたらと思ひます。
編輯室より:(一九一五年七月号)
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
従来
極
(
き
)
わめて親切に
且
(
か
)
つ妥当な批評をして来た、甲賀三郎氏が
是
(
これ
)
に
就
(
つ
)
いて、批評しなかったということを、私には鳥渡受け取れません。
印象に残った新作家
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それで私は夏の間あまり日照りが続いた為に、葉がいたんで色が冴えないのであろうと独りで
極
(
き
)
めて、自ら慰めていたのであった。
尾瀬雑談
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
私は木曾に一晩
宿
(
とま
)
ったとき、夜ふけて一度この鳥のこえを聴いたことがあるので、その時にはもう仏法僧鳥と
極
(
き
)
めてしまっていた。
仏法僧鳥
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
元来
呑気
(
のんき
)
な連中の事とて、発車時間表もよくは調べず、誰言うとなく十時に
極
(
き
)
めておったのだ、とにかく約二時間待たねばならぬ。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
それを
極
(
き
)
まり悪そうにもしないで、彼の聞くことを穏やかにはきはきと受け答えする。——信子はそんな好もしいところを持っていた。
城のある町にて
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
いやいや、
初
(
はじ
)
めがあれば
終
(
おわ
)
りのあるものだ。
生
(
う
)
まれたものは
必
(
かなら
)
ず
死
(
し
)
ぬに
極
(
き
)
まったものだ。これは
人間
(
にんげん
)
の
定
(
さだ
)
まった
道
(
みち
)
でしかたがない。
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
と
咄嗟
(
とっさ
)
に腹を
極
(
き
)
めた私は、赤いレッテルの生長液の入った壜をとりあげて栓を抜くと、グッと
一
(
ひ
)
と
息
(
いき
)
に生長液を
嚥
(
の
)
んだのであった。
蠅
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
すると友人は「カーライルが胃弱だって、胃弱の病人が必ずカーライルにはなれないさ」と
極
(
き
)
め付けたので主人は
黙然
(
もくねん
)
としていた。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
などと殊勝な覚悟を
極
(
き
)
めた手前もあり、しょんぼりした気持で、その土産はひとまずベッドの引出しにしまい込んで置く事にした。
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
喇叭
(
ラッパ
)
を
極
(
き
)
めると、すぐそのまま、大事そうに仕舞い込んでしまった、別に飲みたくはないが、むらむらっと疳癪が込み上げて来た。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
N老人が最年長者だ、
極
(
き
)
まった極まったで、これは一議に及ばず可決、それから誰いうとなくロッペン団なるものが出来あがった。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
近頃は社員中にも食道楽が
盛
(
さかん
)
になって食物問題を注意しますから順番を
極
(
き
)
めて一人ずつその日の御馳走役を引受けるものが出来ました。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
しかし長く止まって居る事が出来ぬというお話でござれば長く
引留
(
ひきとめ
)
は致さぬけれども、とにかく私の一
了簡
(
りょうけん
)
で
極
(
き
)
める訳にいかないから
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「そりゃあお園さんかて惚れてはりましたがな。商売を止めたらお園さん自分でも三野村さんの奥さんになることに
極
(
き
)
めておったのどす」
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
又
(
また
)
事実湿地でもあるから
何処
(
どこ
)
かに引移りたいと思い、
飯倉
(
いいくら
)
の方に相当の
売家
(
うりや
)
を
捜出
(
さがしだ
)
して
略
(
ほぼ
)
相談を
極
(
き
)
めようとするときに、塾の人の申すに
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その
地割
(
じわり
)
がその筋でやかましく、いろいろ干渉されますので、土地の世話役は
旨
(
うま
)
く
極
(
き
)
め合いを附けるのが骨が折れたものです。
幕末維新懐古談:43 歳の市のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
年越の晩には、
極
(
き
)
まって来ますが、その外の晩にも、冬になるとちょいちょい来て一しょにトッジイを飲んで話して行きます。
冬の王
(新字新仮名)
/
ハンス・ランド
(著)
一
頻
(
しき
)
り世間を騒がせた結婚沙汰が
取
(
と
)
り
極
(
き
)
められて、
愈々
(
いよ/\
)
名妓八千代が
菅家
(
すがけ
)
へ
輿入
(
こしいれ
)
のその当日、花婿の
楯彦
(
たてひこ
)
氏は恥かしさうに一寸鏡を見ると
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それが面白いので、毎日
極
(
き
)
まって遣りますと、時刻が来ると親雀の方で、軒先にいて私を待つようになりました。それが幾日も続きました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
と云って、この容子では
所詮
(
しょせん
)
自分で腹を切るだけの勇気はないに
極
(
き
)
まっている。いっそ助けてやろうかとも思うのであったが
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それが
睡眠中
(
すゐみんちう
)
の
身體
(
からだ
)
の
置
(
お
)
きやうで一
時
(
じ
)
の
變調
(
へんてう
)
を
來
(
きた
)
したのだかどうだか
分
(
わか
)
らないにも
拘
(
かゝ
)
はらず、
彼
(
かれ
)
は
唯
(
たゞ
)
病氣
(
びやうき
)
故
(
ゆゑ
)
だと
極
(
き
)
めて
畢
(
しま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
秀夫はその
婢
(
じょちゅう
)
にビールの酌をしてもらいながら、
琵琶
(
びわ
)
を
弾
(
ひ
)
いていた
姝
(
きれい
)
な婢のことを聞こうと思ったが、それは
極
(
き
)
まりがわるくて聞けなかった。
牡蠣船
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
覚悟
極
(
き
)
むればなかなかに、
些
(
ちっと
)
も騒がぬ狐が本性。
天晴
(
あっぱれ
)
なりと
称
(
たた
)
へつつ、黄金丸は牙を
反
(
そ
)
らし、やがて咽喉をぞ噬み切りける。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
何故だか独りで
極
(
き
)
めて掛って、惨澹たる苦心の末、
雪江
(
せっこう
)
一代の智慧を絞り尽して、其翌日の昼過ぎ本郷の一友人を尋ねて、
嘘
(
うそ
)
八百を
陳
(
なら
)
べ立て
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
感歓
(
かんくわん
)
極
(
き
)
まりて涙に
咽
(
むせ
)
ばれしもあるべし、人を
押分
(
おしわ
)
くるやうにして
辛
(
から
)
く車を
向島
(
むかふじま
)
までやりしが、
長命寺
(
ちやうめいじ
)
より四五
間
(
けん
)
の
此方
(
こなた
)
にて
早
(
は
)
や
進
(
すゝむ
)
も
引
(
ひく
)
もならず
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
いろいろ他にも相談したすえに、結局市の
聾唖
(
ろうあ
)
学校へ行って、聴音器などのことをよく聞きただして来ることに
極
(
き
)
まった。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
私は隅の方の席から、自分で「我が師」と
極
(
き
)
めている人を「ここにあなたの貧しい弟子が一人います。」という気持を
籠
(
こ
)
めて見つめていました。
聖アンデルセン
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
此家
(
こゝ
)
へ來れば酒を飮むものと
極
(
き
)
めてゐるらしい道臣は、直ぐ盃を取り上げたが、
燗
(
かん
)
が
微温
(
ぬる
)
さうなので、長火鉢の鐵瓶の中へ自分に徳利を
浸
(
つ
)
けた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
オイ
軽蔑
(
さげすむ
)
めえぜ、馬鹿なものを買ったのも
詮
(
せん
)
じつめりゃあ、相場をするのと
差
(
ちげえ
)
はねえのだ、当らねえには
極
(
き
)
まらねえわサ。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
遠方
(
ゑんほう
)
へ
左遷
(
させん
)
と
事
(
こと
)
が
極
(
き
)
まり
今日
(
けふ
)
は
御風聽
(
ごふいてう
)
ながらの御
告別
(
いとまごひ
)
なりと
譯
(
わけ
)
もなくいへばお
民
(
たみ
)
あきれて、
御串談
(
ごじようだん
)
をおつしやりますな
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼奴
(
やつ
)
ら
撮
(
つま
)
み塩か何かで、グイグイ引っかけて
去
(
い
)
かア。
宅
(
うち
)
は新店だから、帳面のほか貸しは一切しねえという
極
(
き
)
めなんだ。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そうしたなかで関の在の小林という村まで入ってきたとき、今度は団丸がドロンを
極
(
き
)
めた、しかも下座のお芳を連れて。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
「貴方、何時までもそんな事を言つてゐらしつてはきりがございませんから、好い加減に
極
(
き
)
めやうでは御坐いませんか」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
……それを精しく聞いて知っていたから、三之丞が
仔細
(
しさい
)
の申訳をしたら滝川を呼び出して叱ろうと思った。それでわざと烈しく
極
(
き
)
めつけたのである。
備前名弓伝
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
一、送り荷の運賃、
運上
(
うんじょう
)
は一駄
一分割
(
いちぶわり
)
と御定めもあることなれば、その余を駄賃として残らず牛方どもへ下さるよう、今後御取り
極
(
き
)
めありたきこと。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
おさよの考えでは、こうして臨時にいただいたお
鳥目
(
ちょうもく
)
をためたら、半分には
極
(
き
)
めのお給金よりもこのほうが多かろう。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「今泣いた子が笑った……」私はこうして会費も持たずに引張られてきた自分を
極
(
き
)
まり悪く思いながら、女中に導かれて土井の後から二階へあがった。
遁走
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
日本
(
にほん
)
でも
徳川柳營
(
とくがはりうえい
)
において、いつのころからか『
地震
(
ぢしん
)
の
間
(
ま
)
』と
稱
(
しやう
)
して、
極
(
き
)
はめて
頑丈
(
ぐわんぜう
)
な一
室
(
しつ
)
をつくり、
地震
(
ぢしん
)
の
際
(
さい
)
に
逃
(
に
)
げこむことを
考
(
かんが
)
へ、
安政大震
(
あんせいだいしん
)
の
後
(
のち
)
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
善平は初めて心づきたるごとく、なに帰る?
私
(
わし
)
も帰るさ。一時も早く東京へ帰って、
何彼
(
なにか
)
の手はずを
極
(
き
)
めねばならぬ。光代、明日ははやく
発
(
た
)
とうぞ。
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
それでは先に靄の中へ隠れたのが藤さんのだ。そしてもう山を曲って、今は
地方
(
じがた
)
の岬を望んで走っているのである。それに
極
(
き
)
めねば収まりがつかない。
千鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
しかし僕は谷崎氏も引用したやうに「純粋であるか否かの一点に依つて芸術家の価値は
極
(
き
)
まる」と言つたのである。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
男は考えを
極
(
き
)
めようと思って見たが、どうも
輪廓
(
りんかく
)
がぼやけて来て、思想が
纏
(
まと
)
まらない。
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
こんな事を考えた。ここに大病になった人間が寝ている。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
“極”の意味
《名詞》
(きょく)2端のうちの一方。
(ごく)1,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000 = 1048を表す。載の次で恒河沙の前の位。
《形容動詞》
(ごく)程度の大きい様。
(出典:Wiktionary)
極
常用漢字
小4
部首:⽊
12画
“極”を含む語句
京極
極刑
見極
極端
極光
北極
極微
至極
極々
極彩色
取極
極月
極熱
極楽寺
感極
北極星
終極
結極
極限
極付
...