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日月
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じつげつ
ふりがな文庫
“
日月
(
じつげつ
)” の例文
天地と云い
山川
(
さんせん
)
と云い
日月
(
じつげつ
)
と云い
星辰
(
せいしん
)
と云うも皆自己の
異名
(
いみょう
)
に過ぎぬ。自己を
措
(
お
)
いて他に研究すべき事項は
誰人
(
たれびと
)
にも
見出
(
みいだ
)
し得ぬ訳だ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼の
日月
(
じつげつ
)
はまッ暗な
虚空
(
こくう
)
と変り、グラと
奈落
(
ならく
)
の口もとでかかとを踏まえるような思いだった。季房も背中合わせに大手をひろげ
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
神社
(
じんじゃ
)
の
境内
(
けいだい
)
に、
見
(
み
)
せものや、
食
(
く
)
い
物
(
もの
)
店
(
みせ
)
が
出
(
で
)
ました
中
(
なか
)
にまじって、いいかげんに
年
(
とし
)
とった
男
(
おとこ
)
が、
日月
(
じつげつ
)
ボールを
売
(
う
)
っていたというのであります。
日月ボール
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その学者は決して
懶惰
(
らんだ
)
無為
(
むい
)
に
日月
(
じつげつ
)
を消する者に非ず、生来の習慣、あたかも自身の熱心に
刺衝
(
ししょう
)
せられて、勉強せざるをえず。
学問の独立
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
天地渾沌
(
てんちこんとん
)
として
日月
(
じつげつ
)
も
未
(
いま
)
だ成らざりし先
高天原
(
たかまがはら
)
に出現ましませしに
因
(
よ
)
りて、天上天下万物の
司
(
つかさ
)
と仰ぎ、
諸
(
もろもろ
)
の足らざるを補ひ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
かの
長生殿裡
(
ちやうせいでんり
)
日月
(
じつげつ
)
のおそき
處
(
ところ
)
、ともに
𢌞風
(
くわいふう
)
の
曲
(
きよく
)
を
唱
(
しやう
)
するに
當
(
あた
)
りてや、
庭前
(
ていぜん
)
颯
(
さつ
)
と
風
(
かぜ
)
興
(
おこ
)
り、
花
(
はな
)
ひら/\と
飜
(
ひるがへ
)
ること、
恰
(
あたか
)
も
霏々
(
ひゝ
)
として
雪
(
ゆき
)
の
散
(
ち
)
るが
如
(
ごと
)
くなりしとぞ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
日月
(
じつげつ
)
は地におち、
須彌山
(
すみせん
)
はくづるとも、
彼
(
かの
)
女人
(
によにん
)
、
佛
(
ほとけ
)
に
成
(
な
)
らせ
給
(
たまは
)
ん事疑なし。あらたのもしや、たのもしや
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
されば
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
が
再
(
ふたゝ
)
び
日本
(
につぽん
)
へ
皈
(
かへ
)
つたものとすれば、
其
(
その
)
勳功
(
くんこう
)
は
日月
(
じつげつ
)
よりも
明
(
あきら
)
かに
輝
(
かゞや
)
きて、
如何
(
いか
)
に
私
(
わたくし
)
が
旅
(
たび
)
から
旅
(
たび
)
へと
經廻
(
へめぐ
)
つて
居
(
を
)
るにしても
其
(
その
)
風聞
(
ふうぶん
)
の
耳
(
みゝ
)
に
達
(
たつ
)
せぬ
事
(
こと
)
はあるまい
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
人に
生死
(
しょうじ
)
あることは天に昼夜あるがごとし。夜は暗しとて
日月
(
じつげつ
)
消え失せるにあらず、云云
通俗講義 霊魂不滅論
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
爾来
(
じらい
)
、七八年の
日月
(
じつげつ
)
は河のやうに流れ去つた。僕はもう
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
額
(
ひたひ
)
の
禿上
(
はげあが
)
るのを嘆じてゐる。久米も、今ではあの時のやうに駆け出す勇気などはないに違ひない。(大正十四年)
微笑
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
新聞の届きしとて人の見せ給ふを見れば
何
(
いづ
)
れも既に
巴里
(
パリイ
)
の宿にて読みしものに
候
(
さふら
)
へば、今更の如く
水上
(
すゐじやう
)
に
日月
(
じつげつ
)
なしと覚束なさを歎かれ
候
(
さふら
)
ひき。
今宵
(
こよい
)
出帆する予定の変りて
明日
(
あす
)
未明に碇を抜く
由
(
よし
)
に
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
面部から咽喉にかけての所は、
咽輪
(
のどわ
)
と
黒漆
(
くろぬり
)
の猛悪な相をした
面当
(
めんぼう
)
で隠されてあった。そして、背には、軍配
日月
(
じつげつ
)
の中央に
南無日輪摩利支天
(
なむにちりんまりしてん
)
と
認
(
したた
)
めた
母衣
(
ほろ
)
を負い、その脇に竜虎の
旗差物
(
はたさしもの
)
が挾んであった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
その
後
(
のち
)
の
日月
(
じつげつ
)
蝕
(
しょく
)
す幾秋ぞ
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
その日ゆ永き
日月
(
じつげつ
)
を
枯草
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
武家の大逆もさることながら、ここしばしは、
日月
(
じつげつ
)
も
暗
(
くろ
)
うなり、
至尊
(
しそん
)
たりとも、
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
にお身を隠す所すらない乱れを地上にみるでしょう。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ある
日
(
ひ
)
、
孝
(
こう
)
ちゃんは、
学校
(
がっこう
)
から
帰
(
かえ
)
ると、
日月
(
じつげつ
)
ボールを
持
(
も
)
って
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
ました。そして、
自動車屋
(
じどうしゃや
)
の
前
(
まえ
)
へきました。ちょうど、
清
(
せい
)
さんはいました。
日月ボール
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
椽側
(
えんがわ
)
から拝見すると、向うは茂った森で、ここに往む先生は野中の一軒家に、無名の猫を友にして
日月
(
じつげつ
)
を送る
江湖
(
こうこ
)
の
処士
(
しょし
)
であるかのごとき感がある。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
なお
進
(
すすみ
)
て、天文地質の論を聞けば、
大空
(
たいくう
)
の
茫々
(
ぼうぼう
)
、
日月
(
じつげつ
)
星辰の運転に定則あるを知るべし。地皮の層々、幾千万年の天工に成りて、その物質の位置に順序の
紊
(
みだ
)
れざるを知るべし。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
……もの案じに声も曇るよ、と思うと、その人は、たけだちよく、高尚に、すらりと立った。——この時、
日月
(
じつげつ
)
を外にして、その丘に、気高く立ったのは、その人ただ一人であった。
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此藥
(
このくすり
)
をのませ給はば、疑なかるべき
也
(
なり
)
。
闇
(
やみ
)
なれども、
燈
(
ひ
)
入
(
い
)
りぬれば
明
(
あきら
)
かなり。
濁水
(
だくすゐ
)
にも
月
(
つき
)
入
(
い
)
りぬればすめり。
明
(
あきら
)
かなる
事
(
こと
)
日月
(
じつげつ
)
にすぎんや。
淨
(
きよ
)
き
事
(
こと
)
蓮華
(
れんげ
)
にまさるべきや。法華經は
日月
(
じつげつ
)
と
蓮華
(
れんげ
)
なり。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
全
(
まつた
)
く
水泡
(
すいほう
)
に
歸
(
き
)
したと
思
(
おも
)
はれたので、
今
(
いま
)
は、
其
(
その
)
愛兒
(
あいじ
)
をば
國
(
くに
)
に
獻
(
さゝ
)
ぐる
事
(
こと
)
の
出來
(
でき
)
ぬ
代
(
かは
)
りに、せめては
一艘
(
いつそう
)
の
軍艦
(
ぐんかん
)
を
獻納
(
けんなう
)
して、
國
(
くに
)
に
盡
(
つく
)
す
日頃
(
ひごろ
)
の
志
(
こゝろざし
)
を
遂
(
と
)
げんものと、
其
(
その
)
財産
(
ざいさん
)
の
一半
(
いつぱん
)
を
割
(
さ
)
き、
三年
(
さんねん
)
の
日月
(
じつげつ
)
を
經
(
へ
)
て
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
されば宮と富山との
勢
(
いきほひ
)
はあたかも
日月
(
じつげつ
)
を
並懸
(
ならべか
)
けたるやうなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
そう尊く思うが故に、わしは
彼
(
あ
)
の人々の
為
(
し
)
た事を、
日月
(
じつげつ
)
のように、
永劫
(
とわ
)
に新しく、永劫に真美の光を失わせとうない気がした。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「その
男
(
おとこ
)
は、
子供
(
こども
)
をだます、
悪
(
わる
)
い
男
(
おとこ
)
だったが、そのとき
持
(
も
)
っていたのは、
金光
(
きんびか
)
りでなく、
赤
(
あか
)
い
日月
(
じつげつ
)
ボールだった。」と、
清
(
せい
)
さんはいいました。
日月ボール
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
なんでも出来ると思う、
精神一到
(
せいしんいっとう
)
何事
(
なにごとか
)
不成
(
ならざらん
)
というような事を、事実と思っている。意気天を
衝
(
つ
)
く。
怒髪
(
どはつ
)
天をつく。
炳
(
へい
)
として
日月
(
じつげつ
)
云々
(
うんぬん
)
という如き、こういう
詞
(
ことば
)
を古人は
盛
(
さかん
)
に用いた。
教育と文芸
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
貧乏のために
侮
(
あなど
)
りをこうむることとてはなき世の風俗なりしがゆえに、学問には勉強すれども、生計の一点においてはただ
飄然
(
ひょうぜん
)
として
日月
(
じつげつ
)
を
消
(
しょう
)
する中に、政府は外国と条約を結び
成学即身実業の説、学生諸氏に告ぐ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
何千年何万年という悠久な
日月
(
じつげつ
)
の流れの中に人間一生の七十年や八十年は、まるで一瞬でしかない。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どこにどうしていても
差支
(
さしつか
)
えはない。ただ楽である。
否
(
いな
)
楽そのものすらも感じ得ない。
日月
(
じつげつ
)
を切り落し、天地を
粉韲
(
ふんせい
)
して不可思議の太平に入る。吾輩は死ぬ。死んでこの太平を得る。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ああ、やはりそうしたお心でしたか。少年
日月
(
じつげつ
)
早し。——
鬱勃
(
うつぼつ
)
たるお嘆きはけだし当然です」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
明治四十年の
日月
(
じつげつ
)
は、明治開化の初期である。さらに
語
(
ご
)
を
換
(
か
)
えてこれを説明すれば今日の
吾人
(
ごじん
)
は過去を
有
(
も
)
たぬ開化のうちに生息している。したがって吾人は過去を伝うべきために生れたのではない。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
留守
(
るす
)
の都で、ピイヒャラドンドンの今宮祭は、やや
悠長
(
ゆうちょう
)
すぎるようだが、日本はもともと
祭
(
まつ
)
りの国だ。かりそめの
戦雲
(
せんうん
)
が
日月
(
じつげつ
)
をおおうても、
神
(
かみ
)
のまつりは
絶
(
た
)
えないがいい。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飛毛ふんぷんと
降
(
ふ
)
って、そこはさながら、
日月
(
じつげつ
)
あらそって
万星
(
ばんせい
)
うずを巻くありさまである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これだけの言葉をはくうちに、
秀吉
(
ひでよし
)
は、
肌着
(
はだぎ
)
小手
(
こて
)
脛当
(
すねあて
)
をピチンと
着
(
つ
)
けて、
皆朱碁石
(
かいしゅごいし
)
おどしの
鎧
(
よろい
)
をザクリと着こみ、
唐織銀文地
(
からおりぎんもんじ
)
に
日月
(
じつげつ
)
を織りうかした
具足羽織
(
ぐそくばおり
)
まで着てしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そしてこれの戦場にある期間を約三月と定め、百日交代の制を立てた。——要するに百日ごとに、二軍
日月
(
じつげつ
)
のごとく戦場に入れ代って絶えず清新な士気を保って魏の大軍を砕かんとしたものである。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日月
(
じつげつ
)
の過ぎるは早く、人生には限りがある。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日月
(
じつげつ
)
の
旗幟
(
きし
)
。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“日月”の意味
《名詞》
太陽と月。
年月。歳月。
(出典:Wiktionary)
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
月
常用漢字
小1
部首:⽉
4画
“日月”で始まる語句
日月星辰
日月旗
日月波
日月潭
日月輪
日月行道図解
日月星昼夜織分
日月相推而明生焉