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据
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すわ
ふりがな文庫
“
据
(
すわ
)” の例文
と云ったが
敵
(
かな
)
いません事で、剣術は上手でも
胆
(
たん
)
が
据
(
すわ
)
ってゝも、感の悪い盲目のことゆえ、匹夫下郎の丈助の為に
二刀
(
ふたかたな
)
程斬られました。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「その通り、太之助はなに
糞
(
くそ
)
かなんかで出かけたものの、胆っ玉の
据
(
すわ
)
った男じゃないから、一ペンにその白装束を見ると顫えあがった」
銭形平次捕物控:349 笛吹兵二郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
さっさと先へ
行
(
ゆ
)
けではない。待ってくれれば、と云う、その待つのはどこか、約束も何もしないが、もうこうなっては、度胸が
据
(
すわ
)
って
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かういふ
風
(
ふう
)
にくろうとらしい
歌
(
うた
)
をお
作
(
つく
)
りになつたので、
歴代
(
れきだい
)
の
皇族方
(
こうぞくがた
)
の
中
(
うち
)
では、
文學
(
ぶんがく
)
の
才能
(
さいのう
)
から
申
(
まを
)
して、
第一流
(
だいゝちりゆう
)
にお
据
(
すわ
)
りになる
方
(
かた
)
です。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
逞しい
駿馬
(
しゅんめ
)
の鞍に、ゆらと、乗りこなしよく
据
(
すわ
)
って、
茶筅
(
ちゃせん
)
むすびの大将髪、
萌黄
(
もえぎ
)
の
打紐
(
うちひも
)
で巻きしめ、
浴衣染帷子
(
ゆかたぞめかたびら
)
、片袖をはずして着け
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「またってのは何だよ、または余計じゃないか。何年何月何日にあたしがそんなにお酒を呑みました?——まあさ、お
据
(
すわ
)
りよ、もすさん」
舞馬
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
且
(
かつ
)
指
(
ゆび
)
の
先
(
さき
)
へでも、
手
(
て
)
の
平
(
ひら
)
の
上
(
うへ
)
へでも
自由
(
じいう
)
に
尻
(
しり
)
が
据
(
すわ
)
る。それが
尻
(
しり
)
の
穴
(
あな
)
へ
楊枝
(
やうじ
)
の
樣
(
やう
)
な
細
(
ほそ
)
いものを
突
(
つ
)
つ
込
(
こ
)
むとしゆうつと
一度
(
いちど
)
に
收縮
(
しうしゆく
)
して
仕舞
(
しま
)
ふ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その侍は胆力が
据
(
すわ
)
っていたので、別に驚きもせずに、おかしなものが出たな、と、平気な顔をしていると、その顔は
直
(
す
)
ぐ消えて無くなった。
通魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「大きななりをして、胆力のないやつばかりだ。」そこらにいる者をさげすむように、腹の中で
呟
(
つぶや
)
いた。彼の腰は
据
(
すわ
)
ってきた。
パルチザン・ウォルコフ
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
春の陽ざしが
麗
(
うら
)
らかに拡がった空のような色をした竹の皮膚にのんきに
据
(
すわ
)
っているこの意味の判らない書体を不機嫌な私は憎らしく思った。
東海道五十三次
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
殊に彼女の口は、彫刻家の
鑿
(
のみ
)
の力を借りなければ開かぬものゝやうにかたく
緊
(
しま
)
り、
額
(
ひたひ
)
は次第に石のやうな
峻嚴
(
しゆんげん
)
さに
据
(
すわ
)
つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
尻の
据
(
すわ
)
りが
頗
(
すこぶ
)
る悪い。見れば食器を入れた棚など手近にある。長火鉢に鉄瓶が掛かってある。台所の隣り間で家人の平常飲み食いする所なのだ。
浜菊
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
そこで私もしまいには、すっかり度胸が
据
(
すわ
)
ってしまって、だんだん早くなるランプの運動を、眼も離さず眺めていました。
魔術
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして眼つきがおそろしく
据
(
すわ
)
ったようになって、そうなくてさえ、平常から
陰欝
(
いんうつ
)
になりがちの顔が、一層恐い顔になった。
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
体つき、身のこなしなど、いやらしく男の心をそそるようで眼つきも
据
(
すわ
)
っていて、気が進まなかったが、レッテル(顔)が良いので雇い入れた。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
というような心配を繰り返しましたが、叱られたらそれまでのことだ、ともう度胸も
据
(
すわ
)
ってしまって、私は間もなく下金屋の店へ行き着きました。
幕末維新懐古談:33 蠑螺堂百観音の成り行き
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
国務大臣級の人になると、相応胆力が
据
(
すわ
)
っているから平気で悪筆を揮うけれど、お父さんはもっと精神修養を要する。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
けれどもその間に、牡牛は
後足
(
あとあし
)
で土をしきりに掘って、自分の足場がうまく
据
(
すわ
)
るように、土地に
凹
(
くぼ
)
みを
拵
(
こしら
)
えました。
熊
(新字新仮名)
/
久米正雄
(著)
此等
(
これら
)
の六峰が次第に高まる裾野の上に根張り大きくどっしりと横たわって如何にも
据
(
すわ
)
りが好い。殊に荒山から少しの弛みもなく左に曳いた線の美事さ。
那須、尾瀬、赤城、志賀高原
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
一
日
(
にち
)
吹
(
ふ
)
いた
疾風
(
しつぷう
)
が
礑
(
はた
)
と
其
(
そ
)
の
力
(
ちから
)
を
落
(
おと
)
したら、
日
(
ひ
)
が
西
(
にし
)
の
空
(
そら
)
の
土手
(
どて
)
のやうな
雲
(
くも
)
の
端
(
はし
)
に
近
(
ちか
)
く
据
(
すわ
)
つて
漸次
(
だん/\
)
に
沒却
(
ぼつきやく
)
しつゝ
瞬
(
またゝ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その前に
据
(
すわ
)
っている
色真綿
(
いろまわた
)
の肘掛椅子の中に妾の
身体
(
からだ
)
を深々と落し込むと、その上から
緞子
(
どんす
)
の羽根布団を蔽いかぶせて、妾の首から上だけ出してくれた。
ココナットの実
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
労働者の街だった。つぶれた
羊羹
(
ようかん
)
のような長屋が、足場の
据
(
すわ
)
らないジュク/\した湿地に、床を埋めている。
工場細胞
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
よく
身体
(
からだ
)
が
据
(
すわ
)
らないほど狭い
独木舟
(
バラグワ
)
なので、土人はみな片膝ついただけで水掻きのような
櫓
(
ろ
)
をあやつっている。遠くから見ると、まるで曲馬団の
綱上踊子
(
ロウプ・ダンサア
)
だ。
踊る地平線:12 海のモザイク
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
女の
唇
(
くちびる
)
は
堅
(
かた
)
く結ばれ、その眼は重々しく静かに
据
(
すわ
)
り、その
姿勢
(
なり
)
はきっと正され、その面は深く沈める必死の勇気に
満
(
みた
)
されたり。男は
萎
(
しお
)
れきったる様子になりて
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
目が
据
(
すわ
)
り、顔がぞっとする程蒼かった。立ち上ろうとして、平均を失い、卓に
肱
(
ひじ
)
をついた。麦酒瓶が
大袈裟
(
おおげさ
)
な音を立てて倒れ、白い泡が土間にしたたり落ちた。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
大江山捜査課長は後を部下に
委
(
まか
)
せて、一旦本庁へかえったが、覆面探偵がまだ健在だと聞いて、立っても
据
(
すわ
)
ってもいられなかった。なんという恐ろしい相手だろう。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ゆき子は酒に
刺戟
(
しげき
)
されて、ジョオが来やうとどうしやうとかまふことはないと
肚
(
はら
)
が
据
(
すわ
)
つて来た。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
目科は「さア時が来た」と云い余を引きて此隠場を出で一直線に藻西の店先に到るに果せるかな先刻見たる下女唯一人帳場に
据
(
すわ
)
りて留守番せり、目科の姿を見て立来るを
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
そしてその中へ入って、
据
(
すわ
)
り込んで、切符を売る窓口から『さあここへ出せ』って言うんだ。
雪後
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
敢て同門の諸君子を恐るるにあらず、度胸が
据
(
すわ
)
らざるが為めなり。あなたは二十日頃御出京と承わりました。然し御令兄の御病気ではいけますまい。どうか御大事になさい。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
武士の胆力が
据
(
すわ
)
らぬと考えているようなものもありましたから、日頃は善良と言われている人でも、残忍な遊戯の前に目をつぶらないことが武士の
嗜
(
たしな
)
みの一つだと考えもし
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
こまやかな顔色の
鮮
(
あざや
)
かさと
気質
(
きだて
)
のよさそうな様子とのために、かわいらしく見えるはずだったが、ただ、鼻が少しいかつくて
据
(
すわ
)
りぐあいが悪く、顔つきに重苦しい感じを与え
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
しかしマヌエラの目は、狂わしげなものを映してぎょろりと
据
(
すわ
)
っている。ひょっとすると心痛のあまり気が
可怪
(
おか
)
しくなったのかもしれない。その間も、なおも
譫言
(
うわごと
)
は続いてゆく。
人外魔境:01 有尾人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
何か見
詰
(
つ
)
めてでもゐると、
黒瞳
(
くろめ
)
が
凝如
(
じつ
)
と
据
(
すわ
)
ツてとろけて了ひそうになツてゐる………
然
(
さ
)
うかと思ふと、
伏
(
ふし
)
目に物など見詰めてゐて、ふと
頭
(
あたま
)
を擡げた時などに、
甚
(
ひど
)
く
狼狽
(
うろた
)
えたやうな
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
失禮
(
しつれい
)
乍らお世話も致し御不自由の事も有なれば御
遠慮
(
ゑんりよ
)
なしに言れよと
情
(
なさけ
)
仕掛
(
しかけ
)
の忠兵衞が
持
(
もつ
)
た病に
据
(
すわ
)
り込彼方と
話
(
はな
)
せしが
暫
(
しばら
)
く有て懷中より金子一分取出し道之助に
頼
(
たの
)
み
近邊
(
きんぺん
)
にて
酒
(
さけ
)
肴
(
さかな
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と云って、じっとして居れば、一寸、二寸とひとりでに足が沈んでゆくから、ぼんやりしておるわけにもゆかない、先登のヘッスラーは、もう眼が
据
(
すわ
)
って、物を云っても返事もしない。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
彼の視線は初めは穏かにその銅の取っ手に引きつけられてとどまり、次に驚いてじっとそれに
据
(
すわ
)
り、そしてしだいに恐怖の色を帯びてきた。汗の玉が髪の間から両の
顳顬
(
こめかみ
)
に流れてきた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そして私は村の居酒屋の
卓子
(
テーブル
)
に凭つて毎夜/\、哲学者と間違へられたことがあつたのも当然な重く
据
(
すわ
)
つた眼つきをして、一方を見れば一方ばかりを何時までも凝つと眺めてゐるといふ
歌へる日まで
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
町内
(
てうない
)
で
顏
(
かほ
)
の
好
(
よ
)
いのは
花屋
(
はなや
)
のお六さんに、
水菓子
(
みずぐわし
)
やの
喜
(
き
)
いさん、
夫
(
そ
)
れよりも、
夫
(
そ
)
れよりもずんと
好
(
よ
)
いはお
前
(
まへ
)
の
隣
(
となり
)
に
据
(
すわ
)
つてお
出
(
いで
)
なさるのなれど、
正太
(
しようた
)
さんはまあ
誰
(
だ
)
れにしようと
極
(
き
)
めてあるえ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と叫んで、そつと司会者に訊くと、弁士が弔演説をしてゐる男は、今は課長に昇進して、亡くなつた男がその
後釜
(
あとがま
)
に
据
(
すわ
)
つてゐたのを雄弁家がつい早飲込みにその男だと
穿違
(
はきちが
)
へて
了
(
しま
)
つたのだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
この齢に成れば、曲りなりにも自分の了簡も
据
(
すわ
)
り、世の中の事も解つてゐると云つたやうな勘定ですから、いくら
洒落気
(
しやれつき
)
の奴でも、さうさう
上調子
(
うはちようし
)
に遣つちやゐられるものぢやありません。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
そのような弱点のない、本当の意味で胆の
据
(
すわ
)
った人も、もちろんあったと思うが、しかし多数の人間にはこの弱点が共通であった。そのため災禍を
甚
(
はなはだ
)
しくした場合も決して少なくないと思う。
地異印象記
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
今からみれば乱暴かも知れませんが、玄人は度胸が
据
(
すわ
)
っているから、いよいよいけないと思えば素直に恐れ入りますが、素人にはそれがなかなか出来ない。いえ、強情で云わないのではない。
半七捕物帳:45 三つの声
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あまりに生きのいい黒ずんだ目が
翳
(
かげ
)
されていることで、なおよく見れば決して黒目が黒目ではなく、むしろ茶褐な瞳孔で、その奥の方に水の上に走るまいまい虫のような瞳が
据
(
すわ
)
っていることが
幻影の都市
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
度胸の
据
(
すわ
)
った或いは手先の特別器用な女匪は、窃盗の手先や
掏摸
(
すり
)
になる。
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
阿Qはいったん逃げ出したものの、結局「その道の仕事をやった」事のある人だから殊の外度胸が
据
(
すわ
)
った。彼は
路角
(
みちかど
)
に
躄
(
いざ
)
り出て、じっと耳を澄まして聴いていると何だかざわざわしているようだ。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
彼には、いつ死んでもいい、という覚悟がどうしても
据
(
すわ
)
らなかったので、そこに彼の独自な剣法が発案された。つまり彼の剣法は凡人凡夫の剣法だ。覚悟定まらざる凡夫が敵に勝つにはどうすべきか。
青春論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
二十両というお金は、むしろあの方をここへい
据
(
すわ
)
らせるだけだ。
やぶからし
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
首を
傾
(
かし
)
げていると、目の前に、辻駕籠がとんと
据
(
すわ
)
って
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
畳屋からノソリと出て来たのは朱房の源吉、朝っからアルコールが
胃嚢
(
いぶくろ
)
へ入ったらしく、赤い顔と
据
(
すわ
)
った眼が、なんとなく挑戦的です。
銭形平次捕物控:030 くるい咲き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
据
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“据”を含む語句
居据
引据
据物斬
据風呂
据付
据置
打据
据附
据直
見据
据膳
据物
拮据
揺据
据身
据並
据眼
据腰
舁据
押据
...