トップ
>
戯
>
たはむ
ふりがな文庫
“
戯
(
たはむ
)” の例文
旧字:
戲
我
(
わが
)
十年の約は
軽々
(
かろがろし
)
く破るべきにあらず、
猶
(
なほ
)
謂無
(
いはれな
)
きは、一人娘を
出
(
いだ
)
して
嫁
(
か
)
せしめんとするなり。
戯
(
たはむ
)
るるにはあらずや、心狂へるにはあらずや。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
嬉
(
うれ
)
しさうに
絶
(
た
)
えず
戯
(
たはむ
)
れたり
吠
(
ほ
)
えたりして、
呼吸苦
(
いきぐる
)
しい
所爲
(
せゐ
)
か、ゼイ/\
云
(
い
)
ひながら、
其口
(
そのくち
)
からは
舌
(
した
)
を
垂
(
た
)
れ、
又
(
また
)
其
(
その
)
大
(
おほ
)
きな
眼
(
め
)
を
半
(
なか
)
ば
閉
(
と
)
ぢてゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
入りつ出でつ
揺
(
ゆらめ
)
く男女の影は放蕩の花園に
戯
(
たはむ
)
れ舞ふ蝶に似て、折々流れ
来
(
きた
)
る其等の人の笑ふ声語る声は、
云難
(
いひがた
)
き
甘味
(
かんみ
)
を含む誘惑の音楽に候はずや。
夜あるき
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
危ねえ、間拔奴ツ——と、いつもの調子でやらかすと、無禮者ツ、通行の女に
戯
(
たはむ
)
れるとは不都合千萬、それへ直れ、ピカリと來た、——親分の前だが
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『モールスさんの
掘
(
ほ
)
つた
方
(
はう
)
が
金持
(
かねもち
)
のコロボツクルが
居
(
ゐ
)
たので、
此所
(
こゝ
)
は
屹
(
きつ
)
と
貧乏人
(
びんばうにん
)
が
居
(
ゐ
)
たんだらう』など
戯
(
たはむ
)
れて
居
(
ゐ
)
る
處
(
ところ
)
へ、
車夫
(
しやふ
)
を
從
(
したが
)
へて二
絛
(
でう
)
公
(
こう
)
が
來
(
こ
)
られた。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
次の文章は当時の若い志士の手に成つたもので、今日の君等には
如何
(
いか
)
にも幼児の
戯
(
たはむ
)
れに見えようが、この
稚気
(
ちき
)
の中に当年智者の単純な理想を汲み取つて読んで呉れ。
政治の破産者・田中正造
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
こはかれが
一時
(
いちじ
)
の
戯
(
たはむ
)
れなるべし、かゝる
妖魅
(
えうみ
)
の術はありながら人に
欺
(
あざむか
)
れて
捕
(
とら
)
へらるゝは
如何
(
いかん
)
。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
(一)
春台
(
しゆんだい
)
の語、老子に出でたりとは聞えたり。老子に「衆人
熙々
(
きき
)
。
如享太牢
(
たいらうをうけるがごとし
)
。
如登春台
(
しゆんだいにのぼるがごとし
)
」とあるは疑ひなし。然れども春台を「天子が侍姫に
戯
(
たはむ
)
るる処」とするは何の出典に依るか。
念仁波念遠入礼帖
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
岩穴に入りて
終
(
おわ
)
る、衆初めて其
伏流
(
ふくりう
)
なるを
知
(
し
)
り之を
奇
(
き
)
とす、山霊
果
(
はだ
)
して尚一行を
欺
(
あざむ
)
くの意乎、将又
戯
(
たはむ
)
れに利根水源の深奥
測
(
はか
)
るべからざるを
装
(
よさ
)
ふの意乎、此日の午後尾瀬が
原
(
はら
)
に
到
(
いた
)
るの途中
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
孃
(
ぢやう
)
さまは
夫
(
それ
)
ほどまでに
雪三
(
せつざう
)
を
力
(
ちから
)
と
覺
(
おぼ
)
しめしてか、それとも一
時
(
じ
)
のお
戯
(
たはむ
)
れか、
御本心
(
ごほんしん
)
仰
(
おほ
)
せ
聞
(
き
)
けられたしと
問
(
と
)
ひ
誥
(
つ
)
むるを、
糸子
(
いとこ
)
ホヽと
笑
(
わら
)
ひて
松野
(
まつの
)
が
膝
(
ひざ
)
に
輕
(
かる
)
く
手
(
て
)
を
置
(
お
)
きつ、
戯
(
たは
)
むれかとは
問
(
と
)
ふ
丈
(
だけ
)
も
淺
(
あさ
)
し
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いつくしく
虹
(
にじ
)
たちにけりあはれあはれ
戯
(
たはむ
)
れのごとくおもほゆるかも
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
今更にくくこそおぼゆれなど
戯
(
たはむ
)
るるに、富子
三一二
即
(
やが
)
て
面
(
おもて
)
をあげて、
三一三
古き
契
(
ちぎり
)
を忘れ給ひて、かく
三一四
ことなる事なき人を
三一五
時めかし給ふこそ、
三一六
こなたよりまして
悪
(
にく
)
くあれといふは
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
街
(
まち
)
の子は
戯
(
たはむ
)
れに
空虚
(
うつろ
)
なる
乳
(
ち
)
の
鑵
(
くわん
)
たたき
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
白萩 あれまたいやらしい
戯
(
たはむ
)
れごと。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
象
(
ざう
)
の
戯
(
たはむ
)
れるやうな
濤
(
なみ
)
の
呻吟
(
うなり
)
は
メランコリア
(旧字旧仮名)
/
三富朽葉
(著)
心
(
こころ
)
しらひの
戯
(
たはむ
)
れか
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
恋の花にも
戯
(
たはむ
)
るゝ
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
絶間無き騒動の
中
(
うち
)
に
狼藉
(
ろうぜき
)
として
戯
(
たはむ
)
れ遊ぶ
為体
(
ていたらく
)
は
三綱五常
(
さんこうごじよう
)
も
糸瓜
(
へちま
)
の皮と地に
塗
(
まび
)
れて、
唯
(
ただ
)
これ
修羅道
(
しゆらどう
)
を
打覆
(
ぶつくりかへ
)
したるばかりなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
母もその頃にはお隣のおばさんと同じやうに父と
戯
(
たはむ
)
れながら梯子段を降りて来るやうな事をしてゐたのかも知れない。
来訪者
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
塵
(
ごみ
)
と一
處
(
しよ
)
に
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
へ
落
(
お
)
ちて
居
(
ゐ
)
たのを、
博士
(
はかせ
)
が
戯
(
たはむ
)
れに
取出
(
とりだ
)
されたので、
之
(
これ
)
は一
抔
(
ぱい
)
頂戴
(
てうだい
)
したと、一
同
(
どう
)
クツ/\
笑
(
わら
)
ひ。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
競技者
(
プレーヤー
)
は
皆
(
みん
)
な
自分
(
じぶん
)
の
番
(
ばん
)
の
來
(
く
)
るのを
待
(
ま
)
たずして
同時
(
どうじ
)
に
遊
(
あそ
)
び
戯
(
たはむ
)
れ、
絶
(
た
)
えず
爭
(
あらそ
)
つて、
針鼠
(
はりねずみ
)
を
取
(
と
)
らうとして
戰
(
たゝか
)
つてゐますと、
軈
(
やが
)
て
女王樣
(
ぢよわうさま
)
が
甚
(
いた
)
くお
腹立
(
はらだ
)
ちになり、
地鞴踏
(
ぢだんだふ
)
みながら
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
唯冬との
※
(
せめ
)
ぎ合ひに荒荒しい力を誇るだけである。同時に又椎の木は優柔でもない。
小春日
(
こはるび
)
と
戯
(
たはむ
)
れる
樟
(
くす
)
の木のそよぎは椎の木の知らない気軽さであらう。椎の木はもつと憂鬱である。
わが散文詩
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
男神
(
をがみ
)
女神
(
めがみ
)
に
戯
(
たはむ
)
れて
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
と
最期
(
さいご
)
の
用意
(
ようい
)
あはれ
短
(
みじか
)
き
契
(
ちぎ
)
りなるかな
井筒
(
ゐづゝ
)
にかけし
丈
(
たけ
)
くらべ
振
(
ふり
)
わけ
髮
(
がみ
)
のかみならねば
斯
(
か
)
くとも
如何
(
いかゞ
)
しら
紙
(
かみ
)
にあね
樣
(
さま
)
こさへて
遊
(
あそ
)
びし
頃
(
ころ
)
これは
君
(
きみ
)
さまこれは
我
(
われ
)
今日
(
けふ
)
は
芝居
(
しばゐ
)
へ
行
(
ゆ
)
くのなり
否
(
いや
)
花見
(
はなみ
)
の
方
(
はう
)
が
我
(
わ
)
れは
宜
(
よ
)
しと
戯
(
たはむ
)
れ
交
(
か
)
はせしそれ
一
(
ひと
)
つも
願
(
ねが
)
ひの
叶
(
かな
)
ひしことはなく
待
(
まち
)
にまちし
長日月
(
ちやうじつげつ
)
のめぐり
來
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
果敢
(
はか
)
なしや
世
(
よ
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
斯
(
か
)
うした
地主
(
ぢぬし
)
にばかり
出會
(
であは
)
して
居
(
を
)
れば
文句
(
もんく
)
は
無
(
な
)
いなど
戯
(
たはむ
)
れつゝ、
其方
(
そのはう
)
を
發掘
(
はつくつ
)
に
掛
(
かゝ
)
つたが、
此所
(
こゝ
)
は
未
(
ま
)
だ三
千年
(
せんねん
)
來
(
らい
)
手
(
て
)
のつかぬ
處
(
ところ
)
であつて、
貝層
(
かひそう
)
の
具合
(
ぐあひ
)
が
大變
(
たいへん
)
に
好
(
よ
)
い。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
あの方もお
年効
(
としがひ
)
の無い、物の道理がお解りにならないにも程の有つたもので、一体私を何と
思召
(
おぼしめ
)
してゐらつしやるのか存じませんが、客商売でもしてをる者に
戯
(
たはむ
)
れるやうな事を
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
熱い日の照るこの国には、恋とは男と女の入り乱れて
戯
(
たはむ
)
れる事のみを意味して、北の人の云ふやうに、道徳だの、結婚だの、家庭だのと、そんな興のさめる事とは何の関係もないのだ。
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
夜を明して
舞
(
ま
)
ひ
戯
(
たはむ
)
るゝ遊楽の西班牙を見る事が出来るであらう。
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
戯
常用漢字
中学
部首:⼽
15画
“戯”を含む語句
悪戯
戯言
調戯
遊戯
戯談
戯謔
串戯
惡戯
児戯
冗戯
戯曲
悪戯盛
悪戯気
戯作
戯弄
戯場
博戯
悪戯児
演戯
悪戯好
...