家屋かおく)” の例文
またひかった! そのたび大空おおぞらが、えるように青白あおじろいほのおでいろどられて、あかるく家屋かおくも、木立こだちも、大地だいちからがってられた。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
まえにものべたとおり、こちらの世界せかいつくりつけの現界げんかいとはことなり、場所ばしょも、家屋かおくも、また姿すがたも、みな意思おもいのままにどのようにもかえられる。
一方いつぽう屋外おくがい避難ひなんせんとする場合ばあひおいては、まだきらないうち家屋かおく倒潰とうかいし、しか入口いりぐちおほきな横木よこぎ壓伏あつぷくせられる危險きけんともなふことがある。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
家屋かおくのとりこわしをはじめ、もうほとんど、とりこわしも終わって、古材木や、屋根がわらなどが、あっちこっちにつみあげてあるのです。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
いしとこ三方さんぽうまうけて死體したいくようになつてあつたり、天井てんじよう家屋かおく屋根やねをまねてあるのもあつたり、内部ないぶ刀劍とうけんかたちつたものなどがあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「この町の家屋かおくかわらほどに敵が多くとも、心にやましきことなき以上は、何のおそるることかあらん」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
地震ぢしん如何いかなる有樣ありさまおい家屋かをく震盪しんたうし、潰倒くわいたうするかを觀察くわんさつ破壞はくわいした家屋かおくについてその禍根くわこん闡明せんめゐするの科學的知識くわがくてきちしきがなければ、これにたいする防備的考察ばうびてきかうさつかばない。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
なほ人智じんちがいよ/\發達はつたつ人口じんこうがどん/\すにつれて、最後さいごには奧山おくやままでもつて家屋かおく橋梁きようりよう器具きぐ機械きかい汽車きしや電車でんしや鐵道てつどう枕木まくらぎ電信でんしん電話でんわはしらといふように
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
だがその時代は、学生生活はたいへん苦しいときであったうえに、雨谷君の実家は大水おおみずのために家屋かおく家財かざいごと流され、ほとんど、無一物むいちぶつにひとしいあわれな状態になっていた。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
二人ふたりはあちらにえる、しろった三階建がいだての家屋かおくましたときに、それがなんであるかすらもよくわからなかったのでした。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
大地震後だいぢしんご餘震よしんあまりに恐怖きようふするため、安全あんぜん家屋かおく見捨みすてゝ、幾日いくにちも/\野宿のじゆくすることは、震災地しんさいちける一般いつぱん状態じようたいである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
しかし非常ひじよう面白おもしろ人物じんぶつ動物どうぶつ家屋かおくなどのほかには、祝部土器いはひべどきやその品物しなもの、または古墳こふん石室せきしつ横穴よこあななかかべなどにりつけた、まことに粗末そまつ人物じんぶつたて
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
すべて修行場しゅぎょうばひとによりてめいめいちがう。家屋かおく内部なかかるるものもあれば、やまなかかるるものもある。親子おやこ夫婦ふうふ間柄あいだがらでも、一しょにはけっしてむものでない。
家屋かおくは一だいかぎりのもので、子孫繼承しそんけいしやうしてまふものでないといふ思想しさうふか根柢こんていをなした。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
誤った人そのものはまだしもかれ親戚しんせき友人家屋かおく生国しょうごくまでも憎みやすいものである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
地平線は丸くまがっていた。地表から何物かが、ふわふわまいあがっている。よくみると、それは家屋かおくだった。橋だった。それから小さいものは自動車だった。みみずみたいに長いものは列車だった。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
このため兩少年りようしようねん各自かくじ家屋かおくのみならず、重幸少年しげゆきしようねんごときは隣接りんせつした小學校しようがつこう二十戸にじゆつこ民家みんかとを危急ききゆうからすくたのであつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
自分じぶんまちから、だいぶそこまではなれていました。へいくと、今度こんどひろ道路どうろとおるので、多数たすう家屋かおくりはらわれたあとでありました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかしこゝでちょっとまをしてくことは、かういふおてら建築けんちく支那しな朝鮮ちようせんからつたはり、天皇てんのう御殿ごてん貴族きぞく家屋かおくもさういふふうにつくられるようになりましたが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
そのときわしははっとして、これは愚図愚図ぐずぐずしていられないとおもった。それから何年なんねんになるかれぬが、いまではすこ幽界ゆうかい修行しゅぎょうみ、あかるいところに一けん家屋かおくかまえてすまわしてもらっている……。
あしもとには、ちいさな家屋かおくがたてこんで、物干ものほしの洗濯物せんたくものが、夏空なつぞらしたで、かぜにひるがえり、すこしばかりので、子供こどもが、おにごっこをしてあそんでいました。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
火口近かこうちかくにゐてこの波動はどう直面ちよくめんしたものは、空氣くうきおほきなつちもつなぐられたことになるので、巨大きよだい樹木じゆもく見事みごとれ、あるひこぎにされて遠方えんぽうはこばれる。勿論もちろん家屋かおくなどは一溜ひとたまりもない。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)