失礼しつれい)” の例文
旧字:失禮
(青金でだれもうし上げたのはうちのことですが、何分なにぶんきたないし、いろいろ失礼しつれいばかりあるので。)(いいえ、何もいらないので。)
泉ある家 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「これこれ、このおかたをだれだとおもう。三条さんじょう宰相殿さいしょうどの姫君ひめぎみだぞ。うっかり失礼しつれいなまねをすると、この一寸法師いっすんぼうし承知しょうちしないぞ。」
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ですからお武家ぶけさま、失礼しつれいなことをうかがいますが、あなたがたはいったいなんのために、こんなところで日がれるのにたむろを
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おまえが、ほんとうに、ぼっちゃんたちに、ばかだなんて、失礼しつれいなことをいったなら、わるかったといって、おあやまりなさい。」
おさくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのときえたりして貴顕に失礼しつれいがあってはならぬと云う其の筋の遠慮から、白は一日拘束された。主人が拘束されなかったのはまだしもであった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
るほどこのかたなら少女姿おとめすがた仮装つくられてもさして不思議ふしぎはないはず……。』失礼しつれいとはぞんじながらわたくしはそのときこころうちでそうかんじたことでございました。
そん五もとく七もありゃァしません。当時とうじ名代なだい孝行娘こうこうむすめ、たとい若旦那わかだんなが、百にちかよいなすっても、こればっかりは失礼しつれいながら、およばぬこい滝登たきのぼりで。……
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
なくてはいけないなんの病中びやうちう失礼しつれいなにもあつたものぢやアないそれともすこきてならぼくりかゝつてるがいゝといだおこせば居直ゐなほつて。
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「いいえ、そうではありませんが、なかなか言うことを聞きませんから、失礼しつれいでもあるといけないと思います」
内儀かみさんまことに失礼しつれいでございますが、なにかお土産みやげつたところ仕儀しぎでございますから、御主人ごしゆじんがおかへりになつたら一口ひとくちうぞげて下さいまし。
失礼しつれいではございますが、わたくしが五十年も前、父から聞きました話では、——その父はまた、もとは、じじいから聞いたのだと申しますが、——このお城の中には
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
そして、コウノトリのにつれもどって、ゆうべはほんとに失礼しつれいしました、とあやまりました。
(王子の手を取る)さあ、綺麗きれいに仲直りをしましょう。わたしの失礼しつれいゆるして下さい。
三つの宝 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
貴方あなた何時いつにかくるしんだことでもあるのですか、くるしみとうことの理解りかいをもっておでですか、あるい失礼しつれいながら貴方あなたはお幼少ちいさい時分じぶん打擲ぶたれでもなされましたことがおありなのですか?
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「だんなさま、ごめんください。あの時は、大へんくたびれていたものですから、つい、ばかげたことを言って、失礼しつれいいたしました。どうぞ、お気におかけくださいませんように。」
失礼しつれいしました。御老人ごらうじん貴下あなた大先生だいせんせいです。うか、御高名ごかうめいをお名告なのください。わたくし香村雪枝かむらゆきえつて、出過ですぎましたやうですが、矢張やつぱりきざんで、ものゝかたちこしらへます家業かげふのものです。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「こら芳輔よしすけ、そりゃなんのことです。おとうさんにたいして失礼しつれいな」
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「そんなわけでもないんです。では失礼しつれい——。」
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「なにをぬかす。失礼しつれいなやつめ!」
これは失礼しつれい
そのためについビールも一本失礼しつれいいたしました。そしてそのおかげでやっとおもいだしました。あれは現今げんこん西根山にしねやまにはたくさんございます。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「それはごちそうです。失礼しつれいではございますが、わたくしどももちょうどさけってまいりましたから、このほうんでいただきたいものです。」
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
けれども失礼しつれいだと思ったし、こわさもこわいのでえんりょして、心のうちでそう思うだけで満足まんぞくした。
かあさんは、いえかえって、さっそく、光子みつこさんを自分じぶんのそばへびました。そして、おばあさんにたいして、どうして、そんな失礼しつれい態度たいどをしたのかと、おききになりました。
お姉ちゃんといわれて (新字新仮名) / 小川未明(著)
初対面しょたいめんのことゆえ服装ふくそうなども失礼しつれいにならぬよう、日頃ひごろこのみの礼装れいそうに、れい被衣かつぎ羽織はおりました。
もちつかへたか……さア大変たいへんだ……泣きながらたべるからつかへるのだ困つたものだ……お待ちなさい……此子このこが心配する……わしせなかたゝいてげる……いかい……失礼しつれいだがたゝきますよ。
いゝえうぞ、失礼しつれいながらお名告なのください。御覧ごらんとほり、わたくしうかしてる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
このおくがたは、もうお客にたいして、失礼しつれいのなんのということを、おもってはいられなくなって、ひとりそっとうらばしごをおりて、二ども三ども、首の骨がおれたかとおもうほど、はげしく
青ひげ (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
「さきをいそぎますゆえ、なにとぞ、このまま失礼しつれいごめんくださいまし」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貴方あなたはそうしんじていなさるから結構けっこうだ。そう信仰しんこうがありさえすれば、たといかべなか塗込ぬりこまれたって、うたうたいながら生活せいかつしてかれます。貴方あなた失礼しつれいながらどこで教育きょういくをおけになったか?
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
始終しじゅうあなたに失礼しつれいばかりしておりますけれども
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
なんだとヱりやうさんに失礼しつれいだがおへりあそばしていたゞきたいとあゝさうまをすよりやうさんおきゝのとほりですからとあはれやはゝきやうするばかりむすめは一呼吸こきふせまりてる/\顔色かほいろあほくはつゆたま今宵こよひはよもとおもふに良之助りやうのすけつべきこゝろはさらにもなけれど臨終いまはまでこゝろづかひさせんことのいとを
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
どうも、だしぬけに失礼しつれいしました。じつはさっきぼっちゃんが、谷川たにがわのそばで大きなすぎの木をたおしたところをて、おどろいてここまでついてたのです。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「ああ、ではわたくしどもは失礼しつれいいたします」ジョバンニは、ていねいに大学士だいがくしにおじぎしました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
風船球ふうせんだまっていられたのをるだけに、なんのおもいやりもなく、たたきやぶるのをると、つい我慢がまんがしきれなくなって、失礼しつれいなことをいったり、また、かんがえると、くやしくなってきて
おさくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
失礼しつれいですが、わたしうかなつてはないでせうか。」
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「おい大将たいしょう失礼しつれいだけれど、お先へごめんこうむりますぜ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「では失礼しつれいですが、わたくしからもうげましょう。長持ながもちの中におれになったのはねこひきです。」
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「ええと、失礼しつれいですが山男さん、あなたはおいくつでいらっしゃいますか。」
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
東京とうきょうから、お役人やくにん先生せんせいがたがやっていらして、托児所たくじしょをごらんなさるというのだ。教育上きょういくじょうのご参考さんこうに、なさるのだろう。もうじき、えるだろうから、失礼しつれいのないように、らせにきたのだ。
托児所のある村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わかつたか。いや昨夜さくや失礼しつれいしたよ、魔物まもの隊長たいちやう。」
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「まあ、そんなことがあったのですか、それは、なにかおばあさんの、おかんがえちがいで、ありませんか。しかし、あんなおてんばですから、もし失礼しつれいをしましたら、どうぞごめんくださいまし。」
お姉ちゃんといわれて (新字新仮名) / 小川未明(著)
今晩こんばんのおとまりは。)(姥石うばいしまで行けましょうか。)(はあ、ゆっくりでごあ※す。)(いや、どうも失礼しつれいしました。ほんとうにいろいろご馳走ちそうになって、これはほんの少しですが。)学生はかばんから敷島しきしま
十六日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
失礼しつれい——いましがた二本松ほんまつしたやうです。」
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
失礼しつれいですがあのおどうはどなたをおまつりしたのですか。」
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
失礼しつれい、)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「いいえ、もう失礼しつれいいたします。」
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)