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二言
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ふたこと
ふりがな文庫
“
二言
(
ふたこと
)” の例文
とその中の
頭分
(
かしらぶん
)
らしい
侍
(
さむらい
)
がいいました。それから
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
いい
合
(
あ
)
ったと
思
(
おも
)
うと、
乱暴
(
らんぼう
)
な
侍共
(
さむらいども
)
はいきなり
刀
(
かたな
)
を
抜
(
ぬ
)
いて
切
(
き
)
ってかかりました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
案内の男が
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
支那語で何か云うと、老人は手を休めて、
暢気
(
のんき
)
な大きい声で返事をする。七十だそうですと案内が通訳してくれた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
先生は一わたり三つの実験を眺め渡して、
一言
(
ひとこと
)
二言
(
ふたこと
)
ちょっと
示唆的
(
しさてき
)
な注意を与えられる。それで指導の方はもうおしまいである。
寺田先生の追憶:――大学卒業前後の思い出――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
振返った途端に、右の
頬
(
ほお
)
げたから上下の歯を
併
(
あわ
)
せて斜めに切って、左のあばらの下まで切り下げられて、
二言
(
ふたこと
)
ともありません。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
俊助と
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
雑談を交換した後で、野村は大理石のマントル・ピイスへ手をかけながら、冗談のような調子でこう云った。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
おつたも
不快
(
ふくわい
)
な
容子
(
ようす
)
をしながら
南瓜
(
たうなす
)
と
葱
(
ねぎ
)
とを
脊負
(
しよ
)
つて
別
(
べつ
)
に
口
(
くち
)
を
利
(
き
)
くでもなく、
只
(
たゞ
)
卯平
(
うへい
)
と
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
いつてもうどうでも
好
(
い
)
いといふ
態度
(
たいど
)
で
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
だが今朝は、作左衛門が出がけであるため、
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
軽い言葉をかけられたのみで、彼は本陣を出て行く駕をなぜか知らぬ淋しい心もちで見送った。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これ、お
死
(
し
)
にゃったが
實
(
ぢゃう
)
ならば、
唯
(
あい
)
と
言
(
い
)
や。さうでなくば
否
(
いな
)
と
言
(
い
)
や。たった
一言
(
ひとこと
)
二言
(
ふたこと
)
で
此身
(
このみ
)
の
生死
(
しゃうし
)
が
決
(
きま
)
るのぢや。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
先
(
ま
)
づ
艦長松島大佐
(
かんちやうまつしまたいさ
)
に
向
(
むか
)
つて、
何事
(
なにごと
)
をか
二言
(
ふたこと
)
、
三言
(
みこと
)
、
公務
(
こうむ
)
の
報告
(
ほうこく
)
を
終
(
をは
)
つて
後
(
のち
)
、
私
(
わたくし
)
の
方
(
ほう
)
に
向直
(
むきなを
)
つた。
快活
(
くわいくわつ
)
な
調子
(
ちようし
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
くど/\
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
云うかと思うと、「それじゃまた」とお
辞儀
(
じぎ
)
をして往ってしまった。「弟が発狂した」が彼の
口癖
(
くちぐせ
)
である。弟とは
蓋
(
けだし
)
夫子
(
ふうし
)
自
(
みずから
)
道
(
い
)
うのであろう。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ここは農夫の客に
占
(
し
)
められたりしがようやく
明
(
あ
)
きしなり。
隣
(
となり
)
の
間
(
ま
)
に
鬚
(
ひげ
)
美
(
うるわ
)
しき男あり、あたりを
憚
(
はばか
)
らず
声高
(
こえたか
)
に物語するを聞くに、
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
の中に必ず
県庁
(
けんちょう
)
という。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
葉子は久しぶりでその銀の鈴のような澄みとおった声で高調子に物をいいながら
二言
(
ふたこと
)
目には涼しく笑った。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
出世を
嬌
(
たか
)
ぶらない、下のものにも気の軽そうな気質は、
一言
(
ひとこと
)
二言
(
ふたこと
)
の言葉のなかにもほのめいて見られる。
大橋須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
エレーナ じゃ、あと
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
——それでおしまいにしましょうね。あなた、何もお気づきじゃなくて?
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
殊に楽屋じゅうの者ともみんな顔を識り合っているので、彼はしめっぽい座蒲団の上に片膝をおろして、煙草をすいながら
二言
(
ふたこと
)
三言つまらないことを話していた。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
我
(
わ
)
が
思
(
おも
)
ふ
人
(
ひと
)
ほど
耻
(
はづ
)
かしく
恐
(
おそ
)
ろしき
物
(
もの
)
はなし、
女同志
(
をんなどし
)
の
親
(
した
)
しきにても
此人
(
このひと
)
こそと
敬
(
うやま
)
ふ
友
(
とも
)
に、さし
向
(
むか
)
ひては
何
(
なに
)
ごとも
言
(
い
)
はれず、
其人
(
そのひと
)
の
一言
(
ひとこと
)
二言
(
ふたこと
)
に、
耻
(
はづ
)
かしきは
飽
(
あ
)
くまで
耻
(
はづ
)
かしく
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夜の八時頃、一人で
棊譜
(
きふ
)
を開いて盤上に石を並べている父に、紅茶を運んで行ったときにも、父は
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
瑠璃子に言葉をかけたけれど、書状のことは、何も云わなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
『
間違
(
まちが
)
つてるかも
知
(
し
)
れないわ』と
愛
(
あい
)
ちやんは
恐
(
おそ
)
る/\
云
(
い
)
つて、『
二言
(
ふたこと
)
や
三言
(
みこと
)
は
變
(
か
)
へたのよ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
それぞれ父親から
縁談
(
えんだん
)
をもち出されると、我々は見る見るお
互
(
たが
)
いどうし好きになって、一足とびに
結婚
(
けっこん
)
してしまったというわけ。わたしの話は、ほんの
二言
(
ふたこと
)
で済んでしまいますよ。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
と云つて鏡子は襟を
合
(
あは
)
せた。
何時
(
いつ
)
の間にか千枝子も伯母の膝にもたれて居た。お照が千枝子に
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
物を云つて
行
(
ゆ
)
かうとすると榮子がわつと泣き出した。鏡子は手を放して子を立たせた。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
何でも、英吉利では一尾の魚が浮きあがつて、變挺な言葉で
二言
(
ふたこと
)
ものを言つたのを、學者がもう三年越し一生懸命に研究してゐるさうだが、未だに何のことだかさつぱり分らないといふ話だ。
狂人日記
(旧字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
お京とのことは、
一言
(
ひとこと
)
や
二言
(
ふたこと
)
では話せない。一言二言話せば、かえって、誤解される。納得の行くように、いつか話そうと思っているうちに、話しはぐれると、いよいよ、むずかしくなってしまう。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
孟丙の弟仲壬は昭公の
近侍
(
きんじ
)
某と親しくしていたが、一日友を公宮に訪ねた時、たまたま公の目に
留
(
とま
)
った。
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
、その下問に答えている中に、気に入られたと見え、帰りには親しく
玉環
(
ぎょっかん
)
を賜わった。
牛人
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
見て太田樣の陸尺共が
聲々
(
こゑ/″\
)
に此土百姓の
大馬鹿者
(
おほばかもの
)
め戸の
明建
(
あけたて
)
も知らぬか知らすば
教
(
をしへ
)
て遣ふ
稽古
(
けいこ
)
に來いと
散々
(
さん/″\
)
に惡口致候ゆゑ嘉川樣の事に付此多兵衞めも
堪
(
こら
)
へ
兼
(
かね
)
て
進寄
(
すゝみより
)
つひ
一言
(
ひとこと
)
二言
(
ふたこと
)
々爭
(
いひあらそ
)
ひし中双方
錆刀
(
さびがたな
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
安井
(
やすゐ
)
は
門口
(
かどぐち
)
へ
錠
(
ぢやう
)
を
卸
(
おろ
)
して、
鍵
(
かぎ
)
を
裏
(
うら
)
の
家
(
うち
)
へ
預
(
あづ
)
けるとか
云
(
い
)
つて、
走
(
か
)
けて
行
(
い
)
つた。
宗助
(
そうすけ
)
と
御米
(
およね
)
は
待
(
ま
)
つてゐる
間
(
あひだ
)
、
二言
(
ふたこと
)
、
三言
(
みこと
)
、
尋常
(
じんじやう
)
な
口
(
くち
)
を
利
(
き
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、語尾の
二言
(
ふたこと
)
を、
昂
(
たか
)
くさけんだ。それは、郁次郎に向って、百日の別れを告げることばでもあり、また、その間の忍苦に耐えよと励ますようにもひびいた。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、
濱島
(
はまじま
)
は
此時
(
このとき
)
最早
(
もはや
)
此
(
この
)
船
(
ふね
)
を
去
(
さ
)
らんとて
私
(
わたくし
)
の
手
(
て
)
を
握
(
にぎ
)
りて
袂別
(
わかれ
)
の
言葉
(
ことば
)
厚
(
あつ
)
く、
夫人
(
ふじん
)
にも
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
云
(
い
)
つた
後
(
のち
)
、その
愛兒
(
あいじ
)
をば
右手
(
めて
)
に
抱
(
いだ
)
き
寄
(
よ
)
せて、
其
(
その
)
房々
(
ふさ/″\
)
とした
頭髮
(
かみのけ
)
を
撫
(
な
)
でながら
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
木村さんの親友親友と
二言
(
ふたこと
)
目には鼻にかけたような事をいわるるが、わしもわしで木村さんから頼まれとるんだから、
一人
(
ひとり
)
よがりの事はいうてもらわんでもがいいのだ。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
野村
(
のむら
)
もその窓から首を出して、外に立っている
俊助
(
しゅんすけ
)
と、
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
落着かない言葉を交換した。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼女は何か
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
言葉を換すと乗るべき自動車に片手をかけて、華やかな微笑を四人の中の、誰に投げるともなく投げて、その
娜
(
しな
)
やかな身を
飜
(
ひるがえ
)
して
忽
(
たちま
)
ち車上の人となったが
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
質樸
(
しつぼく
)
なれば言葉すくなきに、
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
めには、「われ一個人にとりては」とことわる
癖
(
くせ
)
あり。
遽
(
にわか
)
にメエルハイムのかたへ向きて、「君がいひなづけの妻の待ちてやあるらむ、」といひぬ。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
その
後
(
のち
)
も何かの会のおり、写真を写すおり、御一緒になって
一言
(
ひとこと
)
二言
(
ふたこと
)
おはなししたこともありましたが、私の思出は
何時
(
いつ
)
も一番お若いときの、袖を
撫
(
なで
)
ておはなしをなさっていた面影が先立ちます。
大塚楠緒子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「君のことは堀越からも聞いたよ。まあ勉強して見たまえ。なかなかむずかしい仕事だからね。」そんなことを
二言
(
ふたこと
)
、三言いっているうちに他の来客があったので、わたしは早々にそこを引退がって
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
忠左衛門と内蔵助と、
何方
(
どちら
)
も、ことば数の少い者同士が、
二言
(
ふたこと
)
三言に、
万感
(
ばんかん
)
を語りあっていると、九郎兵衛は用ありげに、その間に広間の方へ立ち去っていた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかしKの室の前に立ち留まって、
二言
(
ふたこと
)
三言
(
みこと
)
内と外とで話をしていました。それは
先刻
(
さっき
)
の続きらしかったのですが、前を聞かない私にはまるで解りませんでした。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
彼等
(
かれら
)
の
仲間
(
なかま
)
でも
羽振
(
はぶ
)
りよき
男
(
をとこ
)
、
何
(
なに
)
か
一言
(
ひとこと
)
二言
(
ふたこと
)
いふと、
勇
(
いさ
)
ましき
水兵
(
すいへい
)
の
一團
(
いちだん
)
は、
等
(
ひと
)
しく
帽
(
ぼう
)
を
高
(
たか
)
く
飛
(
とば
)
して、
萬歳
(
ばんざい
)
を
叫
(
さけ
)
んだ、
彼等
(
かれら
)
は
其
(
その
)
敬愛
(
けいあい
)
する
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
の
知己
(
ちき
)
たる
吾等
(
われら
)
が
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
今も外から帰って来たこんがらの重兵衛は、待ち兼ねていたせいたかと
一言
(
ひとこと
)
二言
(
ふたこと
)
云い交わしながらその
家
(
や
)
の中へ上がり、さて歩き疲れにがっかりした
態
(
さま
)
で、
対
(
むか
)
い
合
(
あ
)
いに腕こまぬく。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼はやがて自分の
傍
(
わき
)
を顧みて、そこにこごんでいる日本人に、
一言
(
ひとこと
)
二言
(
ふたこと
)
何
(
なに
)
かいった。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何か
一言
(
ひとこと
)
二言
(
ふたこと
)
小声に口を動かしたが、それは今のお米の心を
惹
(
ひ
)
く何ものの力もない。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二
常用漢字
小1
部首:⼆
2画
言
常用漢字
小2
部首:⾔
7画
“二言”で始まる語句
二言三言
二言目
二言葉