“錆刀”の読み方と例文
読み方割合
さびがたな100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さけんだのはその拇指おやゆびを、竹童ちくどうにかまれたのであろう。むねをついて手をはなし、あけびまき錆刀さびがたなをザラリときかける。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、何の禁厭まじないか知れぬまで、鉄釘かなくぎ鉄火箸かなひばし錆刀さびがたなや、破鍋われなべの尻まで持込むわ。まだしもよ。お供物だと血迷っての、犬の首、猫の頭、目をき、ひげを動かし、舌をべらべら吐く奴を供えるわ。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見て太田樣の陸尺共が聲々こゑ/″\に此土百姓の大馬鹿者おほばかものめ戸の明建あけたても知らぬか知らすばをしへて遣ふ稽古けいこに來いと散々さん/″\に惡口致候ゆゑ嘉川樣の事に付此多兵衞めもこらかね進寄すゝみよりつひ一言ひとこと二言ふたこと々爭いひあらそひし中双方錆刀さびがたな
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)