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不自由
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ふじいう
ふりがな文庫
“
不自由
(
ふじいう
)” の例文
時候
(
じこう
)
の
變
(
かは
)
り
目
(
め
)
といふものは、
妙
(
めう
)
に
心細
(
こゝろぼそ
)
いやうな氣のするものですね、これはあながち
不自由
(
ふじいう
)
に
暮
(
くら
)
してゐるばかりではないでせうよ。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
落葉
(
おちば
)
には
灰際
(
はひぎは
)
から
其
(
そ
)
の
外側
(
そとがは
)
を
傳
(
つた
)
ひて
火
(
ひ
)
がべろ/\と
渡
(
わた
)
つた。
卯平
(
うへい
)
は
不自由
(
ふじいう
)
な
手
(
て
)
の
火箸
(
ひばし
)
で
落葉
(
おちば
)
を
透
(
すか
)
した。
火
(
ひ
)
は
迅速
(
じんそく
)
に
其
(
そ
)
の
生命
(
せいめい
)
を
恢復
(
くわいふく
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
請
(
うけ
)
んや其中は母の
看病
(
かんびやう
)
藥
(
くすり
)
何呉
(
なにくれ
)
と
定
(
さだ
)
めて
不自由
(
ふじいう
)
成
(
なら
)
んと此事のみ心に
懸
(
かゝ
)
り
牢舍
(
らうしや
)
したる我心を少しは
汲譯
(
くみわけ
)
早
(
はや
)
く
現在
(
ありのまゝ
)
に申上て
此苦
(
このくるし
)
みを
助
(
たす
)
けられよと申を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この
田舍
(
ゐなか
)
は
水
(
みづ
)
に
不自由
(
ふじいう
)
なところでした。
谷
(
たに
)
の
底
(
そこ
)
の
方
(
はう
)
まで
行
(
ゆ
)
けば
山
(
やま
)
の
間
(
あひだ
)
を
流
(
なが
)
れて
來
(
く
)
る
谷川
(
たにがは
)
がなくもありませんが、
人家
(
じんか
)
の
近
(
ちか
)
くにはそれもありませんでした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
病院
(
びやうゐん
)
などに
入
(
はひ
)
るものは、
皆
(
みんな
)
病人
(
びやうにん
)
や
百姓共
(
ひやくしやうども
)
だから、
其位
(
そのくらゐ
)
な
不自由
(
ふじいう
)
は
何
(
なん
)
でも
無
(
な
)
いことである、
自家
(
じか
)
にゐたならば、
猶更
(
なほさら
)
不自由
(
ふじいう
)
を
爲
(
せ
)
ねばなるまいとか、
地方自治體
(
ちはうじちたい
)
の
補助
(
ほじよ
)
もなくて
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
勿躰
(
もつたい
)
なや
此
(
こ
)
の
子
(
こ
)
といふ
可愛
(
かはゆ
)
きもあり、
此子
(
これ
)
が
爲
(
ため
)
我
(
わ
)
が
爲
(
ため
)
不自由
(
ふじいう
)
あらせじ
憂
(
う
)
き
事
(
こと
)
のなかれ、
少
(
すこ
)
しは
餘裕
(
よゆう
)
もあれかしとて
朝
(
あさ
)
は
人
(
ひと
)
より
早
(
はや
)
く
起
(
お
)
き、
夜
(
よ
)
は
此通
(
このとほ
)
り
更
(
ふ
)
けての
霜
(
しも
)
に
寒
(
さむ
)
さを
堪
(
こら
)
へて
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
破
(
やぶ
)
れたストーヴについて、
不自由
(
ふじいう
)
な
外出
(
がいしゅつ
)
について、
封
(
ふう
)
を
切
(
き
)
られた
手紙
(
てがみ
)
について、
不親切
(
ふしんせつ
)
な
軍医
(
ぐんい
)
について、
横
(
よこ
)
っ
面
(
つら
)
へ
竹刀
(
しない
)
を
飛
(
と
)
ばす
班長
(
はんちょう
)
について、
夜中
(
よなか
)
にみんな
叩
(
たた
)
き
起
(
おこ
)
す
警報
(
けいほう
)
について
一九三二・二・二六:―白テロに斃た××聯隊の革命的兵士に―
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
我
(
わ
)
が
手
(
て
)
で
描
(
か
)
きながら、
出入
(
ではひ
)
りも
出來
(
でき
)
ぬとあつては、
畫師
(
ゑかき
)
も
不自由
(
ふじいう
)
なものぢやが、なう。
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そして、それがなんとなく
彼
(
かれ
)
に
對
(
たい
)
して
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
な、
彼女
(
かれ
)
の一
生
(
しやう
)
を
通
(
つう
)
じてすまないことのやうに、
思
(
おも
)
はれるのであつた。まち
子
(
こ
)
は、もはや
不自由
(
ふじいう
)
の
足
(
あし
)
の
惡
(
わる
)
い、
自分
(
じぶん
)
の
肉體
(
からだ
)
についてはあきらめてゐる。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
只
(
たゞ
)
お
品
(
しな
)
にのみ
焦
(
こが
)
れて
居
(
ゐ
)
たのであるが、
段々
(
だん/\
)
日數
(
ひかず
)
が
經
(
た
)
つて
不自由
(
ふじいう
)
を
感
(
かん
)
ずると
共
(
とも
)
に
耳
(
みゝ
)
を
聳
(
そばだ
)
てゝさういふ
噺
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
くやうに
成
(
な
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
天秤棒
(
てんびんぼう
)
で
兩方
(
りやうはう
)
の
肩
(
かた
)
に
手桶
(
てをけ
)
をかついだ
近所
(
きんじよ
)
の
女達
(
をんなたち
)
がそこへ
水汲
(
みづくみ
)
に
集
(
あつ
)
まつて
來
(
き
)
ます。
水
(
みづ
)
の
不自由
(
ふじいう
)
なところに
生
(
うま
)
れた
父
(
とう
)
さんは
特別
(
とくべつ
)
にその
清水
(
しみづ
)
のあるところを
樂
(
たのし
)
く
思
(
おも
)
ひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
貰
(
もら
)
ひ
受
(
うけ
)
我養子となしたりけり是に因て後藤秀盛は丸龜の城下へ
無刀流劔術
(
むたうりうけんじゆつ
)
の道場を出せしが此道場日々に
繁昌
(
はんじやう
)
して殊の外弟子も多く何一ツ
不自由
(
ふじいう
)
なく
暮
(
くら
)
しけるに
付
(
つき
)
後藤は
我目矩
(
わがめがね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
父
(
ちゝ
)
の
存命中
(
ぞんめいちゆう
)
には、イワン、デミトリチは
大學
(
だいがく
)
修業
(
しうげふ
)
の
爲
(
ため
)
にペテルブルグに
住
(
す
)
んで、
月々
(
つき/″\
)
六七十
圓
(
ゑん
)
づゝも
仕送
(
しおくり
)
され、
何
(
なに
)
不自由
(
ふじいう
)
なく
暮
(
くら
)
してゐたものが、
忽
(
たちまち
)
にして
生活
(
くらし
)
は一
變
(
ぺん
)
し、
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
人
(
ひと
)
の
教
(
をし
)
へを
聞
(
き
)
かないで、
銀座
(
ぎんざ
)
にも、
新宿
(
しんじゆく
)
にも、バーの
勝手
(
かつて
)
を
知
(
し
)
らないから、
旅
(
たび
)
さきで
不自由
(
ふじいう
)
する。もつとも、
後
(
のち
)
に
番頭
(
ばんとう
)
の
陳
(
ちん
)
じたところでは、
他
(
た
)
の
女中
(
ぢよちう
)
との
詮衡上
(
せんかうじやう
)
、
花番
(
はなばん
)
とかに
當
(
あた
)
つたからださうである。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「そんぢやおめえさん
燃
(
もう
)
す
物
(
もの
)
にや
不自由
(
ふじいう
)
なしでえゝな」
婆
(
ばあ
)
さんは
羨
(
うらや
)
まし
相
(
さう
)
にいつた。さうして
小
(
ちひ
)
さな
木片
(
もくへん
)
を
入
(
いれ
)
る
爲
(
ため
)
に
持
(
もつ
)
て
來
(
き
)
た
麻
(
あさ
)
の
穢
(
きたな
)
い
袋
(
ふくろ
)
を
草刈籠
(
くさかりかご
)
から
出
(
だ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と、
彼
(
かれ
)
は
更
(
さら
)
に
續
(
つゞ
)
けて。『
全體
(
ぜんたい
)
君
(
きみ
)
は
不自由
(
ふじいう
)
な
生活
(
せいくわつ
)
をされてゐるので、
家
(
いへ
)
と
云
(
い
)
へば
清潔
(
せいけつ
)
でなし、
君
(
きみ
)
の
世話
(
せわ
)
をする
者
(
もの
)
は
無
(
な
)
し、
療治
(
れうぢ
)
をするには
錢
(
ぜに
)
は
無
(
な
)
し。ねえ
君
(
きみ
)
、で
我々
(
われ/\
)
は
切
(
せつ
)
に
君
(
きみ
)
に
勸
(
すゝ
)
めるのだ。 ...
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
賣りても差出すべきに不屆なりと申さるれば勘兵衞私し病氣に付き
不自由
(
ふじいう
)
にて
船乘
(
ふなのり
)
も出來難く其故
別
(
べつ
)
して
難澁
(
なんじふ
)
仕つり候間
兎角
(
とかく
)
出來兼ね恐入候と申を汝出來ぬと言て彦兵衞は
如何
(
どう
)
して其品を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
父
(
とう
)
さんが
子供
(
こども
)
の
時分
(
じぶん
)
から
水
(
みづ
)
といふものを
大切
(
たいせつ
)
に
思
(
おも
)
ひ、ずつと
大
(
おほ
)
きくなつても
水
(
みづ
)
の
流
(
なが
)
れて
居
(
ゐ
)
るのを
見
(
み
)
るのが
好
(
す
)
きで、
水
(
みづ
)
の
音
(
おと
)
を
聞
(
き
)
くのも
好
(
す
)
きなのは、
斯
(
か
)
うして
水
(
みづ
)
に
不自由
(
ふじいう
)
な
田舍
(
ゐなか
)
に
生
(
うま
)
れたからだと
思
(
おも
)
ひます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
由
常用漢字
小3
部首:⽥
5画
“不自”で始まる語句
不自然
不自覚也
不自覚識
不自惜身命