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高輪
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たかなわ
ふりがな文庫
“
高輪
(
たかなわ
)” の例文
高輪
(
たかなわ
)
の巴屋は名物を失ひましたが、臆病者の與茂吉が、綺麗なお絹の婿になつて、又新しい名物にされたことは言ふ迄もありません。
銭形平次捕物控:320 お六の役目
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
勝川
春亭
(
しゅんてい
)
の「品川沖之鯨
高輪
(
たかなわ
)
より見る之図」や、歌川
国芳
(
くによし
)
の「七浦捕鯨之図」「宮本武蔵巨鯨退治之図」などが
挿入
(
そうにゅう
)
されてあった。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
(これは実際はどこの烟であったか知らない。青山は焼けなかったはずである。方角からいえば
高輪
(
たかなわ
)
御殿の烟だったとも思われる)
地異印象記
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
この
老婆
(
ろうば
)
は以前は
大塚
(
おおつか
)
の
坂下町辺
(
さかしたまちへん
)
、その前は
根岸
(
ねぎし
)
、または
高輪
(
たかなわ
)
あたりで、度々
私娼媒介
(
ししょうばいかい
)
の
廉
(
かど
)
で検挙せられたこの仲間の
古狸
(
ふるだぬき
)
である。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
芝の
高輪
(
たかなわ
)
の辺だというのですが、運転手も町の名を知らないのです。もう一度行ってみればわかるだろうというのだそうです。
暗黒星
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
巖谷氏
(
いはやし
)
の
住所
(
ぢうしよ
)
は
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
麹町
(
かうぢまち
)
元園町
(
もとぞのちやう
)
であつた。が
麹町
(
かうぢまち
)
にも、
高輪
(
たかなわ
)
にも、
千住
(
せんぢゆ
)
にも、
待
(
ま
)
つこと
多時
(
たじ
)
にして、
以上
(
いじやう
)
返電
(
へんでん
)
がこない。
今時
(
いまどき
)
とは
時代
(
じだい
)
が
違
(
ちが
)
ふ。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
高輪
(
たかなわ
)
の海岸にさしかかったのは夜の五ツ(午後八時)を過ぎた頃で、暗い海に漁船の
篝火
(
かがりび
)
が二つ三つ寂しく浮かんでいた。
半七捕物帳:04 湯屋の二階
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「僕達は急に仲が好くなってしまって、もう始終一緒だった。あの頃君は
高輪
(
たかなわ
)
にいたね。
汚
(
きた
)
ない下宿だったじゃないか?」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「おい、この間
高輪
(
たかなわ
)
の御殿山で猫又さんに會つたぜ。」何かの話が途切れた後で、得能はふと思ひ出したやうに云つた。
猫又先生
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
よく捨吉は岡つづきの地勢に沿うて古い寺や墓地の沢山にある
三光町
(
さんこうちょう
)
寄の
谷間
(
たにあい
)
を
迂回
(
うかい
)
することもあり、あるいは
高輪
(
たかなわ
)
の通りを
真直
(
まっすぐ
)
に
聖坂
(
ひじりざか
)
へと取って
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
透谷庵主、透谷橋外の市寓に
倦
(
う
)
みて、近頃
高輪
(
たかなわ
)
の閑地に新庵を結べり。樹
幽
(
かすか
)
に水清く、
尤
(
もつと
)
も浄念を養ふに便あり。
我牢獄
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
「さいしょは品川の万字
相模
(
さがみ
)
」と政は喉の詰った声で云った、「ゆんべは
高輪
(
たかなわ
)
の松葉屋という安宿です」
あすなろう
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
東海道から江戸へ入るには、是非ともさしかかる
八
(
や
)
ツ
山口
(
やまぐち
)
か
高輪
(
たかなわ
)
の浦あたり——、その辺に、必殺の策を伏せておいて、
殺
(
ばら
)
してしまおうという二人が大体の
目算
(
もくさん
)
。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これも昼火事でございましたね。火元は青山の
権太原
(
ごんだわら
)
で、麻布三軒家から、広尾、白金、
高輪
(
たかなわ
)
まで、百二十六カ町というものを焼き尽したんですから大したものです。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
兼「なに今時分は北風が吹くと船頭に聞いておりますから
直
(
じき
)
に
往
(
い
)
かれます、そして
追風
(
おいかぜ
)
で
宜
(
よ
)
うございます、
高輪
(
たかなわ
)
から乗ると造作はございません、入らっしゃいましよ/\」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そうでない日はちょうど会社の
退
(
ひ
)
けた時刻に大井町で待ち合わせて、
蒲田
(
かまた
)
、大森、品川、目黒、主としてあの辺の郊外から、市中では
高輪
(
たかなわ
)
や田町や三田あたりを廻って見て
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
いつも私達が相手にならなかった
高輪
(
たかなわ
)
のお前のおばが、この夏もまた新しい縁談を私のところに持ってきたが、丁度森さんが北京でお亡くなりになったりした時だったので
楡の家
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
高輪
(
たかなわ
)
の
泉岳寺
(
せんがくじ
)
が今の倍数ほどの借家を建て、同時に門前のお
土産
(
みやげ
)
屋が一軒もなくなったとて、府や市が石の榜示を立てなければ、四十七士の墓所の不明になる危険はないはずだ。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
八山下
(
やつやました
)
の夜が
更
(
ふ
)
けて、品川の海の浪も静まり、
高輪
(
たかなわ
)
一帯の大名屋敷に、灯火一つまばたいてもいず、遠くで吠える犬の声や、手近で鳴らす拍子木の音が、夜の深さを思わせる頃
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
例えば
善宗流
(
ぜんそうりゅう
)
の沖鈎、
宅間玄牧
(
たくまげんぼく
)
流の
隼
(
はやぶさ
)
鈎、芝
高輪
(
たかなわ
)
の釣師
太郎助
(
たろすけ
)
流の筥鈎などと、
家伝
(
かでん
)
によりましていろいろ型がござりますが、……しかし、これなぞは、普通、見越鈎といわれる
顎十郎捕物帳:04 鎌いたち
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
心持ちの解けあわない事があって出演しなかったが(彼らは川上の望んでいた芝
高輪
(
たかなわ
)
泉岳寺の四十七士の墓所の下へ別に師の墓を建て、東京における新派劇団からの葬式を営んだ)
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
彼等の言を聞けば、政府にて決答を
躊躇
(
ちゅうちょ
)
するときは軍艦より
先
(
ま
)
ず
高輪
(
たかなわ
)
の
薩州邸
(
さっしゅうてい
)
を
砲撃
(
ほうげき
)
し、
更
(
さ
)
らに
浜御殿
(
はまごてん
)
を
占領
(
せんりょう
)
して
此処
(
ここ
)
より大城に向て
砲火
(
ほうか
)
を開き、江戸市街を
焼打
(
やきうち
)
にすべし
云々
(
うんぬん
)
とて
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
余は三時過ぎから、ある事の為にある若い婦人を伴うて、粕谷から
高輪
(
たかなわ
)
に往った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
立出
道
(
みち
)
すがら
昨夜
(
ゆうべ
)
の相方は
斯々
(
かく/\
)
なりなどと
雜談
(
ざふだん
)
を云つゝ一本の
傘
(
かさ
)
に三人が
小雨
(
こさめ
)
を
凌
(
しの
)
ぎながら品川を後にして
高輪
(
たかなわ
)
より
札
(
ふだ
)
の
辻
(
つじ
)
の方へ
差掛
(
さしかゝ
)
りける處に夜の引明なれば未だ
往來
(
わうらい
)
は
人影
(
ひとかげ
)
もなく向ふを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
高輪
(
たかなわ
)
の宿屋で、亭主が石地蔵と心中をしたなどという種は、八五郎に言われるまでもなく、江戸始まって以来の珍捕物になりそうです。
銭形平次捕物控:320 お六の役目
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
安政
(
あんせい
)
の
末年
(
まつねん
)
、一人の
若武士
(
わかざむらい
)
が品川から
高輪
(
たかなわ
)
の
海端
(
うみばた
)
を通る。夜は
四
(
よ
)
つ過ぎ、
他
(
ほか
)
に人通りは無い。
芝
(
しば
)
の
田町
(
たまち
)
の方から
人魂
(
ひとだま
)
のやうな火が
宙
(
ちゅう
)
を
迷
(
まよ
)
うて来る。
雨夜の怪談
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
芝浦
(
しばうら
)
の月見も
高輪
(
たかなわ
)
の
二十六夜待
(
にじふろくやまち
)
も既になき世の
語草
(
かたりぐさ
)
である。
南品
(
なんぴん
)
の風流を伝へた
楼台
(
ろうだい
)
も今は
唯
(
たゞ
)
不潔なる
娼家
(
しやうか
)
に過ぎぬ。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
上京後の来助老人が仕事場は芝の
高輪
(
たかなわ
)
にできましたから、今度はわたしのほうからたずねて行ったことがあります。
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私
(
わし
)
の懇意な者が
高輪
(
たかなわ
)
に茶店を出して、旧幕時分で、可笑しかった、帆かけ船は見えるし、二十六
夜
(
や
)
の月を見て結構でしょうと云うと、
左様
(
そう
)
でない、通るものは
牛馬
(
うしうま
)
ばかりで
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
番人乞食が犬を追い散らしてくれた故、
高輪
(
たかなわ
)
の漁師町のうらにはいりて、
海苔取船
(
のりとりぶね
)
があったから、それをひっくり返して、その下に寝たが、あんまり
草臥
(
くたび
)
れたせいか、翌日は
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
堀内伝右衛門は、
町住居
(
まちずまい
)
だった。いつも馬で、若党に
仲間
(
ちゅうげん
)
をつれ、
高輪
(
たかなわ
)
から細川家の上屋敷に近い町まで、わが家の寝床を思いながら、緩慢な
馬蹄
(
ひづめ
)
の音を楽しんで戻るのだった。
べんがら炬燵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
辺幅
(
へんぷく
)
を修めない、質素な人の、
住居
(
すまい
)
が芝の
高輪
(
たかなわ
)
にあるので、毎日病院へ通うのに、この院線を使って、お茶の水で下車して、あれから大学の所在地まで徒歩するのが
習
(
ならい
)
であったが
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
本郷に移り下谷に移り、下谷
御徒町
(
おかちまち
)
へ移り、芝
高輪
(
たかなわ
)
へ移り、
神田
(
かんだ
)
神保町
(
じんぼうちょう
)
に行き、
淡路町
(
あわじちょう
)
になった。其処で父君を失ったので、その秋には悲しみの残る家を離れ本郷
菊坂町
(
きくざかちょう
)
に住居した。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
このあたりの名寺なる東禅寺は境広く、樹古く、陰欝として
深山
(
しんざん
)
に入るの
思
(
おもひ
)
あらしむ。この境内に一条の
山径
(
やまみち
)
あり、
高輪
(
たかなわ
)
より二本榎に通ず、近きを
択
(
えら
)
むもの、こゝを往還することゝなれり。
鬼心非鬼心:(実聞)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
たとえば『談海集』巻二十二、寛文十一年九月九日、摂州
芥川
(
あくたがわ
)
の
仇討
(
あだうち
)
の物語の
中
(
うち
)
、松下助五郎が東海道を上るとて江戸を発足する条に、芝を過ぎて
高輪
(
たかなわ
)
を通るとて同行者岩崎覚左衛門が狂歌
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
三人連にて立出
高輪
(
たかなわ
)
へ來りし時仁左衞門
大音
(
だいおん
)
揚
(
あげ
)
コレ三吉汝は
先年
(
せんねん
)
甲州にて金子
配分
(
はいぶん
)
せし砌方々申合せしを一向に用ひず我等兩人へ
無體
(
むたい
)
に
難儀
(
なんぎ
)
を懸る事
度々
(
たび/\
)
に及ぶ如何に
惡逆無道
(
あくぎやくむだう
)
の
者
(
もの
)
なり共恥を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
高輪
(
たかなわ
)
の巴屋は名物を失いましたが、臆病者の与茂吉が、綺麗なお絹の婿になって、また新しい名物にされたことは言うまでもありません。
銭形平次捕物控:320 お六の役目
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
多年出入りをしている
商人
(
あきんど
)
などの家で、あるいは青山、あるいは
高輪
(
たかなわ
)
、更に本所深川などであるから、いかに若い元気で無茶苦茶に駈けまわっても
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
芝浦
(
しばうら
)
の月見も
高輪
(
たかなわ
)
の
二十六夜待
(
にじゅうろくやまち
)
も既になき世の
語草
(
かたりぐさ
)
である。
南品
(
なんぴん
)
の風流を伝えた
楼台
(
ろうだい
)
も今は
唯
(
ただ
)
不潔なる
娼家
(
しょうか
)
に過ぎぬ。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その晩、岸本はまだ旅から帰りたての客のような形で、兄の義雄と同じ
蚊屋
(
かや
)
の内に寝た。
高輪
(
たかなわ
)
にあるこの新開の町ではもう一月も前から蚊屋を
釣
(
つ
)
るという。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
あの座敷に寝ころんで見たら、
房総
(
ぼうそう
)
の海も江戸の町も、
一望
(
ひとめ
)
であろうと思われる
高輪
(
たかなわ
)
の
鶉坂
(
うずらざか
)
に、久しくかかっていた疑問の
建築
(
たてもの
)
が、やっと、この秋になって、九分九厘まで
竣工
(
でき
)
た。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
短慮功を為さずと遺言され、それから
些
(
ちっ
)
とばかりおとなしくなったが、気の
暴
(
あれ
)
えのは
性質
(
うまれつき
)
だから止まねえのよ、今日
高輪
(
たかなわ
)
から
乗合船
(
のりえいぶね
)
で客を送り、深川へ上げて佐賀町の友達の処で用を
達
(
た
)
し
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ば後になし歸ると聞し
虎
(
とら
)
の
門
(
もん
)
も歸らぬ旅に
行
(
ゆく
)
空
(
そら
)
の西の久保より
赤羽
(
あかばね
)
の川は三
途
(
づ
)
としら
壁
(
かべ
)
の
有馬
(
ありま
)
長家も打過て六堂ならねど
札
(
ふだ
)
の
辻
(
つじ
)
脇目
(
わきめ
)
も
振
(
ふら
)
ず急ぎしか此程
高輪
(
たかなわ
)
よりの出火にて愛宕下通り
新
(
あたら
)
し橋邊まで一圓に
燒原
(
やけはら
)
となり
四邊
(
あたり
)
曠々
(
くわう/\
)
として
物凄
(
ものすご
)
く雨は次第に
降募
(
ふりつの
)
り目先も知ぬ
眞
(
しん
)
の
闇
(
やみ
)
漸々
(
やう/\
)
にして
歩行
(
あゆみ
)
ける折しも
響
(
ひゞ
)
く
鐘
(
かね
)
の
音
(
ね
)
は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
高輪
(
たかなわ
)
の邸で、学校出の若い社員と、今でも
竹刀
(
しない
)
を握ります。ゴルフもこの頃、はじめたが、とても撃剣のようには行きません」
胡堂百話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
陰
(
くも
)
った寒い日、私は
高輪
(
たかなわ
)
の海岸に立って、灰色の空と真黒の海を眺めた。明治座一月興行の二番目を目下起稿中で、その第三幕目に高輪海岸の場がある。
一日一筆
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
久しく別れた人たちに会おうとて、自分は
高輪
(
たかなわ
)
なる
小波
(
さざなみ
)
先生の文学会に赴くため始めて市中の電車に乗った。
霊廟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
高輪
(
たかなわ
)
の家にある叔父さんの著書をここへも持って来てこの
侘
(
わび
)
しい時のなぐさめとしたいのであるが、人に見られることを
気遣
(
きづか
)
って見合せたと書いてよこした。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
就きまして只今では
高輪
(
たかなわ
)
八ツ山の前にお
漁
(
りょう
)
などに往らしった時分、お馴染の船宿の二階を借りて居らっしゃいまして、御帰参のお支度にかゝって居りますが、故郷へは錦を飾れの
比喩
(
たとえ
)
ゆえ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その間違いの
原因
(
おこり
)
は、実に十五夜の当日、
高輪
(
たかなわ
)
の月見茶屋から友達と
外
(
そ
)
れて、そのまま、大山へ詣り、箱根熱海と遊び廻って立ち帰りますと、死んだ
主人
(
あるじ
)
が戻ったというわけで、私の方こそ
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次と八五郎は、その夜のうちに、
高輪
(
たかなわ
)
に向いました。留守は隣の女房に頼んで、近いところから
駕籠
(
かご
)
を二梃、女二人の乗物を中に挟んで宙を飛びました。
銭形平次捕物控:320 お六の役目
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“高輪”の解説
高輪(たかなわ)は、東京都港区の町名。現行行政町名は高輪一丁目から高輪四丁目。郵便番号は108-0074(高輪局管区)。
(出典:Wikipedia)
高
常用漢字
小2
部首:⾼
10画
輪
常用漢字
小4
部首:⾞
15画
“高輪”で始まる語句
高輪泉岳寺
高輪台
高輪岸
高輪事件
高輪白金
高輪街道
高輪倶楽部
高輪東禅寺