“聖坂”の読み方と例文
読み方割合
ひじりざか100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
稽古場けいこばにあてられたのは三田の聖坂ひじりざかにある、吉村と云う西洋楽器店の二階で、夫人はそこへ毎週二回、月曜日と金曜日に出張する。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
芝の山内を抜けて赤羽橋へ出、三田の通りの角から聖坂ひじりざかを上らずに、あれから三光町さんこうちょうへと取って、お寺や古い墓地の多い谷間たにあいの道を歩いた。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
神田川に沿って、聖坂ひじりざかのほうへ歩きながら、去定は前を見たままそう訊いた。登のうしろで、薬籠やくろう持ちの竹造が「へ」といった。自分が訊かれたと思ったらしい。