トップ
>
蓮葉
>
はすは
ふりがな文庫
“
蓮葉
(
はすは
)” の例文
が、姿は雨に、月の
朧
(
おぼろ
)
に、水髪の横櫛、
頸
(
うなじ
)
白く、水色の蹴出し、
蓮葉
(
はすは
)
に
捌
(
さば
)
く裾に揺れて、
蒼白
(
あおじろ
)
く燃える中に、いつも素足の吾妻下駄。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お島のきびきびした調子と、
蓮葉
(
はすは
)
な取引とが、到るところで評判がよかった。
物馴
(
ものな
)
れてくるに従って、お島の顔は一層広くなって行った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
この理由から「うらなく物の思はるるかな」と答えた妹の姫も
蓮葉
(
はすは
)
な気があそばされて好感をお持ちになることができなかった。
源氏物語:49 総角
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
蓮葉
(
はすは
)
な事で、からだが燃えるように恥ずかしく思いましたが、私は母にお願いしました。母は、とても、いやな顔をしました。
きりぎりす
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
その
蓮葉
(
はすは
)
な、鼻にかかつた声と、白粉の少しむらになつた、肉のうすい喉とが、私に幾分の刺戟を与へるのは云ふまでもない。
世之助の話
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
彼女の頭には無論
朧気
(
おぼろげ
)
ながらある
臆測
(
おくそく
)
があった。けれども
強
(
し
)
いられないのに、
悧巧
(
りこう
)
ぶってそれを口外するほど、彼女の教育は
蓮葉
(
はすは
)
でなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と誰に云ったのだか分らない
語
(
ことば
)
を出しながら、いかにも
蓮葉
(
はすは
)
に
圃
(
はたけ
)
から出離れて、そして振り返って
手招
(
てまね
)
ぎをして
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
やがては
令孃
(
ひめ
)
をも
幸福
(
かうふく
)
の
位置
(
ゐち
)
に
据
(
す
)
ゑて、
不名譽
(
ふめいよ
)
の
取
(
と
)
り
返
(
か
)
へしは
譯
(
わけ
)
もなきことなり、
扨
(
さて
)
も
濱千鳥
(
はまちどり
)
ふみ
通
(
かよ
)
ふ
道
(
みち
)
はと
夜
(
よ
)
もすがら
筆
(
ふで
)
を
握
(
にぎ
)
りしが、もとより
蓮葉
(
はすは
)
ならぬ
令孃
(
ひめ
)
の
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
うら若き
女子
(
をなご
)
の身にて夜を
冒
(
をか
)
して來つるをば、
蓮葉
(
はすは
)
のものと
卑下
(
さげす
)
み給はん事もあらば如何にすべき。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
「六代目はああいふ
気儘
(
きまゝ
)
つ
児
(
こ
)
だから……」梅幸は
蓮葉
(
はすは
)
らしく
立膝
(
たてひざ
)
の上で
長煙管
(
ながきせる
)
をくるくる廻した。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
如何にも不思議
相
(
そう
)
に、それから哀しそうに、無念そうに眺めて居たが、
爺
(
おやじ
)
に催促して、跡の騒ぎや女郎などの「どうぞまたおほほほほほ」など
蓮葉
(
はすは
)
ないやらしい笑声を聞き捨てて
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
あゝ、モンタギューどの、このやうに
愚
(
おろ
)
からしう
言
(
い
)
うたなら、わしを
蓮葉
(
はすは
)
なともお
思
(
おも
)
ひなさらうが、
巧妙
(
じゃうず
)
に
餘所々々
(
よそ/\
)
しう
作
(
つく
)
りすます
人達
(
ひとたち
)
より、もそッと
眞實
(
しんじつ
)
な
女子
(
をなご
)
になって
見
(
み
)
せう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それと同時に、母の言葉が、
蓮葉
(
はすは
)
に乱暴なのを聴いて、益々心が暗くなつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
若
(
も
)
し
相愛
(
あいあい
)
していなければ、文三に親しんでから、お勢が言葉遣いを改め
起居動作
(
たちいふるまい
)
を変え、
蓮葉
(
はすは
)
を
罷
(
や
)
めて優に
艶
(
やさ
)
しく
女性
(
にょしょう
)
らしく成る
筈
(
はず
)
もなし、又今年の夏
一夕
(
いっせき
)
の情話に、我から
隔
(
へだて
)
の関を
取除
(
とりの
)
け
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
これが馬鹿のお母さんなら
直
(
すぐ
)
に起き上って
紙燭
(
ししょく
)
でも
点
(
とも
)
し、から/\方々を開け散かして、「此の
娘
(
こ
)
は何うしたんだよ」なんて呶鳴って騒ぐんだが、
沈着
(
おちつ
)
いた方だから
其様
(
そん
)
な
蓮葉
(
はすは
)
な真似はしない
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
すこし
蓮葉
(
はすは
)
に下駄を突っかけながら、がらりと格子を開けて出ていった。
三つの挿話
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
と澄んだ美しい声で
蓮葉
(
はすは
)
に叫んだ。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
蓮葉
(
はすは
)
なる
金切
(
かなきり
)
ごゑと
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
楽屋にては小親の
緋鹿子
(
ひがのこ
)
のそれとは違い、黒き
天鵞絨
(
びろうど
)
の
座蒲団
(
ざぶとん
)
に、
蓮葉
(
はすは
)
に片膝立てながら、
繻子
(
しゅす
)
の襟着いたる
粗
(
あら
)
き
竪縞
(
たてじま
)
の
布子
(
ぬのこ
)
羽織りて
被
(
き
)
つ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「御免下さい。」と
蓮葉
(
はすは
)
のような、無邪気なような声で言って、スッと入って来た。そこに腰かけて、得意先の帳面を繰っていた小僧は、
周章
(
あわ
)
てて片隅へ
避
(
よ
)
けた。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
あれ
位
(
くらゐ
)
私
(
わたし
)
が
泣
(
な
)
いても
恨
(
うら
)
んでも
取合
(
とりあ
)
つて
下
(
くだ
)
さらなかつたは
旦那樣
(
だんなさま
)
のおえらいので、あの
時代
(
じだい
)
のやうな
蓮葉
(
はすは
)
な
私
(
わたし
)
に
萬一
(
まんいち
)
お
役所
(
やくしよ
)
の
事
(
こと
)
でも
聞
(
き
)
かして
下
(
くだ
)
さらうなら、どのやうの
詰
(
つま
)
らぬ
事
(
こと
)
を
仕出來
(
しでか
)
すか
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それと同時に、母の言葉が、
蓮葉
(
はすは
)
に乱暴なのを聴いて、
益々
(
ますます
)
心が暗くなった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
またわざと怖がって見せる若々しい
蓮葉
(
はすは
)
の態度もなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と言つて、娘は
蓮葉
(
はすは
)
に額で一寸
睨
(
にら
)
めるやうな真似をした。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
などと言って、少し
蓮葉
(
はすは
)
な性質の女房らは
源氏物語:46 竹河
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
蓮葉
(
はすは
)
に笑った、
婦
(
おんな
)
の方から。——これが
挨拶
(
あいさつ
)
らしい。が、私が酔っています、か、お前さんは酔ってるね、だか分らない。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お今は
蓮葉
(
はすは
)
なような歩き方をして、不足そうに言った。近ごろ出来たばかりの、新しい半コートや、襟捲きに引き立つその姿が、おりおり人を振り
顧
(
かえ
)
らせていた。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
叱言
(
こごと
)
は犬か、
盗人猫
(
ぬすっとねこ
)
か、勝手口の戸をあけて、ぴッしゃりと
蓮葉
(
はすは
)
にしめたが、浅間だから
直
(
じき
)
にもう鉄瓶をかちりといわせて、障子の内に女の
気勢
(
けはい
)
。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
奥へ通ると、
水口
(
みずぐち
)
の方で、
蓮葉
(
はすは
)
なような口を利いている女の声がする。相手は魚屋の若い衆らしい。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ふと
蓮葉
(
はすは
)
に、ものを言つて、夫人はすつと立つて、
対丈
(
ついたけ
)
に、
黒人
(
くろんぼ
)
の
西瓜
(
すいか
)
を避けつゝ、鸚鵡の
籠
(
かご
)
をコト/\と
音信
(
おとず
)
れた。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
金縁
(
きんぶち
)
眼鏡をかけて、
細巻
(
ほそまき
)
を用意した男もあった。
独法師
(
ひとりぼっち
)
のお島は、草履や下駄にはねあがる
砂埃
(
すなぼこり
)
のなかを、人なつかしいような
可憐
(
いじら
)
しい心持で、ぱっぱと
蓮葉
(
はすは
)
に足を運んでいた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ふと
蓮葉
(
はすは
)
に、ものを
言
(
い
)
つて、
夫人
(
ふじん
)
はすつと
立
(
た
)
つて、
對丈
(
つゐたけ
)
に、
黒人
(
くろんぼ
)
の
西瓜
(
すゐくわ
)
を
避
(
さ
)
けつゝ、
鸚鵡
(
あうむ
)
の
籠
(
かご
)
をコト/\と
音信
(
おとづ
)
れた。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
見立てて上げるよって……東京ものは
蓮葉
(
はすは
)
で世帯持ちが
下手
(
へた
)
やと言うやないか。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
トタンに
慌
(
あわただ
)
しく、男の
膝越
(
ひざごし
)
に
衝
(
つ
)
とのばした
袖
(
そで
)
の色も、帯の影も、緑の中に濃くなって、
活々
(
いきいき
)
として
蓮葉
(
はすは
)
なものいい。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
奥のことは一切取り仕切って、永い間の
手練
(
てなれ
)
の世帯向きのように気が利いた。新吉の目から見ると、することが少し
蓮葉
(
はすは
)
で、派手のように思われた。けれど働きぶりが
活
(
い
)
き活きしている。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
真
(
まこと
)
の性質は霜夜の幽霊のように沈んで寂しいのかも知れないのに、
行為
(
ふるまい
)
は極めて
蓮葉
(
はすは
)
で、真夏のごときは「おお暑い。」と云うと我が家に限らぬ、
他家
(
よそ
)
でもぐるぐる帯を解く。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あらア、おばさん繁ちゃんが……。」お庄は
蓮葉
(
はすは
)
な大声を出した。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
小さな帳場格子の内から
衝
(
つ
)
と浴衣の
装
(
なり
)
で立つと
斉
(
ひと
)
しく、
取着
(
とッつき
)
に
箪笥
(
たんす
)
のほのめく次の間の
隔
(
へだて
)
の
葭簀
(
よしず
)
を
蓮葉
(
はすは
)
にすらりと引開けて、ずっと入ると暗くて涼しそうな中へ、姿は消えたが
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
羽織を脱いでほうり出して、帯もこんなに(なよやかに、
頭
(
つむり
)
を振向く)あの、
蓮葉
(
はすは
)
にしめて、「
後生
(
ごしょう
)
、内証だよ。」と堅く
口止
(
くちどめ
)
をしました上で、宿帳のお名のすぐあとへ……あの
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
占
(
しま
)
っていたので、高島田にさした平打を抜いて、
蓮葉
(
はすは
)
に、はらんばいになったが、絹蒲団にもつかえたか、動きが悪いから、するりと起き上って、こう膝を立てていましたッてね。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
蓮葉
(
はすは
)
な
手首
(
てくび
)
を
淑
(
つゝ
)
ましげに、
袖
(
そで
)
を
投
(
な
)
げて
袂
(
たもと
)
を
掛
(
か
)
けると、
手巾
(
ハンケチ
)
をはらりと
取
(
と
)
る。……
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
蓮葉
(
はすは
)
なる笑声、小親にゃ聞えむかと、思わず楽屋なる
居室
(
いま
)
の
方
(
かた
)
見られたり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やや
蓮葉
(
はすは
)
に
白脛
(
しらはぎ
)
のこぼるるさえ、道きよめの雪の影を散らして、
膚
(
はだ
)
を守護する位が備わり、包ましやかなお
面
(
おもて
)
より、一層世の
塵
(
ちり
)
に遠ざかって、好色の河童の
痴
(
たわ
)
けた目にも、女の肉とは映るまい。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お孝が一声応ずるとともに、崩れた褄は小間を落ちた、片膝立てた段
鹿
(
か
)
の子の、浅黄、
紅
(
くれない
)
、
露
(
あら
)
わなのは、取乱したより、
蓮葉
(
はすは
)
とより、
薬玉
(
くすだま
)
の
総
(
ふさ
)
切れ切れに、美しい玉の緒の
縺
(
もつ
)
れた
可哀
(
あわれ
)
を
白々地
(
あからさま
)
。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
垢抜
(
あかぬけ
)
して色の浅黒いのが、
絞
(
しぼり
)
の浴衣の、
糊
(
のり
)
の落ちた、しっとりと露に湿ったのを
懊悩
(
うるさ
)
げに
纏
(
まと
)
って、
衣紋
(
えもん
)
も
緩
(
くつろ
)
げ、左の手を二の腕の見ゆるまで
蓮葉
(
はすは
)
に
捲
(
まく
)
ったのを膝に置いて、それもこの売物の広告か
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
蓮葉
(
はすは
)
に云って、
口惜
(
くや
)
しそうに力のない膝を
緊
(
し
)
め合わせる。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
時に、見返つた
美女
(
たおやめ
)
の
風采
(
とりなり
)
は、
蓮葉
(
はすは
)
に見えて
且
(
か
)
つ気高く
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ッて
蓮葉
(
はすは
)
に出て、直ぐ垣隣りの百姓屋の背戸を
覗込
(
のぞきこ
)
んで
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ほほほほほほ、」と
蓮葉
(
はすは
)
に
仇気
(
あどけ
)
なく笑ったが、再び
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おその、
蓮葉
(
はすは
)
に裏口より入る。駄菓子屋の娘。
錦染滝白糸:――其一幕――
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蓮
漢検準1級
部首:⾋
13画
葉
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
“蓮葉”で始まる語句
蓮葉娘
蓮葉女
蓮葉者