興味きょうみ)” の例文
主人はこの話を非常ひじょう興味きょうみをもって聞いた。今後こんご花前の上になんらかの変化へんかをきたすこともやと思わないわけにはいかなかった。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
現世げんせ生活せいかつにいくらか未練みれんのこっている、つまらぬ女性達じょせいたちことをいつまで申上もうしあげてたところで、そう興味きょうみもございますまいから……。
……それ以来いらいというもの、国王こくおうは、なかの、いろいろなことに、ご興味きょうみをもたせられて、あるときは、ご旅行りょこうをあそばされ、またあるときは
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
のみならず学問上の立場から見ても、人とさるがどうちがうか、研究してみるのも興味きょうみのあることではないでしょうか
いままでの、意地いじ興味きょうみなど超越ちょうえつして、ある運命うんめいとものすごい殺気さっきをはらみかけた番外ばんがいばん試合じあいは、こうしてまさにその火蓋ひぶたを切られようとしている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おににかくしおおせて、おにを負かしてしまうということや、おにの方では、早くみつけて早くおにをやめるということなどにはたいして興味きょうみはなかった。
花をうめる (新字新仮名) / 新美南吉(著)
唐物屋とうぶつやだの呉服店ごふくてんなどに、どんなにきれいなものがかざってあっても、今の清造にはなんの興味きょうみもありません。金物屋かなものや桶屋おけやはそれ以上に用のないものでした。
清造と沼 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
学校教授法の実験に興味きょうみを持つ人間と、詩や歌にあくがれている青年とがこうして長く相対あいたいしてすわった。点心ちゃうけには大きい塩煎餅しおせんべいが五六枚盆にのせて出された。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
このなかには人間にんげん知識ちしき高尚こうしょう現象げんしょうほかには、ひとつとして意味いみのある、興味きょうみのあるものはいのです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
きのうもきょうもない春重はるしげのことながら、二十七のきょうのわかさで、おんなかずは千にんちかくもつくくしたのが自慢じまんなだけに、並大抵なみたいていのことでは興味きょうみかず、師匠ししょうとおりに美人画びじんがなら
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
それを考えることの興味きょうみのほうが勝敗の興味よりもずっと深くなってきた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
ことにひかり反射はんしゃとか屈折くっせつとかが、ぼくの興味きょうみをとらえてしまったんだ
えんもゆかりもないいま人達ひとたちには、さして興味きょうみもあるまいとおもいますが、私自身わたくしじしんには、なかなかわすれられない事柄ことがらだったのでございます。
話もそれでおわりになったが、主人しゅじんはこの花前はなまえのことについて考えることに興味きょうみってきた。その夜もいろいろと考えた。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
わたしの演説えんぜつはじめの部分だけはかれも殊勝しゅしょうらしくたいへん興味きょうみを持って傾聴けいちょうしていたが、二十とことばを言わないうちに、かれは一本の木の上にとび上がって
生活せいかつ興味きょうみうしなっているわか人々ひとびとなかでは、毎日まいにちうなだれてしずんでいるものもありましたが、一めいけても、幸福こうふく世界せかいいだしたいとおもったものもありました。
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれまえのように八きて、ちゃのちすぐ書物しょもつたのしんでんでいたが、このごろあたらしい書物しょもつえぬので、古本ふるほんばかりんでいるせいか、以前程いぜんほどには興味きょうみかんぜぬ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
なかば、安心しているので、興味きょうみをもって待ちかまえていると、すでに、支度したくができていたものか、遠駆けにえらばれた巽小文治たつみこぶんじ朱柄あかえやり山県蔦之助やまがたつたのすけの手にあずけて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっぱら興味きょうみの中心はかくされた土中の一握ひとにぎりの花の美しさにつながっていた。
花をうめる (新字新仮名) / 新美南吉(著)
それがわかれば、いっそうかれが今日こんにち状態じょうたい興味きょうみがふかいだろうけれど、わからぬものはしかたがないとして、きょう見ただけでもかれは興味きょうみある変人だ。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
これではリーズのことを話しても、わたしと同じ興味きょうみで聞いてはくれないだろうと思った。でもわたしはかれがひじょうにリーズをいてくれることをのぞんでいた。
わたくしのようなあの住人じゅうにん食物しょくもつ衣類いるいなどにつきてとおとおむかしおもがたりをいたすのはなにやらお門違かどちがいをしているようで、何分なにぶんにも興味きょうみらないでこまってしまいます……。
高等科こうとうか卒業そつぎょうするころには、たがいに家庭かてい状態じょうたいことなって、りょう一は、電気でんき興味きょうみをもつところから、そのほうの学校がっこうへいったし、友吉ともきちは、農業のうぎょう学校がっこうはいることになりました。
僕が大きくなるまで (新字新仮名) / 小川未明(著)
泣きながら城内じょうないへついてきたむすめも、その百姓も、ちょうど酒宴しゅえんをしていた長安ながやすのよいさけ興味きょうみになって無慈悲むじひ手討てうちにあって殺されたが、その死骸しがいを投げすてられたと聞くこのほり
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
或時あるとき徒然つれづれなるにまかせて、書物しょもつ明細めいさい目録もくろく編成へんせいし、書物しょもつにはふだを一々貼付はりつけたが、こんな機械的きかいてき単調たんちょう仕事しごとが、かえって何故なにゆえ奇妙きみょうかれ思想しそうろうして、興味きょうみをさええしめていた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
だがその遊びに私たちが持った興味きょうみは他の遊びとはちがう。
花をうめる (新字新仮名) / 新美南吉(著)
それから青年が一人、老人ろうじんが一人やって来た。今度の旅行はかれらにとって二重の興味きょうみがあった。
たとえ、としっても、やはり、めずらしいものにはいちばん興味きょうみおぼえるものです。
片田舎にあった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
マタンは、興味きょうみがわいてきました。
名なし指物語 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
つまりそれはなんだかわけのわからない、ごたごたした活動であったが、それが自分でもはっきりつかむことのできない、ひじょうに強い興味きょうみをわたしの心にひき起こした。
学校がっこうにきても、勉強べんきょうにまったく興味きょうみがないくらいなら、そして、先生せんせいかおばかりているようでは、なんのえきにもならないことだから、いっそ学校がっこうをやめて、奉公ほうこうにいくなり、家庭かてい
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
研究室けんきゅうしつにつとめている助手じょしゅ小田おださんは、また青年詩人せいねんしじんでもありました。詩人しじんなればこそ、幾世紀前いくせいきまえ人間生活にんげんせいかつ興味きょうみをもち、こころうつくしく想像そうぞうし、また、あこがれもしたのでありましょう。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「どうせ、このみちとおるのですもの、つれてきますとも。それに、きょうの仕事しごとは、もうおわったのだから。」と、おじさんは、ちょっとした探検たんけんにも、ひじょうな興味きょうみをもっているようでした。
どこかで呼ぶような (新字新仮名) / 小川未明(著)
偶然ぐうぜんのことから、わたしは、らんに興味きょうみをもつようになりました。いままでは無関心むかんしんにこれをていて、ただ普通ふつうくさの一しゅとしかおもわれなかったのが、特別とくべつ高貴こうきなもののようにおもいはじめたのです。
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おばあさんは、なにも農産物のうさんぶつ興味きょうみをもったわけではありません。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
みんなは、このはなしをきいて、たいそう興味きょうみをもちました。
花咲く島の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
母親ははおやは、このはなしに、ふか興味きょうみおぼえたらしく、わらって
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
医者いしゃはこのはなしくと、興味きょうみをもちました。
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)