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結
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ゆわ
ふりがな文庫
“
結
(
ゆわ
)” の例文
俊亮は、自転車に壜詰を
結
(
ゆわ
)
えつけて、それを押しながら家を出たが、町はずれまで来ると、次郎をいっしょにのせてペタルをふんだ。
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
そう言ううちにも平次は、手っ取り早くお静の傷口を洗って、用意の
焼酎
(
しょうちゅう
)
でしめした上、手拭を裂いてキリキリと
結
(
ゆわ
)
えてやりました。
銭形平次捕物控:019 永楽銭の謎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
羽織の
紐
(
ひも
)
の長きをはづし、
結
(
ゆわ
)
ひつけにくるくると見とむなき間に合せをして、これならばと
踏試
(
ふみこころむ
)
るに、歩きにくき事言ふばかりなく
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
というが
疾
(
はや
)
いか、段に片足を上げて両手を
支
(
つ
)
く、裾を引いて、ばったり
俯向
(
うつむけ
)
に
転
(
のめ
)
った綺麗な体は、
結
(
ゆわ
)
えつけられたように階子に寝た。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鼻と、口を
手拭
(
てぬぐい
)
でしっかと
結
(
ゆわ
)
えてもムーンと鼻の穴から、頭へ突きぬけるような臭気が、
噎
(
む
)
せるようだった。
馴
(
な
)
れても同じだった。
工場新聞
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
▼ もっと見る
とくに念を入れた
服装
(
みなり
)
をしていて、フランネルの服、派手な手袋、白の
半靴
(
はんぐつ
)
、薄青の
襟飾
(
えりかざり
)
を
結
(
ゆわ
)
えていた。手には小さな
鞭
(
むち
)
をもっていた。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
その一つを拾った万平は、向うの壁に干してある、誰かの
越中褌
(
えっちゅうふんどし
)
で包んでシッカリと
紐
(
ひも
)
で
結
(
ゆわ
)
えて、大切そうに袖の間へシッカリと抱えた。
芝居狂冒険
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「胸さわぎがする」と、奥へかくれたと思うと、覚明は、逞しい自分の腰に太刀の
革紐
(
かわひも
)
を
結
(
ゆわ
)
いつけながら出てきて、ありあう下駄を
穿
(
は
)
き
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二、三時間で、
魚籠
(
びく
)
は一杯になった。魚籠の中で、バタバタと跳ねる魚の響きが、腰に
結
(
ゆわ
)
えた紐から身体に伝わってきて、何とも快かった。
楢の若葉
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
庭は思いの外ひっそりとしていたが、その一方の隅の
楓
(
かえで
)
の木の下に、後ろ手に
結
(
ゆわ
)
かれているのは建具屋の平吉という人らしい。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
貞時はさがしようもなく幾つかの女車を
遣
(
や
)
り過したなかに、
薄葉
(
うすよう
)
を
籠
(
かご
)
のようにふくらがし、元の方を扉に
結
(
ゆわ
)
えた女車があった。
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
前は右足だったが、今度は
左脚
(
ひだりあし
)
に
結
(
ゆわ
)
いつけられて、それに紐の色が赤いんだ。けれどもただひとついいことは、みんな
大抵
(
たいてい
)
寝
(
ね
)
てしまったんだ。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と見ると、女は凄いほどの
整
(
ととの
)
った顔立ちで、それが、
巫女
(
みこ
)
のような白い着物を着て、髪をおすべらかしみたいに
背後
(
うしろ
)
へ垂らして藁で
結
(
ゆわ
)
えている。
早耳三次捕物聞書:04 海へ帰る女
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
おじいさんが、自分のからだを梶棒に
結
(
ゆわ
)
いつけてくれないと知って、今度は、歯でくわえて曳いて行こうとするのでした。
フランダースの犬
(新字新仮名)
/
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー
(著)
私は
嬉
(
うれ
)
しくて、「どうぞ」とたのんで安心しました。丸太を組んで縄で
結
(
ゆわ
)
えた
手摺
(
てすり
)
に寄って眺めますと、曇っていてもかなり遠くまで見えます。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
おしのは草履を
結
(
ゆわ
)
いつけてはき、
煎薬
(
せんやく
)
を詰めた
壜
(
びん
)
と、綿や紙を入れた包みを持って、釣台の
脇
(
わき
)
に付いて本石町をでかけた。
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
だからいい
暮
(
くら
)
しをしておいでなのだ。ほらね、あの
方
(
かた
)
は
脚
(
あし
)
に
赤
(
あか
)
いきれを
結
(
ゆわ
)
えつけておいでだろう。ありゃあ
家鴨
(
あひる
)
にとっちゃあ
大
(
たい
)
した
名誉
(
めいよ
)
なんだよ。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
合唱隊の子供達と、頬を
結
(
ゆわ
)
え髪に藁を揷した番僧がそれにつづく。その次が自分つまり補祭の番だ。つづいて紫帽をいただき十字架を捧げた役僧。
決闘
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
箱からしたたるビードロのような
滴
(
しずく
)
を切り、彼女は、両手で刀箱を支え、じっと見入った。ゆかしい古代紫の絹の打ち紐で、箱は
結
(
ゆわ
)
えられていた。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
濡れた海水着をタヲルできゆつと
結
(
ゆわ
)
へて片手にぶら下げた英子が、雪の下の下山(光代たちの姓)の家に寄つて、毎晩三人きりで退屈してゐるから
水と砂
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
最後
(
さいご
)
の病は
腰疾
(
ようしつ
)
(こしの病気)であった。それにはしじゅう板にねかしておくがいいというので、板の上にからだを
結
(
ゆわ
)
えつけて動けないようにした。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
創作家のランジェは、黙って、大きな
卓机
(
デスク
)
から一束の手紙を取りだした。その
文束
(
ふみたば
)
は
真紅
(
まっか
)
なリボンで
結
(
ゆわ
)
えてあった。
ふみたば
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
そして、
藻掻
(
もが
)
く手足を押込んでしまうと、袋の口を
麻縄
(
ロープ
)
で厳重に
結
(
ゆわ
)
いてしまった。ああ、僕は、こんどこそ海底の
藻屑
(
もくず
)
と消え失せなければならないのか。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
ラプンツェルを
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
った
同
(
おな
)
じ
日
(
ひ
)
の
夕方
(
ゆうがた
)
、
魔女
(
まじょ
)
はまた
塔
(
とう
)
の
上
(
うえ
)
へ
引返
(
ひきかえ
)
して、
切
(
き
)
り
取
(
と
)
った
少女
(
むすめ
)
の
辮髪
(
べんぱつ
)
を、しっかりと
窓
(
まど
)
の
折釘
(
おれくぎ
)
へ
結
(
ゆわ
)
えつけて
置
(
お
)
き、
王子
(
おうじ
)
が
来
(
き
)
て
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
あれを
還俗
(
げんぞく
)
させて島田に
結
(
ゆわ
)
せたなら
何様
(
どんな
)
であろう、なんかと碌でもない考えを起すものなどもござりました。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それがすむと、小山嬢は、飾椅子に
結
(
ゆわ
)
きつけてあった綱をほどき、宙に
首吊
(
くびつ
)
りを演じている博士の身体を下におろし、前のとおり
肘懸
(
ひじかけ
)
椅子に腰を掛けさせた。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
アブラハム・クップフェルの處からも、あの三角帽、赤絲肩章、
前立
(
まへだち
)
、
色布
(
いろぎれ
)
で
結
(
ゆわ
)
いた辮髮の見別がつく。
石工
(旧字旧仮名)
/
ルイ・ベルトラン
(著)
彼女はそれから、
小筥
(
こばこ
)
の中からそっと取りだした一枚の紙片を、鳩の足に
結
(
ゆわ
)
えつけると、庭へ出て、一度強く鳩を胸に抱き
締
(
し
)
めながら、頬をつけてから手を離した。
橋
(新字新仮名)
/
池谷信三郎
(著)
窓の縁にその端を固く
結
(
ゆわ
)
えて、自分はその美しい
金
(
きん
)
の綱を伝って、するする下へ降りて行きました。
ろまん灯籠
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
自転車で走って、叩き起こして買うたのはまあよかったやさ。風呂敷へ包んでサドルの後ろへ
結
(
ゆわ
)
えつけて戻って来たら、
擦
(
す
)
れとりましてな、これだけほどになっとった
城のある町にて
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
框
(
かまち
)
に腰をかけて阿賀妻は
草鞋
(
わらじ
)
を脱いだ。取った
脚絆
(
きゃはん
)
と手甲をそれぞれの
紐
(
ひも
)
で
結
(
ゆわ
)
えてその隅に置いた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
それは
綿
(
わた
)
の
入
(
はい
)
った、
裾
(
すそ
)
の
厚
(
あつ
)
いものでございますので、
道中
(
どうちゅう
)
は
腰
(
こし
)
の
所
(
ところ
)
で
紐
(
ひも
)
で
結
(
ゆわ
)
えるのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
花見ごろには、お庄も学校の
隙
(
ひま
)
にここの店番をしながら、袋を
結
(
ゆわ
)
える
観世綯
(
かんぜよ
)
りなど綯らされた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「ところがその百姓が、車の
轅
(
ながえ
)
と横木を
蔓
(
かずら
)
で
結
(
ゆわ
)
いた結び目を誰がどうしても
解
(
と
)
く事が出来ない」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今日は応接間の
絨毯
(
じゅうたん
)
を台なしにして、校長に叱られた。
乃公
(
おれ
)
は猫の頚にインキ瓶を
結
(
ゆわ
)
い付けたばかりで、三日間の禁足になって了った。今に彼の猫を
打殺
(
たたきころ
)
して
了
(
しま
)
うからいい。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それから念入りにきれいな白い紙で体裁よく包んで、解くのが少々やっかいなように
結
(
ゆわ
)
えた。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
その鎖は、それで
結
(
ゆわ
)
えて運ぶ大きな木材よりもむしろ、それでつながれたかも知れない太古の巨獣マストドンやマンモスなどを思い浮かばせた。それは牢獄のような感じだった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
之は大版二枚がけ位のタテに長い版画でしたが、下では鬼婆が乳をぶらさげて出刃をとぎ、上からは身もちの真白な女が真赤なゆもじをして、
結
(
ゆわ
)
かれてさかさに吊るされています。
少年の食物
(新字新仮名)
/
木村荘八
(著)
「今晩、遅く皆さんが寝静まった時に、花園の中の、あの石のある処へいらして、そこの樹へ
索
(
なわ
)
を
結
(
ゆわ
)
えて、その端を
牆
(
へい
)
の外へ投げてくださるなら、あの方がすがってあがりますよ」
断橋奇聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
佃は迷惑そうであったが、伸子は膳を下げに来た女中に草履と
結
(
ゆわ
)
いつけの紐を頼んだ。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
去年は、あっちのユウカリの樹のそばへつないでおいたのですがね、今年はこんなところへ逃げ出して来ている……ほら、ご覧なさい。ちゃんと鎖で
結
(
ゆわ
)
えつけておくんですが、いつも鎖を
ノンシャラン道中記:03 謝肉祭の支那服 ――地中海避寒地の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
学校へ見にいったところで、今ごろいるはずもないと思い、赤ん坊と
結
(
ゆわ
)
いひもをもって、いちばん仲よしの早苗のところへのぞきにいった。てっきりそこで遊びほうけていると思ったのだ。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
(昔の名残りの
葛籠
(
つづら
)
の底から、成田山の疵薬を出す。薬は辛うじて残っている)少しシミるけれど、もうこれで大丈夫、今、
結
(
ゆわ
)
えといてあげるよ。(小布れを探して結えてやる)さあ、もういい。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
昔から旱魃の時には村民が集まって祈雨するが、総ての方法を尽くしてもなお降らぬ際は、牛の首を切って、滝壺の柵に置き藤蔓で堅く
結
(
ゆわ
)
え付け後を見ずに帰って来る秘法を行うことになっている。
穀神としての牛に関する民俗
(新字新仮名)
/
中山太郎
(著)
くるくると巻いてその果し状を
小柄
(
こづか
)
へ
結
(
ゆわ
)
いつけると
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
なれども、結んだのは
生蛇
(
なまへび
)
ではござりませぬ。この悪念でも、さすがは
婦
(
おんな
)
で、
包
(
つつみ
)
を
結
(
ゆわ
)
えましたは、
継合
(
つぎあ
)
わせた蛇の
脱殻
(
ぬけがら
)
でござりますわ。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
厳重に
結
(
ゆわ
)
えたようでも、引窓の綱にはかなりの
弛
(
ゆる
)
みがあり、上からコジられるごとに、隙間は少しずつ大きくなって行きました。
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
腕は
結
(
ゆわ
)
かれ頭は欠けて雑草の波に打たれてるある像の上に、一匹の
蜥蜴
(
とかげ
)
が安らかな胸であえぎながら、じっと日光に浴して我を忘れていた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
と言って、さすがに米友があいた口が
塞
(
ふさ
)
がらないのは、首根ッ子へ
結
(
ゆわ
)
いつけていた風呂敷包が、いつのまにか紛失していることであります。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何
(
なに
)
己
(
お
)
れは
馴
(
な
)
れた
物
(
もの
)
だ、
斯
(
か
)
うやつて
斯
(
か
)
うすると
言
(
い
)
ひながら
急遽
(
あわたゞ
)
しう七
分
(
ぶ
)
三
分
(
ぶ
)
に
尻端
(
しりはし
)
折
(
をり
)
て、
其樣
(
そん
)
な
結
(
ゆわ
)
ひつけなんぞより
是
(
こ
)
れが
夾快
(
さつぱり
)
だと
下駄
(
げた
)
を
脱
(
ぬ
)
ぐに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“結”の意味
《名詞》
結(けつ)
漢詩の起承転結の最後。結句。
(出典:Wiktionary)
“結”の解説
結(ゆい)とは、主に小さな集落や自治単位における共同作業の制度である。一人で行うには多大な費用と期間、そして労力が必要な作業を、集落の住民総出で助け合い、協力し合う相互扶助の精神で成り立っている。
(出典:Wikipedia)
結
常用漢字
小4
部首:⽷
12画
“結”を含む語句
結局
結末
結構
結果
結髪
凝結
結合
元結
結婚
結目
結納
結句
髪結
結綿
結立
結着
引結
文七元結
手結
結直
...