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悠々
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いう/\
ふりがな文庫
“
悠々
(
いう/\
)” の例文
例
(
れい
)
の
下
(
した
)
を
向
(
む
)
いて
悠々
(
いう/\
)
と
小取廻
(
ことりまはし
)
に
通抜
(
とほりぬ
)
ける
旅僧
(
たびそう
)
は、
誰
(
たれ
)
も
袖
(
そで
)
を
曳
(
ひ
)
かなかつたから、
幸
(
さいはひ
)
其後
(
そのあと
)
に
跟
(
つ
)
いて
町
(
まち
)
へ
入
(
はい
)
つて、
吻
(
ほツ
)
といふ
息
(
いき
)
を
吐
(
つ
)
いた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
芋蟲
(
いもむし
)
は
腕
(
うで
)
を
組
(
く
)
んで
其頂
(
そのいたゞ
)
きに
坐
(
すわ
)
り、
悠々
(
いう/\
)
と
長
(
なが
)
い
水煙草
(
みづたばこ
)
の
煙管
(
きせる
)
を
喫
(
ふか
)
してゐて、
愛
(
あい
)
ちやんや
其他
(
そのた
)
の
物
(
もの
)
にも
一切
(
いつさい
)
眼
(
め
)
をくれませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
終夜
(
しうや
)
雨
(
あめ
)
に
湿
(
うるほ
)
ひし為め、水中を
歩
(
あゆ
)
むも
別
(
べつ
)
に意となさず、二十七名の一隊
粛々
(
しゆく/\
)
として
沼
(
ぬま
)
を
渉
(
わた
)
り、
蕭疎
(
しようそ
)
たる
藺草
(
いくさ
)
の間を
過
(
す
)
ぎ、
悠々
(
いう/\
)
たる
鳧鴨
(
ふわう
)
の群を
驚
(
おどろ
)
かす
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
こいつ
彼
(
あ
)
の
老爺
(
おやぢ
)
が
盜
(
ぬす
)
んだと
急
(
きふ
)
に
追
(
おつ
)
かけて行くと老人
悠々
(
いう/\
)
として
歩
(
ある
)
いて居るので
直
(
す
)
ぐ
追着
(
おひつ
)
くことが出來た。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
二台の馬車に、客はマバラに乗り込みぬ、去れど御者も
馬丁
(
ばてい
)
も
悠々
(
いう/\
)
寛々
(
くわん/\
)
と、炉辺に
饒舌
(
ぜうぜつ
)
を
皷
(
こ
)
しつゝあり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
夜中にいきなり店番をしてゐた手代の甚三郎を叩き起し、雨戸を開けさせて
悠々
(
いう/\
)
と出て行つたさうだ。
銭形平次捕物控:157 娘の役目
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
吉兵衞に
渡
(
わた
)
されたり吉兵衞は
悠々
(
いう/\
)
と金子を改め一
禮
(
れい
)
述
(
のべ
)
て
懷中
(
くわいちう
)
し
歸宅
(
きたく
)
の上主人利兵衞へは四十七兩二歩を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
瑠璃
(
るり
)
色なる不二の
翅脈
(
しみやく
)
なだらかに、
絮
(
じよ
)
の如き積雪を
膚
(
はだへ
)
の衣に
著
(
つ
)
けて、
悠々
(
いう/\
)
と天空に
伸
(
の
)
ぶるを仰ぐに、絶高にして
一朶
(
いちだ
)
の
芙蓉
(
ふよう
)
、人間の光学的分析を許さゞる天色を
佩
(
お
)
ぶ
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
晴耕雨読……印章の註文に応じながら、一方では
悠々
(
いう/\
)
本来の創作の仕事に没頭する……そこには揺ぎのない生活の安定がある——とこれが私の空想だつたのである——。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
と、
手
(
て
)
の
舞
(
ま
)
ひ、
足
(
あし
)
の
踏
(
ふ
)
む
處
(
ところ
)
も
知
(
し
)
らぬ
有樣
(
ありさま
)
。
濱島武文
(
はまじまたけぶみ
)
は
艦尾
(
かんび
)
の
巨砲
(
きよほう
)
に
凭
(
もた
)
れて
悠々
(
いう/\
)
と
美髯
(
びぜん
)
を
捻
(
ひね
)
りつゝ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
死地に引かれて行く種牛は
寧
(
むし
)
ろ
冷静
(
おちつ
)
き澄ましたもので、他の二頭のやうに
悪踠
(
わるあがき
)
を
為
(
す
)
るでも無く、悲しい鳴声を
泄
(
も
)
らすでも無く、僅かに白い鼻息を見せて、
悠々
(
いう/\
)
と獣医の前へ進んだ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その最中に自分ひとり
悠々
(
いう/\
)
緩々
(
くわん/\
)
と寢そべつてゐる奴があるものか。あんまりお長屋の義理を知らねえ狸野郎の
横着野郎
(
わうちやくやろう
)
だ。ぬす人のひる寢も好加減にしろと云って、早く
引摺
(
ひきず
)
り起して來い。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
嗟吁
(
あゝ
)
人生の短期なる、
昨日
(
きのふ
)
の紅顔
今日
(
けふ
)
の白頭。忙々促々として眼前の事に営々たるもの、
悠々
(
いう/\
)
綽々
(
しやく/\
)
として千載の事を
慮
(
はか
)
るもの、同じく之れ大暮の
同寝
(
どうしん
)
。霜は香菊を
厭
(
いと
)
はず、風は幽蘭を
容
(
ゆる
)
さず。
富嶽の詩神を思ふ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
雲や大洋の動くやうに
悠々
(
いう/\
)
と動いてゐる。その癖細かいところはちやんと
見逃
(
みの
)
がしてゐません。一番上の葉が一寸ねぢれて、ひら/\舞つてゐるでせう。あれがいかにも繊細です。
清々
(
すが/\
)
しい。
南京六月祭
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
小説に
於
(
お
)
ける男女の主客が婚礼は
最
(
いと
)
めでたし。
何
(
なん
)
となれば渠等の行路難は皆
合卺
(
がふきん
)
の事ある以前既に経過し去りて、自来無事
悠々
(
いう/\
)
の
間
(
あひだ
)
に平和なる歳月を送ればなり。
愛と婚姻
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
八五郎のガラツ八は、伊丹屋の駒次郎を
促
(
うなが
)
して、一と足先に出て行きました。後には平次、
悠々
(
いう/\
)
と朝飯にして、お靜と無駄を言ひ乍ら、陽の
長
(
た
)
けるのを待つて居ります。
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
折から
矢部
(
やべ
)
と云ふ発送係の男、
頓驚
(
とんきやう
)
なる声を振り立てて、新聞
出来
(
しゆつたい
)
を報ぜしにぞ「其れツ」と一同先きを争うて
走
(
は
)
せ出だせり、村井のみ
悠々
(
いう/\
)
として最後に
室
(
しつ
)
を
出
(
いで
)
て行けり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
抑
(
そも/\
)
燧山は岩代国に
属
(
ぞく
)
し
巍峩
(
ぎが
)
として天に
秀
(
ひい
)
で、其麓
凹陥
(
おうかん
)
して尾瀬沼をなし、沼の三方は低き山脈を以て
囲繞
(
ゐげう
)
せり、翻々たる
鳧鴨
(
ふわう
)
は
捕猟
(
ほりやう
)
の至るなき為め
悠々
(
いう/\
)
として水上に飛
翔
(
しやう
)
し
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
恭々敷
(
うや/\しく
)
正面
(
しやうめん
)
の
床
(
とこ
)
に
飾
(
かざ
)
り
悠々
(
いう/\
)
として
控
(
ひか
)
へたり大膳左京の兩人は
斯
(
かゝ
)
こととは
爭
(
いか
)
で知るべき盃の數も
重
(
かさ
)
なりて早十分に
醉
(
ゑひ
)
を發し今は
好
(
よき
)
時分
(
じぶん
)
なり
率
(
いざ
)
や
醉醒
(
ゑひざめ
)
の仕事に掛らんと兩人は
剛刀
(
だんびら
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私
(
わたくし
)
は
口籠
(
くちごも
)
りながら
問
(
と
)
ひかけると、
大佐
(
たいさ
)
は
悠々
(
いう/\
)
として
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
道灌山へ平次と八五郎が向つたのは、
悠々
(
いう/\
)
と晝飯を濟ましてから、火伏せの行が始まるといふ
申刻
(
なゝつ
)
時分には、二人は無駄を言ひ乍ら若葉の下の谷中道を歩いて居りました。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
淺葱
(
あさぎ
)
の
暗
(
くら
)
い、クツシヨンも
又
(
また
)
細長
(
ほそなが
)
い。
室
(
しつ
)
は
悠々
(
いう/\
)
とすいて
居
(
ゐ
)
た。が、
何
(
なん
)
となく
落着
(
おちつ
)
かない。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
殘らず取出し盜賊の前に差出せば次郎は
莞爾
(
につこ
)
と打笑ひ夫れで能い
心持
(
こゝろも
)
ちだらうドリヤ路用ははずんで
呉
(
くれ
)
ようと
額銀
(
がくぎん
)
一ツ
投出
(
なげだ
)
しサア是で何處へなりと
行
(
ゆき
)
をれへ言捨道玄次郎は
悠々
(
いう/\
)
と金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
馬車は夕陽を浴びつゝ
迂廻
(
うくわい
)
して、やがて
悠々
(
いう/\
)
華族会館の門を入りぬ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
小豆澤小六郎は梯子の下に結構な證人を飼つて置いて
悠々
(
いう/\
)
とどんなことでも出來るわけだよ。
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
畜生
(
ちくしやう
)
、……がさ/\と
引
(
ひ
)
いても
逃
(
に
)
げる
事
(
こと
)
か、がさりとばかり
悠々
(
いう/\
)
と
遣
(
や
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼岸詣りの善男善女に
紛
(
まぎ
)
れて前日から入り込み、一と晩本堂にでも隱れて、翌る日早朝戸の開くのを見濟して、
悠々
(
いう/\
)
と出て行く分には、誰も見とがめる者もなかつたことでせう。
銭形平次捕物控:226 名画紛失
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
悠々
(
いう/\
)
と
迷兒
(
まひご
)
のうしろへいつて、
震
(
ふる
)
へて
居
(
ゐ
)
るものを、
肩
(
かた
)
の
處
(
ところ
)
ぺろりとなめた。
迷子
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『あツ、』と
叫
(
さけ
)
んで、
背後
(
うしろ
)
から
飛蒐
(
とびかゝ
)
つたが、
最
(
も
)
う
一足
(
ひとあし
)
の
処
(
ところ
)
で
手
(
て
)
が
届
(
とゞ
)
きさうに
成
(
な
)
つても、
何
(
ど
)
うしても
尾
(
を
)
に
及
(
およ
)
ばぬ……
牛
(
うし
)
は
急
(
いそ
)
ぐともなく、
動
(
うご
)
かない
朧夜
(
おぼろよ
)
が
自然
(
おのづ
)
から
時
(
とき
)
の
移
(
うつ
)
るやうに
悠々
(
いう/\
)
とのさばり
行
(
ゆ
)
く。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
百二十兩ほどせしめて
悠々
(
いう/\
)
と立ち去つたのです。
銭形平次捕物控:042 庚申横町
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
思へば
好事
(
よきこと
)
には泣くとぞ
謂
(
い
)
ふなる
密閉室
(
あかずのま
)
の一件が、今宵
誕辰
(
たんしん
)
の祝宴に
悠々
(
いう/\
)
歓
(
くわん
)
を
尽
(
つく
)
すを
嫉
(
ねた
)
み、不快なる声を発して
其
(
その
)
快楽を乱せるならむか、あはれ
忌
(
い
)
むべしと
夜着
(
よぎ
)
を
被
(
かぶ
)
りぬ。眼は眠れども
神
(
しん
)
は覚めたり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
悠
常用漢字
中学
部首:⼼
11画
々
3画
“悠々”で始まる語句
悠々閑々
悠々自適
悠々寛々
悠々乎
悠々然
悠々荘