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大家
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たいか
ふりがな文庫
“
大家
(
たいか
)” の例文
その点では一二の
大家
(
たいか
)
先生の方が、
遙
(
はるか
)
に雑俗の
屎臭
(
ししう
)
を放つてゐると思ふ。粗密は前にも書いた通り、気質の違ひによるものである。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
わたしも何んだかそれらの
大家
(
たいか
)
の真似をしているように思われるのも
忌
(
いや
)
ですから、なるべく人にも吹聴しないようにしていたのですが
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
毎日毎日、あすの計画で胸が一ぱいでした。あなたは、展覧会にも、
大家
(
たいか
)
の名前にも、てんで無関心で、勝手な画ばかり描いていました。
きりぎりす
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
東京
(
とうきやう
)
に
出
(
で
)
てから、
自分
(
じぶん
)
は
畫
(
ゑ
)
を
思
(
おも
)
ひつゝも
畫
(
ゑ
)
を
自
(
みづか
)
ら
書
(
か
)
かなくなり、たゞ
都會
(
とくわい
)
の
大家
(
たいか
)
の
名作
(
めいさく
)
を
見
(
み
)
て、
僅
(
わづか
)
に
自分
(
じぶん
)
の
畫心
(
ゑごころ
)
を
滿足
(
まんぞく
)
さして
居
(
ゐ
)
たのである。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
高
(
たか
)
が
大家
(
たいか
)
と云はれて
見
(
み
)
たさに
無暗
(
むやみ
)
に
原稿紙
(
げんかうし
)
を
書
(
か
)
きちらしては
屑屋
(
くづや
)
に
忠義
(
ちうぎ
)
を
尽
(
つく
)
すを
手柄
(
てがら
)
とは
心得
(
こころえ
)
るお
目出
(
めで
)
たき
商売
(
しやうばい
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
▼ もっと見る
ヌエは三
方
(
ぱう
)
の壁に書棚を掛けて、其れをクラシツクと現代
大家
(
たいか
)
の作と自分と同じ程の青年作家の物とに区別して居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「はあ。自信があります。
若
(
も
)
し僕でいけないようなら、先生を頼みます。先生は学校の方よりもその方が
大家
(
たいか
)
です」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
引取
(
ひきと
)
り
元
(
もと
)
主人
(
しゆじん
)
五兵衞方へ
改
(
あらた
)
めて養子にぞ
遣
(
つか
)
はしける然ば
昨日迄
(
きのふまで
)
に遠き八丈の
島守
(
しまもり
)
となりし身が今日は此
大家
(
たいか
)
の養子と
成
(
なり
)
し事實に忠義の
餘慶
(
よけい
)
天より
福
(
さいは
)
ひを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
大家
(
たいか
)
は
家夫
(
わかいもの
)
を尽して力たらざれば
掘夫
(
ほりて
)
を
傭
(
やと
)
ひ、幾十人の力を
併
(
あわせ
)
て一時に掘尽す。事を急に為すは掘る内にも大雪下れば
立地
(
たちどころ
)
に
堆
(
うずたか
)
く人力におよばざるゆゑなり。
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
大革命
(
だいかくめい
)
とも
名
(
なづ
)
けられる
位
(
くらゐ
)
だ、
防腐法
(
ばうふはふ
)
の
發明
(
はつめい
)
によつて、
大家
(
たいか
)
のピロウゴフさへも、
到底
(
たうてい
)
出來得
(
できう
)
べからざる
事
(
こと
)
を
認
(
みとめ
)
てゐた
手術
(
しゆじゆつ
)
が、
容易
(
たやす
)
く
遣
(
や
)
られるやうにはなつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
大家
(
たいか
)
の生れでさすがに品位も備わり、濶達で古いことをよく記憶していた。中島
広足
(
ひろたり
)
とは姻戚であった。翁の夫人がたしか広足の娘であったように聞いていた。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
「ところで、いつ、ぼくが、かえだまといれかわったのか、わかるかね。きみは魔術の
大家
(
たいか
)
だ。そのくらいのことは、ぼくが説明しなくても、わかるはずだね。」
虎の牙
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
故に斬新なる句を見る人は熟吟熟考して後に
褒貶
(
ほうへん
)
すべし。これ
大家
(
たいか
)
の上にも免れざる一弊なりとす。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
この人は長崎に開業して居て立派な門戸を
張
(
はっ
)
て居る
大家
(
たいか
)
であるから、中々入門することは出来ない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
秀吉
(
ひできち
)
は、よくようすを
聞
(
き
)
くと、そこへいけば、
毎日
(
まいにち
)
のように、
有名
(
ゆうめい
)
な
音楽
(
おんがく
)
や、
人気
(
にんき
)
のある
大家
(
たいか
)
の
歌
(
うた
)
が
聞
(
き
)
けるので、ぜひ
奉公
(
ほうこう
)
をして、そこで
勉強
(
べんきょう
)
しようと、
決心
(
けっしん
)
しました。
しいたげられた天才
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いやこれは実に驚いたと言って
呆気
(
あっけ
)
に取られ、その事をその近所での一番
大家
(
たいか
)
ドルジェ・ギャルポ(金剛王)という人の
家
(
うち
)
に行って私の事をすっかり話したとのことで
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
越前
(
えちぜん
)
北
(
きた
)
ノ
庄
(
しょう
)
の
主
(
あるじ
)
、
柴田権六勝家
(
しばたごんろくかついえ
)
の腹心だ——おお、
鏃師
(
やじりし
)
の鼻かけ
卜斎
(
ぼくさい
)
とは、よくも
巧
(
たく
)
みに
化
(
ば
)
けたりな、まことは、
鬼柴田
(
おにしばた
)
の
爪
(
つめ
)
といわれた
上部八風斎
(
かんべはっぷうさい
)
という
軍師
(
ぐんし
)
築城
(
ちくじょう
)
の
大家
(
たいか
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大家
(
たいか
)
高堂
(
かうだう
)
、
手
(
て
)
が
屆
(
とゞ
)
かず、
從
(
したが
)
つて
鼠
(
ねずみ
)
も
多
(
おほ
)
ければだけれども、
小
(
ちひ
)
さな
借家
(
しやくや
)
で、
壁
(
かべ
)
の
穴
(
あな
)
に
氣
(
き
)
をつけて、
障子
(
しやうじ
)
の
切
(
き
)
り
張
(
ば
)
りさへして
置
(
お
)
けば、
化
(
ば
)
けるほどでない
鼠
(
ねずみ
)
なら、むざとは
入
(
はひ
)
らぬ。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
(
掘
(
ほ
)
る処
図
(
づ
)
には
人数
(
にんず
)
を略してゑがけり)右は
大家
(
たいか
)
の事をいふ、小家の
貧
(
まづ
)
しきは
掘夫
(
ほりて
)
をやとふべきも
費
(
つひえ
)
あれば男女をいはず一家雪をほる。吾里にかぎらず雪ふかき処は
皆
(
みな
)
然
(
しか
)
なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
英国きっての人口の
稠密
(
ちょうみつ
)
な地方だというに一列車が乗客を載せたまま、熟練な化学実験の
大家
(
たいか
)
が
空々
(
くうくう
)
たる
瓦斯
(
ガス
)
にでも変化してしまったかのように、影も形も見えなくなったのだ。
臨時急行列車の紛失
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
そういったのは、鉱物学の
大家
(
たいか
)
、真鍋博士だった。前には三吉と大辻とが
控
(
ひか
)
えている。
地中魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
片側は広く開けて
野菜圃
(
やさいばたけ
)
でも続いているのか、其間に折々小さい
茅屋
(
ぼうおく
)
が点在している。他の片側は立派な丈の高い塀つづき、それに沿うて小溝が廻されている、
大家
(
たいか
)
の裏側通りである。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
最初に
悟浄
(
ごじょう
)
が訪ねたのは、
黒卵道人
(
こくらんどうじん
)
とて、そのころ最も高名な
幻術
(
げんじゅつ
)
の
大家
(
たいか
)
であった。あまり深くない水底に
累々
(
るいるい
)
と岩石を積重ねて
洞窟
(
どうくつ
)
を作り、入口には
斜月三星洞
(
しゃげつさんせいどう
)
の額が掛かっておった。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
彼も文学青年なのだが、彼はまだ別に何にも書いてゐない。なのに、聞けば
大家
(
たいか
)
巡りは相当やるさうである。そして各所で成績を挙げるらしいのだが、無理もない、私も二三度ダマされた。
我が生活
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
煌々
(
こうこう
)
と無数に臨時燈をかかげ、その真昼のような明るさの中に、青磁色無地、剣かたばみを大きく染め残した式幕で門前を廻らし、その左右に高張りを立てて、静まりかえった
大家
(
たいか
)
を見た。
自殺を買う話
(新字新仮名)
/
橋本五郎
(著)
展覧会で一、二度
褒美
(
ほうび
)
を
貰
(
もら
)
い少し名前が売れ出したと思うともう
一廉
(
ひとかど
)
の
大家
(
たいか
)
になりすました気で
大
(
おおい
)
に門生を養い党派を結び新聞雑誌を利用して盛んに自家
吹聴
(
ふいちょう
)
をやらかす。まるで政治運動です。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私などもあまり飛び出さないと
大家
(
たいか
)
と見られるであろう。
教育と文芸
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
先生は、あんなに有名な
大家
(
たいか
)
なのに、それでも、私たちの家よりも、お小さいくらいのお家に住まわれて居られました。あれで、本当だと思います。
きりぎりす
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
藤森氏の文は
大家
(
たいか
)
たる宇野氏に
何
(
なん
)
の
痛痒
(
つうやう
)
も与へぬであらう。だから僕は宇野氏の為にこの文を
艸
(
さう
)
する必要を見ない。
解嘲
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大革命
(
だいかくめい
)
とも
名
(
なづ
)
けられる
位
(
くらい
)
だ、
防腐法
(
ぼうふほう
)
の
発明
(
はつめい
)
によって、
大家
(
たいか
)
のピロウゴフさえも、
到底
(
とうてい
)
出来得
(
できう
)
べからざることを
認
(
みとめ
)
ていた
手術
(
しゅじゅつ
)
が、
容易
(
たやす
)
く
遣
(
や
)
られるようにはなった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
古山博士は、古美術研究の
大家
(
たいか
)
で、三年ほどまえから、この美術館の館長をつとめていました。美術館も港区にあり、博士のうちからは、一キロぐらいのちかさでした。
妖星人R
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
女主人
(
をんなあるじ
)
にてなか/\の
曲者
(
くせもの
)
なり、「
小僧
(
こぞう
)
や、紅葉さんの御家へ參つて……」などと
一面識
(
いちめんしき
)
もない
大家
(
たいか
)
の
名
(
な
)
を
聞
(
き
)
こえよがしにひやかしおどかす
奴
(
やつ
)
、
氣
(
き
)
が
知
(
し
)
れないから
不思議
(
ふしぎ
)
なり。
神楽坂七不思議
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
午
(
ひる
)
すぎになって、
西京
(
さいきょう
)
の
大家
(
たいか
)
大坪道禅
(
おおつぼどうぜん
)
の
馬術
(
ばじゅつ
)
、
母衣流
(
ほろなが
)
しの見ごとな
式
(
しき
)
をはじめとし、一門の
騎士
(
きし
)
が
鐙
(
あぶみ
)
をならして
秘
(
ひ
)
をあらそい、ほかに
剣道組
(
けんどうぐみ
)
から数番の
手合
(
てあ
)
わせが開始されたが
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
僕は
此
(
この
)
人の詩を読まないが散文詩
許
(
ばかり
)
を書いて近年
巴里
(
パリイ
)
の若い詩人の人気を一身に集めて居る
大家
(
たいか
)
だ。
此
(
この
)
夏詩人王に選挙せられたが、
真面目
(
まじめ
)
な選挙で無いと云ふ批難を少数の識者から受けて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
抛下
(
はうか
)
す、
吾家
(
ごか
)
の骨董羹。
今日
(
こんにち
)
喫
(
きつ
)
し得て
珍重
(
ちんちよう
)
ならば、
明日
(
みやうにち
)
厠上
(
しじやう
)
に瑞光あらん。糞中の
舎利
(
しやり
)
、
大家
(
たいか
)
看
(
み
)
よ。(五月三十日)
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いま
迄
(
まで
)
、書いて来たものは、みんなだめだ。いい気なものだったよ。てんでなっちゃいないんだ。生活が、だらしなかったんだね。ひとりで
大家
(
たいか
)
気取りで、徹夜なんかしてさ。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
季唐はもとより
徽宗
(
きそう
)
以来の
大家
(
たいか
)
ではあり、晩年にも長巻や大作を描いて、いよいよ北宋画の
宗
(
そう
)
たる巨腕を示したが、その門から出た蕭照も、年も
趁
(
お
)
うて名声を博し、その作品は、李唐以上に
人間山水図巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
でも、新聞でもあんなに、ひどくほめられるし、出品の画が、全部売り切れたそうですし、有名な
大家
(
たいか
)
からも手紙が来ますし、あんまり、よすぎて、私は恐しい気が致しました。
きりぎりす
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
が、言水が他の
大家
(
たいか
)
と特に趣を異にするのは、
此処
(
ここ
)
にあると云はざるを得ないのである。言水通称は
八郎兵衛
(
はちろべゑ
)
、
紫藤軒
(
しとうけん
)
と号した。
享保
(
きやうはう
)
四年歿。
行年
(
ぎやうねん
)
は七十三である。(一月十五日)
点心
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
竹田が刻意励精はさる事ながら、俗人を感心させるには、かう云ふ事にまさるものなし。
大家
(
たいか
)
の苦心談などと云はるる
中
(
うち
)
、人の悪き名人が、
凡下
(
ぼんげ
)
の徒を
翻弄
(
ほんらう
)
する為に仮作したものも少くあるまい。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“大家”の意味
《名詞》
(たいか)その道で特に優れている人。
(たいか、たいけ)家柄の良い家。
(おおや)貸家の持ち主。家主。
(おおや)(廃語)江戸期に長屋などで家主から借手の世話を任された者。
(出典:Wiktionary)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
“大家”で始まる語句
大家内
大家数
大家根
大家先生