取扱とりあつか)” の例文
大正たいしやうねんの一ぐわつ十五にちまでに全國ぜんこく郵便局いうびんきよく取扱とりあつかつた年賀葉書ねんがはがき總數そうすうは三千四百五十六まん七千八百九十九まいといふ統計とうけいしめされてる。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
しかし、門外不出もんがいふしゅつ取扱とりあつかいには、十ぶん注意ちゅういしていましてね。わたしにしても、そうみだりに持出もちだすことはできない仕組しくみになつているんですから
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
なににしろ婦女おんな亀鑑かがみとしてられた御方おかた霊場れいじょうなので、三浦家みうらけでも代々だいだいあそこを大切たいせつ取扱とりあつかってたらしいのでございます。
ガスを送るゴム管はやわらかい薄肉うすにくのものでないと、取扱とりあつかいに不便である。手勝手の悪い操作をするのが、大切な容器をこわす一番の原因となる。
実験室の記憶 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
外人ぐわいじんがこれを如何いか取扱とりあつかはうとも、それは外人ぐわいじん勝手かつてである。たゞ吾人ごじんだんじて外人ぐわいじん取扱とりあつかひに模倣もほうし、せいめいとをはなしこれを逆列ぎやくれつしてはならぬ。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
ゆづる者ならんと思はれ何所迄どこまでも家來の體に取扱とりあつかはれしは實に特別とくべつ慈悲じひと云べきを却て主税之助は是をよき機會しほなりと藤五郎をはいして實子すけ五郎に家督かとく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この椿つばきは土地の人たちのように、ほかに出てあるくことはできないというので、椿の花のうつくしいのを、いつのまにか人のように取扱とりあつかっているのである。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
思うに盲目の少女は幸福な家庭にあってもややもすれば孤独こどくおちいやす憂鬱ゆううつになりがちであるから親たちはもちろん下々しもじもの女中共まで彼女の取扱とりあつかいに困り
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
現今げんこんでは精神病者せいしんびやうしや治療ちれう冷水れいすゐそゝがぬ、蒸暑むしあつきシヤツをせぬ、さうして人間的にんげんてき彼等かれら取扱とりあつかふ、すなは新聞しんぶん記載きさいするとほり、彼等かれらために、演劇えんげき舞蹈ぶたふもよほす。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
預金あずけきん取扱とりあつかかたも御存じでしょうが、此の金を預けてから七年になるから、七しゅにしても、千四百七十円になりますが、利息を付けて貰わなけりゃアならねえぜ
日本の大将が残酷に取扱とりあつかうので、同盟しての山中に隠れたと云う意味を記し、最後に数十人の姓名が連署してあった。金の兜もはたして彼等が盗み出したのであった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
なに親父おやぢだいから贔屓ひいきにしてつてるものですから、時々とき/″\なんだつてつてるんです。ところかないくせに、たゞよくばりたがつてね、まことに取扱とりあつかにく代物しろものです。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「ね、いい子だなも、いい子」さあ小坊主怒るまいか「馬鹿野郎、こん畜生」爪で引ッ掻くってかかる、彼は彼で一個の独自の存在であり、個の人格として取扱とりあつかわれないかぎり
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
しかしながら爲替相場かはせさうばあがる、それにれて直接ちよくせつ輸入ゆにふする品物しなもの價格かかく段々だん/\さがると道程だうていかんがへてると、此商品このしやうひん取扱とりあつか商人しやうにんあるひ商賣社會しやうばいしやくわいからふと、物價ぶつか漸次ぜんじ低落ていらくするときには
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
青年を単に話相手として取扱とりあつかうのと、友田、針谷、横地というその三人の青年は、共通に卑屈な性質が無いところを第一条件として選ばれたとでもいうように、共通な平気さがあって
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
あいちやんのがついただい一の困難こんなんは、紅鶴べにづる取扱とりあつかふことでありました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
死亡者は如何ゐか取扱とりあつかひしか、普通ふつうの塲合は反つて知り難けれど、死者中の或る者を食ふ風習ふうしふの有りし事は、貝殼かいがら、獸骨、等に混じて破碎せる人骨じんこつの遺れるに由りて知るを得るなり。(第四回參照)
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
よほど後天的な取扱とりあつかいに苦心しなければならぬと思った。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
過去くわこひと姓名せいめい順位じゆんゐにならべ、現在げんざいひと逆轉ぎやくてんしてならべるといふがごときは勿論もちろん不合理ふがふりであるばかりでなく、實際じつさいにおいてその取扱とりあつかかたきうすることになる。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
現今げんこんでは精神病者せいしんびょうしゃ治療ちりょう冷水れいすいそそがぬ、蒸暑むしあつきシャツをせぬ、そうして人間的にんげんてき彼等かれら取扱とりあつかう、すなわ新聞しんぶん記載きさいするとおり、彼等かれらために、演劇えんげき舞蹈ぶとうもよおす。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
かたり取べきため曼陀羅まんだらを盜み惣内へおくり又翌日よくじつ酒宴しゆえんの席にて藤八に見顯みあらはされ候處惣百姓共取扱とりあつかひにて惡名あくみやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あのお爺様じいさまむかしから産土神うぶすなのお神使つかいとして、あらたに帰幽きゆうしたもの取扱とりあつかうことにかけてはこのうえもなくお上手じょうずで、とてもわたくしなどの足元あしもとにもおよぶことではありませぬ。
先方せんぱうでは貴顕きけんのお客様きやくさまですから丁寧ていねい取扱とりあつかひでございましておかみかたはお二階にかいあるひ奥座敷おくざしきといふのでわたくしつぎのお荷物の中の少々せう/\ばかりの明地あきちかしていたゞく事にあひなりました。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
そのこちらで様子ようすうかがってりますと、ひとによりては随分ずいぶんゆるやかな取扱とりあつかいをけ、まるでゆめのような、呑気のんきらしい生活せいかつおくっているものも沢山たくさん見受みうけられますが
かゝへ置しことありと云ふに大岡殿其傳吉は其方召抱めしかゝへ中平常の行状ぎやうじやう委敷くはしく云上よとあるに此者はじめの程は米搗こめつきに召抱へし所至つて正路しやうろ忠實ちうじつの者故二階のきやく取扱とりあつかひを申付此役を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)