“凍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
25.1%
こご23.6%
こお20.0%
8.5%
こほ7.7%
こゞ4.2%
いて2.0%
かじか1.6%
かじ1.2%
こゞえ0.8%
こごえ0.6%
しみ0.6%
こほり0.4%
こほる0.4%
しば0.4%
こほら0.4%
ひや0.2%
0.2%
かげ0.2%
こうり0.2%
こおり0.2%
こふ0.2%
こほつ0.2%
こゝ0.2%
こゞへ0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寒気は朝よりもひとしほ厳しくなつたが、そのかはり、靴の下できしてた雪の音が半露里もさきまで聞えるほど物静かな夜である。
しきいのところに立って、こごえたような眼でキャラコさんをにらみつけていたが、そのうちに、鶏の鳴くようなけたたましい声で叫んだ。
キャラコさん:05 鴎 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
くらばんに、ゆきこおった、細道ほそみちあるいてゆくと、あちらからふえいて、とぼとぼとあるいてくるとしとった盲目めくら女按摩おんなあんまあいました。
塩を載せた船 (新字新仮名) / 小川未明(著)
風はないが、ひじょうな寒さで、もう地面が凍っているとみえ、従者たちが歩くと、足の下でみしみしと、みた土の鳴る音がした。
水をわたすがたたるゆゑにや、又深田ふかたゆくすがたあり。初春しよしゆんにいたれば雪こと/″\こほりて雪途ゆきみちは石をしきたるごとくなれば往来わうらい冬よりはやすし。
坂路さかみちおほとうさんのむらでは、氷滑こほりすべりの出來でき塲所ばしよさきにありました。むら子供こどもはみな鳶口とびぐちつてこゞつた坂路さかみちすべりました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
されどすがたはさらに見せず、なきやみてのち七人のものおそる/\ちかくなきつる所にいたりて見るに、いてたる雪にふみ入れたる猫の足跡あしあとあり、大さつねの丸盆ほどありしとかたりき。
笹村の寒さにかじかんだ体には、少しばかり飲んだ酒がじきにまわった。そして刺身や椀のなかを突ッつきちらしたが、どれも咽喉のどへ通らなかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
すっかり草臥くたびれてしまって、『どうじゃ一銭』を云うさえ億劫だし、手をのべたくても、手套てぶくろなしの手は我慢にも衣嚢かくしから出せないほどかじかんでいた。
幻想 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
春庵は五十三駅を過ぐる間、特に若党一人をして慈姑を保護せしめ、昼は水をそゝぎ、夜はこゞえを防いで、生ながら致すことを得たのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
去年の夏頃からこの稼場かせぎばに姿を見せ初め、川風かわかぜの身に浸む秋も早く過ぎ、手袋した手先もこごえるような冬になっても毎夜休まずに出て来るので、今では女供の中でも一番古顔になっている。
吾妻橋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
かくせざればうちしみつきてふみへしたる処そのまゝ岩のごとくになるゆゑ也。晒場さらしばには一てんちりもあらせざれば、白砂しろすな塩浜しほばまのごとし。
此雪にてつくりたる物、天又人工じんこうをたすけて一夜の間にこほりて鉄石の如くになるゆゑ、いかほど大入にてもさじきのくづるる気づかひなし。
我国の雪里地さとちは三月のころにいたれば次第しだい々々にきえあさ々はこほること鉄石の如くなれども、日中ひなかは上よりも下よりもきゆる。
雨が雪をとかし夜の寒気に又しばれるサガレンの春
サガレンの浮浪者 (新字新仮名) / 広海大治(著)
前にもしば/\いへるごとく、我国の雪冬はこほらざるゆゑ、冬にそりをつかへば雪におちいりてひくことならじ。輴は春の雪鉄石のごとくこほりたる正二三月の間に用ふべきもの也。
それをんな混て一旦いったん沸立にたたせて布巾ふきんこしてレモン油を小匙に軽く一杯加えて大きなブリキ鉢かあるいはゼリー型へ入て氷でひやし固めます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
この辺海上の寒気の激しさよ! く息もただちに雪となりこうりとならんばかりにて、全身海水に濡れたる余の衣服は、何時の間にか凍りて板のごとくなりしなり
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
南はその夜、こおりのように冷たい新人と枕席まくらを共にした。南は望んでいた情調を味わうことができなかった。
竇氏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
いよ/\利根の水源すゐげん沿ふてさかのぼる、かへりみれば両岸は懸崖絶壁けんがいぜつぺき、加ふるに樹木じゆもく鬱蒼うつさうたり、たとひからふじて之をぐるを得るもみだりに時日をついやすのおそれあり、故にたとひ寒冷かんれいあしこふらすとも
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
漸次だん/\ひゞき消滅せうめつして、隙間すきまもとめて侵入しんにふするさむさのくははつた。何處どこかでこほつてたつちひゞくやうなにはとりこゑ疳走かんばしつてきこえるとよるのき隙間すきまからあかるくなつた。勘次かんじはおつぎをおこした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しらざるゆゑなりその者よびとひて聞せん今江戸其外そのほか所々より出す過料くわれう金銀は公儀こうぎに御入用などにはけつしてもちひ給ずたゞはし道等みちとう御修復金ごしゆふくきんと成る多くははし普請ふしんのみ入用に成事なり是にてこゝゑる人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いのちのかぎりなれば夫婦ふうふこゑをあげほうい/\と哭叫なきさけべども、往来ゆきゝの人もなく人家じんかにもとほければたすくる人なく、手足こゞへ枯木かれきのごとく暴風ばうふう吹僵ふきたふされ、夫婦ふうふかしらならべて雪中にたふしゝけり。
碁会所ごかいしょ。玉突屋。大弓所。珈琲コーヒー店。下宿。彼はそのせせこましい展望をのがれて郊外へ移った。そこは偶然にも以前住んだことのある町に近かった。霜解け、夕み、その匂いにはおぼえがあった。
過古 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
夜はしく/\に みて来るなり
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)
みの家むら 山肌 雪浅し。汽車をおりて見おろす 福島の町
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)