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凍
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こゞ
ふりがな文庫
“
凍
(
こゞ
)” の例文
坂路
(
さかみち
)
の
多
(
おほ
)
い
父
(
とう
)
さんの
村
(
むら
)
では、
氷滑
(
こほりすべ
)
りの
出來
(
でき
)
る
塲所
(
ばしよ
)
が
行
(
ゆ
)
く
先
(
さき
)
にありました。
村
(
むら
)
の
子供
(
こども
)
はみな
鳶口
(
とびぐち
)
を
持
(
も
)
つて
凍
(
こゞ
)
つた
坂路
(
さかみち
)
を
滑
(
すべ
)
りました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
一年ほど前から此邊を
塒
(
ねぐら
)
にして居る三十男、のんびりした江戸の世界には、よく斯う言つた屑のやうな人間が
餓
(
う
)
ゑも
凍
(
こゞ
)
えもせずに存在して居たのです。
銭形平次捕物控:301 宝掘りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
まるで
冷
(
つめた
)
い風が窓から追ひ出して了ひはしないかと、
凍
(
こゞ
)
えかけた小鳥を引留めて可愛がると云つた樂しみなのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
聖地の門を
旋
(
めぐ
)
りながら、
夜
(
よる
)
となく
白日
(
ひる
)
となく、
蜜蜂
(
すがる
)
よ。いつか門は十字に閉され、花々は霜に
凍
(
こゞ
)
えた。蜜蜂よ。
希臘十字
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
人間
(
にんげん
)
をかうやつといたら、
餓
(
う
)
ゑも
凍
(
こゞ
)
ゑもしやうけれど、
獣
(
けだもの
)
でござりますから
今
(
いま
)
に
長
(
なが
)
い
目
(
め
)
で
御覧
(
ごらう
)
じまし、
此奴
(
こいつ
)
はもう
決
(
けつ
)
してひもじい
目
(
め
)
に
逢
(
あ
)
ふことはござりませぬから
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
で、
身體
(
からだ
)
が
甚
(
ひど
)
く
凍
(
こゞ
)
えて
了
(
しま
)
つたので、
詮方
(
せんかた
)
なく、
夕方
(
ゆふがた
)
になるのを
待
(
ま
)
つて、こツそりと
自分
(
じぶん
)
の
室
(
へや
)
には
忍
(
しの
)
び
出
(
で
)
て
來
(
き
)
たものゝ、
夜明
(
よあけ
)
まで
身動
(
みうごき
)
もせず、
室
(
へや
)
の
眞中
(
まんなか
)
に
立
(
た
)
つてゐた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
われこれに目をとむれば、夜の
凍
(
こゞ
)
えしむる身に力をつくる日のごとくわが目その舌をかろくし 一〇—
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
客は煖炉の側に寄つて、
凍
(
こゞ
)
えた指で不細工にシヨオルの結目を解いて、それから帽の革紐を解いた。
樺太脱獄記
(新字旧仮名)
/
ウラジミール・ガラクティオノヴィチ・コロレンコ
(著)
捨る
覺悟
(
かくご
)
なれども今
爰
(
こゝ
)
て
阿容々々
(
おめ/\
)
凍死
(
こゞえしな
)
んは殘念なり
人家
(
じんか
)
は無事かと
凍
(
こゞ
)
えし足を
曳
(
ひき
)
ながら
遙
(
はる
)
か向ふの方に人家らしき
處
(
ところ
)
の有を
見付
(
みつけ
)
たれば吉兵衞是に力を
得
(
え
)
て
艱苦
(
かんく
)
を
忍
(
しの
)
び其處を目當に
雪
(
ゆき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
表街
(
おもてまち
)
の人道にてこそ
沙
(
すな
)
をも
蒔
(
ま
)
け、
※
(
すき
)
をも揮へ、クロステル街のあたりは
凸凹
(
とつあふ
)
坎坷
(
かんか
)
の処は見ゆめれど、表のみは一面に氷りて、朝に戸を開けば飢ゑ
凍
(
こゞ
)
えし雀の落ちて死にたるも哀れなり。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
賊の一人は火をその坐のめぐりに添へて、大母よ、汝は
凍
(
こゞ
)
ゆるならんといひき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
○かくてその
妻
(
つま
)
は母も
臥
(
ふ
)
し子どもゝ
寐
(
ね
)
かしたれば、この雪あれに
夫
(
をつと
)
はさこそ
凍
(
こゞ
)
え玉ふらめ、
行
(
ゆき
)
むかへてつれ
皈
(
かへ
)
らんと、
蓑
(
みの
)
にみの
帽子
(
ばうし
)
をかふり、
松明
(
たいまつ
)
をてらし、ほかに二本を
用意
(
ようい
)
して
腰
(
こし
)
にさし
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
あまりに
速
(
はや
)
く冷えて
凍
(
こゞ
)
れば霰の玉しら玉のごともころげたりけり
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
深夜の雪道に
凍
(
こゞ
)
えてや、婦人の声の打ち
震
(
ふる
)
ひて聞えぬ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
開けば飢ゑ
凍
(
こゞ
)
えし雀の落ちて死にたるも哀れなり云々
舞姫
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
あんた
凍
(
こゞ
)
え死ぬところだつたのよ
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
手
凍
(
こゞ
)
えてしば/\筆の落んとす
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
積
(
つも
)
つた
雪
(
ゆき
)
を
凍
(
こゞ
)
つた
土
(
つち
)
の
上
(
うへ
)
に
集
(
あつ
)
めて、それを
下駄
(
げた
)
の
齒
(
は
)
でこするうちには、
白
(
しろ
)
いタヽキのやうな
路
(
みち
)
が
出來上
(
できあが
)
ります。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「サア、
凍
(
こゞ
)
え死ぬほど寒くはないし、
餓死
(
がし
)
したにしてはよく肥つて居るし、——矢つ張り急病でせうな」
銭形平次捕物控:319 真珠太夫
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
顔を剥き出しにして一分間この寒い空気に当つてゐると、頬か鼻かが
凍
(
こゞ
)
えてしまふ危険がある。犬も、蹄の音の聞える方角へ向いて吠え続けながら、己に付いて降りて来た。
樺太脱獄記
(新字旧仮名)
/
ウラジミール・ガラクティオノヴィチ・コロレンコ
(著)
そしてまた
飢
(
う
)
ゑ
凍
(
こゞ
)
えて死んで行くことは人間として迚も默つて服從することが出來ない運命であるからだ。おゝ神さま! どうか私をもう暫く
護
(
まも
)
り給へ! 助け給へ! 導き給へ!
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
これを見るよりむねせまり、たいまつこゝにやけおちて
綱
(
つな
)
をやきゝり、
架
(
たな
)
おちて
夫
(
をつと
)
は
深淵
(
ふかきふち
)
に
沈
(
しづみ
)
たるにうたがひなし、いかに
泳
(
およぎ
)
をしり給ふとも
闇夜
(
くらきよ
)
の
早瀬
(
はやせ
)
におちて
手足
(
てあし
)
凍
(
こゞ
)
え
助
(
たすか
)
り玉ふべき
便
(
よすが
)
はあらじ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
其
(
そ
)
の
情
(
なさけ
)
で、
饑
(
う
)
ゑず、
凍
(
こゞ
)
えず、
然
(
しか
)
も
安心
(
あんしん
)
して
寢床
(
ねどこ
)
に
入
(
はひ
)
ることが
出來
(
でき
)
た。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
感冒
(
かぜ
)
なひきそよ朝は
冷
(
つめ
)
たき鼻の
尖
(
さき
)
ひとり
凍
(
こゞ
)
えて春を待つ間に
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
さういふ
度
(
たび
)
に
子供同志
(
こどもどうし
)
の
揚
(
あ
)
げる
笑
(
わら
)
ひ
聲
(
ごゑ
)
を
聞
(
き
)
くのも
樂
(
たのし
)
みでした。
自分
(
じぶん
)
の
着物
(
きもの
)
についた
雪
(
ゆき
)
をはらつて
復
(
また
)
滑
(
すべ
)
りに
行
(
ゆ
)
くのも
樂
(
たのし
)
みでした。どうかすると
凍
(
こゞ
)
つて
鏡
(
かゞみ
)
のやうに
光
(
ひか
)
つて
來
(
き
)
ます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
總髮
(
そうはつ
)
に汚ない袷、尻が拔けて膝が拔けて、それを晴着にも寢卷にもしようといふ徹底振り、江戸といふ時代には、こんなにまで落ち果て乍ら、
飢
(
う
)
ゑも
凍
(
こゞ
)
えもせずに、
店賃
(
たなちん
)
を三年も溜めて
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
きつとあなたのお手は寒いので
凍
(
こゞ
)
えてゐらつしやるにきまつてをりますもの。リアや、熱いニィガスを少し
拵
(
こしら
)
へて、サンドヰッチを一
片
(
きれ
)
か二
片
(
きれ
)
切つて來て下さい。貯藏室の鍵はこゝにあります。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
路次の霜に桃色うすき鼠子の
凍
(
こゞ
)
えし尻尾つまみつればあはれ
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
嘴
(
はし
)
凍
(
こゞ
)
る鶴の一羽は見上げたり雪霙
霧
(
き
)
らふ空の暗みを
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
凍
常用漢字
中学
部首:⼎
10画
“凍”を含む語句
凍死
冷凍
凍結
凍傷
凍雪
下凍
凍豆腐
夕凍
凍土
凝凍
凍着
凍原
朝凍
凍上
凍蝶
凍天
上凍
冷凍球
凍雲
霜凍
...