じゆん)” の例文
「廿五日。(三月。)晴。花影くわえい童女五十回忌に付、かえ賢忠寺参詣。」花影は文政六年三月二十五日に夭した蘭軒庶出のぢよじゆんである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
日本につぽんもつともおほきく生長せいちようするはくすの第一だいいちで、ぎはすぎ、たいわんさわら、いてふ、しひ、まつといふじゆんになります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
日蓮上人、為兼卿ためかねきやう、遊女初君はつきみとう古跡こせきもたづねばやとおもひしに、越後に入りてのち気運きうんじゆんうしなひ、としやゝけんしてこくねだん日々にあがり人気じんきおだやかならず。
ぱうは、ひしや/\とした、何処どこまでも蘆原あしはらで、きよつ/\、きよつ/\、とあし一むらづゝ、じゆんに、ばら/\と、また飛々とび/\に、行々子ぎやう/\しきしきつた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すると今度こんどかはづ歩兵ほへいが、おなおごそかな口調くてう繰返くりかへしました、たゞわづ言葉ことばじゆんへて、『女王樣ぢよわうさまより。球投まりなげのおもよほしあるにつき公爵夫人こうしやくふじんへの御招待状ごせうたいじやう
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
あさがへりの殿とのがた一じゆんすみて朝寢あさねまちかど箒目はゝきめ青海波せいがいはをゑがき、打水うちみづよきほどにみし表町おもてまちとほりを見渡みわたせば、るはるは、萬年町まんねんてう山伏町やまぶしてう新谷町しんたにまちあたりをねぐらにして
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
博物館はくぶつかんは、最初さいしよにもまをしたとほり、たゞめづらしいものやうつくしいものをたくさんにならべるといふところではなくて、それらがあるひは年代ねんだいじゆんに、あるひは地方ちほうべつにといふふうに
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
これを年代ねんだいじゆんしるしてみると、第一だいいち西暦せいれき千六百九十二年せんろつぴやくくじゆうにねん六月七日ろくがつなぬか西にしインド諸島しよとううち、ジャマイカとうおこつた地震ぢしんであつて、このとき首府しゆふロアイヤルこうおいては大地だいち數百條すうひやくじよう龜裂きれつ出來でき
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
宗助そうすけ安井やすゐ御米およねからとゞいた繪端書ゑはがきべつにしてつくゑうへかさねていた。そとからかへるとそれがすぐいた。時々とき/″\はそれを一まいづゝじゆんなほしたり、見直みなほしたりした。仕舞しまいにもう悉皆すつかりなほつたからかへる。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
日蓮上人、為兼卿ためかねきやう、遊女初君はつきみとう古跡こせきもたづねばやとおもひしに、越後に入りてのち気運きうんじゆんうしなひ、としやゝけんしてこくねだん日々にあがり人気じんきおだやかならず。
蘭軒の女は天津てつ智貌ちばうちやうじゆん万知まちの五人で、長は第三女であつた。長の夫は棠軒の親類書に「御先手井手内蔵組与力井戸応助」と云つてある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
千助せんすけじゆんさかづき𢌞まはつてとき自分じぶん國許くにもとことなぞらへて、仔細しさいあつて、しのわかものが庄屋しやうや屋敷やしき奉公ほうこうして、つま不義ふぎをするだんるやうに饒舌しやべつて
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
元二げんじじゆんさかづき𢌞まはつてとき自分じぶん國許くにもとことりて仔細しさいあつて、しのわかものが庄屋しやうや屋敷やしき奉公ほうこうして、つま不義ふぎをする、なかだちは、をんな寵愛ちようあいねこ
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
糸に作るにも座を定めたい囲位かたむる事うむにおなじ。縷綸いとによるその道具その手術てわざその次第しだいじゆん、その名に呼物よぶもの許多いろ/\種々さま/″\あり、繁細はんさいの事をつまびらかにせんはくだ/\しければいはず。
分家伊沢の人々の語る所に依れば、蘭軒には嫡出六人、庶出六人、計十二人の子があつたさうである。歴世略伝にある六人は、男子が榛軒常三郎柏軒、女子が天津てつちやうじゆんである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ひるばんじゆんわすれたが、ますねぎ玉子綴たまごとぢとりのスチウ、ますのすりみと椎茸しひたけ茗荷めうがわん
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
じゆんゆづつて、子爵夫人ししやくふじんをさきに、次々つき/″\に、——そのなかでいつちあとに線香せんかう手向たむけたが、手向たむけながらほとんゆきむろかとおもふ、しかかをりたかき、花輪はなわの、白薔薇しろばら白百合しろゆり大輪おほりん花弁はなびら透間すきま
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それじゆんにおはなししませう、」
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)