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操
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みさを
ふりがな文庫
“
操
(
みさを
)” の例文
三四年
前
(
ぜん
)
よりは別居も同じ有様に暮し居候始末にて、私事一旦の身の
涜
(
けがれ
)
も
漸
(
やうや
)
く今は
浄
(
きよ
)
く相成、
益
(
ますます
)
堅く心の
操
(
みさを
)
を守り居りまゐらせ候。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
〔評〕或ひと岩倉公幕を佐くと
讒
(
ざん
)
す。公
薙髮
(
ていはつ
)
して岩倉邸に
蟄居
(
ちつきよ
)
す。大橋
愼藏
(
しんざう
)
、
香
(
か
)
川
敬
(
けい
)
三、玉松
操
(
みさを
)
、北島
秀朝
(
ひでとも
)
等、公の志を知り、深く
結納
(
けつなふ
)
す。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
軽薄な細工物は云はば
廃
(
すた
)
り易い
流行物
(
はやりもの
)
、一流の
操
(
みさを
)
を立てゝ
己
(
おのれ
)
の分を守るのが名人気質だと云ふのが分らぬか、この不了簡者。
名工出世譚
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
小倉嘉門の後家
操
(
みさを
)
の住家、そして最後の一軒には、亡者の手紙で
呪
(
のろ
)
はれた、矢並行方といふ若い浪人者が住んで居ります。
銭形平次捕物控:203 死人の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此方
(
このはう
)
から
行
(
ゆ
)
くと
家
(
いへ
)
の
恥辱
(
ちじよく
)
にもなる
實
(
じつ
)
に
憎
(
にく
)
むべき
奴
(
やつ
)
ではあるが、
情實
(
じやうじつ
)
を
酌
(
く
)
んでな、これほどまで
操
(
みさを
)
といふものを
取止
(
とりと
)
めて
置
(
お
)
いただけ
憐
(
あはれ
)
んで
遣
(
や
)
つて
呉
(
く
)
れ
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
梅幸と云ひますのは、当時、丸の内の帝国劇場の座附俳優で、唯今、
太閤記
(
たいかふき
)
十段目の
操
(
みさを
)
を勤めて居る役者です。
手巾
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
適間
(
たまたま
)
とぶらふ人も、宮木がかたちの
愛
(
めで
)
たきを見ては、さまざまにすかしいざなへども、
三二
三
貞
(
てい
)
の
賢
(
かしこ
)
き
操
(
みさを
)
を守りてつらくもてなし、後は戸を
閉
(
た
)
てて見えざりけり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
又
(
また
)
昨日
(
きのふ
)
今日
(
けふ
)
の
新墓
(
しんばか
)
で
死人
(
しびと
)
の
墓衣
(
はかぎ
)
に
苞
(
くる
)
まって
隱
(
かく
)
れてゐよとも
言
(
い
)
はッしゃれ。
聞
(
き
)
いたばかりでも、
例
(
つね
)
は
身毛
(
みのけ
)
が
彌立
(
よだ
)
ったが、
大事
(
だいじ
)
の
操
(
みさを
)
を
立
(
た
)
つる
爲
(
ため
)
なら、
躊躇
(
ちゅうちょ
)
せいで
敢行
(
しての
)
けう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
一日問をかけて曰ふ、「汝等一家
睦
(
むつ
)
まじく暮らす方法は如何にせば宜しと思ふか」と。群童
對
(
こた
)
へに苦しむ。其中尤も年
長
(
た
)
けたる者に
操
(
みさを
)
坦勁と云ふものあり。年十六なりき。
遺教
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
突然の
新談緒
(
しんだんちよ
)
に「藤野さんテ、
彼
(
あ
)
の
華厳滝
(
けごんのたき
)
でお死なすつた
操
(
みさを
)
さんですか」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
齋
(
いつ
)
きまつりし
操
(
みさを
)
の
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「でも、この手紙の筆跡は、間違ひもなく死んだ夫——小倉嘉門の書いたものだと、後家の
操
(
みさを
)
さんが言ひますよ」
銭形平次捕物控:203 死人の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これほどまで
操
(
みさを
)
といふものを取止めて置いただけ
憐
(
あはれ
)
んで遣つてくれ、愚鈍ではあるが子供の時からこれといふ
不出来
(
ふでか
)
しも無かつたを思ふと何か残念の様にもあつて
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さア、
來
(
き
)
やれ、
夜
(
よる
)
よ、
黒
(
くろ
)
づくめの
服
(
きもの
)
を
被
(
き
)
た、
見
(
み
)
るから
眞面目
(
まじめ
)
な、
嚴格
(
いかめ
)
しい
老女
(
らうぢょ
)
どの、
速
(
はや
)
う
來
(
き
)
て
教
(
をし
)
へてたも、
清淨無垢
(
しゃうじゃうむく
)
の
操
(
みさを
)
を
二
(
ふた
)
つ
賭
(
か
)
けた
此
(
この
)
勝負
(
しょうぶ
)
に
負
(
ま
)
ける
工夫
(
くふう
)
を
教
(
をし
)
へてたも。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
一日
(
あるひ
)
父が宿にあらぬ
間
(
ひま
)
に、正太郎磯良を
六一
かたらひていふ。
御許
(
おもと
)
の
信
(
まこと
)
ある
操
(
みさを
)
を見て、今はおのれが身の罪をくゆるばかりなり。かの女をも
古郷
(
ふるさと
)
に送りてのち、父の
六二
面
(
おもて
)
を
和
(
なご
)
め奉らん。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
ほとほと自らその
緒
(
いとぐち
)
を
索
(
もと
)
むる
能
(
あた
)
はざるまでに宮は心を乱しぬ。彼は別れし後の貫一をばさばかり慕ひて止まざりしかど、
過
(
あやまち
)
を改め、
操
(
みさを
)
を守り、覚悟してその恋を全うせんとは計らざりけるよ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
少し
耄碌
(
まうろく
)
してゐる上に耳が遠く、何を言つても要領を得ず、さすがの平次も持て餘して居るところへ、聞き兼ねた樣子で、奧から女主人の
操
(
みさを
)
が出て來ました。
銭形平次捕物控:203 死人の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
すれば、お
前
(
まへ
)
がロミオへの
封印代
(
ふいんがは
)
りにした
此
(
この
)
手
(
て
)
を、
他
(
あだ
)
し
證書
(
しょうしょ
)
の
封印
(
ふういん
)
に
使
(
つか
)
はうより、
又
(
また
)
僞
(
いつは
)
りの
無
(
な
)
い
此
(
この
)
心
(
こゝろ
)
を
操
(
みさを
)
に
背
(
そむ
)
いて
他
(
あだ
)
し
男
(
をとこ
)
に
向
(
む
)
けうより、
此
(
この
)
懷劒
(
くわいけん
)
で
手
(
て
)
も
心
(
こゝろ
)
も
突殺
(
つきころ
)
してのけう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
然し、間が
如何
(
いか
)
に不心得であらうと、貴方の罪は依然として貴方の罪ぢや、のみならず、貴方が間を棄てた
故
(
ゆゑ
)
に、彼が
今日
(
こんにち
)
の有様に堕落したのであつて見れば、貴方は女の
操
(
みさを
)
を破つたのみでない。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
哀
(
あは
)
れ
手向
(
てむけ
)
の
花
(
はな
)
一
枝
(
し
)
に千
年
(
ねん
)
のちぎり
萬年
(
まんねん
)
の
情
(
じやう
)
をつくして、
誰
(
た
)
れに
操
(
みさを
)
の
身
(
み
)
はひとり
住
(
ずみ
)
、あたら
美形
(
びけい
)
を
月花
(
つきはな
)
にそむけて、
世
(
よ
)
は
何時
(
いつ
)
ぞとも
知
(
し
)
らず
顏
(
がほ
)
に、
繰
(
く
)
るや
珠數
(
じゆず
)
の
緒
(
を
)
の
引
(
ひ
)
かれては
御佛
(
みほとけ
)
輪廻
(
りんゑ
)
にまよひぬべし
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
四
播磨
(
はりま
)
の国
加古
(
かこ
)
の
駅
(
うまや
)
に
丈部
(
はせべ
)
左
門
(
もん
)
といふ
五
博士
(
はかせ
)
あり。
清貧
(
せいひん
)
を
六
憩
(
あまな
)
ひて、友とする
書
(
ふみ
)
の外は、すべて
七
調度の
絮煩
(
わづらはしき
)
を
厭
(
いと
)
ふ。老母あり。
八
孟氏
(
まうし
)
の
操
(
みさを
)
にゆづらず。常に
紡績
(
うみつむぎ
)
を事として左門がこころざしを助く。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
こいつはもと品川で勤めをしてゐた三十女で、以前は武家の出だといふが、
自墮落
(
じだらく
)
の身を持崩して、女の
操
(
みさを
)
なんてものを、しやもじの
垢
(
あか
)
ほどにも思つちやゐない。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
嬉
(
うれ
)
しいとは
思
(
おも
)
ひもせでよしなき
義理
(
ぎり
)
だてに
心
(
こゝろ
)
ぐるしく
芳
(
よし
)
さまのお
跡
(
あと
)
追
(
お
)
ふてと
思
(
おも
)
ひしは
幾
(
いく
)
たびかさりとては
命
(
いのち
)
二
(
ふた
)
つあるかのやうに
輕々
(
かる/″\
)
しい
思案
(
しあん
)
なりしと
後悔
(
こうくわい
)
して
見
(
み
)
れば
今
(
いま
)
までの
事
(
こと
)
口惜
(
くちを
)
しくこれからの
身
(
み
)
が
大切
(
たいせつ
)
になりました
阿房
(
あほう
)
らしい
死
(
し
)
んだ
人
(
ひと
)
への
操
(
みさを
)
だて
何
(
なに
)
に
成
(
なる
)
ことでもなきを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
とて
取次
(
とりつ
)
ぐ
文
(
ふみ
)
の
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
りても
涙
(
なみだ
)
ほろほろ
膝
(
ひざ
)
に
落
(
お
)
ちぬ
義理
(
ぎり
)
といふもの
世
(
よ
)
に
無
(
な
)
かりせば
云
(
い
)
ひたきこといと
多
(
おほ
)
し
別
(
わか
)
れしよりの
辛苦
(
しんく
)
は
如何
(
いか
)
に
或
(
あ
)
る
時
(
とき
)
はあらぬ
人
(
ひと
)
に
迫
(
せ
)
まられて
身
(
み
)
の
遁
(
のが
)
ればの
無
(
な
)
かりし
時
(
とき
)
操
(
みさを
)
はおもし
命
(
いのち
)
は
鵞毛
(
がもう
)
の
雪
(
ゆき
)
の
夜
(
よ
)
に
刄
(
やいば
)
手
(
て
)
に
取
(
と
)
りしことも
有
(
あり
)
けり
或時
(
あるとき
)
はお
行衛
(
ゆくゑ
)
たづね
詫
(
わび
)
て
恨
(
うら
)
みは
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“操”の意味
《名詞》
(みさお)志や主義・主張を変えずに貫くこと。
(みさお)女性の貞操。
(みさお)上品で高雅なこと。
(みさお)常に変わらないこと。
(出典:Wiktionary)
操
常用漢字
小6
部首:⼿
16画
“操”を含む語句
志操
貞操
節操
心操
操人形
手操
操行
曹操
操縦
操持
操作
操練
操縦席
操舵室
操觚者流
操縱
玉松操
操子
操車場
良人操縱
...