借金しやくきん)” の例文
らにこんで爺樣ぢさまでえ借金しやくきんけねえでんだからそれせえなけりやかねえでもへんだよ、そんだがそれでばかりいごれねえな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
またこれをたとへばあらまし三百六十五文はらふべき借金しやくきんを、毎月まいつき二十九文五づゝの濟口すみくちにて十二はらへば一年におよそ十一文づゝの不足ふそくあり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
自分じぶん收入以上しうにふいじやうくらしをして、むをぬから借金しやくきんつゞけてると事態じたいであるからして、左樣さやう状態じやうたいくににはかねさぬとふのが英米えいべい立前たてまへである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
公債こうさいくなつたばかりでなく多少たせう借金しやくきんがあり、家屋かをく地所ぢしよとは全部ぜんぶきん七十ゑん賣却ばいきやくしたのであつた。
失ひたる如く只茫然ばうぜんとして居たりけり然ば段々と打ち續きたる冗費ものいりに今は家藏いへくらも云に及ばず假令家財雜具迄も賣拂うりはらへばとて勿々なか/\借金しやくきんの方に引足ず母子倶々種々に心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
眞面目まじめらしくりつぐをけば、時鳥ほとヽぎすもず前世ぜんせ同卿人どうきやうじんにて、くつさしと鹽賣しほうりなりし、其時そのときくつひてだいをやらざりしかば、れが借金しやくきんになりてもずあたまがらず
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
パレスのはう借金しやくきんかへしてしまふし、御礼奉公おれいぼうこうもちやんと半年はんとしゐてやつたんだから、かアさんがきてればうちかへつて堅気かたぎくらすんだけれど、わたし、あんたもつてるとほ
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
借金しやくきんでもなんでもして、けるところまできたいが、なに工夫くふうはあるまいかと相談さうだんけるので、安之助やすのすけはよくそうさんにもはなしてやうとこたへると、小六ころくたちまちそれをさへぎつて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ると、宛然まるで空々そら/″\しい無理むり元氣げんきして、ひて高笑たかわらひをしてたり、今日けふ非常ひじやう顏色かほいろいとか、なんとか、ワルシヤワの借金しやくきんはらはぬので、内心ないしんくるしくるのと、はづかしくところから
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
われこと奉公ほうこうにやればぜね借金しやくきんくなるし、よきことだつて輕業師かるわざげでもしつちめえばそれこそらくになつちあんだが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
白鬼しろおにとはをつけし、無間地獄むげんぢごくのそこはかとなく景色けしきづくり、何處どこにからくりのあるともえねど、さかおとしのいけ借金しやくきんはりやまひのぼすもものときくに
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そこでひとさとつて改革かいかくはかれば此度こんどくらしをなほして自分じぶん支出ししゆつ何割なんわりげんじて、さうして其剩餘そのじようよもつ從來じうらい借金しやくきん整理せいりをしてくよりほかにはみちはないのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
辨償わきまへ出入先はすませしかども此一件より勘兵衞の舊惡きうあくあらはれし事はなは不便ふびんに思ひ居たるに彌七も又殺されしときゝ何となく世間もせまき心になり其上そのうへ借金しやくきんも多く面白おもしろからねば一先江戸へくだり何を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かへつてつもり借金しやくきん大分だいぶあつたにおどろかされた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それを見込みこみて石之助いしのすけ今宵こよひ期限きげん借金しやくきん御座ござる、ひとけにちてはんたるもあれば、花見はなみのむしろに狂風けうふうぢん破落戸仲間ごろつきなかまものらねば此納このおさまりむづかしく
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ぱん會計くわいけいまつた借金しやくきんのない豫算よさんつくたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
「おとつゝあ、奉公ほうこうすれば借金しやくきんなくなんだんべか」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
願ひ奉つると平伏へいふくして居るゆゑ淡路守殿如何に彦兵衞其方へ申こんだる事でも有るかと尋ねられしかば彦兵衞這出はいいで勘兵衞儀不如意ふによいつき金子出來兼當分の内問屋より右の品借受かりうけおつ返濟へんさい致さんと申し候に付私し儀問屋に借金しやくきんも是ありせめて當金の十五兩もつかはさねば出來難きむねことわり候と申立るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御新造ごしんぞおどきたるやうのあきがほして、れはまあなんことやら、なるほどおまへ伯父おぢさんの病氣びやうき、つゞいて借金しやくきんはなしもきゝましたが、いまいまわたしのうちから立換たてかへようとははなかつたはづ
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)