“借室”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
クワルティーラ66.7%
クワルチーラ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雪の中を私はいつも変らぬ我が道伴れとともに借室クワルティーラを見に行った。そこから日本大使館へ廻った。本館の帝政時代のままの埃及エジプト式大装飾の中に、大使はぽつねんと日本の皮膚をちぢめて暮している。
シナーニ書店のベンチ (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
借室クワルティーラの初めての夜卓子にある猫柳の枝。
アンナ・リヴォーヴナは借室クワルチーラへ床磨きをよんだ。復活祭パスハまで床磨き人は、権威ありげに口をきいた。ナースチャは洗濯をした。
赤い貨車 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
アンナ・リヴォーヴナは自分を彼女の借室クワルチーラの台所の隅においてはおかないであろう。頭のなかにはるかに小さくソフィヤ村のひろい原っぱや、原っぱのかなたに動かぬ赤い貨車の景色などが浮んだ。
赤い貨車 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)