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近
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ぢか
ふりがな文庫
“
近
(
ぢか
)” の例文
円髷は四十
近
(
ぢか
)
で、笛吹きのごときは五十にとどく、というのが、手を揃え、足を挙げ、腰を振って、大道で踊ったのであるから。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その頃藹山はもう七十の上を越してゐたらしかつたから、五十
近
(
ぢか
)
い娘があつたところで、別段腹を立てる程の事でも無かつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
殊
(
こと
)
に
自分
(
じぶん
)
の
投宿
(
とうしゆく
)
した
中西屋
(
なかにしや
)
といふは
部室數
(
へやかず
)
も三十
近
(
ぢか
)
くあつて
湯
(
ゆ
)
ヶ
原
(
はら
)
温泉
(
をんせん
)
では
第
(
だい
)
一といはれて
居
(
ゐ
)
ながら
而
(
しか
)
も
空室
(
あきま
)
はイクラもない
程
(
ほど
)
の
繁盛
(
はんじやう
)
であつた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
現に
巴里
(
パリイ
)
に在留する日本人は百名
近
(
ぢか
)
くあつて、
其
(
その
)
内大使館で何か催す場合に
招待
(
せうだい
)
を受ける資格のある者が六十人位ある。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
江戸
近
(
ぢか
)
のこんな所にまご/\していると危ねえぜ、孝助とかゞ主人の
敵
(
かたき
)
だと云ってお前を狙っているから、お前の首が先へ飛ぶよ、冗談じゃアねえ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
彼
(
かれ
)
は
其
(
そ
)
の
奉公
(
ほうこう
)
して
獲
(
え
)
た
給料
(
きふれう
)
を
自分
(
じぶん
)
の
身
(
み
)
に
費
(
つひや
)
して
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
では
餘所目
(
よそめ
)
には
疑
(
うたが
)
はれる
年頃
(
としごろ
)
の卅
近
(
ぢか
)
くまで
獨身
(
どくしん
)
の
生活
(
せいくわつ
)
を
繼續
(
けいぞく
)
した。
其
(
その
)
間
(
あひだ
)
に
彼
(
かれ
)
は
黴毒
(
ばいどく
)
を
病
(
や
)
んだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その夢を見掛けて、ちょいと驚いて目を醒まして、直ぐに又
寐
(
ね
)
てしまったが、それからは余り長く寐たらしくはない。どうしても夜明け
近
(
ぢか
)
くなってからである。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
するうち
夜中
(
よなか
)
近
(
ぢか
)
くなると、いつものとおり
東
(
ひがし
)
の
空
(
そら
)
からその
黒
(
くろ
)
い
雲
(
くも
)
がわいて
来
(
き
)
たものと
見
(
み
)
えて、
天子
(
てんし
)
さまは、おひきつけになって、おこりをおふるい
出
(
だ
)
しになりました。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
半分
(
はんぶん
)
言
(
いは
)
せず
後
(
うしろ
)
より只一刀に切殺し此方へ
入來
(
いりきた
)
るにぞお菊はお竹が聲に
驚
(
おどろ
)
き
迯出
(
にげいだ
)
さんとするに
間合
(
まあひ
)
なければ
屏風
(
びやうぶ
)
の
蔭
(
かげ
)
へ隱れ
戰慄
(
ふるへ
)
居
(
ゐ
)
たりし中
曲者
(
くせもの
)
は手
近
(
ぢか
)
に在しお菊が
道具
(
だうぐ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ここではもっと手
近
(
ぢか
)
い、お互いの間の交際上、
恩誼
(
おんぎ
)
の
観念
(
かんねん
)
について注意すべきことを述べたい。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
讀者よ、それは月曜の晩だつたのだ——
眞夜半
(
まよなか
)
近
(
ぢか
)
くである——私も同じくあの不思議な呼び聲を聞いたのは。そしてあの言葉は私がそれに答へて云つた言葉の通りなのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
『
私
(
わたし
)
は
何處
(
どこ
)
か
地球
(
ちきう
)
の
中心
(
ちゆうしん
)
近
(
ぢか
)
くへ
出
(
で
)
なければならない。オヤ、どうも四千
哩
(
マイル
)
下
(
お
)
りたらしいよ—』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「本城ま
近
(
ぢか
)
にて
斯
(
か
)
くやぶれたうえは、命ながらえてなにかすべき、しかも敵軍すでにわが退路を断たんとする、もはやわが武運のつくるところだ。くちとり、馬をはなせ!」
死処
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
その
夜
(
よ
)
十二時
近
(
ぢか
)
くに歸つて來た女を待つて、私は心の限り言葉の限りに訴へて見たが、あゝ然し、女は唯だ泣き沈むばかりで、
翌日
(
あくるひ
)
になると到頭公然と別れ話を申し出した。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
さうして
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
で、
自分
(
じぶん
)
の
下宿
(
げしゆく
)
にゐた
法科
(
はふくわ
)
大學生
(
だいがくせい
)
が、
一寸
(
ちよつと
)
散歩
(
さんぽ
)
に
出
(
で
)
る
序
(
ついで
)
に、
資生堂
(
しせいだう
)
へ
寄
(
よ
)
つて、
三
(
みつ
)
つ
入
(
い
)
りの
石鹸
(
しやぼん
)
と
齒磨
(
はみがき
)
を
買
(
か
)
ふのにさへ、五
圓
(
ゑん
)
近
(
ぢか
)
くの
金
(
かね
)
を
拂
(
はら
)
ふ
華奢
(
くわしや
)
を
思
(
おも
)
ひ
浮
(
うか
)
べた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ある
明方
(
あけがた
)
、須利耶さまが
鉄砲
(
てっぽう
)
をもったご自分の
従弟
(
いとこ
)
のかたとご
一緒
(
いっしょ
)
に、野原を歩いていられました。
地面
(
じめん
)
はごく
麗
(
うる
)
わしい青い石で、空がぼうっと白く見え、雪もま
近
(
ぢか
)
でございました。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それから自分等はシテエ・フワルギエエルの滿谷氏の画室
近
(
ぢか
)
くまで、また地下電車に乗つて行つたが、滿谷氏等はもう祭見物に出掛けた
跡
(
あと
)
であつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「いや、しかし、御苦労ぢや。
其処
(
そこ
)
で何か、すぐに羽黒へ帰らいで、屑屋を掴んだまゝ、
御坊
(
ごぼう
)
関所
近
(
ぢか
)
く参られたは、其の男に
後難
(
ごなん
)
あらせまい遠慮かな。」
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
とお
座付
(
ざつき
)
が済み、
後
(
あと
)
は深川の
端唄
(
はうた
)
で
賑
(
にぎや
)
かにやる大分興に
入
(
い
)
った様子、御家老も六十
近
(
ぢか
)
いお年で、初めて斯ういう席に臨みましたので快く大分に召上りました。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
携
(
たづさ
)
へて
駈付
(
かけつけ
)
見れば是は如何に餘りし
黒髮
(
くろかみ
)
を
振亂
(
ふりみだ
)
せし廿四五歳の女と三十
近
(
ぢか
)
き
色白
(
いろしろ
)
き男と
組
(
くみ
)
つほぐれつ爭ひ居たしかば扨は
此奴等
(
こやつら
)
色事
(
いろごと
)
の
喧嘩
(
けんくわ
)
にてもなすかや併し見て居られぬとて漸々に
双方
(
さうはう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「三十年
近
(
ぢか
)
くにもなる古い事じゃありませんか。向うだって今となりゃ少しは遠慮があるでしょう。それに大抵の人はもう忘れてしまいまさあね。それから人間の性質だって長い間には少しずつ変って行きますからね」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
言
(
い
)
ふうちに、
飛
(
とび
)
かゝつて、
三疋四疋
(
さんびきしひき
)
、
就中
(
なかんづく
)
先頭
(
せんとう
)
に
立
(
た
)
つたのには、
停車場
(
ていしやば
)
近
(
ぢか
)
く
成
(
な
)
ると、
五疋
(
ごひき
)
ばかり、
前後
(
ぜんご
)
から
飛
(
と
)
びかゝつた。
叱
(
しつ
)
、
叱
(
しつ
)
、
叱
(
しつ
)
!
畜生
(
ちくしやう
)
、
畜生
(
ちくしやう
)
、
畜生
(
ちくしやう
)
。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
新「成程そうでしょうねえ、
雷鳴
(
かみなり
)
には実に驚きまして、
此地
(
こっち
)
は
筑波
(
つくば
)
近
(
ぢか
)
いので雷鳴は
酷
(
ひど
)
うございますね」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
芝居の
後
(
あと
)
はピサロオ君の発議でモンマルトルに引返し、
或
(
ある
)
賑
(
にぎや
)
かな
酒場
(
キヤバレエ
)
で朝の三時
近
(
ぢか
)
くまで話して居た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
場所も方角も、まるで違うけれども、むかし小学校の時分、学校近所の……あすこは大川
近
(
ぢか
)
の
窪地
(
くぼち
)
だが、寺があって、その門前に、店の暗い提灯屋があった。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これが小僧の使いじゃアなし、三十
近
(
ぢか
)
い年をして、お大名からお下げになった大切なお刀を泥坊に取られると云うは、災難とは云いながら、お屋敷さま御伝来の大切な御宝刀で有るぞよと
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
後
(
のち
)
に
小田原
(
をだはら
)
の
町
(
まち
)
を
放
(
はな
)
れ、
函嶺
(
はこね
)
の
湯本
(
ゆもと
)
近
(
ぢか
)
に
一軒
(
いつけん
)
、
茶店
(
ちやみせ
)
の
娘
(
むすめ
)
、
窶
(
やつ
)
れ
姿
(
すがた
)
のいと
美
(
うつく
)
しきが、
路傍
(
みちばた
)
の
筧
(
かけひ
)
、
前
(
まへ
)
なる
山
(
やま
)
凡
(
およ
)
そ
三四百間
(
さんしひやくけん
)
遠
(
とほ
)
き
處
(
ところ
)
に
千歳
(
ちとせ
)
久
(
ひさ
)
しき
靈水
(
かたちみづ
)
を
引
(
ひ
)
いたりといふ
城の石垣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
祖五郎はお国へ
行
(
ゆ
)
き、喜六は死に、お前より他に頼みに思う者はなし、
一人
(
ひとり
)
ではお屋敷へ帰ることも出来ず、江戸へ行ってもお屋敷
近
(
ぢか
)
い処へ落着けない身の上になって、お前を私は家来とは思わない
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
五十
近
(
ぢか
)
の男の……肺病とは一目で分る……襟垢がぴかぴかした、
閉糸
(
とじいと
)
の
断
(
き
)
れた、寝ン寝子を今時分。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大「其の代り少し頼みがある、手前小梅のお中屋敷へ忍び込んで、お居間
近
(
ぢか
)
く踏込み……いや是は手前にア出来ん、
夜詰
(
よづめ
)
の者も多いが、何かに付けて邪魔になる奴は、
彼
(
あ
)
の遠山權六だ、
彼
(
あれ
)
がどうも邪魔になるて」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
少しばかり
誘
(
さそい
)
をかけますとね、ぽう、ぽっぽ——お社
近
(
ぢか
)
まで参りましょう。石段下へ引寄せておいて、石投魚の亡者を飛上らせるだけでも用はたりましょうと存じますのよ。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そうだ、公園
近
(
ぢか
)
だね。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
近
常用漢字
小2
部首:⾡
7画
“近”を含む語句
近傍
近所
附近
近辺
近江
間近
近隣
近代
遠近
近付
近郊
近々
近習
端近
付近
最近
近郷
近処
近眼鏡
昵近
...