トップ
>
待遇
>
もてなし
ふりがな文庫
“
待遇
(
もてなし
)” の例文
尚
(
なお
)
も並木で五割
酒銭
(
さかて
)
は天下の法だとゆする、
仇
(
あだ
)
もなさけも一日限りの、人情は薄き掛け
蒲団
(
ぶとん
)
に
襟首
(
えりくび
)
さむく、
待遇
(
もてなし
)
は
冷
(
ひややか
)
な
平
(
ひら
)
の
内
(
うち
)
に
蒟蒻
(
こんにゃく
)
黒し。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
何年の間という長い
独棲生活
(
ひとりぐらし
)
に飽いていた私は、そうして母子の者の、出来ぬ中からの行きとどいた
待遇
(
もてなし
)
ぶりに、ついに覚えぬ
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
越して太田に泊る宿狹けれど給仕の娘
摺足
(
すりあし
)
にて
茶
(
ちや
)
つた
待遇
(
もてなし
)
なり翌日雨降れど
昨日
(
きのふ
)
の車夫を雇ひ置きたれば車爭ひなくして無事に出立す
母衣
(
ほろ
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
とちやほや、貴公子に対する
待遇
(
もてなし
)
。
服装
(
みなり
)
もお聞きの通り、それさえ、汗に染み、
埃
(
ほこり
)
に
塗
(
まみ
)
れた、
草鞋穿
(
わらじばき
)
の旅人には、過ぎた扱いをいたしまする。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
なしお
待遊
(
まちあそ
)
ばせよと
待遇
(
もてなし
)
ぶり
詞
(
ことば
)
滑
(
なめら
)
かの
人
(
ひと
)
とて
中々
(
なか/\
)
に
歸
(
かへ
)
しもせず
枝
(
えだ
)
に
枝
(
えだ
)
そふ
物
(
もの
)
がたり
花子
(
はなこ
)
いとゞ
眞面目
(
まじめ
)
になりて
斯
(
か
)
う
申
(
まを
)
してはを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
で、門衛にしても、その当時から朝夕の送り迎へに大臣としての
待遇
(
もてなし
)
をすれば、勝田氏にしても矢張り黙つて大臣としての
待遇
(
もてなし
)
を受けてゐたのだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
其
(
その
)
風采
(
ふうさい
)
も
餘程
(
よほど
)
變
(
ちが
)
つて
居
(
を
)
るが
相變
(
あひかは
)
らず
洒々落々
(
しや/\らく/\
)
の
男
(
おとこ
)
『ヤァ、
柳川君
(
やながはくん
)
か、これは
珍
(
めづ
)
らしい、
珍
(
めづ
)
らしい。』と
下
(
した
)
にも
置
(
お
)
かぬ
待遇
(
もてなし
)
、
私
(
わたくし
)
は
心
(
しん
)
から
憘
(
うれ
)
しかつたよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
遣はし其後源八が
遊
(
あそび
)
に來りし時皆々
折目高
(
をりめだか
)
に
待遇
(
もてなし
)
ける故源八は
手持
(
てもち
)
無沙汰
(
ぶさた
)
に
悄々
(
すご/\
)
と立歸り是は彼の文の事を兩親の知りし故なりと
深
(
ふか
)
く
遺恨
(
ゐこん
)
に
思
(
おも
)
ひけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
案に相違! ながらく行方不明だった若殿のいどころを教えてくれた大恩人だというので、下へもおかぬ
待遇
(
もてなし
)
ぶり。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
その友と我とを見る
目
(
ま
)
なざしは
廉
(
かど
)
ある如く覺えらるれど、姫が
待遇
(
もてなし
)
のよきに、我等が興は
損
(
そこな
)
はるゝに至らざりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
然
(
しか
)
もかの駒込の奥深き一植木屋の
離亭
(
はなれ
)
借りたる時
許
(
ばか
)
り、やさしくも親しき
待遇
(
もてなし
)
享
(
う
)
けし事はあらず、と。我しづかに思へらく、
然
(
しか
)
るか、然るか、あゝ
夫
(
そ
)
れ実に然らむ也。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お
浚
(
さら
)
いが済んだ後で、その青年はじめ二三の淑女だちとともに、庸三と葉子も、軽い夜食の
待遇
(
もてなし
)
を受けて、白いテイブル・クロオスのかかった食卓のまわりに坐って
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
心のこもった
待遇
(
もてなし
)
を受け、欝していた彼の心持ちも
頓
(
とみ
)
に開くを覚えたりして、愉快に一日を暮らしたが、客もおおかた散ったので彼もそろそろ帰ろうとして、尚夕桜に未練を残し
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
坂府は知っての通り
芸子
(
げいこ
)
舞子
(
まいこ
)
は美人
揃
(
ぞろ
)
い、やさしくって
待遇
(
もてなし
)
が
宜
(
い
)
いから、君から貰った三百円の金はちゃ/\ふうちゃに
遣
(
つか
)
い
果
(
はた
)
して仕方なく、知らん所へ
何時
(
いつ
)
まで居るよりも東京へ帰ったら
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ちようど幸ひ、隣の貸家。あれを当分、御用に立てて、お食はこつちから運ばせて、夜分は、三を泊りに上げれば、万事お気楽お気儘で、御保養にならふにと。主翁が注意、行届いたる
待遇
(
もてなし
)
振り。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
波の恵で
待遇
(
もてなし
)
の岸へは著いたのだが。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
本当に下にも置かぬ
待遇
(
もてなし
)
でした。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
他事
(
よそ
)
ながら、
簇
(
しんし
)
、荷高似内のする事に、
挙動
(
ふるまい
)
の似たのが、気
咎
(
とが
)
めして、浅間しく恥しく、我身を馬鹿と
罵
(
ののし
)
って、何も知らないお京の
待遇
(
もてなし
)
を水にした。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いろ/\の
厚
(
あつ
)
き
待遇
(
もてなし
)
を
受
(
う
)
けた
後
(
のち
)
、
夜
(
よる
)
の八
時
(
じ
)
頃
(
ごろ
)
になると、
當家
(
たうけ
)
の
番頭
(
ばんとう
)
手代
(
てだい
)
をはじめ
下婢
(
かひ
)
下僕
(
げぼく
)
に
至
(
いた
)
るまで、
一同
(
いちどう
)
が
集
(
あつま
)
つて
送別
(
そうべつ
)
の
催
(
もようし
)
をする
相
(
さう
)
で、
私
(
わたくし
)
も
招
(
まね
)
かれて
其
(
その
)
席
(
せき
)
へ
連
(
つら
)
なつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
大切に
待遇
(
もてなし
)
けり夫より又半年程
經過
(
たち
)
主用にて又々大坂へ
登
(
のぼ
)
り尼ヶ崎へも
立寄
(
たちよる
)
べき事有りて金四百五十兩を
預
(
あづか
)
り
急
(
いそぎ
)
の旅なれば
駕籠
(
かご
)
より
乘掛
(
のりかけ
)
が宜しと供人も
纔
(
わづか
)
に
引連
(
ひきつれ
)
てぞ登りける
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
勿体
(
もつたい
)
なき
事
(
こと
)
とは
知
(
し
)
りながら
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
への
待遇
(
もてなし
)
きのふには
似
(
に
)
ず、うるさき
時
(
とき
)
は
生返事
(
なまへんじ
)
して、
男
(
をとこ
)
の
怒
(
いか
)
れば
我
(
わ
)
れも
腹
(
はら
)
たゝしく、お
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
らぬ
物
(
もの
)
なら
離縁
(
りゑん
)
して
下
(
くだ
)
され、
無理
(
むり
)
にも
置
(
お
)
いてはと
頼
(
たの
)
みませぬ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
主人がどうあろうと、我らにとっては
関
(
かま
)
わぬことじゃ。泊めてくれて、ご馳走してくれて、出立の際には
草鞋
(
わらじ
)
銭までくれる。いやもう行き届いた
待遇
(
もてなし
)
。それをただ我らは、受けておればよい。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
生きながら壁へ塗りこめてしまうのが、なんで
待遇
(
もてなし
)
なものか。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
本當に下にも置かぬ
待遇
(
もてなし
)
でした。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
學びしかば平兵衞
始
(
はじ
)
め家内の者迄重四郎を先生々々と
最
(
いと
)
叮嚀
(
ていねい
)
に
待遇
(
もてなし
)
敬
(
うやま
)
ひ居たり或時
店
(
みせ
)
の
若者等
(
わかものら
)
打寄
(
うちより
)
彼の先生には
劔術
(
けんじゆつ
)
の
早業
(
はやわざ
)
に
達
(
たつ
)
し給ふと承まはり候が我々も親方の用事ある時は
金子
(
きんす
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
寒国
(
かんごく
)
では、
恁
(
か
)
うして
炉
(
ろ
)
を
切
(
き
)
つた
処
(
ところ
)
がある。これは
夏
(
なつ
)
の
待遇
(
もてなし
)
に
違
(
ちが
)
ひない。
贅沢
(
ぜいたく
)
なものだ。
昔
(
むかし
)
僭上
(
せんじやう
)
な
役者
(
やくしや
)
が
硝子張
(
がらすばり
)
の
天井
(
てんじやう
)
に
泳
(
およ
)
がせて、
仰向
(
あふむ
)
いて
見
(
み
)
たのでさへ、
欠所
(
けつしよ
)
、
所払
(
ところばら
)
ひを
申
(
まを
)
しつかつた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
はじめの
間
(
あひだ
)
は
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
も
私
(
わたくし
)
も
互
(
たがひ
)
に
顏
(
かほ
)
を
見合
(
みあは
)
せては
此
(
この
)
不思議
(
ふしぎ
)
なる
幸運
(
かううん
)
をよろこび、
大佐等
(
たいさら
)
の
懇切
(
こんせつ
)
なる
待遇
(
もてなし
)
を
感謝
(
かんしや
)
しつゝ、いろ/\と
物語
(
ものがた
)
つて
居
(
を
)
つたが、
何時
(
いつ
)
か十
數日
(
すうにち
)
以來
(
いらい
)
の
烈
(
はげ
)
しき
疲勞
(
つかれ
)
の
爲
(
た
)
めに
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「拙者、そなたをお連れして以来、失礼の
待遇
(
もてなし
)
いたしましたかな?」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
意外なる
待遇
(
もてなし
)
かな、かかりし事われは有らず。
平時
(
いつも
)
はただ人の前、
背後
(
うしろ
)
、
傍
(
わき
)
などにて、
妨
(
さまたげ
)
とならざる限り、処定めず観たりしなるを。
大
(
おおい
)
なる桟敷の
真中
(
まんなか
)
に
四辺
(
あたり
)
を
眗
(
みまわ
)
して、
小
(
ちいさ
)
き体
一個
(
ひとつ
)
まず
突立
(
つった
)
てり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“待遇”の意味
《名詞》
客などをもてなすこと。
雇用者が雇っている者に対し与える地位・給与など。
それに準じた扱いを受ける地位であること。
(出典:Wiktionary)
待
常用漢字
小3
部首:⼻
9画
遇
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
“待遇”で始まる語句
待遇振
待遇方