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伏見
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ふしみ
ふりがな文庫
“
伏見
(
ふしみ
)” の例文
苦労の中にも
助
(
たすく
)
る神の結び
玉
(
たま
)
いし縁なれや嬉しき
情
(
なさけ
)
の
胤
(
たね
)
を宿して帯の祝い
芽出度
(
めでたく
)
舒
(
の
)
びし
眉間
(
みけん
)
に
忽
(
たちま
)
ち
皺
(
しわ
)
の
浪
(
なみ
)
立
(
たち
)
て騒がしき
鳥羽
(
とば
)
伏見
(
ふしみ
)
の戦争。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
幕府はそこで、後深草院に同情申し上げて、その皇子を後宇多天皇の皇太子に立て奉り、ついで位につかれたのが
伏見
(
ふしみ
)
天皇である。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
文久二年の春の
伏見
(
ふしみ
)
寺田屋
(
てらだや
)
騒動、夏の幕政改革、秋の再勅使東下——その結果将軍家は攘夷期限奉答のため上洛することとなり
新撰組
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
そこで今度は、芭蕉の死骸を船に乗せて
伏見
(
ふしみ
)
へ上ぼつて
行
(
ゆ
)
くその途中にシインを取つて、そして、弟子達の心持を書かうとした。
一つの作が出来上るまで:――「枯野抄」――「奉教人の死」――
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その時、筒井の手がしずかに伸べられ、子供の怖がる
眼路
(
めじ
)
をふさいだ。
伏見
(
ふしみ
)
あたりでできる、衣裳の美しい小さい人形であった。
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
されば
鳥羽
(
とば
)
伏見
(
ふしみ
)
の戦争、
次
(
つい
)
で官軍の東下のごとき、あたかも
攘夷藩
(
じょういはん
)
と攘夷藩との
衝突
(
しょうとつ
)
にして、たとい徳川が
倒
(
たお
)
れて薩長がこれに代わるも
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
そのほかの人形は——
京
(
きょう
)
、
伏見
(
ふしみ
)
、
奈良
(
なら
)
、
博多
(
はかた
)
、
伊勢
(
いせ
)
、
秋田
(
あきた
)
、
山形
(
やまがた
)
など、どなたも御存知のものばかりで、例の
今戸焼
(
いまどやき
)
もたくさんあります。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その中で一番筋の立つたのは、もと飯田町の人入稼業で、
伏見
(
ふしみ
)
屋傳七の子分——と言つても、
庭掃
(
にわは
)
きや飯炊きをしてゐた馬吉といふ男だけ。
銭形平次捕物控:136 鐘五郎の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いかさまこれならば
伏見
(
ふしみ
)
から船でお
下
(
くだ
)
りになってそのまま釣殿の
勾欄
(
こうらん
)
の下へ
纜
(
ともづな
)
をおつなぎになることも出来、都との往復も自由であるから
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
例えば京都では
伏見
(
ふしみ
)
の
稲荷
(
いなり
)
は、北野の天神と仲が悪く、北野に参ったと同じ日に、稲荷の社に参詣してはならぬといっていたそうであります。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
同じ役目を持って来ている者は、大阪、
伏見
(
ふしみ
)
、洛中洛外、奈良あたりまで
亙
(
わた
)
って、およそ二十二、三名は
上洛
(
のぼ
)
っている。それ以外は何も知らん
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
伏見
(
ふしみ
)
、
鳥羽
(
とば
)
の
戦
(
たたかい
)
を以て始まり、東北地方に押し詰められた佐幕の
余力
(
よりょく
)
が、春より秋に至る間に
漸
(
ようや
)
く衰滅に帰した年である。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
清水信之助とは
伏見
(
ふしみ
)
の戦争で同じ隊にいました。彼は勇敢な男で、命知らずという名を取っていました。……そうです。私は彼と一緒に寝ました。
春いくたび
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
この時に
当
(
あた
)
り徳川政府は
伏見
(
ふしみ
)
の一敗
復
(
ま
)
た戦うの意なく、ひたすら
哀
(
あい
)
を
乞
(
こ
)
うのみにして人心
既
(
すで
)
に
瓦解
(
がかい
)
し、その勝算なきは
固
(
もと
)
より明白なるところなれども
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
将軍はすでに
伏見
(
ふしみ
)
に移った。大坂城を去る日、
扈従
(
こじゅう
)
の面々が始めて将軍帰東の命をうけた時は皆おどろいて顔色を失い、相顧みて言葉を出すものもない。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
先頃
(
さきごろ
)
大阪
(
おほさか
)
より
歸
(
かへ
)
りし
人
(
ひと
)
の
話
(
はなし
)
に、
彼地
(
かのち
)
にては
人力車
(
じんりきしや
)
日
(
ひ
)
を
追
(
お
)
ひ
盛
(
さかん
)
に
行
(
おこな
)
はれ、
西京
(
さいきやう
)
は
近頃
(
ちかごろ
)
までこれなき
所
(
ところ
)
、
追々
(
おひ/\
)
盛
(
さかん
)
にて、
四百六輌
(
しひやくろくりやう
)
。
伏見
(
ふしみ
)
には
五十一輌
(
ごじふいちりやう
)
なりと
云
(
い
)
ふ。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それでは落合太郎君もさそおうではないかと言って、そのころ
真如堂
(
しんにょどう
)
の北にいた落合君のところを十時ごろに訪ねた。そうして三人で町へ出て、
伏見
(
ふしみ
)
に向かった。
巨椋池の蓮
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
伏見
(
ふしみ
)
から
京街道
(
きやうかいだう
)
を
駕籠
(
かご
)
で
下
(
くだ
)
つて
來
(
き
)
た
但馬守
(
たじまのかみ
)
が、
守口
(
もりぐち
)
で
駕籠
(
かご
)
をとゞめ、
靜
(
しづ
)
かに
出迎
(
でむか
)
への
與力等
(
よりきら
)
の
前
(
まへ
)
に
現
(
あら
)
はれたのを
見
(
み
)
ると
眞岡木綿
(
まをかもめん
)
の
紋付
(
もんつ
)
きに
小倉
(
こくら
)
の
袴
(
はかま
)
を
穿
(
は
)
いてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
連れし
小者
(
こもの
)
の買はんとせしに、これは
山城
(
やましろ
)
伏見
(
ふしみ
)
にて作りし物にて、当店の看板なればと、
迷惑顔
(
めいわくがお
)
せし事ありしが、京より下り来し品も、江戸に多くありけるものと見えたり。
江戸の玩具
(新字旧仮名)
/
淡島寒月
(著)
京都
伏見
(
ふしみ
)
の弁当仕出し屋の二階に住んでいた頃は最も太平楽、利根川べりの
取手
(
とりで
)
にいた時は水だけ飲んで暮さねばならないことが時々あったが、その思い出も楽しいものだ。
青い絨毯
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
竹田街道の
立場茶屋
(
たてばぢゃや
)
の変事も、何事もなく済みまして、無事わたしたちは
伏見
(
ふしみ
)
に着きました。
犬神娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「夜を春に」の句は、
伏見
(
ふしみ
)
の芝居が夜を昼のようにともし連ねている、というのであります。
俳句とはどんなものか
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
巨椋
(
おほくら
)
の
入江
(
いりえ
)
響
(
とよ
)
むなり
射部人
(
いめびと
)
の
伏見
(
ふしみ
)
が
田居
(
たゐ
)
に
雁
(
かり
)
渡
(
わた
)
るらし 〔巻九・一六九九〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
やはりもとは
伏見
(
ふしみ
)
の
少将
(
しょうしょう
)
といった、これもえらい人の
種
(
たね
)
だということが
分
(
わ
)
かりました。
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
今も変らぬ
柴舟
(
しばぶね
)
が、見る/\橋の下を
伏見
(
ふしみ
)
の方へ下って行く。朝日山から朝日が出かゝった。橋を渡ってまだ戸を開けたばかりの
通円茶屋
(
つうえんぢゃや
)
の横手から東へ切れ込み、
興聖寺
(
こうしょうじ
)
の方に歩む。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
見物なし
後
(
あと
)
より追付んとて
平馬
(
へいま
)
願山
(
ぐわんざん
)
と
袂
(
たもと
)
を分ち
頓
(
やが
)
て
泉州
(
せんしう
)
堺
(
さかひ
)
を心指して行けるに日の中は世間を
憚
(
はゞか
)
るにより夜に入りて
伏見
(
ふしみ
)
より
夜船
(
よふね
)
に
打乘
(
うちのり
)
翌朝
(
よくてう
)
大坂八
軒屋
(
けんや
)
へ着茲にて
緩々
(
ゆる/\
)
と休み日の
暮
(
くる
)
るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
菱垣番船
(
ひしがきばんせん
)
、
伏見
(
ふしみ
)
の
過所船
(
かしょぶね
)
、七村の
上荷船
(
うわにぶね
)
、茶船、柏原船、千石、
剣先
(
けんさき
)
、
麩粕船
(
ふかすぶね
)
。
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
走つて追つかけたのです。走つて走つて一晩走つて居ると、
伏見
(
ふしみ
)
へ来たのです。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
言捨
(
いひす
)
てて忙しげに走り行く。瀧口、あツとばかりに呆れて、さそくの考も出でず、鬼の如き兩眼より涙をはら/\と流し、恨めしげに
伏見
(
ふしみ
)
の方を打ち見やれば、明けゆく空に
雲行
(
くもゆき
)
のみ早し。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
とうとう
頬
(
ほお
)
かぶりをして
跣足
(
はだし
)
で——夜じゃったが——
伏見
(
ふしみ
)
から大阪まで
川堤
(
かわどて
)
を走ったこともあったンじゃ。はははは。暑いじゃないか、浪、くたびれるといかん、もう少し乗ったらどうじゃ
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
右の燒打を
初
(
はじめ
)
として、翌年正月の
鳥羽
(
とば
)
、
伏見
(
ふしみ
)
の戰ひ、其他すべては「
文藝倶樂部
(
ぶんげいくらぶ
)
」の臨時増刊、第九年第二號「諸國年中行事」といふ
中
(
うち
)
に、「三十五
年前
(
ねんぜん
)
」と題して私は委しく話した事がある。
兵馬倥偬の人
(旧字旧仮名)
/
塚原渋柿園
、
塚原蓼洲
(著)
〔評〕兵數は
孰
(
いづ
)
れか
衆
(
おほ
)
き、
器械
(
きかい
)
は孰れか
精
(
せい
)
なる、
糧食
(
りやうしよく
)
は孰れか
積
(
つ
)
める、この數者を以て之を
較
(
くら
)
べば、
薩長
(
さつちやう
)
の兵は固より幕府に及ばざるなり。然り而して
伏見
(
ふしみ
)
の一戰、東兵
披靡
(
ひび
)
するものは何ぞや。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
こうして兼山から
伏見
(
ふしみ
)
、伏見から
広見
(
ひろみ
)
、
今渡
(
いまわたり
)
とかっ飛ばすのである。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
天皇、御年
五十六歳
(
いそぢまりむつ
)
。御陵は
菅原
(
すがはら
)
の
伏見
(
ふしみ
)
の
岡
(
をか
)
一四
にあり。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
と同盟し、与一はその主張を示して淀の城へ籠り、赤沢宗益は兵を率いて
伏見
(
ふしみ
)
竹田口
(
たけだぐち
)
へ強請的に上って来た。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そして
伏見
(
ふしみ
)
で船を上ったのでござりましたがはじめはそこが伏見の町だということも知りませなんだ
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
この時に当りて徳川家の一類に
三河
(
みかわ
)
武士の
旧風
(
きゅうふう
)
あらんには、
伏見
(
ふしみ
)
の
敗余
(
はいよ
)
江戸に帰るもさらに
佐幕
(
さばく
)
の諸藩に令して
再挙
(
さいきょ
)
を
謀
(
はか
)
り、再挙三拳ついに
成
(
な
)
らざれば
退
(
しりぞい
)
て江戸城を守り
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
禁闕
(
きんけつ
)
を守衛し、官用を
弁理
(
べんり
)
し、京都、奈良、
伏見
(
ふしみ
)
の町奉行を管理し、また
訴訟
(
そしょう
)
を
聴断
(
ちょうだん
)
し、兼ねて寺社の事を
総掌
(
そうしょう
)
する、威権
赫
(
かく
)
々たる役目であって、この時代の所司代は
阿部伊予守
(
あべいよのかみ
)
で
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その次は
伏見
(
ふしみ
)
の宿屋と
大詰
(
おほづめ
)
の仇討……。それで十段物がとゞこほりなく
纒
(
まと
)
まるのだ。
近松半二の死
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
京、
伏見
(
ふしみ
)
、
堺
(
さかい
)
、大阪、——わたしの知らない土地はありません。わたしは一日に十五里歩きます。力も
四斗俵
(
しとびょう
)
は片手に
挙
(
あが
)
ります。人も二三人は殺して見ました。どうかわたしを使って下さい。
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
伏見
(
ふしみ
)
、
鳥羽
(
とば
)
の戦いはすでに戦われた。うわさは実にとりどりであった。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
新銭座
(
しんせんざ
)
の
有馬
(
ありま
)
と云う大名の中屋敷を
買受
(
かいう
)
けて、
引移
(
ひきうつ
)
るや
否
(
いな
)
や鉄砲洲は居留地になり、
明
(
あ
)
くれば慶応四年、
即
(
すなわ
)
ち明治元年の正月早々、
伏見
(
ふしみ
)
の戦争が始まって、将軍
慶喜
(
よしのぶ
)
公は江戸へ逃げて帰り
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
“伏見(伏見区)”の解説
伏見区(ふしみく)は、京都市を構成する11の行政区の1つで、京都市の南部に位置する。
(出典:Wikipedia)
伏
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
“伏見”で始まる語句
伏見屋金兵衛
伏見鳥羽
伏見屋
伏見掾
伏見天皇
伏見宮
伏見表
伏見道
伏見広綱
伏見稲荷