“伏見屋金兵衛”の読み方と例文
読み方割合
ふしみやきんべえ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一通の手紙は木曾きそから江戸を回って来たものだ。馬籠まごめの方にいる伏見屋金兵衛ふしみやきんべえからのめずらしい消息だ。最愛の一人息子ひとりむすこ鶴松つるまつの死がその中に報じてある。鶴松も弱かった子だ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そんなことでもして悪病の神を送るよりほかに災難のけようもないと聞いては、年寄役の伏見屋金兵衛ふしみやきんべえなぞが第一黙っているはずもなく、この宿でも八月のさかりに門松を立て
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
半蔵が家の隣に住んで昔気質かたぎで聞こえた伏見屋金兵衛ふしみやきんべえなぞは驚いてしまって、まことに心ならぬ浮世ではある、こんな姿で子孫が繁昌はんじょうするならそれこそ大慶の至りだと皮肉を言ったり
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)