一般いつぱん)” の例文
二人ふたり呉服屋ごふくや反物たんものつてた。米屋こめやからこめつてつた。けれども其他そのたには一般いつぱん社會しやくわいところきはめてすくない人間にんげんであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
阿蘇あそ活動かつどうみぎほか一般いつぱん火山灰かざんばひばし、これが酸性さんせいびてゐるので、農作物のうさくぶつがいし、これをしよくする牛馬ぎゆうばをもいためることがある。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
一般いつぱんの種々な物事を見てゐても、日本では革命かくめいなんかも、存外ぞんぐわい雑作ざふさなく行はれて、外国で見る様な流血革命のさんを見ずに済む様な気がする。
拊掌談 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ひつくすべくもあらず、秋草あきぐさ種々くさ/″\かぞふべくもあらじかし。北八きたはち此作このさくごときは、園内ゑんないちらばつたる石碑せきひ短册たんじやく一般いつぱん難澁なんじふ千萬せんばんぞんずるなり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さうしてさういふ種類しゆるいうたを、一般いつぱんに、わざうたとまをしました。では、童謠どうようとあてをします。が、ほんとうの意味いみは、かみ意志いしあらはれたうた、といふことらしいのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
かのエヂプトのすゝんだ文明ぶんめい使用しようした器物きぶつからいへば、青銅せいどう一般いつぱんおほもちひてゐます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ういふふうところからラクダルの怠惰屋なまけや國内こくない一般いつぱん評判ひやうばんものとなり、人々ひと/″\何時いつしかこのをとこ仙人せんにん一人ひとりにしてしまひ、女はこの庄園しやうゑんそばとほる時など被面衣かつぎの下でコソ/\とうはさしてゆく
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
養生やうじやう榮燿えいやうやうおもふは世上せじやう一般いつぱん習慣ならはしなり。いまへる養生法やうじやうはふは、いかなる貧人ひんじん、いかなる賤業せんげふひとにても、日夜にちやこゝろそゝげば出來できことなり。よつその大意たいい三首さんしゆ蜂腰ほうえうつゞることしかり。
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
大地震後だいぢしんご餘震よしんあまりに恐怖きようふするため、安全あんぜん家屋かおく見捨みすてゝ、幾日いくにちも/\野宿のじゆくすることは、震災地しんさいちける一般いつぱん状態じようたいである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
夫婦ふうふ和合わがふ同棲どうせいといふてんおいて、人並ひとなみ以上いじやう成功せいこうしたと同時どうじに、子供こどもにかけては、一般いつぱん隣人りんじんよりも不幸ふかうであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
なにしろ、中京ちうきやう殖産工業しよくさんこうげふから、名所めいしよ名物めいぶつ花柳界くわりうかい一般いつぱん芝居しばゐ寄席よせ興行こうぎやうものの状態じやうたい視察しさつ
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一般いつぱんかたち模樣もよう單純たんじゆんであつて、まへのものほど複雜ふくざつでないといふことが出來できます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
短歌たんかは、唯今たゞいまでは一般いつぱんに、うたといつてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
著者ちよしやさらすゝんで地震動ぢしんどう性質せいしつあぢはひ、それによつて震原しんげん位置いちをも判斷はんだんすることに利用りようしてゐるけれども、これは一般いつぱん讀者どくしやのぞべきことでない。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
それにもかゝはらず、彼等かれら毎日まいにちおなはんおなむねして、なが月日つきひまずわたつてたのは、彼等かれらはじめから一般いつぱん社會しやくわい興味きようみうしなつてゐたためではなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
この刀子とうすをとこばかりでなく、をんなひともおまもりにつてゐたとおもはれますが、そのさやでつくつたものゝほかに、のついたかはあはせてつくつたものが、一般いつぱんおこなはれてゐたようです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
おそらくは大抵たいてい場合ばあひおいてさうなのであらう。噴火後ふんかご實測じつそくによつて一般いつぱん土地とち次第しだいさがつてくことはすでおほくの場合ばあひ證據立しようこだてられたところである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
しかしながらこの結果けつかおいては器械きかい觀測かんそくせられたものと、自分じぶん體驗たいけんしたものとはいちじるしき相違そういのあることが一般いつぱんであつて、それがむし至當しとうである場合ばあひおほい。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
この珍現象ちんげんしよう目撃もくげきすることさへ容易よういとらがた機會きかいであるのに、しかもこれを寫眞しやしんにとつて一般いつぱんひとにもその概觀がいかんつたへたペアレット功績こうせきとすべきでゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)