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めじろ
ふりがな文庫
“
目白
(
めじろ
)” の例文
三馬
(
さんば
)
の
浮世風呂
(
うきよぶろ
)
を
讀
(
よ
)
むうちに、だしぬけに
目白
(
めじろ
)
の
方
(
はう
)
から、
釣鐘
(
つりがね
)
が
鳴
(
な
)
つて
來
(
き
)
たやうに
氣
(
き
)
がついた。
湯屋
(
ゆや
)
の
聞
(
き
)
いたのは(
岡湯
(
をかゆ
)
)なのである。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
鶯
(
うぐいす
)
や
目白
(
めじろ
)
のような素人には何とも致し方のない小鳥でも、詳しく見究めたら仲間うちだけで、通用している個性というものはきっとあると思うが
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
真冬の二月は
頬白
(
ほおじろ
)
も
目白
(
めじろ
)
も来てくれないので、朝はいつもかわらない
雀
(
すずめ
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
と、夜は時おり二つ池へおりる、
雁
(
がん
)
のさびしい声をきくばかりだった。
豊竹呂昇
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
と思うと肩の上へ
目白
(
めじろ
)
押しに並んだ五六人も乗客の顔を見廻しながら、天国の
常談
(
じょうだん
)
を云い合っている。おや、一人の小天使は耳の穴の中から顔を出した。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
新井の薬師の帰りに、大久保へ出て野々宮君の家へ回ろうと思ったら、
落合
(
おちあい
)
の
火葬場
(
やきば
)
の辺で道を間違えて、
高田
(
たかた
)
へ出たので、
目白
(
めじろ
)
から汽車へ乗って帰った。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
十月十二日の
時雨
(
しぐれ
)
ふる朝に、私たちは
目白
(
めじろ
)
の
額田六福
(
ぬかだろっぷく
)
方を立ち退いて、麻布
宮村町
(
みやむらちょう
)
へ引き移ることになった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
思
(
おも
)
ひの
儘
(
まゝ
)
に
枝葉
(
えだは
)
を
擴
(
ひろ
)
げた
獨活
(
うど
)
の
實
(
み
)
へ
目白
(
めじろ
)
の
聚
(
あつま
)
つて
鳴
(
な
)
くのが
愉快
(
ゆくわい
)
らしくもあれど、
何
(
なん
)
となく
忙
(
いそが
)
しげであつて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
中央に一子房があって三つに
岐
(
わか
)
れた花柱を頂き、子房の辺に蜜汁が分泌せらるるのでよく
目白
(
めじろ
)
の鳥がそれを吸いに来り、その際に花粉を柱頭に伝え媒助してくれる。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
そこでまた、
希望
(
きぼう
)
がわきました。ふたりは、あがりはなに、
目白
(
めじろ
)
おしにならんで、
腰
(
こし
)
をかけました。
いぼ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
一度は東京の
目白
(
めじろ
)
のある田舎道で夜の八時過ぎだった、急にフラフラとやって来て暗い
草叢
(
くさむら
)
の中へ倒れた、その時は或る気前のいい車屋さんに助けられたものだった
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
火鉢とお茶を持って上って来た夫人に、私は
不躾
(
ぶしつけ
)
ながら、色々な質問をせざるを得ない気持であった。きいてみると、
目白
(
めじろ
)
の女子大の出身で、専攻は英文学であったそうである。
I駅の一夜
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
平次はガラツ八と一緒に、到頭
目白
(
めじろ
)
長者の家へ出かけて見る氣になつたのです。
銭形平次捕物控:121 土への愛著
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
戸山の原は東京の近郊に珍らしい
広開
(
こうかい
)
した
地
(
ち
)
である。
目白
(
めじろ
)
の奥から
巣鴨
(
すがも
)
滝
(
たき
)
の
川
(
がわ
)
へかけての平野は、さらに広い
武蔵野
(
むさしの
)
の趣を残したものであろう。しかしその平野は
凡
(
すべ
)
て
耒耜
(
らいし
)
が加えられている。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「いっそ、
目白
(
めじろ
)
がよかろ。目白になって
陽
(
ひ
)
なたの丘の
竹藪
(
たけやぶ
)
で、日がないちにち
啼
(
な
)
き暮すことじゃ。そいでん、子供たちにつかまって、
籠
(
かご
)
んなかに入れられてしまえば、また鶏どんと同じ
運命
(
さだめ
)
になる道理じゃ」
南方郵信
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
目白
(
めじろ
)
、カナリヤ、
四十雀
(
しじゆうがら
)
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
鶯
(
うぐいす
)
がささ鳴きをし、
目白
(
めじろ
)
が枝わたりをしている。人声もきこえぬ静かさで、何処からか
謡
(
うたい
)
の
鼓
(
つづみ
)
の音がきこえてくる。
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
渡鳥
(
わたりどり
)
、
小雀
(
こがら
)
、
山雀
(
やまがら
)
、
四十雀
(
しじふから
)
、
五十雀
(
ごじふから
)
、
目白
(
めじろ
)
、
菊
(
きく
)
いたゞき、あとりを
多
(
おほ
)
く
耳
(
みゝ
)
にす。
椋鳥
(
むくどり
)
少
(
すくな
)
し。
鶇
(
つぐみ
)
最
(
もつと
)
も
多
(
おほ
)
し。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
目白
(
めじろ
)
は
籠
(
かご
)
に飼われると、
熟柿
(
じゅくし
)
などよりもかえって
薯
(
いも
)
を好んで食う。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
目白
(
めじろ
)
長者、寅五郎の屋敷は豪勢でした。
銭形平次捕物控:121 土への愛著
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
變
(
へん
)
に
陰氣
(
いんき
)
で
不氣味
(
ぶきみ
)
な
晩
(
ばん
)
でございました。ちやうど
來
(
き
)
なすつた
時
(
とき
)
、
目白
(
めじろ
)
の
九
(
こゝの
)
つを
聞
(
き
)
きましたが、いつもの
八
(
や
)
つころほど
寂寞
(
ひつそり
)
して、びゆう/\
風
(
かぜ
)
ばかりさ、おかみさん。
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
腰障子の土間の広い、荒っぽい
材組
(
きぐみ
)
で、柱なんぞも太かったが、簡素な造りで、藤木さんは手拭ゆかたを着て、
目白
(
めじろ
)
をおとりにして木立に小鳥籠が
幾個
(
いくつ
)
かかけてあった。
旧聞日本橋:12 チンコッきり
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
谷には
鶯
(
うぐいす
)
、峰には
目白
(
めじろ
)
四十雀
(
しじゅうから
)
の
囀
(
さえず
)
っている
処
(
ところ
)
もあり、
紺青
(
こんじょう
)
の
巌
(
いわ
)
の根に、春は
菫
(
すみれ
)
、秋は
竜胆
(
りんどう
)
の咲く
処
(
ところ
)
。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
秋
(
あき
)
、
冬
(
ふゆ
)
、
遊山
(
ゆさん
)
に
来
(
く
)
る、
桜山
(
さくらやま
)
も、
桃谷
(
もゝたに
)
も、あの
梅林
(
ばいりん
)
も、
菖蒲
(
あやめ
)
の
池
(
いけ
)
も
皆
(
みんな
)
父様
(
とつちやん
)
ので、
頬白
(
ほゝじろ
)
だの、
目白
(
めじろ
)
だの、
山雀
(
やまがら
)
だのが、この
窓
(
まど
)
から
堤防
(
どて
)
の
岸
(
きし
)
や、
柳
(
やなぎ
)
の
下
(
もと
)
や、
蛇籠
(
じやかご
)
の
上
(
うへ
)
に
居
(
ゐ
)
るのが
見
(
み
)
える
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此
(
こ
)
の
坂
(
さか
)
の
上
(
うへ
)
から、
遙
(
はるか
)
に
小石川
(
こいしかは
)
の
高臺
(
たかだい
)
の
傳通院
(
でんづうゐん
)
あたりから、
金剛寺坂上
(
こんがうじざかうへ
)
、
目白
(
めじろ
)
へ
掛
(
か
)
けてまだ
餘
(
あま
)
り
手
(
て
)
の
入
(
はひ
)
らない
樹木
(
じゆもく
)
の
鬱然
(
うつぜん
)
とした
底
(
そこ
)
に
江戸川
(
えどがは
)
の
水氣
(
すゐき
)
を
帶
(
お
)
びて
薄
(
うす
)
く
粧
(
よそほ
)
つたのが
眺
(
なが
)
められる。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
赤
(
あか
)
い
着物
(
きもの
)
を
着
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
る、みいちやんの
紅雀
(
べにすゞめ
)
だの、
青
(
あを
)
い
羽織
(
はおり
)
を
着
(
き
)
て
居
(
い
)
る
吉公
(
きちこう
)
の
目白
(
めじろ
)
だの、それからお
邸
(
やしき
)
のかなりやの
姫様
(
ひいさま
)
なんぞが、
皆
(
みんな
)
で、からかいに
行
(
い
)
つては、
花
(
はな
)
を
持
(
も
)
たせる、
手拭
(
てぬぐひ
)
を
被
(
かむ
)
せる
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
櫻山
(
さくらやま
)
に
夏鶯
(
なつうぐひす
)
音
(
ね
)
を
入
(
い
)
れつゝ、
岩殿寺
(
いはとのでら
)
の
青葉
(
あをば
)
に
目白
(
めじろ
)
鳴
(
な
)
く。なつかしや
御堂
(
みだう
)
の
松翠
(
しようすゐ
)
愈々
(
いよ/\
)
深
(
ふか
)
く、
鳴鶴
(
なきつる
)
ヶ
崎
(
さき
)
の
浪
(
なみ
)
蒼
(
あを
)
くして、
新宿
(
しんじゆく
)
の
濱
(
はま
)
、
羅
(
うすもの
)
の
雪
(
ゆき
)
を
敷
(
し
)
く。そよ/\と
風
(
かぜ
)
の
渡
(
わた
)
る
處
(
ところ
)
、
日盛
(
ひざか
)
りも
蛙
(
かはづ
)
の
聲
(
こゑ
)
高
(
たか
)
らかなり。
松翠深く蒼浪遥けき逗子より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それ、
放
(
はな
)
たれたる
女
(
をんな
)
は、
蜀道
(
しよくだう
)
の
良夜
(
りやうや
)
にあり。
敢
(
あへ
)
て
目白
(
めじろ
)
の
學校
(
がくかう
)
にあらざる
也
(
なり
)
。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それからみいちやんのやうなのは
可愛
(
かあい
)
らしいのである、
吉公
(
きちかう
)
のやうなのはうつくしいのである、けれどもそれは
紅雀
(
べにすゞめ
)
がうつくしいのと、
目白
(
めじろ
)
が
可愛
(
かあい
)
らしいのと
些少
(
ちつと
)
も
違
(
ちが
)
ひはせぬので、うつくしい
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
頂
(
いただき
)
の松の中では、
頻
(
しきり
)
に
目白
(
めじろ
)
が
囀
(
さえず
)
るのである。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“目白”の解説
目白(めじろ)は、東京都豊島区の町名。現行行政地名は目白一丁目から目白五丁目。郵便番号は171-0031。
(出典:Wikipedia)
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
“目白”で始まる語句
目白鳥
目白台
目白押
目白推
目白籠
目白不動尊