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御機嫌
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ごきげん
ふりがな文庫
“
御機嫌
(
ごきげん
)” の例文
あの女は今夜僕の東京へ帰る事を知って、笑いながら
御機嫌
(
ごきげん
)
ようと云った。僕はその
淋
(
さび
)
しい笑を、今夜何だか汽車の中で夢に見そうだ
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「おやこつちのおとつゝあん、
暫
(
しばら
)
くでがしたねどうも、
御機嫌
(
ごきげん
)
よろしがすね」おつたはそら/″\しい
程
(
ほど
)
打
(
う
)
つて
變
(
かは
)
つた
調子
(
てうし
)
でいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それ御前の
御機嫌
(
ごきげん
)
がわるいといえば、台所の
鼠
(
ねずみ
)
までひっそりとして、
迅雷
(
じんらい
)
一声奥より響いて耳の太き下女手に持つ
庖丁
(
ほうちょう
)
取り落とし
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
乳母 はい、
御機嫌
(
ごきげん
)
よう。……もし/\、あの
人
(
ひと
)
は、ま、
何
(
なん
)
といふ
無作法
(
ぶさはふ
)
な
若
(
わか
)
い
衆
(
しゅ
)
でござるぞ? あくたいもくたいばかり
言
(
い
)
うて。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
表
(
おもて
)
むきは
何處
(
どこ
)
までも
田舍書生
(
いなかじよせい
)
の
厄介者
(
やつかいもの
)
が
舞
(
ま
)
ひこみて
御世話
(
おせわ
)
に
相成
(
あいな
)
るといふこしらへでなくては
第
(
だい
)
一に
伯母御前
(
おばごぜ
)
が
御機嫌
(
ごきげん
)
むづかし
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
そして
為朝
(
ためとも
)
の
御機嫌
(
ごきげん
)
をとるつもりで、
急
(
きゅう
)
に
新院
(
しんいん
)
に
願
(
ねが
)
って
為朝
(
ためとも
)
を
蔵人
(
くらんど
)
という
重
(
おも
)
い
役
(
やく
)
にとり
立
(
た
)
てようといいました。すると
為朝
(
ためとも
)
はあざ
笑
(
わら
)
って
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「島田先生も、大へん
御機嫌
(
ごきげん
)
がよくて、常よりは
御酒
(
ごしゅ
)
も過ごしなされ、御料理もよくいただいて、さてその帰りでございます」
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ト云うて、
貴官
(
あなた
)
の方へは、彼の
罪迹
(
ざいせき
)
を何か報告せねばならぬでせう——イヤ、
其様
(
さう
)
せねば
貴官
(
あなた
)
の
御機嫌
(
ごきげん
)
が悪いでせう——けれど実を言ふと
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
そしてその小さい腰かけにちょこんと腰を
下
(
おろ
)
して、悠々と
朝日
(
あさひ
)
をふかしながら、雑然たる三つの実験台を等分に眺めながら、
御機嫌
(
ごきげん
)
であった。
寺田先生の追憶:――大学卒業前後の思い出――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
綱雄さんが来たらば
言
(
い
)
っつけて上げるからいい。ほんとに憎らしい父様だよ。と光代はいよいよむつかる。いやはや
御機嫌
(
ごきげん
)
を
損
(
そこ
)
ねてしもうた。
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
殊
(
こと
)
の
他
(
ほか
)
、
御機嫌
(
ごきげん
)
で、「村の祭が、取り持つ
緑
(
えん
)
で——」という、
卑俗
(
ひぞく
)
な歌を、口ずさんでいましたが、ぼくの寝姿をみるなり
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「おや、ジム
爺
(
じい
)
さん。いい
御機嫌
(
ごきげん
)
だね。ああ分った。すてきな靴をはいて来たね、今日は……。どこで手に入れたんだい」
諜報中継局
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
だが、もっとあげようといえば、それは
貰
(
もら
)
うのである。飲みものなしで、彼は、嫌いな米を
頬張
(
ほおば
)
る。ルピック夫人の
御機嫌
(
ごきげん
)
を取るつもりである。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
忘れて
打喜
(
うちよろこ
)
びやれ/\嬉しや南無
金毘羅
(
こんぴら
)
大權現
(
だいごんげん
)
心願
(
しんぐわん
)
成就
(
じやうじゆ
)
有難やと
泪
(
なみだ
)
を流して
伏拜
(
ふしをが
)
みテモマア此寒さに
御機嫌
(
ごきげん
)
よくと藤三郎を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
勤めぎらいの平中は、宮中への出仕は怠りがちであったらしいが、本院の左大臣のもとへは始終
御機嫌
(
ごきげん
)
伺いに行った。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
何
(
ど
)
うした
風
(
かぜ
)
の
吹
(
ふ
)
きまわしか、その
日
(
ひ
)
は
大
(
たい
)
へん
御機嫌
(
ごきげん
)
がよいらしく、
老顔
(
ろうがん
)
に
微笑
(
えみ
)
を
湛
(
たた
)
えて
斯
(
こ
)
う
言
(
い
)
われるのでした。——
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
御機嫌
(
ごきげん
)
をそこねておりますようですからこんなことを申し上げます。風流の
真似
(
まね
)
をいたし過ぎるかもしれません。
源氏物語:31 真木柱
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
町「親父は
頑固
(
いっこく
)
ものですから、お気に障りましたろうが、どうか悪く思召さないで下さいまし、
御機嫌
(
ごきげん
)
宜しゅう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
些
(
ち
)
イと課長さんの
所
(
とこ
)
へも
御機嫌
(
ごきげん
)
伺いにお出でお出でと口の酸ぱくなるほど言ッても強情張ッてお出ででなかッたもんだから、それでこんな事になったんだヨ
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
あの
執拗
(
ひねく
)
れた
焦熬
(
いらいら
)
している富岡先生の
御機嫌
(
ごきげん
)
に少しでも
触
(
さわ
)
ろうものなら直ぐ一撃のもとに破壊されて
了
(
しま
)
う。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
ヂョウジアァナは「
御機嫌
(
ごきげん
)
如何?」と云つて、二言三言私の旅行のことや、天氣その他のお
定
(
きま
)
り
文句
(
もんく
)
を、どちらかと云ふとまだるい、
懶
(
ものう
)
げな調子で附け加へた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「ぢや送りません。
御機嫌
(
ごきげん
)
よう。——あ、だけど京都へお帰りになつても黙つてゐて下さい。でないと僕行つても一寸具合が悪いし、第一行きにくくなるから。」
曠日
(新字旧仮名)
/
佐佐木茂索
(著)
御機嫌
(
ごきげん
)
よろしゅうと言葉
後
(
じり
)
力なく送られし時、跡ふりむきて今
一言
(
ひとこと
)
交
(
かわ
)
したかりしを邪見に唇
囓切
(
かみしめ
)
て
女々
(
めめ
)
しからぬ
風
(
ふり
)
誰
(
たが
)
為
(
ため
)
にか
粧
(
よそお
)
い、急がでもよき足わざと早めながら
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
と、とのさまは
今
(
いま
)
の
二合
(
にがふ
)
で、
大分
(
だいぶ
)
御機嫌
(
ごきげん
)
。ストンと、いや、
床
(
ゆか
)
が
柔軟
(
やはらか
)
いから、ストンでない、スポンと
寢
(
ね
)
て、
肱枕
(
ひぢまくら
)
で、
阪地到來
(
はんちたうらい
)
の
芳酒
(
うまざけ
)
の
醉
(
ゑひ
)
だけに、
地唄
(
ぢうた
)
とやらを
口誦
(
くちずさ
)
む。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
随分お達者で
御機嫌
(
ごきげん
)
よろしう……
宮
(
みい
)
さん、お前から好くさう言つておくれ、よ、
若
(
も
)
し貫一はどうしたとお
訊
(
たづ
)
ねなすつたら、あの大馬鹿者は一月十七日の晩に気が違つて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
殿様も一生おそばにおいてくださるとおっしゃるんだから、お前もその気でせいぜい
御機嫌
(
ごきげん
)
を取り結んだらどうだえ。あたしゃ決してためにならないことは言わないよ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「じゃ、まあ
御機嫌
(
ごきげん
)
よう。お勝さんの方へは妹から君のことを通じさせることにして置きました」
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
お細工仰せつけられしは当春の初め、その後すでに半年をも過ぎたるに、いまだ献上いたさぬとはあまりの
懈怠
(
けたい
)
、もはや猶予は相成らぬと、
上様
(
うえさま
)
の
御機嫌
(
ごきげん
)
さんざんじゃぞ。
修禅寺物語
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
勿論
(
もちろん
)
美妙の家で
蕎麦
(
そば
)
一つ
御馳走
(
ごちそう
)
になったという人もなかったようだ。かえって美妙を尋ねる時は
最中
(
もなか
)
の一と折も持って行かないと
御機嫌
(
ごきげん
)
が悪いというような
影口
(
かげぐち
)
があった。
美妙斎美妙
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「今日は
御機嫌
(
ごきげん
)
が悪いようです。あれでも気が向くと、思いのほか
愛嬌
(
あいきょう
)
のある女なんですが。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『
御機嫌
(
ごきげん
)
如何
(
いかゞ
)
に
在
(
ゐ
)
らせられますか、
陛下
(
へいか
)
よ!』
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
が
低
(
ひく
)
い
脾弱
(
ひよわ
)
い
聲
(
こゑ
)
でお
伺
(
うかゞ
)
ひ
申上
(
まをしあ
)
げました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
支那
(
しな
)
がまだ
清国
(
しんこく
)
といつた
頃
(
ころ
)
、
北京
(
ペキン
)
の宮城の
万寿山
(
まんじゆさん
)
の御殿にかけてあつたもので、その頃、皇帝よりも勢ひをもつた
西太后
(
せいたいごう
)
(皇太后)の
御機嫌
(
ごきげん
)
とりに、外国から贈つたものを
ラマ塔の秘密
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
皇子さまは、だんだん、お話が面白くなつて来ましたので、
御機嫌
(
ごきげん
)
が、直つてまゐりました。
岩を小くする
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
『や、
御機嫌
(
ごきげん
)
よう、
今日
(
こんにち
)
は。』
院長
(
ゐんちやう
)
は六
號室
(
がうしつ
)
へ
入
(
はひ
)
つて
云
(
い
)
ふた。『
君
(
きみ
)
は
眠
(
ねむ
)
つてゐるのですか?』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
故に黒田の殿様が江戸
出府
(
しゅっぷ
)
、
或
(
あるい
)
は帰国の時に大阪を通行する時分には、先生は
屹度
(
きっと
)
中ノ嶋
(
なかのしま
)
の筑前屋敷に
伺候
(
しこう
)
して
御機嫌
(
ごきげん
)
を伺うと云う常例であった。
或歳
(
あるとし
)
、安政三年か四年と思う。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
時には富士見町に大きな邸宅を構えている、金主の大場への
御機嫌
(
ごきげん
)
伺いかとも思われた。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
またお前たちが元気よく私に朝の
挨拶
(
あいさつ
)
をしてから、母上の写真の前に駈けて行って、「ママちゃん
御機嫌
(
ごきげん
)
よう」と快活に叫ぶ瞬間ほど、私の心の底までぐざと
刮
(
えぐ
)
り通す瞬間はない。
小さき者へ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
浅田の
狡智
(
こうち
)
にだまされた青砥左衛門尉藤綱は、その夜たいへんの
御機嫌
(
ごきげん
)
で帰宅し、女房子供を一室に集めて、きょうこの父が滑川を渡りし時、火打袋をあけた途端に銭十一文を川に落し
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「平田さん、
御機嫌
(
ごきげん
)
よろしゅう」と、小万とお梅とは口を
揃
(
そろ
)
えて声をかけた。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
彼はすっかり海にひきつけられたので、一、二時間後に列車が汽笛を鳴らしてふたたび進行しだしたときには、小舟に乗っていて、列車が通り行くのを見ながら「
御機嫌
(
ごきげん
)
よう!」と叫んでやった。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
文麻呂 (厳然たる姿勢をとる)
御機嫌
(
ごきげん
)
よろしく、お父さん!
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
「やあ、犬の八公さんか、犬共の
御機嫌
(
ごきげん
)
はどうですか。」
犬の八公
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「親分、
御機嫌
(
ごきげん
)
よう。御機嫌よう」
入れ札
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「では、
御機嫌
(
ごきげん
)
よう」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
己
(
おい
)
らの
言
(
い
)
ふのは
嫁
(
よめ
)
さんの
事
(
こと
)
さ、
年寄
(
としよ
)
りは
何
(
どう
)
でも
宜
(
い
)
いとあるに、
夫
(
そ
)
れは
大失敗
(
おほしくじり
)
だねと
筆
(
ふで
)
やの
女房
(
にようぼう
)
おもしろづくに
御機嫌
(
ごきげん
)
を
取
(
と
)
りぬ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「それで
先刻
(
さっき
)
から大変
御機嫌
(
ごきげん
)
が悪いのよ。もっともあたしと兄さんと寄るときっと
喧嘩
(
けんか
)
になるんですけれどもね。ことにこの事件このかた」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「殿様はお酒をおあがりなさるとお気が荒いけれど、
平生
(
へいぜい
)
は親切なお方だから、
御機嫌
(
ごきげん
)
の取りにくいことはありませぬ」
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
上へ
伺
(
うかゞ
)
ふには餘人にては
宜
(
よろし
)
からず兼々
御懇命
(
ごこんめい
)
を
蒙
(
かうむ
)
る石川近江守然るべしとて近江守を
招
(
まね
)
かれ
委細
(
ゐさい
)
申し
含
(
ふく
)
め
御機嫌
(
ごきげん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
これで今度の戦争に勝てるという
傑
(
えら
)
い
御機嫌
(
ごきげん
)
だという話を、実際にその人に会って来た友人から聞いた。
千里眼その他
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
(皆々代る/″\長者に近づきて、小聲に挨拶して歸りゆく)……でござるか? はて、
然
(
しか
)
らば、
何
(
いづ
)
れも
忝
(
かたじけ
)
なうござった。かたじけなうござる。
御機嫌
(
ごきげん
)
ようござりませ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
“御機嫌”の意味
《名詞》
「機嫌」を丁寧に言う語。
機嫌がよいこと。上機嫌。愉快。(作品などが)楽しげで気分がよいこと。
(出典:Wiktionary)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
機
常用漢字
小4
部首:⽊
16画
嫌
常用漢字
中学
部首:⼥
13画
“御機嫌”で始まる語句
御機嫌伺
御機嫌好
御機嫌よう
御機嫌取
御機嫌宜
御機嫌斜
御機嫌能