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差上
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さしあ
ふりがな文庫
“
差上
(
さしあ
)” の例文
『
留守中
(
るゐちう
)
これは
失禮
(
しつれい
)
でした。
妻
(
さい
)
が
居
(
ゐ
)
ませんので、
女中
(
ぢよちう
)
ばかり‥‥や、つまらん
物
(
もの
)
を
差上
(
さしあ
)
げて
恐縮
(
きようしゆく
)
しました』と
花竦薑
(
はならつきやう
)
を
下目
(
しため
)
で
見
(
み
)
る。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
左手
(
ゆんで
)
の
肱
(
ひじ
)
を
鍵形
(
かぎなり
)
に曲げて、
衝
(
つ
)
と目よりも高く
差上
(
さしあ
)
げた、
掌
(
たなそこ
)
に、細長い、青い、小さな
瓶
(
びん
)
あり、捧げて、
俯向
(
うつむ
)
いて、
額
(
ひたい
)
に
押当
(
おしあ
)
て
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
白氏
(
はくし
)
が
晴天
(
せいてん
)
の雨の
洒落
(
しやれ
)
ほどにはなく
候
(
そろ
)
へども
昨日
(
さくじつ
)
差上
(
さしあ
)
げ
候
(
そろ
)
端書
(
はがき
)
十五
枚
(
まい
)
もより風の
枯木
(
こぼく
)
の吹けば飛びさうなるもののみ、
何等
(
なんら
)
風情
(
ふぜい
)
をなすべくも
候
(
そろ
)
はず
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
出やうが
早
(
はや
)
いと
魔劫
(
まごふ
)
が
未
(
ま
)
だ
除
(
と
)
れないから
何時
(
いつ
)
かはこれを
持
(
もつ
)
て居るものに
禍
(
わざはひ
)
するものじや、
一先
(
ひとまづ
)
拙者が
持歸
(
もちかへ
)
つて三年
經
(
たつ
)
て
後
(
のち
)
貴君
(
あなた
)
に
差上
(
さしあ
)
げることに
仕
(
し
)
たいものぢや
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
中々
(
なか/\
)
うまいね……エー
私
(
わたくし
)
は
書林
(
ほんや
)
から
使
(
つかひ
)
に
参
(
まゐ
)
りましたが、先生にこれは誠に
少々
(
せう/\
)
でございますが
差上
(
さしあ
)
げて
呉
(
く
)
れろと、主人に
斯様
(
かう
)
申
(
まう
)
されまして、
使
(
つかひ
)
に
罷
(
まか
)
り
出
(
い
)
でました。
西洋の丁稚
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
そういって
彼
(
かれ
)
は、手の
鞭
(
むち
)
で人形を二、三
度
(
ど
)
叩
(
たた
)
いてみせました。それから
鞭
(
むち
)
を
差上
(
さしあ
)
げていいました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
其丈
(
それだけ
)
なら
申分
(
まうしぶん
)
は無かつたのだが、呉服屋夫婦は道珍和上に
娶
(
めあ
)
はせようと為た娘を、今度の朗然和上に
差上
(
さしあ
)
げて
是非
(
ぜひ
)
岡崎御坊に住ませたい、最愛の娘を
高僧
(
かうそう
)
に捧げると云ふ事が
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
私は世界の探偵の仕事を研究するために
亜米利加
(
アメリカ
)
からきた者ですが、
貴下
(
あなた
)
のためにお祝の晩餐を
差上
(
さしあ
)
げたいと思いますから、今晩六時、日本ホテルまで御来車下さいますように。
骸骨島の大冒険
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「さあ、これから帰って一杯
差上
(
さしあ
)
げますで」とその老主人公がさっさと
踵
(
くびす
)
をめぐらした。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
「お客様に夜食を
差上
(
さしあ
)
げ度い、何が無くとも、先ず熱いものじゃ」
奇談クラブ〔戦後版〕:09 大名の倅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
其晩
(
そのばん
)
小六
(
ころく
)
は
大晦日
(
おほみそか
)
に
買
(
か
)
つた
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
の
御手玉
(
おてだま
)
を
袂
(
たもと
)
に
入
(
い
)
れて、
是
(
これ
)
は
兄
(
あに
)
から
差上
(
さしあ
)
げますとわざ/\
斷
(
ことわ
)
つて、
坂井
(
さかゐ
)
の
御孃
(
おぢやう
)
さんに
贈物
(
おくりもの
)
にした。
其
(
その
)
代
(
かは
)
り
歸
(
かへ
)
りには、
福引
(
ふくびき
)
に
當
(
あた
)
つた
小
(
ちひ
)
さな
裸人形
(
はだかにんぎやう
)
を
同
(
おな
)
じ
袂
(
たもと
)
へ
入
(
い
)
れて
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
だから、
思
(
おも
)
はれた
通
(
とほ
)
りに
成
(
な
)
つて——
其
(
そ
)
のかはり
貴方
(
あなた
)
に
差上
(
さしあ
)
げたものを、
御新造
(
ごしんぞ
)
から
頂戴
(
ちやうだい
)
しました。
可
(
よ
)
かありませんか。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ハテ
恵比寿麦酒
(
ゑびすびーる
)
の
会社長
(
くわいしやちやう
)
で、
日本
(
にほん
)
で
御用達
(
ごようたし
)
の
発
(
おこ
)
りは、
蛭子
(
ひるこ
)
の
神
(
かみ
)
が始めて
神武天皇
(
じんむてんのう
)
へ戦争の時
弓矢
(
ゆみや
)
と
酒
(
さけ
)
や
兵糧
(
ひやうろう
)
を
差上
(
さしあ
)
げたのが、
御用
(
ごよう
)
を
勤
(
つと
)
めたのが
恵比須
(
えびす
)
の
神
(
かみ
)
であるからさ。
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
斯う噂をして居たが、和上に
帰依
(
きえ
)
して居る
信者
(
しんじや
)
の
中
(
なか
)
に、
京
(
きやう
)
の
室町錦小路
(
むろまちにしきのこうぢ
)
の
老舗
(
しにせ
)
の呉服屋夫婦が
大
(
たい
)
した
法義者
(
はふぎしや
)
で、十七に成る
容色
(
きりやう
)
の好い
姉娘
(
あねむすめ
)
を
是非
(
ぜひ
)
道珍和上
(
どうちんわじやう
)
の
奥方
(
おくがた
)
に
差上
(
さしあ
)
げ
度
(
た
)
いと
言出
(
いひだ
)
した。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
そこで甚兵衛は
鞭
(
むち
)
を高く
差上
(
さしあ
)
げ、大きな声でいいました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
泣虫
(
なきむし
)
やすつ
飛
(
と
)
べ。
差上
(
さしあ
)
げて
廻
(
まは
)
した。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
三宝
(
さんぽう
)
の
利益
(
りやく
)
、
四方
(
しほう
)
の
大慶
(
たいけい
)
。太夫様にお祝儀を申上げ、われらとても
心祝
(
こころいわ
)
ひに、此の
鯉魚
(
こい
)
を
肴
(
さかな
)
に、祝うて一
献
(
こん
)
、心ばかりの
粗酒
(
そしゅ
)
を
差上
(
さしあ
)
げたう存じまする。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
ど
)
うも
皆
(
みな
)
さん
遠方
(
ゑんぽう
)
の
処
(
ところ
)
誠に
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じました、
本来
(
ほんらい
)
ならば
強飯
(
おこは
)
かお
酢
(
すし
)
でも
上
(
あ
)
げなければならないんですが、
御承知
(
ごしようち
)
の
通
(
とほ
)
りの
貧乏葬式
(
びんばふどむらひ
)
でげすから、
恐入
(
おそれいり
)
ましたが
何
(
なに
)
も
差上
(
さしあ
)
げませぬ
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
まだお
茶代
(
ちやだい
)
も
差上
(
さしあ
)
げないのに、
相濟
(
あひす
)
まない、
清
(
きよ
)
らかな
菓子器
(
くわしき
)
の
中
(
なか
)
は、ほこりのかゝらぬ
蒸菓子
(
むしぐわし
)
であつた。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
中々
(
なか/\
)
大人
(
たいじん
)
は知らん
処
(
ところ
)
へ
御来臨
(
ごらいりん
)
のない事は
存
(
ぞん
)
じて
居
(
を
)
りましたが、一
度
(
ど
)
にても先生の
御入来
(
おいで
)
がないと
朋友
(
ほういう
)
の
前
(
まへ
)
も
実
(
じつ
)
に
外聞
(
ぐわいぶん
)
悪
(
わる
)
く思ひます所から、
御無礼
(
ごぶれい
)
を
顧
(
かへり
)
みず
再度
(
さいど
)
書面
(
しよめん
)
を
差上
(
さしあ
)
げましたが
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……お
待
(
ま
)
ちなさりまし、
晝間
(
ひるま
)
の
辨當箱
(
べんたうばこ
)
が
開
(
あ
)
いて
居
(
を
)
ります、
洗
(
あら
)
つて
一番
(
ひとつ
)
、
其
(
そ
)
れへ
汲出
(
くみだ
)
して
差上
(
さしあ
)
げませう。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さて
御料理番
(
おれうりばん
)
に
折入
(
をりい
)
つて、とやせむかくやせむと
評議
(
ひやうぎ
)
の
上
(
うへ
)
、
一通
(
いツつう
)
の
獻立
(
こんだて
)
を
書附
(
かきつけ
)
にして
差上
(
さしあ
)
げたり。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何事
(
なにごと
)
に
因
(
よ
)
らず
改革奉行
(
かいかくぶぎやう
)
の
命令
(
めいれい
)
に
背
(
そむ
)
き
候
(
さふらふ
)
まじく、いづれも
杢殿
(
もくどの
)
手足
(
てあし
)
となりて、
相働
(
あひはたら
)
き、
忠勤
(
ちうきん
)
を
勵
(
はげ
)
み
可申候
(
まをすべくさふらふ
)
と、
澁々
(
しぶ/\
)
血判
(
けつぱん
)
して
差上
(
さしあ
)
ぐれば、
御年役
(
おんとしやく
)
一應
(
いちおう
)
御覽
(
ごらん
)
の
上
(
うへ
)
、
幸豐公
(
ゆきとよぎみ
)
に
參
(
まゐ
)
らせ
給
(
たま
)
へば、
讀過
(
どくくわ
)
一番
(
いちばん
)
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「おつりを
差上
(
さしあ
)
げましやう。」
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
差
常用漢字
小4
部首:⼯
10画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“差上”で始まる語句
差上候
差上度
差上申
差上申候