“蒸菓子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むしがし50.0%
むしぐわし50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
葉は厚く光っており、夏の末に咲く花は五味子ごみしのようで、熟した実は赤黒くて、形は蒸菓子むしがし鹿そっくりです。飯事ままごとに遣います。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
生菓子なまがし蒸菓子むしがしというような名まえは、上方かみがたから西の子どもは知らなかった。餅菓子もちがしというと餅と菓子と、二つをならべたもののように思っていた。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
まだお茶代ちやだい差上さしあげないのに、相濟あひすまない、きよらかな菓子器くわしきなかは、ほこりのかゝらぬ蒸菓子むしぐわしであつた。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
英二もみよ子も、今日の祝ひにわざ/\加賀から取り寄せられた『森八』の紅い蒸菓子むしぐわしをつまんだが、孝一だけはつゝつぽの肩をそびやかし、唇を結んだまゝ、頑として手を出そうとしない。
父の帰宅 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)