蒸菓子むしぐわし)” の例文
まだお茶代ちやだい差上さしあげないのに、相濟あひすまない、きよらかな菓子器くわしきなかは、ほこりのかゝらぬ蒸菓子むしぐわしであつた。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
英二もみよ子も、今日の祝ひにわざ/\加賀から取り寄せられた『森八』の紅い蒸菓子むしぐわしをつまんだが、孝一だけはつゝつぽの肩をそびやかし、唇を結んだまゝ、頑として手を出そうとしない。
父の帰宅 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)