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健
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すこや
ふりがな文庫
“
健
(
すこや
)” の例文
こうして、うつくしい
健
(
すこや
)
かな千浪と、練塀小路の小鬼、美青年伴大次郎とは、男女の
規
(
のり
)
を越えない潔い許婚の仲をつづけて来ている。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
媼
(
おうな
)
は忽ち身を起し、
健
(
すこや
)
かなる歩みざまして我前に來て云ふやう。能くも歌ひて、身のしろを
贏
(
か
)
ち得つるよ。
吭
(
のど
)
の響はやがて
黄金
(
こがね
)
の響ぞ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
お父様は何うなされたかと日々お案じ申しまするのみでございましたが、先ずはお
健
(
すこや
)
かなる
御顔
(
おんかお
)
を拝しまして誠に
大悦
(
たいえつ
)
に存じまする
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こうした父の持病は一生を通して父を苦しめたとは言え、しかし岸本は父にも
健
(
すこや
)
かな月日の多かったことを想像することが出来る。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
伝兵衛はもう六十と云っていたが、身の
丈
(
たけ
)
も高く、頬の肉も豊かで、見るから
健
(
すこや
)
かな、いかにも温和らしい福相をそなえた老人であった。
半七捕物帳:33 旅絵師
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
素戔嗚
(
すさのお
)
はその湖の水を浴びて、全身の
穢
(
けが
)
れを洗い落した。それから岸に臨んでいる、大きな
樅
(
もみ
)
の木の陰へ行って、久しぶりに
健
(
すこや
)
な眠に沈んだ。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
温室の花は虫に弱い、野の花はこれに比べて
遥
(
はるか
)
に
健
(
すこや
)
かである。私は今も咲くその健かな花を見るために旅立ったのである。
北九州の窯
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
すると、ふと、彼は初めて妻を見たときの、あの彼女のただ彼のみに
赦
(
ゆる
)
されてあるかのような
健
(
すこや
)
かな笑顔を思い出した。彼は涙がにじんで来た。
花園の思想
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
健
(
すこや
)
かに保つことを忘れてはならぬ。霊も肉もあの世もこの世も一であって二ではない。聖なる人間は取りも直さず俗世間にも健かな人間である。
阿難と呪術師の娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
この清く
健
(
すこや
)
かになった心を持って、新しく地上の生活に参加し活動する。そうして又彼の天の高きにあこがれ、登山の楽みを今年も試みようとする。
高きへ憧れる心
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
健康問題について心を労しない。生きる死ぬるということが気にならないような、心の
健
(
すこや
)
かさをもつことができる。
キリスト教入門
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
御念
(
ごねん
)
に
及
(
およ
)
ばぬ、
城
(
じやう
)
ヶ
沼
(
ぬま
)
の
底
(
そこ
)
に
湧
(
わ
)
く……
霊泉
(
れいせん
)
に
浴
(
ゆあみ
)
させて、
傷
(
きづ
)
もなく
疲労
(
つかれ
)
もなく
苦悩
(
くなう
)
もなく、
健
(
すこや
)
かにしてお
返
(
かへ
)
し
申
(
まを
)
す。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
せざりし者と
泣々
(
なく/\
)
頼
(
たの
)
む
貰
(
もら
)
ひ乳の足ぬ
勝
(
がち
)
なる
養育
(
やういく
)
に
繋
(
つな
)
ぐ我が子の玉の
緒
(
を
)
の
細
(
ほそ
)
くも五
體
(
たい
)
痩
(
やせ
)
ながら
蟲氣
(
むしけ
)
も有ぬ
健
(
すこや
)
かさ
縁
(
えん
)
有ればこそ親子と成何知らぬ兒に此
憂苦
(
いうく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
遠からず父上母上を迎へ取り、
膝下
(
しつか
)
に
奉仕
(
ほうじ
)
することとなすべきなど語り
聞
(
きこ
)
えて東京に帰り、先づ愛児の
健
(
すこや
)
かなる顔を見て、始めて十
数日来
(
すうにちらい
)
の
憂
(
う
)
さを
霽
(
はら
)
しぬ。
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
電鈴
(
ベル
)
を押すと、すぐに人が出て来たのは意外だった。迎えてくれたのは、三十四五の、涼しそうな髭を立てた、見るからに
健
(
すこや
)
かそうな和服姿の紳士だった。
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
なれども
健
(
すこや
)
かな二本の脚を、何
面白
(
おもしろ
)
いこともないに、
捩
(
ねじ
)
って折って放すとは、何という
浅間
(
あさま
)
しい人間の心じゃ。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
同時におのおのの心と肉体とを、
健
(
すこや
)
かに
清々
(
すがすが
)
しくお保ちくだされ! 一言とはなんぞや! 一言とはなんぞや!
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
どこまでも
剛
(
つよ
)
く
健
(
すこや
)
かな心の活動をもって本当に自己の衷に見出されたものを維持し発展することができる人は、真に個性の何たるかを理解することができる。
語られざる哲学
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
自分は恋しい妻をもう
亡
(
な
)
くしたが、白髪になるまで二人とも
健
(
すこや
)
かで、その妻の声を聞くことの出来る人は何と
為合
(
しあわ
)
せな人だろう、
羨
(
うらやま
)
しいことだ、というので
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
人の世より神の世に、時より永劫に、フィオレンツァより、正しき
健
(
すこや
)
かなる民の
許
(
もと
)
に來れる我 三七—三九
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
惟
(
おも
)
うに近頃諸国で結婚問題やかましく、優生学者等同音に男女身体検査を厳重に行うた後、
相応
(
ふさわ
)
しい同士を婚せしむべきを主張するが、体
健
(
すこや
)
かにして子なきも多ければ
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
我
(
わ
)
れを
腑甲斐
(
ふがひ
)
なしと
思
(
おも
)
ふな、
腕
(
うで
)
には
職
(
しよく
)
あり
身
(
み
)
の
健
(
すこや
)
かなるに、いつまで
斯
(
か
)
くてはあらぬものをと
口癖
(
くちぐせ
)
に
仰
(
あふ
)
せらるゝは、
何處
(
どこ
)
やら
我
(
わ
)
が
心
(
こゝろ
)
の
顏
(
かほ
)
に
出
(
い
)
でゝ
卑
(
いや
)
しむ
色
(
いろ
)
の
見
(
み
)
えけるにや
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さなきだに
蒼
(
あお
)
ざめて血色
悪
(
あ
)
しき顔の夜目には
死人
(
しびと
)
かと怪しまれるばかり。
剰
(
あまつさ
)
え髪は乱れて
頬
(
ほお
)
にかかり、頬の肉やや落ちて、
身体
(
からだ
)
の
健
(
すこや
)
かならぬと心に苦労多きとを示している。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
聞くにつけ、よそながら
傷
(
いた
)
ましゅう存ぜられて居った。然し、お
健
(
すこや
)
かの
態
(
てい
)
、何よりでござる
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
傍
(
かたわ
)
らに二、三の人あり。その内の一人、人の耳ばかり見て居るとよつぽど変だよ、など話して笑ふ。我は
健
(
すこや
)
かなる人は人の耳など見るものなることを始めて知りぬ。(一月二十三日)
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
彼は父祖から、堅固な骨格と、弱点のない
健
(
すこや
)
かな肉体とを、受け継いではいた。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
駒形茂兵衛、途中で食い物にありつき、前よりは
健
(
すこや
)
かになっている。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
私は恋人にでも手を取られて居る様な甘い気持に浸りながら、小さな時計の面に視線を集めて居る彼女の
健
(
すこや
)
かさうな顔を見つめて居た。彼女の指先の温味が私の手から心臓に伝つて来るのを感じた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
世には
躰
(
たい
)
健
(
すこや
)
かなるが為に心健かならざるもの多ければ、常に健やかなるものゝ十日二十日病床に臥すは、左まで恨むべき事にあらず、
況
(
ま
)
してこの秋の
物色
(
けしき
)
に対して、命運を学ぶにこよなき
便
(
よすが
)
あるをや。
秋窓雑記
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
健
(
すこや
)
けく常は
坐
(
ま
)
さずも
大御命
(
おほみいのち
)
長く
坐
(
ま
)
せよと仰ぎしものを
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
彼はアラビヤの山多き地方に生れた、彼は
健
(
すこや
)
かに
ランボオ詩集≪学校時代の詩≫
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
いかに
健
(
すこや
)
かにも頼むに足るの現実ぞや。
生活のうるほひ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
日本は
健
(
すこや
)
かで、正しく、美しかった。
光り合ういのち
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
熟さぬ果実の
健
(
すこや
)
かさであつた。
盂蘭盆
(新字旧仮名)
/
北条民雄
(著)
健
(
すこや
)
かな、若い女等の手足が
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
食
小
(
ち
)
さくなりて
健
(
すこや
)
か冬籠
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
盲人の
敏
(
さと
)
き習として、少女はその常の錢ならぬを知りたるなるべし、顏は燃ゆる如くなりて、その
健
(
すこや
)
かに美しき唇は我手背に觸れたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その弟らしいのが三四人、どれもこれも黒い垢のついた顔をして、髪はまるで
蓬
(
よもぎ
)
のように見えた。でも、
健
(
すこや
)
かな、無心な声で、子供らしい唄を歌った。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
茶筅を見ますと誠に繊細な技に達しておりますが、やや度を過ごして病いに近づきつつあると思われます。何かもっと
健
(
すこや
)
かな姿となり得ないものでしょうか。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
ば折られても、二度と父母の処へも戻ったのぢゃ。なれども
健
(
すこや
)
かな二本の脚を、何面白いこともないに、
捩
(
ねぢ
)
って折って放すとは、何といふ
浅間
(
あさま
)
しい人間の心ぢゃ。
二十六夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
たとへば冬の日ヴェネーツィア人の
船廠
(
アールセーナ
)
に、
健
(
すこや
)
かならぬ船を塗替へんとて、
粘
(
ねば
)
き
脂
(
やに
)
煮ゆるごとく 七—九
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
何分御主人さまに
附
(
つき
)
ッ切りゆえ、参る事も出来ないので、存じながら大層御無沙汰になって、誠に相済みませんが、何時もお変りなくお
健
(
すこや
)
かで私も満足致しました
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
なぜなら人間性の実現せられる状態は個個の人に由って異っている。それが個性といわれるものである。
健
(
すこや
)
かな個性は静かに停まっていない、断えず流転し、進化し、成長する。
母性偏重を排す
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
私の実の父も母も飯田の城下に
健
(
すこや
)
かに
現在
(
ただいま
)
も
生活
(
くら
)
しておりますものを、
臨終
(
いまわ
)
の妄執だの亡魂だのと、
埒
(
らち
)
もないことを
仰
(
おお
)
せられる。お
戯
(
たわむ
)
れも事によれ、
程度
(
ほど
)
を過ごせば無礼ともなる。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
英一も
健
(
すこや
)
かならば、来年はかくあるべきものをと、またしても
眼瞼
(
まぶた
)
の重きをおぼゆ。
叔父と甥と:――甲字楼日記の一節――
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
見るに今夜
子
(
ね
)
の
刻
(
こく
)
に死する者が
斯
(
かく
)
健
(
すこや
)
かに有べき樣もなし如何なれば
翁
(
おう
)
が斯樣の事を云しかと
不審
(
ふしん
)
するも
道理
(
ことわり
)
ぞかし然れば靱負は甚だ
氣色
(
きしよく
)
を
損
(
そん
)
じ居ける故主は昨日
貰
(
もら
)
ひし
金子
(
きんす
)
にて
酒
(
さけ
)
肴
(
さかな
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
身の
健
(
すこや
)
かなる夫人は、かえって、かッと上気して
眩暈
(
めまい
)
を感じて、扉を閉めながら
蹌踉
(
よろめ
)
いたが、ばらばら脱ぎ散らした上草履乱れた中に、良人のを見て、取って揃えて直しながら、袖にも襟にも
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
明日一小児門外に棄てあり、何者と知れず、
健
(
すこや
)
かに見えしとて、憐れんで
己
(
おの
)
が子のごとく養ひ、成長後嗣子とせり、
本
(
もと
)
より子なかりしを知りて、
何方
(
いずかた
)
よりか奪ひ来りしとみゆ、狼つれ来りし証は
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
武は勝たんがための武ではない。正しく生き、
健
(
すこや
)
かに明るくあらんがための武であり、剣であるということが、この二羽の鶯を見るたびに、いつまでも両藩の若侍たちの胸に力強くひびいたという。
平馬と鶯
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
健
(
すこや
)
けく常は
坐
(
ま
)
さずも
大御命
(
おほみいのち
)
長く
坐
(
ま
)
せよと仰ぎしものを
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
健
常用漢字
小4
部首:⼈
11画
“健”を含む語句
健康
壮健
健全
強健
壯健
健在
健児
御壮健
健啖
頑健
健脚
御健勝
榊原健吉
健足
健男
勇健
健者
健気
健氣
勁健
...