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過
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あやま
ふりがな文庫
“
過
(
あやま
)” の例文
「可哀想ぢやないか、あんな結構な太夫を殺して、——
過
(
あやま
)
ちで
墜
(
お
)
ちたのかと思つたら、こめかみへ吹矢が突つ立つてゐたんだつてネ」
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
譬えば日本の子供に対しては、このコップを見せて、「お前がこのコップを
弄
(
もてあそ
)
んではならぬ、もし
過
(
あやま
)
って壊したら、人に笑われるぞ」
教育の目的
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
『列車は
過
(
あやま
)
って
軌道
(
レール
)
を滑り出した
後
(
のち
)
、数百ヤードの間
軌道
(
レール
)
に沿うて流れておるランカシアー運河の中へ陥没してしまったものだろう』
臨時急行列車の紛失
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
先で偽者と
過
(
あやま
)
られなかったのも、思うに、彼にはこんな場合もあろうかと、とくに心をつかってくれたらしい母の
添文
(
そえぶみ
)
のお蔭だった。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
学べば大した
過
(
あやま
)
ちはなかろうとおっしゃいました、孔夫子の聖を以てすらが、それでございます、凡人の
能
(
あと
)
うところではござりませぬ
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
彼は生きた
屍
(
しかばね
)
にも等しい人を抱いてしまった。罪で罪を洗い、
過
(
あやま
)
ちで過ちを洗おうとするような
哀
(
かな
)
しい心が、そこから芽ぐんで来た。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その晩、出帆したミル爺さんの船は、印度洋のまん中であらしに会い、いつのまにか航路を
過
(
あやま
)
って、暗礁にのり上げてしまったのです。
海からきた卵
(新字新仮名)
/
塚原健二郎
(著)
いかに時頼、
人若
(
ひとわか
)
き間は皆
過
(
あやま
)
ちはあるものぞ、萌え
出
(
い
)
づる時の
美
(
うる
)
はしさに、
霜枯
(
しもがれ
)
の哀れは見えねども、
何
(
いづ
)
れか秋に
遭
(
あ
)
はで
果
(
は
)
つべき。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
頤
(
おとがい
)
細く、顔
円
(
まろ
)
く、大きさ過ぎたる鼻の下に、
賤
(
いや
)
しげなる
八字髭
(
はちじひげ
)
の上唇を
蔽
(
おお
)
わんばかり、濃く茂れるを貯えたるが、
面
(
かお
)
との配合を
過
(
あやま
)
れり。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかしおよそ光明授受に向って進む道程は常にこれである。この微細なる点を
過
(
あやま
)
たず描きしヨブ記は、偉大なる書といわざるを得ない。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
その数年間、年に一二度は往復している途であるが、一歩を
過
(
あやま
)
れば生死のはかられない道であるから思うようには急げなかった。
陳宝祠
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
露国も
独逸
(
ドイツ
)
に
欺
(
あざむ
)
かれたため、真に露国人に愛国心が起って日本を敵としなくなった。戦い半ばに於て
過
(
あやま
)
てるということを悟ったのである。
吾人の文明運動
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
その瞬間、泉原はてっきりその女をグヰンだと思った。
然
(
しか
)
しそれは
過
(
あやま
)
りで、
背恰好
(
せいかっこう
)
や顔立は見違える程似ているが、全くの別人であった。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
モシ
過
(
あやま
)
ッテソレラノドレカ一ツノ血管内ニキシロカインガ這入ッタリスレバ、或ハ空気ガ這入ッタヾケデモ、患者ハ忽チ呼吸困難ニ陥ル
瘋癲老人日記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
われ平生より人の骨相を見るに
長
(
た
)
け、界隈の人に請はるゝまゝに、その吉凶禍福を占ひ、過去現在未来の運命を説くに一度も
過
(
あやま
)
つ事なし。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それ東去西来の二舟子をしてともに順風の沢に浴せしめんとするは全知全能の上帝すら、これをなすあたわざるにあらずや。論者
過
(
あやま
)
てり。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
丈「三千円返して、証文の
面
(
おもて
)
に利子を付けるという事はないが、
此方
(
こちら
)
の身に
過
(
あやま
)
りがあるから、利子まで付けて
遣
(
や
)
ったが、
外
(
ほか
)
に何があるえ」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
心掛らるゝことなれば久八が
過
(
あやま
)
つて
縊殺
(
しめころ
)
せしと云ひ
無證據
(
むしようこ
)
のことなるを
自訴
(
じそ
)
せしにて
赤心
(
せきしん
)
の
顯
(
あら
)
はれたれば如何にもして助け遣はし度と心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
或日それを
窃
(
ひそか
)
に持出しコツコツ悪戯して遊んで居たところ、重さは重し力は無し、
過
(
あやま
)
って如何なる
機会
(
はずみ
)
にか膝頭を斬りました。
少年時代
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
権勢があるために知らず知らず一部分の人をしいたげることもできてくるものであるが、女院にはそうしたお
過
(
あやま
)
ちもなかった。
源氏物語:19 薄雲
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
群集をもう一度見て
遣
(
つかわ
)
しもされずに、侯爵閣下は座席に
反
(
そ
)
り返って、
過
(
あやま
)
って何かのつまらぬ品物を壊したが、それの賠償はしてしまったし
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
技法
(
ぎはふ
)
の
尖鋭
(
せんえい
)
慧敏
(
けいびん
)
さは
如何
(
いか
)
ほどまでも
尊
(
たふと
)
ばれていい
筈
(
はず
)
だが、やたらに
相手
(
あひて
)
の
技法
(
ぎはふ
)
に
神經
(
しんけい
)
を
尖
(
と
)
がらして、
惡打
(
あくだ
)
を
怒
(
いか
)
り
罵
(
のゝし
)
り、
不覺
(
ふかく
)
の
過
(
あやま
)
ちを
責
(
せ
)
め
咎
(
とが
)
め
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
雲哲 さうだらうなあ、むやみにあいつに繩をかけて、どうなることかと心配してゐたが、これが
過
(
あやま
)
ちの功名と云ふのかな。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
罪を犯さぬつもりでいる
過
(
あやま
)
ちのない
傲慢
(
ごうまん
)
な者より救われやすいという意味が、罪その物を肯定する教と見なされたことも当然なことであったが
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
一度は
過
(
あやま
)
って罪を犯したが、彼等は今ではすっかり後悔して、神様に贖罪をお祈りしている、本当に気の毒な人達である。
お蝶夫人
(新字新仮名)
/
三浦環
(著)
それに今の文学者は多く我慢の癖がある。自分の
過
(
あやま
)
ちを遂げ非を飾りたいという癖がある。それから
嫉妬
(
しっと
)
偏執
(
へんしゅう
)
の癖がある。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
前の日まで中気で寝ていた源さんは、その日無理をして仕事に出た
為
(
た
)
め工場で
過
(
あやま
)
って右腕に肉離れをして
了
(
しま
)
ったのです。
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
だからこの心がけは学徒の心がけとして最もふさわしいのである。
過
(
あやま
)
てばすなわち改むるという心がけも、学問における進歩のために必須である。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
それが、白昼の、かほど、けざやかな太陽の下の遭遇でなかったならば、彼はそれを不慮の死を遂げた青年の亡霊と思い
過
(
あやま
)
ったかも知れなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
しかりといえども、この編もし
過
(
あやま
)
りて専門学者の
眼
(
まなこ
)
に触るることあらば、おそらく
荒唐無稽
(
こうとうむけい
)
のそしりを免れざらんか。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
既
(
すで
)
に三
人
(
にん
)
の
競技者
(
プレーヤー
)
が、その
順番
(
じゆんばん
)
を
過
(
あやま
)
つた
爲
(
ため
)
に、
女王樣
(
ぢよわうさま
)
から
死刑
(
しけい
)
の
宣告
(
せんこく
)
を
下
(
くだ
)
されたと
云
(
い
)
ふことを
聞
(
き
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
然し、憎悪心の行使がその方向を
過
(
あやま
)
る時、我れ我れは其処に初めて、恐る可き破綻を見るのである。職工とミサ子との場合は全くその好適例であろう。
職工と微笑
(新字新仮名)
/
松永延造
(著)
取設け置て
過
(
あやま
)
ちの償ひとせんと心に思ひて中津川の
橋力
(
はしりき
)
に着けば一封の置手紙あり即ち兩氏の名にして西京にて會せんとあり憮然として
出
(
いだ
)
すべき
詞
(
ことば
)
なし
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
あの方の過去については決して
御詮索
(
ごせんさく
)
なさいますな。……たとえ何か
過
(
あやま
)
ちがございましたにしても、若い時代の過ちは許して上げなければいけませぬ。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
八つの年初めてお目見得に上って、お茶との御所望があったとき、
過
(
あやま
)
ってお膝の上にこぼしたら、ほほう
水撒
(
みずま
)
きが上手よ
喃
(
のう
)
、と仰せられた程の殿である。
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
何も会津塗だけの
過
(
あやま
)
ちではありませんが、もう少し親切な仕事をすれば、この塗の名誉は高まるでありましょう。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
すでに他を憐れむの心を生ずれば、おのずから
過
(
あやま
)
ちを悔い、おのずから胆を落として、必ず改心するに至るべし。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「併し、夫人が山野氏が
過
(
あやま
)
って実子を殺したものと信じたのは、決して無理ではなかったのです」明智が続けた。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
而もこの
過
(
あやま
)
ちはいつでも私が苦しい困惑から逃れ出る爲めに機敏な言葉とか尤もらしい口實とかゞ特別に必要なと云ふやうな迫つた場合に起るのである。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
今
(
いま
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
には
憎
(
にく
)
くし
剛慾
(
がうよく
)
もの
事情
(
じじやう
)
あくまで
知
(
し
)
りぬきながら
知
(
し
)
らず
顏
(
がほ
)
の
烟草
(
たばこ
)
ふか/\
身
(
み
)
に
過
(
あやま
)
りあればこそ
疊
(
たゝみ
)
に
額
(
ひたひ
)
ほり
埋
(
うづ
)
めて
歎願
(
たんぐわん
)
も
吹出
(
ふきい
)
だす
烟
(
けむり
)
の
輪
(
わ
)
と
消
(
け
)
して
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
銀色の玉が
転
(
ころが
)
り出るのを上手に扱うのです。
過
(
あやま
)
ったら大変です。そこら一面に銀色の小粒が拡がるのですから。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
ある時
過
(
あやま
)
ってランプの火が
油壺
(
あぶらつぼ
)
に移り、
大火傷
(
おおやけど
)
をしたのが原因で、これも死んでしまってから、独り取り残された彼女は、親類へ預けられることになった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
従来幾多の此の如き新(?)文学運動の完全な失敗は、「新らしさ」を誤らしめ、同時に文学を
過
(
あやま
)
らしめた。
新らしき文学
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
婢
(
じょちゅう
)
や
奴
(
げなん
)
が
過
(
あやま
)
ちをしでかして、主婦に
折檻
(
せっかん
)
せられるような時には、嬰寧の所へ来て、一緒にいって話してくれと頼むので、一緒にいってやるといつも
免
(
ゆる
)
された。
嬰寧
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
ほんたうに、もし
過
(
あやま
)
つてその人の脳天に熊手の光る鉄爪を打ち込んだとしたら、私は何んとしたらいゝだらう? 一瞬私の全身には湯気の立つ生汗が流れた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
過
(
あやま
)
つ事なかれとて錫杖にてあばえりけれどついに情なく食いたてまつるとはるかになん聞えしとこそ書きたれとある、弘仁元年に三十七歳とは誤写で確か七
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
過
(
あやま
)
ちて野中の
古井
(
ふるゐ
)
に落ちたる人の、沈みも果てず、
上
(
あが
)
りも
得為
(
えせ
)
ず、命の綱と
危
(
あやふ
)
くも
取縋
(
とりすが
)
りたる草の根を、
鼠
(
ねずみ
)
の
来
(
きた
)
りて
噛
(
か
)
むに
遭
(
あ
)
ふと云へる
比喩
(
たとへ
)
に
最能
(
いとよ
)
く似たり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
この食糧品の暴騰から来る生活難を
済
(
すく
)
ふには、朝鮮米を
行
(
ゆ
)
き渡らせるのもよからうし、方針を
過
(
あやま
)
つた
仲小路
(
なかこうぢ
)
氏を農相の椅子から引きずり
下
(
おろ
)
すのもよからうが
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
今は
貴嬢
(
あなた
)
が
真正
(
ほんたう
)
に貴嬢の一心を以て、永遠の進退を定めなさるべき時機である、——愛の子か、
詛
(
のろひ
)
の子か——けれど君の姉さんが此際、
撰択
(
せんたく
)
の道を
過
(
あやま
)
つ如き
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
この間の心持ちは
譬
(
たと
)
え様が無い。アア幾千年来、天文学者の計算は一度も誤った事が無いのに、この場合のみは
過
(
あやま
)
ったのだ、過ったらしい、過っていれば好い。
暗黒星
(新字新仮名)
/
シモン・ニューコム
(著)
過
常用漢字
小5
部首:⾡
12画
“過”を含む語句
過失
通過
過日
過去
過般
看過
経過
行過
過言
過程
過誤
經過
打過
過多
好過
遣過
擦過傷
過激
過不及
正午過
...