鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうしてただ一人、杖をつき藁草履をはいて、コカワラヒワの巣の下を出たり入ったりしているのである。裾野の林は広く、住心地のよさそうな緑の樹は多い。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
小桜姫物語:03 小桜姫物語 (新字新仮名) / 浅野和三郎(著)
奇談クラブ〔戦後版〕:14 第四次元の恋 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
現代語訳 平家物語:09 第九巻 (新字新仮名) / 作者不詳(著)
反射的に、すぐ典膳が、身がまえを引緊めると、何事ぞ、一刀斎は横を向いて縁の方へ立出て、もう藁草履へ足をのせていた。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
娘の髪かたちやみなりは武家ふうであるが、見ると着物は泥だらけで、ところどころかぎ裂きができているし、髪の毛も乱れ、顔や手足にもかわいた泥が付いてい、履物は藁草履であった。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼は藁草履の足音をぬすみながら、小走りに女のあとを追ってゆくと、女はそんなことには気が付かないらしく、これも夜露を踏む草履の音を忍ばせるように、俯向き勝ちに辿って行った。
半七捕物帳:46 十五夜御用心 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
権之助も、何か、あいさつをいって、藤六と同様に、ひざまずこうとすると、僧正はもう大きな足を、階段の下にありあわせた汚い藁草履へのせて
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)