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疲勞
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ひらう
よく
聞き
糺して
見ると、しかく
平氣な
男も、
時々は
歡樂の
飽滿に
疲勞して、
書齋のなかで
精神を
休める
必要が
起るのださうであつた。
私はこの
時始めて、
云ひやうのない
疲勞と
倦怠とを、さうして
又不可解な、
下等な、
退屈な
人生を
僅に
忘れる
事が
出來たのである。
此邊までは
能く
來るのだ。
迂路つき
廻るので
既に三
里以上歩いたに
關らず、一
向疲勞せぬ。
此時既に
打石斧十四五
本を
二人で
拾つて
居た。
彼は
晝は
寸暇をも
惜んで
勞働をするので一つには
其れが
夜なべの
仕事を
勵み
得ない
程の
疲勞を
覺えしめて
居るのでもあるが
最う
一ツ
向うの
廣室へ
行かうと、あへぎ/\
六疊敷を
縱に
切つて
行くのだが、
瞬く
内に
凡そ
五百里も
歩行いたやうに
感じて、
疲勞して
堪へられぬ。
そればかりでも
身躰の
疲勞が
甚しからうと
思はれるので
種々に
異見も
言ふが、
何うも
病の
故であらうか
兎角に
誰れの
言ふ
事も
用ひぬに
困りはてる
町内の本道が、玉子の
白味や油を呑ませて大方は
吐かせたさうで、今は
疲勞のために、うつら/\して居ります。
ば
玉之助と
號け
掌中の玉と
慈しみ
養てける
然に妻は産後の
肥立惡く
荏苒と
煩ひしが秋の末に至りては追々
疲勞し
終に
泉下の客とはなりけり嘉傳次の
悲歎は更なり
幼きものを
旅行して
旅宿に
着いて
此がつかりする
味は
又特別なもので、「
疲勞の
美味」とでも
言はうか、
然し
自分の
場合はそんなどころではなく
病が
手傳つて
居るのだから
鼻から
出る
息の
熱を
今更の
如く
感じ
疲勞と
睡眠不足とに、K
氏は
蒼ざめて
髭さへ
伸ばしてゐた。
大いに
疲勞して
來たので、
引揚げやうかと
考へて
居る
間、
幻花子は、
口部だけ
缺けて、
他は
完全なる
土瓶を一
箇、
掘出した。
彼等は
勞働から
來る
空腹を
意識する
時は
一寸も
動くことの
出來ない
程俄に
疲勞を
感ずることさへある。
什麽麁末な
物でも
彼等の
口には
問題ではない。
御米は
産後の
蓐中に
其始末を
聞いて、たゞ
輕く
首肯いたぎり
何にも
云はなかつた。さうして、
疲勞に
少し
落ち
込んだ
眼を
霑ませて、
長い
睫毛をしきりに
動かした。
これらはその
時の
私の
心もちと、
不思議な
位似つかはしい
景色だつた。
私の
頭の
中には
云ひやうのない
疲勞と
倦怠とが、まるで
雪曇りの
空のやうなどんよりした
影を
落してゐた。
何も
出ない。——
出ないけれど
面白い。
疲勞しては
天幕に
入り、
菓物を
食ひ、サイダを
飮む。
勢ひを
得ては
又掘りに
掛るが、
甚だしく
何も
出て
來ない。
彼の
老躯は
日毎に
空腹から
來る
疲勞を
醫する
爲に
食料を
攝取する
僅な
滿足が
其の
度毎に
目先の
知れてる
彼を
拉して
其の
行く
可き
處に
導いて
居るのである。