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御方
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おかた
ふりがな文庫
“
御方
(
おかた
)” の例文
『
矢張
(
やは
)
り
歴史
(
れきし
)
に
名高
(
なだか
)
い
御方
(
おかた
)
だけのことがある。』
私
(
わたくし
)
は
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
で
独
(
ひと
)
りそう
感心
(
かんしん
)
しながら、
誘
(
さそ
)
わるるままに
岩屋
(
いわや
)
の
奥深
(
おくふか
)
く
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「御領土の下に生れ、日頃からまた、仕えるなら
彼
(
か
)
の
御方
(
おかた
)
と、胸に思い込んでおりましたため、つい、口にも出たものと思われます」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「……なれども只今のような不思議な
御方
(
おかた
)
が、この街道をお通りになりました事は天一坊から
以来
(
このかた
)
、先ず在るまいと存じまするで……」
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
又
(
また
)
かや
此頃
(
このごろ
)
折
(
をり
)
ふしのお
宿
(
とま
)
り、
水曜會
(
すゐようくわい
)
のお
人達
(
ひとたち
)
や、
倶樂部
(
ぐらぶ
)
のお
仲間
(
なかま
)
にいたづらな
御方
(
おかた
)
の
多
(
おほ
)
ければ
夫
(
そ
)
れに
引
(
ひ
)
かれて
自
(
おの
)
づと
身持
(
みもち
)
の
惡
(
わる
)
う
成
(
な
)
り
給
(
たま
)
ふ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
早く……まア/\これへ……えゝ此の
御方
(
おかた
)
は
下谷
(
したや
)
の金田様だ、存じているか、これから御贔屓になってお屋敷へ出んければ成らん
梅若七兵衛
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
祟
(
たヽ
)
つてる
御方
(
おかた
)
があつて
為
(
な
)
さるのかも知らんけれど、あれでは今に
他人様
(
ひとさま
)
の物に手を掛けて
牢屋
(
ろうや
)
へ行く様な、よい親の
耻晒
(
はぢさら
)
しに成るかも知れん。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
この
御方
(
おかた
)
は中津の
御家中
(
ごかちゅう
)
、中村何様の若旦那で、自分は始終そのお屋敷に
出入
(
でいり
)
して決して
間違
(
まちがい
)
なき
御方
(
おんかた
)
だから厚く頼むと
鹿爪
(
しかつめ
)
らしき手紙の文句で
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
何
(
なん
)
と……
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
を
昨年
(
さくねん
)
も
見
(
み
)
た。……
篤志
(
とくし
)
の
御方
(
おかた
)
は、
一寸
(
ちよつと
)
お
日記
(
につき
)
を
御覽
(
ごらん
)
を
願
(
ねが
)
ふ。
秋
(
あき
)
の
半
(
なかば
)
かけて
矢張
(
やつぱ
)
り
鬱々
(
うつ/\
)
陰々
(
いん/\
)
として
霖雨
(
ながあめ
)
があつた。
三日
(
みつか
)
とは
違
(
ちが
)
ふまい。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
イヤ
怪
(
け
)
しからぬ
野暮
(
やぼ
)
を
云
(
いわ
)
るゝは都の
御方
(
おかた
)
にも似ぬ、今時の
若者
(
わかいもの
)
がそれではならぬ、さりとては百両
投出
(
なげだし
)
て七蔵にグッとも
云
(
い
)
わせなかった
捌
(
さば
)
き方と違っておぼこな事
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
大分立派な
御方
(
おかた
)
である。年頃はひどく老人という訳ではないから、いよいよ話を進めたいと思う——
縁談
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
好
(
よ
)
い
御方
(
おかた
)
ですし、外には、門野は一人子だものですから、
小舅
(
こじゅうと
)
などもなく、却て気抜けのする位、御嫁さんなんて気苦労の
入
(
い
)
らぬものだと思われたのでございました。
人でなしの恋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
鍾愛
(
しょうあい
)
の、美しい孫姫さんが、
御方
(
おかた
)
(姫の住居—離れたお部屋)に乳母たちにかしずかれていた。
旧聞日本橋:25 渡りきらぬ橋
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
多分はオカタに大を
冠
(
かぶ
)
せたもので、田舎武士が郷里から携えてきた語だとしても、京都語の北の
方
(
かた
)
や東の
対
(
たい
)
などと別のものでなく、起こりは御前の「前」も同然の「
御方
(
おかた
)
」で
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
読者諸君を
草木
(
くさき
)
に対しては
素人
(
しろうと
)
であると仮定し、そんな
御方
(
おかた
)
になるべく植物趣味を感じてもらいたさに、わざとこんな文章、それは口でお話するようなしごく通俗な文章を書いてみたのである。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
海山にもかへがたき御恩を
仇
(
あだ
)
にいたし
候
(
そうろう
)
罪科
(
つみとが
)
、来世のほどもおそろしく存じまゐらせ候……とあってお園の方の手紙にはただ
二世
(
にせ
)
も
三世
(
さんぜ
)
までも契りし
御方
(
おかた
)
のお
身上
(
みのうえ
)
に思いがけない不幸の起りしため
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
若
(
も
)
しもあなたのような
優
(
や
)
さしい
御方
(
おかた
)
が
最初
(
さいしょ
)
からお
世話
(
せわ
)
をして
下
(
くだ
)
さったら、どんなにか
心強
(
こころづよ
)
いことであったでございましたろう……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「旦那様は鯉のお刺身と木の芽田楽が大層お好きと、その
御方
(
おかた
)
が
仰言
(
おっしゃ
)
りました。それで
兄
(
あに
)
さんが大急ぎで作りました」
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
とても
相談
(
さうだん
)
の
相手
(
あいて
)
にはならぬの、いはゞ
太郎
(
たらう
)
の
乳母
(
うば
)
として
置
(
お
)
いて
遣
(
つか
)
はすのと
嘲
(
あざけ
)
つて
仰
(
おつ
)
しやる
斗
(
ばかり
)
、ほんに
良人
(
おつと
)
といふではなく
彼
(
あ
)
の
御方
(
おかた
)
は
鬼
(
おに
)
で
御座
(
ござ
)
りまする
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それは
怪
(
け
)
しからん事で、何うもお前さんの様な物の
理合
(
りあい
)
の解らん
御方
(
おかた
)
は有りません、若主人は全くその若草花魁のために斯んな淋しい処に窮命して居る身の上ですから
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
やさしい京の
御方
(
おかた
)
の涙を
木曾
(
きそ
)
に落さ
落
(
おと
)
させよう者を惜しい事には前歯一本欠けた
所
(
とこ
)
から風が
洩
(
も
)
れて此春以来
御文章
(
おふみさま
)
を
読
(
よむ
)
も下手になったと、
菩提所
(
ぼだいしょ
)
の
和尚
(
おしょう
)
様に
云
(
い
)
われた程なれば
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
百人一首と云ふ歌の本においで遊ばす、
貴方方
(
あなたがた
)
にはお解りあるまい、尊い姫君の絵姿に、
面影
(
おもかげ
)
の
肖
(
に
)
させられた
御方
(
おかた
)
から、お声がかりがありました、其の言葉に違ひありませぬ。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
この
豐玉姫様
(
とよたまひめさま
)
と
言
(
い
)
われる
御方
(
おかた
)
は、
第
(
だい
)
一の
乙姫様
(
おとひめさま
)
として
竜宮界
(
りゅうぐうかい
)
を
代表
(
だいひょう
)
遊
(
あそ
)
ばされる、
尊
(
とうと
)
い
御方
(
おかた
)
だけに、
矢張
(
やは
)
りどことなく
貫禄
(
おもみ
)
がございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ハテ
岩崎弥之助君
(
いはさきやのすけくん
)
です、
何
(
なん
)
だつて
日本銀行総裁
(
にほんぎんかうさうさい
)
といふのだから
金
(
きん
)
の
利
(
り
)
ばかりも
何
(
ど
)
の
位
(
くらゐ
)
あがるか
大層
(
たいさう
)
な事です、アノ
御方
(
おかた
)
の
槍
(
やり
)
でも
突
(
つ
)
いて立つた姿は、
毘沙門天
(
びしやもんてん
)
の
相
(
さう
)
もあります
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
よしや
良人
(
おつと
)
が
藝者狂
(
げいしやぐる
)
ひなさらうとも、
圍
(
かこ
)
い
者
(
もの
)
して
御置
(
おお
)
きなさらうとも
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
に
悋氣
(
りんき
)
する
私
(
わたし
)
でもなく、
侍婢
(
をんな
)
どもから
其樣
(
そん
)
な
噂
(
うわさ
)
も
聞
(
きこ
)
えまするけれど
彼
(
あ
)
れほど
働
(
はたら
)
きのある
御方
(
おかた
)
なり
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
百人一首
(
ひやくにんいつしゆ
)
と
云
(
い
)
ふ
歌
(
うた
)
の
本
(
ほん
)
においで
遊
(
あそ
)
ばす、
貴方方
(
あなたがた
)
にはお
解
(
わか
)
りあるまい、
尊
(
たふと
)
い
姫君
(
ひめぎみ
)
の
繪姿
(
ゑすがた
)
に、
面影
(
おもかげ
)
の
肖
(
に
)
させられた
御方
(
おかた
)
から、お
聲
(
こゑ
)
がかりがありました、
其
(
そ
)
の
言葉
(
ことば
)
に
違
(
ちが
)
ひありませぬ。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
オヽお
辰
(
たつ
)
かと抱き付かれたる
御方
(
おかた
)
、見れば
髯
(
ひげ
)
うるわしく
面
(
おもて
)
清く
衣裳
(
いしょう
)
立派なる人。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
立
(
た
)
ちし
物
(
もの
)
の
此文
(
このふみ
)
には
何
(
なん
)
の
文言
(
もんごん
)
どういふ
風
(
ふう
)
に
書
(
か
)
きて
有
(
あ
)
るにや
表書
(
おもてが
)
きの
常盤木
(
ときわぎ
)
のきみまゐるとは
無情
(
つれなき
)
ひとへといふ
事
(
こと
)
か
岩間
(
いはま
)
の
清水
(
しみづ
)
と
心細
(
こゝろぼそ
)
げには
書
(
か
)
き
給
(
たま
)
へど
扨
(
さて
)
も/\
御手
(
おて
)
のうるはしさお
姿
(
すがた
)
は申すも
更
(
さら
)
なり
御心
(
おこゝろ
)
だてと
云
(
い
)
ひお
學問
(
がくもん
)
と
云
(
い
)
ひ
欠
(
か
)
け
處
(
どころ
)
なき
御方
(
おかた
)
さまに
思
(
おも
)
はれて
嫌
(
い
)
やとはよもや
仰
(
おほ
)
せられまじ
我
(
わ
)
れ
深山育
(
みやまそだ
)
ちの
身
(
み
)
として
比
(
くら
)
べ
物
(
もの
)
になる
心
(
こゝろ
)
は
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“御方”で始まる語句
御方様
御方便
御方々
御方寸
御方樣
御方一人