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御所
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ごしょ
ふりがな文庫
“
御所
(
ごしょ
)” の例文
また、あるいはそなたも知らぬであろうが、
畏
(
おそ
)
れ多いことながら、いまの
御所
(
ごしょ
)
のお
模様
(
もよう
)
は、その貧しい人々よりもまさるものがある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女は
御所
(
ごしょ
)
につとめ、幼いころからその御所の奥ふかくに住み、
中宮
(
ちゅうぐう
)
の御身のまわりのこまごまとした雑用をはたすのが役目だった。
菊
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
頼朝が
未
(
ま
)
だ病気にならない時、
御所
(
ごしょ
)
の女房頭周防の
女
(
むすめ
)
の十五になる女の子が、どこが悪いと云うことなしに
煩
(
わずら
)
っていて
亡
(
な
)
くなった。
頼朝の最後
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
御寝所
(
ごしんじょ
)
の下の
蛇
(
へび
)
と
蛙
(
かえる
)
のふしぎも、あれら
親子
(
おやこ
)
が
御所
(
ごしょ
)
の
役人
(
やくにん
)
のだれかとしめし
合
(
あ
)
わせて、わざわざ
入
(
い
)
れて
置
(
お
)
いたものかも
知
(
し
)
れません。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
乳母
(
うば
)
の六条の
膝
(
ひざ
)
にのって、いつも院の
御所
(
ごしょ
)
に
出仕
(
しゅっし
)
する時と同じように、何もしらないで
片言
(
かたこと
)
を言ってわしに話しかけていました。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
▼ もっと見る
長年の
御所
(
ごしょ
)
づとめに馴れてきたので、万事の立居振舞から容姿なども、そこらの女とくらべると、数等華美で、洗練されていた。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
宗近君は
籐
(
と
)
の
椅子
(
いす
)
に
横平
(
おうへい
)
な腰を据えてさっきから隣りの
琴
(
こと
)
を聴いている。
御室
(
おむろ
)
の
御所
(
ごしょ
)
の
春寒
(
はるさむ
)
に、
銘
(
めい
)
をたまわる
琵琶
(
びわ
)
の風流は知るはずがない。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
まず黒木の
御所
(
ごしょ
)
をつくり、大塔宮を
奉戴
(
ほうたい
)
し、
四方
(
よも
)
の山々に関を設け、路を切りふさいで往来を吟味し、叔父竹原八郎入道へ、今回の事情を申しやった。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
或る日
瀧道
(
たきみち
)
の終点で落ち合ひ、
神有
(
しんゆう
)
電車で有馬へ行つて、
御所
(
ごしょ
)
の
坊
(
ぼう
)
の二階座敷で半日ばかり遊んで暮らしたことがあつたが、涼しい
渓川
(
たにがわ
)
の音を聞きながら
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
まず手近から片付けることゝ
御所
(
ごしょ
)
を堺町御門から何とか御門へ通り抜けた。停留場で電車を待っている間に
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
余は青山の通を
御所
(
ごしょ
)
の方へあるいて、交番に巡査を見出し、其指図で北町裏の宿屋を一二軒敲き起した。寤めは寤たが、満員と体の好い
嘘
(
うそ
)
を云って謝絶された。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
あの堀川の
御所
(
ごしょ
)
に
窺
(
うかが
)
われます通り、若殿様が
若王子
(
にゃくおうじ
)
に御造りになった
竜田
(
たつた
)
の院は、御規模こそ小そうございますが、
菅相丞
(
かんしょうじょう
)
の御歌をそのままな、
紅葉
(
もみじ
)
ばかりの御庭と申し、その御庭を縫っている
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
少女の頃に見たあの
御所
(
ごしょ
)
の中のお局にゆくお廊下の長かったこと
私の思い出
(新字新仮名)
/
柳原白蓮
(著)
春の夜に尊き
御所
(
ごしょ
)
を
守
(
も
)
る身かな
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
承久
(
じょうきゅう
)
ノ乱で、この佐渡へ流され給うた
順徳
(
じゅんとく
)
上皇の
黒木
(
くろき
)
ノ
御所
(
ごしょ
)
やら、日蓮上人が
氷柱
(
つらら
)
の内に幽居した塚原ノ三
昧堂
(
まいどう
)
などへも、
詣
(
まい
)
ってみた。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中納言
(
ちゅうなごん
)
はさっそく
天子
(
てんし
)
さまの
御所
(
ごしょ
)
へ
上
(
あ
)
がって、
大事
(
だいじ
)
な
娘
(
むすめ
)
が
大江山
(
おおえやま
)
の
鬼
(
おに
)
に
取
(
と
)
られたことをくわしく
申
(
もう
)
し
上
(
あ
)
げて、どうぞ一
日
(
にち
)
もはやく
鬼
(
おに
)
を
退治
(
たいじ
)
して
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
第三日は自天王の
御所
(
ごしょ
)
跡である
小橡
(
ことち
)
の
竜泉寺
(
りゅうせんじ
)
、北山宮の御墓等に
詣
(
もう
)
で、大台ヶ原山に登り山中に一泊。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
尾道は夏祭りの多い港であるが、住吉明神の祭礼は「お
旅
(
たび
)
」と言って、街はずれの「
御所
(
ごしょ
)
」という海べの草っぱのあき地に神輿が移って、一夜を仮泊されるのであった。
光り合ういのち
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
春の夜に尊き
御所
(
ごしょ
)
を
守
(
も
)
る身かな
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
そこで
日本独楽
(
にほんごま
)
のはじまりは、
行成大納言
(
ゆきなりだいなごん
)
、
小松
(
こまつ
)
つぶりに
村濃
(
むらご
)
の糸をそえまして、
御所
(
ごしょ
)
でまわしたのがヤンヤとはやりだしました
初
(
はじ
)
め。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
頼政
(
よりまさ
)
は
仰
(
おお
)
せを
承
(
うけたまわ
)
りますと、さっそく
鎧胴
(
よろいどう
)
の上に
直垂
(
ひたたれ
)
を
着
(
き
)
、
烏帽子
(
えぼうし
)
を
被
(
かぶ
)
って、
丁七唱
(
ちょうしちとなう
)
、
猪早太
(
いのはやた
)
という
二人
(
ふたり
)
の
家来
(
けらい
)
をつれて、
御所
(
ごしょ
)
のお
庭
(
にわ
)
につめました。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
一手は大河内の自天王の
御所
(
ごしょ
)
を襲い、一手は
神
(
こう
)
の
谷
(
たに
)
の将軍の宮の御所に押し寄せた。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
言明どおり、能登は朝に夕に、いや時刻さだめず、
黒木
(
くろき
)
の
御所
(
ごしょ
)
を見廻りにくる。時にはわざとらしく「……エヘン」と
咳払
(
せきばら
)
いなどして通った。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そしてせっかく
御所
(
ごしょ
)
に
仕
(
つか
)
えながら
低
(
ひく
)
い
位
(
くらい
)
に
埋
(
うず
)
もれていて、人にもしられずにいる
山守
(
やまも
)
りが
高
(
たか
)
い山の上の月をわずかに
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
から
隙
(
す
)
き
見
(
み
)
するように
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そしてそれを
都
(
みやこ
)
の
四方
(
しほう
)
を
見晴
(
みは
)
らす
東山
(
ひがしやま
)
のてっぺんに
持
(
も
)
って行って、
御所
(
ごしょ
)
の
方
(
ほう
)
に
顔
(
かお
)
のむくように
立
(
た
)
てて
埋
(
うず
)
めました。これが
将軍塚
(
しょうぐんづか
)
の
起
(
お
)
こりでございます。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
いいなア、いいなア、さすがに
天子
(
てんし
)
さまの都だけあるなあ。オーむこうに見えるのが
御所
(
ごしょ
)
の屋根だな。
霞
(
かすみ
)
をひいて
絵
(
え
)
のとおりだ。二
条
(
じょう
)
、三条、四条、五条。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ある
時
(
とき
)
、
天子
(
てんし
)
さまの
御所
(
ごしょ
)
に
毎晩
(
まいばん
)
不思議
(
ふしぎ
)
な
魔物
(
まもの
)
が
現
(
あらわ
)
れて、その
現
(
あらわ
)
れる
時刻
(
じこく
)
になると、
天子
(
てんし
)
さまは
急
(
きゅう
)
にお
熱
(
ねつ
)
が出て、おこりというはげしい
病
(
やまい
)
をお
病
(
や
)
みになりました。
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そこで
毎晩
(
まいばん
)
御所
(
ごしょ
)
を
守
(
まも
)
る
武士
(
ぶし
)
が
大
(
おお
)
ぜい、
天子
(
てんし
)
さまのおやすみになる
御殿
(
ごてん
)
の
床下
(
ゆかした
)
に
寝
(
ね
)
ずの
番
(
ばん
)
をして、どうかしてこの
妖
(
あや
)
しい
鳴
(
な
)
き
声
(
ごえ
)
の
正体
(
しょうたい
)
を
見届
(
みとど
)
けようといたしました。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
このごろ
御所
(
ごしょ
)
の
建
(
た
)
て
替
(
か
)
えをやって、
天子
(
てんし
)
さまのお
休
(
やす
)
みになる
御殿
(
ごてん
)
の
柱
(
はしら
)
を
立
(
た
)
てた
時
(
とき
)
に、
大工
(
だいく
)
がそそっかしく、
東北
(
うしとら
)
の
隅
(
すみ
)
の
柱
(
はしら
)
の下に
蛇
(
へび
)
と
蛙
(
かえる
)
を
生
(
い
)
き
埋
(
う
)
めにしてしまったのだ。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
坂上田村麻呂
(
さかのうえのたむらまろ
)
は
今
(
いま
)
から千
年余
(
ねんあま
)
りも
昔
(
むかし
)
、
桓武天皇
(
かんむてんのう
)
が
京都
(
きょうと
)
にはじめて
御所
(
ごしょ
)
をお
造
(
つく
)
りになったころ、
天子
(
てんし
)
さまのお
供
(
とも
)
をして
奈良
(
なら
)
の
都
(
みやこ
)
から
京
(
きょう
)
の
都
(
みやこ
)
へ
移
(
うつ
)
って
来
(
き
)
たうちの
一人
(
ひとり
)
でした。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
それからその
向
(
む
)
こうに
青々
(
あおあお
)
と
霞
(
かす
)
んでいる
御所
(
ごしょ
)
の
松林
(
まつばやし
)
をはるかに
拝
(
おが
)
んだに
違
(
ちが
)
いありません。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
保名
(
やすな
)
もこれをしおに
京都
(
きょうと
)
へ
行
(
い
)
って、
阿倍
(
あべ
)
の
家
(
いえ
)
を
興
(
おこ
)
す
時
(
とき
)
が
来
(
き
)
たと、
大
(
たい
)
そうよろこんで、
童子
(
どうじ
)
を
連
(
つ
)
れて
京都
(
きょうと
)
へ
上
(
のぼ
)
りました。そして
天子
(
てんし
)
さまの
御所
(
ごしょ
)
に
上
(
あ
)
がって、お
願
(
ねが
)
いの
筋
(
すじ
)
を
申
(
もう
)
し
上
(
あ
)
げました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
お
聞
(
き
)
きになったこともあるでしょうが、じつはわたしは、むかしなにがしの
院
(
いん
)
さまの
御所
(
ごしょ
)
に
召
(
め
)
し
使
(
つか
)
われた
玉藻前
(
たまものまえ
)
という
者
(
もの
)
でございます。もとをいいますと
天竺
(
てんじく
)
の
野
(
の
)
に
住
(
す
)
んだ九
尾
(
び
)
のきつねでした。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
といって、はじめはお
断
(
ことわ
)
りを
申
(
もう
)
し
上
(
あ
)
げたのですが、どうしてもお
聞
(
き
)
き
入
(
い
)
れにならないので、しかたなしに
長男
(
ちょうなん
)
の
義朝
(
よしとも
)
をのけた
外
(
ほか
)
の
子供
(
こども
)
たちを
残
(
のこ
)
らず
連
(
つ
)
れて、
新院
(
しんいん
)
の
御所
(
ごしょ
)
に
上
(
あ
)
がることになりました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
為朝
(
ためとも
)
はやがて二十八
騎
(
き
)
の
家来
(
けらい
)
をつれて
新院
(
しんいん
)
の
御所
(
ごしょ
)
に
上
(
あ
)
がりました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そこで、
八幡太郎
(
はちまんたろう
)
においいつけになって、
御所
(
ごしょ
)
の
警固
(
けいご
)
をさせることになりました。
義家
(
よしいえ
)
は
仰
(
おお
)
せをうけると、すぐ
鎧
(
よろい
)
直垂
(
ひたたれ
)
に
身
(
み
)
を
固
(
かた
)
めて、
弓矢
(
ゆみや
)
をもって
御所
(
ごしょ
)
のお
庭
(
にわ
)
のまん中に
立
(
た
)
って
見張
(
みは
)
りをしていました。
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
“御所”の意味
《名詞》
御所(ごしょ)
天皇、上皇、三后、皇子の御座所及び居所。禁裏。内裏。また、天皇の敬称。
親王、将軍などの居所のこと。
(出典:Wiktionary)
“御所”の解説
御所(ごしょ)とは、主に天皇など特に位の高い貴人の邸宅、またはその人を指す、歴史上の称号のひとつ。そのいくつかは現代にも名称を残している。
(出典:Wikipedia)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
“御所”で始まる語句
御所望
御所刑
御所車
御所刑場
御所柿
御所方
御所勞
御所山
御所解模様
御所前