広場ひろば)” の例文
旧字:廣場
白鳥はくちょうは、注意深ちゅういぶかくその広場ひろばりたのであります。そして、そこに、一人ひとり少年しょうねんくさうえにすわって、ふえいているのをました。
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)
高田たかたしろ大手先の広場ひろばに、木をかくけづり尺をしるしてたて給ふ、是を雪竿さをといふ。長一丈也。雪の深浅しんせん公税こうぜいかゝるを以てなるべし。
いまいましい話だが、それからぼくはラッセル広場ひろばまで犬に追われて、力のかぎり走りつづけたよ。ラッセル広場には、まだ人だかりがしていた。
さいわい、広場ひろばにはだれもいませんでした。ただ、高い台の上に立っている立像りつぞうが見えるばかりでした。ニールスは長いあいだ、その立像をながめていました。
焼山やけやまの一けん茶屋ちやや旅籠はたごに、雑貨荒物屋ざつくわあらものやねた——土間どまに、(この女房かみさんならちやあつい)——一わんきつし、博士はかせたちと一いきして、まはりのくさ広場ひろばを、ぢつとると、雨空あまぞらひくれつゝ
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
だつて広場ひろばにロケットを引き出さなければね
そのから、広場ひろばで、まえのようにフットボールがはじまりました。子供こどもたちは、その当座とうざをつけてまりを大事だいじにしました。
あるまりの一生 (新字新仮名) / 小川未明(著)
門にすぐつづいて、大きなたいらな石をしきつめた、広場ひろばがありました。まわりには、高いりっぱな建物たてものが立ちならんでいて、そのあいだに、せまくて長い通りがありました。
わらいごとじゃないよ。日がかたむきかけてくるにつれて、さむさはいっそうひどくなった。ちょうどブルームズベリイ広場ひろばをぬけようとしていたときだ。ぼくは大きなくしゃみをひとつした。
改札口かいさつぐちには、あめ灰色はひいろしたうすぼやけた旅客りよかくかたちが、もや/\と押重おしかさなつたかとおもふと、宿引やどひき提灯ちやうちんくろつて、停車場前ステーシヨンまへ広場ひろばみだれて、すぢながなかへ、しよぼ/\とみなえてく。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
息子むすこは、あたりが、すでに眠静ねしずまった真夜中まよなかごろ、一人ひとり広場ひろばにやってきますと、はたしてさびしいつきひかりが、くさをばらしていました。
山へ帰りゆく父 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうしてみると、広場ひろばに立っていたあのぞうは、この市をたてた人の姿をきざんだものにちがいないのです。つまり、ニールスがさっき出会ったのは、カルル十一世にちがいありません。
そとると、あっちの屋根やねからも、こちらの屋根やねからも、かわらがちてきました。しかし、みんなは、安全あんぜんに、広場ひろばげてまいりました。
時計とよっちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、御殿ごてんから、そと広場ひろばへとられて、みんなが、ゆきうえでもうたい、おどっているのを、ごらんぜられたのであります。
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
やがて、かれらのれつがあるたか広場ひろばたっしたときに、かつて天上てんじょう神々かみがみたちよりほかにはられていなかった芸当げいとうをして、きょうじたことでありましょう。
深山の秋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼくたちは、教場きょうじょうなかで、おそわるよりも、そとて、広場ひろばあそんだり、うたったりするときのほうがおおかった。
だれにも話さなかったこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、くろいしが、夜露よつゆにしっとりと湿れて、広場ひろばなかで、つきひかりらされてかがやいているゆめました。
山へ帰りゆく父 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある、わたしが、まちあるいていると、広場ひろばの、くらがりに、人々ひとびとがあつまって、なにかていました。
水七景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すっかりあき景色けしきとなって、こおろぎがいていました。うすもやが一めんりて、建物たてものあいだや、はやしあいだや、広場ひろばうえ渦巻うずまいているようにもられました。
山へ帰りゆく父 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おとうとは、まれつきふえ上手じょうずで、あねは、まれつきこえのいいところから、二人ふたりは、ついにこのみなとちかい、広場ひろばにきて、いつごろからともなくふえき、うたをうたって
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)
その太陽たいようは、はやくからがって、みつばちははなたずねてあるき、広場ひろばのかなたにそびえる木立こだちは、しょんぼりとしずかに、ちょうどたかひとっているように
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ふゆは、広場ひろばつち白々しろじろとてらしていました。ただ、かみくずが、かぜにふかれて、そのうえをとんでいます。二人ふたりは、なにをかんがえているのか、ぼんやりと、まえほうをながめていました。
かざぐるま (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、かえりに、もう一ってみました。先刻さっきたこをげていた子供こどもたちは、どこへいったか、姿すがたえなかったのです。さむかぜが、荒涼こうりょうとした広場ひろばいていました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
このみなみくにあつ午後ごごのこと、まちのはずれの広場ひろばでいろいろと手品てじなや、うたや、おどりなどをしてみせている興行物こうぎょうものがありました。そのなかには、このしろいくまのダンスもじっていました。
白いくま (新字新仮名) / 小川未明(著)
駅前えきまえ広場ひろばで、二人ふたりおんなはとなりあって、その新聞しんぶんを、ゆきひとっていました。一人ひとりは、もうとしをとった母親ははおやであったが、一人ひとりは、まだわかい、あかぼうをおぶったおんなでありました。
かざぐるま (新字新仮名) / 小川未明(著)
この広場ひろばに、工場こうじょうでもできるとか、また、みちとおるとかいうようなことがあって、このはなしでもがったなら、おそらく、このへん子供こどもたちはどんなにかなしむことかしれません。
町はずれの空き地 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたすかぎりの広場ひろばなかは、いろいろの風景ふうけい雑然ざつぜんとしてられました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
フットボールが、えなくなってしまってから、子供こどもたちは、ほんとうにさびしそうでした。広場ひろばあつまってきても、いままでのように、きゃっ、きゃっといって、あそぶこともなくなりました。
あるまりの一生 (新字新仮名) / 小川未明(著)
香具師やしは、広場ひろばに、ひびきわたるようなこえ
白いくま (新字新仮名) / 小川未明(著)