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冷淡
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れいたん
ふりがな文庫
“
冷淡
(
れいたん
)” の例文
父は
憤
(
おこ
)
ツてゐる、母夫人は
冷淡
(
れいたん
)
だ。周三は何處にも取ツて
付端
(
つきは
)
が無いので、
眞個
(
まつたく
)
家庭を離れて了ツて、獨其の
室
(
しつ
)
に立籠ツて頑張ツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
フェアファックス夫人は編物をたたみ私は
紙挾
(
かみはさみ
)
を取上げた。私たちは彼にお辭儀をすると、
冷淡
(
れいたん
)
な
會釋
(
ゑしやく
)
を返され、そのまゝ
引退
(
ひきさが
)
つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
いったい日本人は花の
香
(
にお
)
いに
冷淡
(
れいたん
)
で、あまり興味を
惹
(
ひ
)
かないようだが、西洋人と中国人とはこれに反して非常に
花香
(
かこう
)
を
尊重
(
そんちょう
)
する。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
でもそれすら、かくしにかの女のためのキャンデーか、みかんの一つ持ち合わせないときには、
冷淡
(
れいたん
)
にそっぽを向いてしまった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「どうせ、
乞食
(
こじき
)
の
子
(
こ
)
だもの。」と
思
(
おも
)
っていたので、かわいそうとも、おかしいとも
問題
(
もんだい
)
にしなかったほど、
冷淡
(
れいたん
)
でありました。
長ぐつの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
それにしても、その頃の江戸の町人連は、今の人が考へるやうな
冷淡
(
れいたん
)
なものではなく、五人組や月番が主になつて、何くれと世話をして居ります。
銭形平次捕物控:307 掏られた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
まま母ははじめから口もださず手もださず、きわめて
冷然
(
れいぜん
)
たるものであった。老人は
老妻
(
ろうさい
)
の
冷淡
(
れいたん
)
なるそぶりにつき、二
言
(
こと
)
三
言
(
こと
)
なじるような
小言
(
こごと
)
をいうたに
対
(
たい
)
し
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
恁
(
か
)
うしておつぎは
卯平
(
うへい
)
に
向
(
むか
)
つて
彼
(
かれ
)
が
幾分
(
いくぶん
)
づゝでも
餘計
(
よけい
)
に
滿足
(
まんぞく
)
し
得
(
う
)
る
程度
(
ていど
)
にまで
心
(
こゝろ
)
を
竭
(
つく
)
すことが、
善意
(
ぜんい
)
を
以
(
もつ
)
てしても
寧
(
むし
)
ろ
冷淡
(
れいたん
)
であるが
如
(
ごと
)
く
見
(
み
)
えねばならなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
今さら、君にこんなことを言う必要もないと思うが、友愛塾は、どんな相手に対しても
冷淡
(
れいたん
)
であってはならないんだ。あたたかな空気、それが塾の生命だからね。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
父のわたしに対する態度は、いわば
冷淡
(
れいたん
)
な
優
(
やさ
)
しさにすぎなかったし、母は母で、わたしのほかに子供がないにもかかわらず、ほとんどわたしを構ってくれなかった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
しかし克巳の目は、知らない人を見るように
冷淡
(
れいたん
)
でした。おれたちが、松吉、杉作なことが、まだ、わからないのかなと、松吉は思いました。歯がゆい感じでした。
いぼ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
女は主人公が部屋の
錠
(
じょう
)
をあけたときに、声をかけた。そして無理やりに泊っていったという。これでみると、Yという女は、気の毒にも主人公から
冷淡
(
れいたん
)
にあつかわれている。
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
で、
町
(
まち
)
では
病院
(
びやうゐん
)
の
這麼有樣
(
こんなありさま
)
を
知
(
し
)
らぬのでは
無
(
な
)
く、一
層
(
そう
)
棒大
(
ぼうだい
)
にして
亂次
(
だらし
)
の
無
(
な
)
いことを
評判
(
ひやうばん
)
してゐたが、
是
(
これ
)
に
對
(
たい
)
しては
人々
(
ひと/″\
)
は
至
(
いた
)
つて
冷淡
(
れいたん
)
なもので、
寧
(
むし
)
ろ
病院
(
びやうゐん
)
の
辯護
(
べんご
)
をしてゐた
位
(
くらゐ
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
あの
甘
(
あま
)
くして
柔
(
やはら
)
かく、
忽
(
たちま
)
ちにして
冷淡
(
れいたん
)
な
無頓着
(
むとんちやく
)
な運命の手に
弄
(
もてあそ
)
ばれたい、と
云
(
い
)
ふ
止
(
や
)
み
難
(
がた
)
い空想に
駆
(
か
)
られた。空想の
翼
(
つばさ
)
のひろがるだけ、春の青空が以前よりも青く広く目に
映
(
えい
)
じる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
啓吉は、当局者の
冷淡
(
れいたん
)
な、事務的な手配と、軽佻な群衆とのために、屍体が不当に、
曝
(
さら
)
し物にされている事を思うと、前より一層の
悲憤
(
ひふん
)
を感じた。笑っている群衆も、群衆である。
死者を嗤う
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
左
(
さ
)
れば瘠我慢の一主義は
固
(
もと
)
より人の私情に
出
(
いず
)
ることにして、
冷淡
(
れいたん
)
なる数理より論ずるときはほとんど
児戯
(
じぎ
)
に等しといわるるも
弁解
(
べんかい
)
に
辞
(
じ
)
なきがごとくなれども、世界古今の実際において
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「さうですか。でも、ありやあ
好
(
い
)
い
眠氣覺
(
ねむけざま
)
しですよ‥‥」と、
彼
(
かれ
)
は
冷淡
(
れいたん
)
に
答
(
こた
)
へた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
叔父
(
をぢ
)
は
死
(
し
)
んだ。
叔母
(
をば
)
と
安之助
(
やすのすけ
)
はまだ
生
(
い
)
きてゐるが、
生
(
い
)
きてゐる
間
(
あひだ
)
に
打
(
う
)
ち
解
(
と
)
けた
交際
(
つきあひ
)
は
出來
(
でき
)
ない
程
(
ほど
)
、もう
冷淡
(
れいたん
)
の
日
(
ひ
)
を
重
(
かさ
)
ねて
仕舞
(
しま
)
つた。
今年
(
ことし
)
はまだ
歳暮
(
せいぼ
)
にも
行
(
い
)
かなかつた。
向
(
むかふ
)
からも
來
(
こ
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
どんな
大至急
(
だいしきふ
)
要用
(
えうよう
)
でも
封
(
ふう
)
といふを
切
(
き
)
つた
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
く、
妻
(
つま
)
とは
言
(
い
)
へ
木偶
(
でくのばう
)
がお
留守居
(
るすゐ
)
して
居
(
ゐ
)
るやうに
受取
(
うけとり
)
一通
(
いつゝう
)
で
追拂
(
おひはら
)
つて、それは
冷淡
(
れいたん
)
に
投
(
な
)
げて
置
(
お
)
いたものなれば、
旦那
(
だんな
)
さまの
御立腹
(
ごりつぷく
)
は
言
(
い
)
はでもの
事
(
こと
)
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何もできもしない百姓の
分際
(
ぶんざい
)
で、金があるからといって、生意気な奴だと思った。初めての教員、初めての世間への
首途
(
かどで
)
、それがこうした
冷淡
(
れいたん
)
な幕で開かれようとはかれは思いもかけなかった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
だがお別れもせず、一言か二言お禮や挨拶の言葉も云はせずぢやいけない、つまりそんなぶつきら棒な
冷淡
(
れいたん
)
なやり方ぢやいけませんよ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
そしてなにかわたしにわからないことを言うと、夫はふふんと
笑
(
わら
)
った。かの女の
冷淡
(
れいたん
)
と、わたしの父親の
嘲笑
(
ちょうしょう
)
とが
深
(
ふか
)
くわたしの心を
傷
(
きず
)
つけた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
乞食
(
こじき
)
の
子
(
こ
)
は、しくしく
泣
(
な
)
きだしました。
町
(
まち
)
へいって、みんなに
冷淡
(
れいたん
)
にされているほうが、まだよかったように
思
(
おも
)
いました。
長ぐつの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
源四郎はもちろん妻のしぶりに
同情
(
どうじょう
)
しているが、さりとてまま母の
冷淡
(
れいたん
)
に
憤慨
(
ふんがい
)
するでもない。
黙
(
だま
)
って酒を飲み、ものを食っている。雨はいよいよ降りが強くなってきたらしい。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
で、
町
(
まち
)
では
病院
(
びょういん
)
のこんな
有様
(
ありさま
)
を
知
(
し
)
らぬのでは
無
(
な
)
く、一
層
(
そう
)
棒大
(
ぼうだい
)
にして
乱次
(
だらし
)
の
無
(
な
)
いことを
評判
(
ひょうばん
)
していたが、これに
対
(
たい
)
しては
人々
(
ひとびと
)
は
至
(
いた
)
って
冷淡
(
れいたん
)
なもので、
寧
(
むし
)
ろ
病院
(
びょういん
)
の
弁護
(
べんご
)
をしていた
位
(
くらい
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
これが死ぬほど自分を愛している者に対する態度だろうか。かりに彼女の父があからさまに真実を語ったとしたらどうだろう。それでも彼女はそうした
冷淡
(
れいたん
)
な態度に出られるのだろうか。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
ではございますが、あなたは道夫に対し、たいへん
冷淡
(
れいたん
)
でいらっしゃいます。
新学期行進曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
先生も生徒も、一日か二日は
冷淡
(
れいたん
)
にあなたを眺めるかも知れないけれど、心の中には親切な氣持ちが隱してあるのよ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
こうなると、いままで、
救
(
すく
)
ってもらったものが、まったく
食
(
た
)
べられなくなって、
餓死
(
がし
)
したものもあります。
世間
(
せけん
)
では、
急
(
きゅう
)
に、
金持
(
かねも
)
ちの
冷淡
(
れいたん
)
を
責
(
せ
)
めました。
船でついた町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
わたしは自分を
芸人
(
げいにん
)
だとはちっとも思ってはいなかったけれど、見物のひどい
冷淡
(
れいたん
)
さがわたしをがっかりさせた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「あんたはなにか
冷淡
(
れいたん
)
な
仕打
(
しうち
)
をしたのですか」
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
もらってから、
出
(
だ
)
すのでは、なんだか
冷淡
(
れいたん
)
のような
気
(
き
)
がする。いっそ、
二人
(
ふたり
)
のところへ
訪
(
たず
)
ねてゆこうかしらんと
考
(
かんが
)
えたが、お
正月
(
しょうがつ
)
は、めいわくだろうと
思
(
おも
)
ってやめた。
ある少年の正月の日記
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おばさんがわたしたちにあたえた
冷淡
(
れいたん
)
な
待遇
(
たいぐう
)
は、わたしたちにふたたびあのうちへもどる
勇気
(
ゆうき
)
を
失
(
うしな
)
わせたので、六時すこしまえにマチアとカピとわたしは、
鉱山
(
こうざん
)
の入口に行って
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
母親 あなたはあまりに
冷淡
(
れいたん
)
です。
新学期行進曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そのたび、ほこりでよごれたたてがみが、
雲
(
くも
)
のように
波
(
なみ
)
うちました。
集
(
あつ
)
まった
人々
(
ひとびと
)
は
遠
(
とお
)
まきして、
見物
(
けんぶつ
)
しました。
自分
(
じぶん
)
に
関係
(
かんけい
)
のないことは、たいていの
人
(
ひと
)
は、
冷淡
(
れいたん
)
なものです。
道の上で見た話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「わたしのような
老
(
お
)
いぼれになんの
技術
(
ぎじゅつ
)
がありますものか」とかれは
冷淡
(
れいたん
)
に答えた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
ある
日
(
ひ
)
、
彼
(
かれ
)
は、
今日
(
きょう
)
こそ
美
(
うつく
)
しい
嫁御
(
よめご
)
を
見
(
み
)
たいものだと
思
(
おも
)
って、
酒
(
さけ
)
を
買
(
か
)
いにゆきましたが、やはり
見
(
み
)
られなかったばかりでなく、
番頭
(
ばんとう
)
から、
冷淡
(
れいたん
)
にされて、
悲
(
かな
)
しんで
家
(
うち
)
へ
帰
(
かえ
)
ると
赤いガラスの宮殿
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
親方は
冷淡
(
れいたん
)
に
婦人
(
ふじん
)
にあいさつをした。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
あれほど、
母親
(
ははおや
)
は、
自分
(
じぶん
)
をかわいがってくれたのに、そして、
死
(
し
)
んでからもああして
自分
(
じぶん
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
を
守
(
まも
)
ってくれたのに、
自分
(
じぶん
)
はそれに
対
(
たい
)
して、あまり
冷淡
(
れいたん
)
であったことに、
心
(
こころ
)
づきました。
牛女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けれど、バケツは、
冷淡
(
れいたん
)
に、からからと
笑
(
わら
)
ってとりあいませんでした。
ねずみとバケツの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
博労
(
ばくろう
)
は、もっと、
前
(
まえ
)
の
男
(
おとこ
)
よりも
冷淡
(
れいたん
)
でありました。
百姓の夢
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
冷
常用漢字
小4
部首:⼎
7画
淡
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“冷”で始まる語句
冷
冷笑
冷々
冷水
冷汗
冷酒
冷評
冷飯
冷泉
冷酷