げい)” の例文
旧字:
両方りょうほう軽業師かるわざしのするのをたものは、あたまをかしげました。それほど、この二人ふたりげいは、人間にんげんばなれがしているといってよかったのです。
二人の軽業師 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いぬかわをかぶって、おせんのはだかおも存分ぞんぶんうえうつってるなんざ、素人しろうとにゃ、鯱鉾立しゃちほこだちをしても、かんがえられるげいじゃねえッてのよ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
あなたのその犬とおさるが毎日げいをしてくれば、アーサとわたしが見物になってあげる。あなたはハープをひいてくれるでしょう。
さて新吉は、こんどは前と反対に、背中を下にして、つまり竹竿の上にあおのけになってかめの子のように手足を動かすげいに移ったのです。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
いざ小手こてしらべは虹渡にじわたりの独楽こま! 見物人けんぶつにんかさのご用心! そんな口上こうじょうをはりあげて蛾次郎がじろう、いよいよ独楽こままわしのげいにとりかかろうとしていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
所為しわざいやしけれども芸術げいじゆつ極意ごくいもこゝにあるべくぞおもはるゝゆゑに、こゝにしるして初学しよがくの人げいすゝむ一端はししめす。
その進行係は私にお任せ願いますが、あるいは皆さんにかくげいを出していただくようなことがあるかもしれませんから、そのご用意を願っておきます。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
げいもねえ、あだけたことはつしやるな。成程なるほどふねいたはわるいけんど、蹴込けこんだとは、なんたることだの。」
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
自分に偉い力がないと思いながら、そのない力をあるかのごとく見せ、力ある人を力なきものと仮定し、おのれをあざむき、人を欺くげいであるから、なかなか骨が折れよう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「さうだ。なにか一つうです。我々われ/\は皆なげいなしだからな。」
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「四からげいく、れいのこる。斯ういう算術を御存じですか?」
心のアンテナ (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
『われわれのげいもうすはずざっとんなもので……。』
縹緻きりょういがげいうまいわい」と口の中で呟いた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「からすに、これほどげい仕込しこむのは容易よういなことじゃない。もっとにぎやかなみやこっていったら、どんなにかねもうけができるかしれない。」
からすの唄うたい (新字新仮名) / 小川未明(著)
が、としわかいし、げい達者たっしゃであるところから、作者さくしゃ中村重助なかむらじゅうすけしきりにかたれて、なに目先めさきかわった狂言きょうげんを、させてやりたいとのこころであろう。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
わたしはカピのげいにはひどくじまんであったから、かれにありったけの芸をやらした。れいによってかれは大成功だいせいこうをした。
げい気合きあいもの、独楽は生き物。いくらまわし手が名人でも、そうお葬式そうしき饅頭まんじゅうからすがよってきたように、ガアガアさわがれていてはやりきれない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
げいごとのおくたっすると、そういうことがあるもので、これはおまえの芸道げいどうのためには、よろこばしいことじゃが、しかし、あぶないところじゃった。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
所為しわざいやしけれども芸術げいじゆつ極意ごくいもこゝにあるべくぞおもはるゝゆゑに、こゝにしるして初学しよがくの人げいすゝむ一端はししめす。
げいかみはからひであらうもれない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのあいだに、しろいくまは、げいというほどのことでもないが、見物けんぶつかって、あたまげたり、からだ左右さゆうすってみせるようなことをおぼえました。
白いくま (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれはもっともむずかしいげいの一つをやりとげたときと同様に、得意とくいらしくわたしの賞賛しょうさんもとめていた。これはほんの二、三秒の出来事であった。
いうまでもなくこのげいは、新吉しんきちがもと鍛冶屋かじや小僧こぞうだったので、それから思いついた芸で、歌の文句もんくの「たたけやたたけ、はげあたま」というのは
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
その真剣しんけんぶりに、万千代や小姓たちが、少しあとへさがったのをしおとして、かれはまた、ふたたびげいにとりかかるような身構みがまえをキッと取り
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
げいがよくって愛嬌あいきょうがあって、おまけに自慢気じまんげなんざくすりにしたくもねえッておひとだ。——どこがわるくッて、どうたおれたんだか、さ、そこをおいらに、くわしくはなしてかしてくんねえ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
武左ぶざきやくにはげいしやがこまる。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「いえ、わたしはカピにげいをしこみます。そうだろう、ね、カピ。おまえ、なんでもわたしののぞむものを習うだろう」
が、まもなく、新吉しんきちがきえちゃんの身代みがわりになってげいをやったのだと知ると、どこまでも意地悪いじわるでつむじ曲がりの団長は、こんどはそのことを怒り出しました。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
二人ふたり軽業師かるわざしは、たがいに相手あいてげいをほめたのであります。そして、二人ふたりは、いずれも一、あってちかづきとなり、げいについてはなってみたいとおもっていました。
二人の軽業師 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そんなら、あなたは、わたし未熟みじゅくげいをどこかでごらんくだされましたか……。」と、たずねました。
二人の軽業師 (新字新仮名) / 小川未明(著)
『ジョリクールの家来』『大将たいしょうの死』『正義せいぎ勝利しょうり』『下剤げざいをかけた病人』、そのほか三、四しゅ芝居しばいをやってしまえば、もうおしまいであった。それで一座いちざの役者のげい種切たねぎれであった。
……どうぞげいは、未熟みじゅくですが、とおいところからきているとおもってかわいがってやってください。
白いくま (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこで、四にんは、たびたのであります。そして、ゆくさきざきでいろいろのげいをしてみました。四にん年若としわかおんなたちは、いずれもうつくしいかおで、人々ひとびとをうっとりとさせました。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「もっとおもしろいなにかげいをするむすめさんたちが、あつまってこないものかね。」と、おじょうさまは、その劇場げきじょうへいってみられたけれど、それからおんなは、平凡へいぼんなものばかりでした。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしも、そんなことをおもっていたのよ。もうこのまち生活せいかつにもきましたから、四にんたびて、ゆくさきざきの劇場げきじょうで、わたしたちのげいをしてみせたら、かえっておもしろいかもしれない。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうおもうと、たとえ自分じぶんげい未熟みじゅくながら、かんがえずにいられようか、平常ふだんはたんすや、行李こうりなかへしまいこまれて、おにいらなければ、そのままむしにくわれ、永久えいきゅうてられるのである。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それらのどもは、なんでもおやのないどもや、貧乏びんぼういえからどもをって、こんなふうにげいをしこみ、ぜにをもらってあるくのだが、どものもらいがすくないと、どもをいじめたり、また
さか立ち小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、無口むくちげいなしのからすをあざわらっていたのです。
からすの唄うたい (新字新仮名) / 小川未明(著)