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はまべ
ふりがな文庫
“
浜辺
(
はまべ
)” の例文
旧字:
濱邊
ある
日
(
ひ
)
の
晩方
(
ばんがた
)
、
赤
(
あか
)
い
船
(
ふね
)
が、
浜辺
(
はまべ
)
につきました。その
船
(
ふね
)
は、
南
(
みなみ
)
の
国
(
くに
)
からきたので、つばめを
迎
(
むか
)
えに、
王
(
おう
)
さまが、よこされたものです。
赤い船とつばめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けれど
浜辺
(
はまべ
)
に立ってたまさかに遠くの沖をかすめて通る船の影を見ると、わしには再び希望が
媚
(
こ
)
びるように浮かんでくるのです。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
此故
(
このゆゑ
)
に
腥
(
なまぐさ
)
き
血
(
ち
)
の
臭
(
にほひ
)
失
(
う
)
せて
白粉
(
おしろい
)
の
香
(
かをり
)
鼻
(
はな
)
を
突
(
つ
)
く
太平
(
たいへい
)
の
御代
(
みよ
)
にては
小説家
(
せうせつか
)
即ち
文学者
(
ぶんがくしや
)
の
数
(
かず
)
次第々々
(
しだい/\
)
に
増加
(
ぞうか
)
し、
鯛
(
たひ
)
は
花
(
はな
)
は
見
(
み
)
ぬ
里
(
さと
)
もあれど、
鯡
(
にしん
)
寄
(
よ
)
る
北海
(
ほつかい
)
の
浜辺
(
はまべ
)
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
と——やがて約束の
亥
(
い
)
の
刻
(
こく
)
ごろ、
浜辺
(
はまべ
)
のほうから、百
鬼
(
き
)
夜行
(
やこう
)
、
八幡船
(
ばはんせん
)
の黒々とした一列が、
松明
(
たいまつ
)
ももたずに、シトシトと足音そろえて、ここへさしてくる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
するとおなくなりになった命は、大きな白い鳥になって、お墓の中からお出ましになり、空へ高くかけのぼって、
浜辺
(
はまべ
)
の方へ向かって飛んでおいでになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
▼ もっと見る
二人は元の路を逆に歩いているつもりであったが、どう間違えたものか、変に
磯臭
(
いそくさ
)
い
浜辺
(
はまべ
)
へ出た。そこには
漁師
(
りょうし
)
の家が雑貨店と
交
(
まじ
)
って貧しい町をかたち作っていた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
毎日、
夕暮
(
ゆうぐれ
)
になるとあなたからの手紙が
廻送
(
かいそう
)
されているような気がして、姉の子をおぶい、散歩に出た
浜辺
(
はまべ
)
から、
祈
(
いの
)
るような気持で、姉の家に帰って行ったものです。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
寺男はこまって、ひとり、ぼつぼつ
浜辺
(
はまべ
)
づたいに寺の方へ帰ってきました。と、おどろいたことには、
狂
(
くる
)
ったようにかき
鳴
(
な
)
らすびわの音が、どこからか聞えてくるではありませんか。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
野糞
(
のぐそ
)
放
(
ひ
)
る
外
(
そと
)
が
浜辺
(
はまべ
)
や
玫瑰花
(
まいくわいくわ
)
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
恨
(
うらみ
)
は
深
(
ふか
)
し
七里
(
しちり
)
が
浜辺
(
はまべ
)
七里ヶ浜の哀歌
(新字新仮名)
/
三角錫子
(著)
潮
(
しほ
)
かをる北の
浜辺
(
はまべ
)
の
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ところどころの
巌角
(
いわかど
)
に波
砕
(
くだ
)
け散る。秋。成経
浜辺
(
はまべ
)
に立って海のかなたを見ている。康頼岩の上に腰をおろして
木片
(
きぎれ
)
にて
卒都婆
(
そとば
)
をつくっている。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
赤
(
あか
)
い
船
(
ふね
)
は、
浜辺
(
はまべ
)
に
四日
(
よっか
)
、
五日
(
いつか
)
、とまっていました。そして、四
方
(
ほう
)
から、
毎日
(
まいにち
)
のように
集
(
あつ
)
まってくるつばめを
待
(
ま
)
っていました。
赤い船とつばめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ただ、二人でよく
故里
(
ふるさと
)
鎌倉
(
かまくら
)
の
浜辺
(
はまべ
)
をあるいている
夢
(
ゆめ
)
をみる。ふたりとも一言も
喋
(
しゃべ
)
りはしない。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
できるならば一刻も早く用を片づけて、約束通り明るい路を
浜辺
(
はまべ
)
まで帰りたいと念じた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
月のないくらい
夜
(
よる
)
には、この壇ノ浦の
浜辺
(
はまべ
)
や海の上に、
数
(
かず
)
しれぬ
鬼火
(
おにび
)
、——めろめろとした
青
(
あお
)
い
火
(
ひ
)
が音もなくとびまわり、すこし風のある夜は、波の上から、
源氏
(
げんじ
)
と
平家
(
へいけ
)
とが
戦
(
たたか
)
ったときの
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
すると、あちらの
浜辺
(
はまべ
)
の
方
(
ほう
)
から、
一人
(
ひとり
)
のじいさんが一つの
小
(
ちい
)
さな
屋台
(
やたい
)
をかついで、こっちに
歩
(
ある
)
いてくるのに
出
(
で
)
あいました。
夕焼け物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
第一幕と同じさびしき
浜辺
(
はまべ
)
。
熊野権現
(
くまのごんげん
)
の前。横手に
貧
(
まず
)
しき森。その一端に荒き
丸太
(
まるた
)
にてつくれる形ばかりの
鳥居
(
とりい
)
見ゆ。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
少女
(
おとめ
)
はどうかして、あのとこなつと
同
(
おな
)
じい
花
(
はな
)
はどこかに
咲
(
さ
)
いていないかと
思
(
おも
)
って、
毎日
(
まいにち
)
のように
浜辺
(
はまべ
)
を
探
(
さが
)
して
歩
(
ある
)
きました。
夕焼け物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「あれを
吹
(
ふ
)
くのは、
弟
(
おとうと
)
か、
兄
(
あに
)
そっくりじゃないか。また、この
浜辺
(
はまべ
)
へも、
昔
(
むかし
)
のような
平和
(
へいわ
)
が、やってきたな。」と、ささやき
合
(
あ
)
っているのです。
たましいは生きている
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
浜辺
(
はまべ
)
にはいろいろな
青
(
あお
)
や、
白
(
しろ
)
や、
紫
(
むらさき
)
や、
空色
(
そらいろ
)
の
花
(
はな
)
などがたくさんに
咲
(
さ
)
いていました。けれどあの
赤
(
あか
)
いとこなつと
同
(
おな
)
じい
花
(
はな
)
は
見
(
み
)
つかりませんでした。
夕焼け物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ほのぼのと、
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
け
放
(
はな
)
れると、
人々
(
ひとびと
)
は
浜辺
(
はまべ
)
にきて
海
(
うみ
)
をながめました。そして
顔
(
かお
)
の
色
(
いろ
)
を
変
(
か
)
えてびっくりいたしました。
黒い旗物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二日
(
ふつか
)
たっても、
三日
(
みっか
)
たっても、せがれの
乗
(
の
)
った
船
(
ふね
)
はもどってきませんでした。ある
日
(
ひ
)
のこと、その
船
(
ふね
)
の
破片
(
はへん
)
が
波
(
なみ
)
に
打
(
う
)
ち
寄
(
よ
)
せられて、
浜辺
(
はまべ
)
に
上
(
あ
)
がりました。
一本の銀の針
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
かれらは
朗
(
ほが
)
らかに
笑
(
わら
)
いました。
内気
(
うちき
)
の
娘
(
むすめ
)
は、その
後
(
ご
)
も、
浜辺
(
はまべ
)
にきて、じっと
沖
(
おき
)
の
方
(
ほう
)
をながめて、いまだに
帰
(
かえ
)
ってこない、
若者
(
わかもの
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
を
案
(
あん
)
じていました。
海のまぼろし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それからというもの、おばあさんの
心
(
こころ
)
が
海
(
うみ
)
に
残
(
のこ
)
っていて、いまにも、
浜辺
(
はまべ
)
へ
打
(
う
)
ち
寄
(
よ
)
せる
波
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
が
海のおばあさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
浜辺
(
はまべ
)
に
立
(
た
)
って、
沖
(
おき
)
の
方
(
ほう
)
を
見
(
み
)
ながら、いつも
口笛
(
くちぶえ
)
を
吹
(
ふ
)
いている
若者
(
わかもの
)
がありました。
風
(
かぜ
)
は、その
音
(
ね
)
を
消
(
け
)
し、
青
(
あお
)
い、
青
(
あお
)
い、ガラスのような
空
(
そら
)
には、
白
(
しろ
)
いかもめが
飛
(
と
)
んでいました。
海のまぼろし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夜
(
よ
)
の
明
(
あ
)
けるのを
待
(
ま
)
ちました。やがて、あらしの
名残
(
なごり
)
をとめた、
鉛色
(
なまりいろ
)
の
朝
(
あさ
)
となりました。
浜辺
(
はまべ
)
にいってみると、すでに
箱
(
はこ
)
は
波
(
なみ
)
にさらわれたか、なんの
跡形
(
あとかた
)
も
残
(
のこ
)
っていません。
希望
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
太郎
(
たろう
)
は
浜辺
(
はまべ
)
に
立
(
た
)
って、わしのくれた
遠眼鏡
(
とおめがね
)
で
沖
(
おき
)
の
方
(
ほう
)
をながめますと、ちょうど、わしの
瞳
(
ひとみ
)
のようにその
眼鏡
(
めがね
)
は、
幾
(
いく
)
百
里
(
り
)
も
遠
(
とお
)
い
遠
(
とお
)
い
海原
(
うなばら
)
の
景色
(
けしき
)
が、その
中
(
なか
)
に
映
(
うつ
)
るのでありました。
薬売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
少年
(
しょうねん
)
は、いまにも、
雷
(
かみなり
)
が、
頭
(
あたま
)
の
上
(
うえ
)
に
落
(
お
)
ちそうなので、
浜辺
(
はまべ
)
に、
引
(
ひ
)
き
上
(
あ
)
げてあった、
船
(
ふね
)
の
下
(
した
)
に
腹
(
はら
)
ばいになって、
二人
(
ふたり
)
のけんかを
見
(
み
)
ている
中
(
うち
)
に、
二人
(
ふたり
)
は、
岩
(
いわ
)
の
鼻先
(
はなさき
)
から、
抱
(
だ
)
き
合
(
あ
)
ったまま
お母さんのかんざし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
広
(
ひろ
)
いすそ
野
(
の
)
のふちを、
青黒
(
あおぐろ
)
い
色
(
いろ
)
の
海
(
うみ
)
が、うねりをあげ、そして、もやのかかる
松林
(
まつばやし
)
や、
白
(
しろ
)
い
砂
(
すな
)
の
浜辺
(
はまべ
)
は、
浮
(
う
)
き
織
(
お
)
りの
模様
(
もよう
)
のように
見
(
み
)
えるので、さすがに
天女
(
てんにょ
)
も、しばらくはわれを
忘
(
わす
)
れて
羽衣物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
浜辺
(
はまべ
)
の
砂
(
すな
)
の
上
(
うえ
)
に、じっとしてすわっていた
若者
(
わかもの
)
は、やっと
夢
(
ゆめ
)
からさめたように
立
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がり、
方々
(
ほうぼう
)
を
見
(
み
)
まわしましたけれど、もうどこにも、
天女
(
てんにょ
)
の
姿
(
すがた
)
もなければ、
羽衣
(
はごろも
)
のかげもありませんでした。
羽衣物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また、あらしの
日
(
ひ
)
にも、
兄
(
あに
)
のしたごとく、
浜辺
(
はまべ
)
へ
出
(
で
)
て、
鳴
(
な
)
らしました。しかし、
兄
(
あに
)
のハーモニカが、ここにありながら、それを
愛
(
あい
)
する
兄
(
あに
)
の、いないということは、
考
(
かんが
)
えるとさびしいかぎりでした。
たましいは生きている
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これをばみんな
船
(
ふね
)
の
中
(
なか
)
にいれたのでは、これから、もっと
沖
(
おき
)
へ
出
(
で
)
て
仕事
(
しごと
)
をするのに
邪魔
(
じゃま
)
になりましたから、
獲
(
と
)
れた
魚
(
さかな
)
を
島
(
しま
)
の
浜辺
(
はまべ
)
に
上
(
あ
)
げておいて、
帰
(
かえ
)
りに
持
(
も
)
ってゆこうということにしたのであります。
幽霊船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
浜
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
辺
常用漢字
小4
部首:⾡
5画
“浜”で始まる語句
浜
浜町
浜路
浜町河岸
浜松
浜荻
浜納屋
浜方
浜名湖
浜木綿